立 , 体 の切断 9 、 1 立体の切断 構造物は外観図たけではその内部形状や構造を表わすことができない . たとえは目動車工ンジン の内部構造は , 外観 ( 外側 ) では知ることができない . そこで , 立体の内部を示すため , 仮想平面 でこれを切った断面をつくる . 平面が立体を切ったとき生ずる切ロの面を断面 (Section) といい 切断する平面を切断平面 (Cutting plane) という . 図 9.1 は 三角錐の切断で , T が切断平面 , 三角形イロハが断面であ る . 断面図としては切断平面 T から手前の部分を取り除いた 残りの部分 ABC イロハ全部を書くことになり , 断面の輪郭 を示す線を断面線 * またはハッチング * * とよぶ . 断面線は立 体と切断平面との交線である . 一般に断面を作図するにはつぎの方法がある . ( 1 ) 副投影法による方法 . ( 2 ) 立体の稜または面を含む補助平面を用いる方法 . 9.2 多面体の切断 多面体の切断を求めるには , 稜と切断平面の交点を求め , これを直線で結ぶか , または多面体の 側面と切断平面との交線を順を追って求めてゆくか , どちらかの方法をとるが , ときには両方を併 用する場合もある . 作図題 1 三角錐 V-ABC を VP に垂直な平面 T で切断したときの断面の実形を求めよ ( 図 9.2 参照 ) . 方針 I) 切断平面 T は VP に垂直であるから , t't ′と v'a', v'b', v'c' との交点 1 ′ , 2 ′ , 3 ′ が T と各辺 VA, VB, VC との交点の立面図で , これより平面図 1 , 2 , 3 を求め れば断面図が書ける . 2 ) t't' に平行に XI ′ YI ′を引いて副投影を書けば断面の実形 I ⅡⅢが求まる . * , * * ハッチングは特別の理由がなければ 45 。の右上がり線とする . ただし異なる断面が隣接する場合は , その方向を変えて区分するが , 断面外形線に平行にすることは避ける . 図の大きさによるが , 大体 2 ~ 3 mm 間の平行線を書き , 線の太さは 0.3 mm 以下に書く . イ 図 9. 1
10 ・相貫体 717 して利用する . たとえば , 側面 BCCIBI を補助平面 T とすると , この補助平面 T で 三角柱 DEF を切った断面の立面図は三角形 m'h'i' ()t と ffl との交点 m より上 に m ′を求める ) で , この三角形 b ′ b ′との交点として g', j' が求まる . 3 ) 求めた各点を結ぶとよい . 作図題 5 三角錐と三角錐との相貫図を求めよ ( 図 10.7 参照 ). 方針 1 ) 三角錐 V-ABC と U-DEF とする . 辺 UD, UE, UF が三角錐 v-ABC を貫く点 G, II, I, J, K, L を求める . 2 ) 辺 VC が三角錐 U-DEF を貫く点 M, N を求める . 3 ) VC を含み VP に垂直な平面で U-DEF を切った断面が三角形 , 11 , 12 , 13 で , これと vc との交点 m, n より v'c' 上 m'n' を求めて , 求めた各点を結ぶ . 多面体と曲面体の相貫線は , 多面体の辺が曲面体を貫く点を頂点とし , 多面体の面と曲面体の曲 10. 4 多面体と曲面体の相貫体 高・最低点などの限界点および相貫曲 曲面体の外形線上の点 , 相貫曲線の最 この相貫線を求めるには , その頂 . 占 面との交線でこれを結んだ形となる . 線上の途中の点を求めて , を結ぶと求まる . これらの点 01 ④ 作図題 6 同じ水平面上に底面をも 求めよ ( 図 10.8 参照 ) . つ斜円錐と斜円柱の相貫を 方針 1 ) 斜円錐 VT-aT, Vp-ap と斜円柱 OT-OT, OF-OF を与える . 2 ) 円錐の頂点を通り円柱 の軸に平行な直線を含む 補助平面法による . 3 ) VFPF//OF-OF, 底面を 通る水平面上に PF, その P ト 0 ト 図 10.8 K ト 平面図を VTPT//OT-OT になるようにして PT を求める . が VPB 補助平面による円錐面の跡線になり , それと円柱面の跡線 bT を通る円柱の 4 ) PT を通る直線と円柱および円錐の底面との交点を bT , IT, 2T とする . VTIT, VT2T
2 斜投影の陰影 斜投影の傾角 斜投影の比率・ ・・・ 54 , 139 ・ 54 , 139 161 ・ 158 ・ 158 167 斜透視 測地線・・ 測点・ 第一角法・・・ 第三角法・ 対角線 【た 行】 縮閉線・・・ ・・・ 45 準線・ 37 象徴図・ 消点の全透視・ 伸開線・・・ 垂直軸測投影・・・ 垂直線の引き方・・ 垂直な直線・・・ 水平投影面・・・ 錐面の展開・・ 数学的手法 図学と工業製図の違い 図式解法 図法幾何学・・ 図面・・・ 図面の大きさ・・・ 図面の置き方・・・ 図面の折りたたみ方・・・ 図面の呼称・・・ 寸法の移し方・・・ 図面用文字・・・ 図面の輪郭・・・ 図面の分類 ・・・ 145 ・・・ 172 ・・・ 45 ・・・ 51 ・・・ 68 ・・・ 52 ・・ 122 ・・・ 147 ・・・ 24 ・・・ 10 ・・ 14 ・・ 21 23 ・・・ 23 ・・ 21 ・・ 21 ・・・ 20 ・・・ 11 対数うずまき線・・・ 楕円・・・ 楕円面・・・ 多面体・・・ 多面体と曲面体の相貫体・ 多面体と多面体の相貫体・ 単面投影・ 断面 多面体の切断・ 直接 3 軸の投影 頂点・ 鳥瞰図 柱面の展開・・ 直線の全透視・・ 直線の基本位置・・・ 直線の傾きと実長・・・ 直線と平面とのなす角・・・ 直線と円周の等分法・・・ 直線が両投影面となす傾き・・ ・・・ 122 ・・・ 176 ・・・ 103 ・・ 115 ・・・ 117 ・・・ 89 ・・・ 97 ・・・ 38 ・・・ 44 ・・・ 89 103 ・・ 172 ・・・ 63 ・・・ 65 ・・・ 83 ・・ 29 ・・・ 71 ・・ 148 ・・・ 89 , 90 ・・ 153 ・・・ 123 ・・・ 146 ・・・ 135 製図器械 製図における切断図 製図板・ 3 ・ 106 製図用紙のはりつけ方・ 103 122 切断平面 正多面体の展開 直線の標高投影 135 直線の副投影 旦の交わり 直立投影面・・・ 直投影・・ ・ 59 51 ・・・ 66 , 67 ・・・ 52 直角錐・ 90 切頭角錐・・・ 慚近線・・ 線織面・・・ 線の種順・・・ 線の種類と太さの関係 線の透視・・ 線の分類・・・ 線の用途・・ 相貫図・ 相貫線・ 相貫体・ 双曲線・・・ 足線・ 測線・ ・・・ 63 ・・・ 40 ・・・ 92 ・・ 17 ・・ 18 ・・・ 167 ・・ 18 ・・・ 17 , 18 ・・ 113 ・・・ 113 ・・・ 113 ・・・ 39 ・・ 168 ・・・ 176 低外転トロコイド・・ 停点 底面・・ 展開・ 展開図・ 点の透視・ 点の標高投影・ 投影図・・ 等角図法・ 等角投影図法・ 等角投影法・・ 等高線・・・ 等軸覧投影・ 投視図・・ 透図法・・ ・・・ 47 ・・ 168 ・・・ 36 , 90 ・・ 121 ・・・ 121 ・・・ 167 ・・・ 135 ・・・ 49 ・・ 140 ・・・ 140 140 ・・・ 52 , 137 ・・・ 151 ・・ 165 ・・・ 143
Ⅱ編立体図学 3 ) 1 ′ 2 ′ 3 ′と p'q' との交点 1 ′ , m ′より pq 上に 1 , m を求める . 方針Ⅱ直線 PQ を含み VP に垂直な平面を補助 平面とする場合 . 1 ) 補助平面で四角錐を切った断面の平面図 4 5 6 7 を求めると , これと pq との交点が平 面 1 , m になる . 2 ) 1 , m より p ′ q 上に立面図 1 ′ , m' を求める . 114 図 1 0 ・ 2 C F 図 10.3 作図題 2 水平底囲をもつ角錐と直線の相貫を求めよ ( 図 10.4 参 . 、、 方針 1) 四角錐の主投影図と直線 lrmr, IFmp を与える . 2 ) 角錐の頂点 Vr, VF と直線で定まる補助平面による角錐面の跡線を書き , それと直 線との交点を求める . 補助平面による角錐面の跡線は角錐が水平底面をもつので , そ の水平面上の補助平面による跡線を書くと求まる . 3 ) VrIr, VFmp を延長して角錐の底面の水平面上の点 apbp. Vrmr の延長上に ap, bF の平面図 ar, br, arbr が補助平面による水平面の 4 ) VrIr, 跡線 . 5 ) arbr dr, その正面図 CF, dF,Vrcr と角錐の底面との交点 cr, "v'rdr とし m 「の交 図 10.4
9 ・ 立体 の 切断 109 印 ( 両端 ) をつけて明示する . 9.4.7 半分は投影面に平行に , 他の半分は投影面にある角度をもって切断する方法 図 9.14 に示すように , 対称形または , これ に近い品物で , 切断したい場所が 1 直線上にな い場合には , 対称中心線を境として , その片側 を投影面に平行に切断し , 他の片側を投影面と ある角度をもって切断したのち , その角度だけ 回転して 1 直線上においた断面図として示す . 9.4.8 切断しないもの 断 AOA 断面図のなかにあっても , それを断面として図 9.14 投影面にある角度をもって切断する方法 表わさないほうがむしろ理解しやすい部分は , 断面図として表わさない . JIS によると「軸 , キー コッタ , ポルト , リべットなどは長手方向に切断しないのを普通とする」と定めている . その例を 図 9.15 に示す . 可 ポルトの断面 、ロ 軸 座金 リプ ポルト 可 リべットの断面 、ロ 図 9.15 断面できないもの 練習問題 ( 1 ) 三角錐を直立面に垂な平面にて切断せよ . ( 2 ) 図 9.16 において円錐を平面 ABCD にて切断し図を完成せよ . ( 3 ) 斜円柱を HP に垂直な平面 T で切断したときの断面線を求めよ . ( 4 ) 船体の断面線を求めよ . 5 ) 図 9. 17 に示す (a)æ(h) の断面図は通常なんと呼ばれている断面図か . また , 各図の断面部分に よハッチングを施せ . ( 6 ) 図 9. 18 (a)—(d) を記号で指示された個所を断面図で示せ .
ノ 0 イ Ⅱ編 図 9.2 9. 3 立体図学 作図題 2 三角錐 V-ABC を投影面に傾く平面 方針 図 9.3 (PQRS) で切断したときの断面図および断 面の実形を求めよ ( 図 9.3 参照 ) . 1 ) pq に垂直に当を引き副投影 Vß1b1 およびを書く . 2 ) 副投影の交点 11 , 21 , 31 より 1 , 2 , 3 さらに 1 ′ , 2 ′ , 3 ′を求めれば断面図が 書ける . 3 ) 切断平面 PQRS を TH 面まで回せば 断面実形 I ⅡⅢが書ける . th 曲面体の切断 一般に曲面の断面図では , 断面の曲線が正面図と平面図において , それそれの外形線と接する 占断面曲線の最高と最低の点を求める . これらの点を限界点 (Limiting points) または特殊点 (Special points) といい , それらの点により求める断面曲線の範囲の極限点がわかるから , まずこれ
14. 1 いろいろな図法と絵画的図法 軸測投影がどんなものか知るまえに , 「図」と呼ばれるものを分類して , 軸測投影法で書いた図 がそのなかのどのへんの位置にあるか知ることによって , より理解がたやすくなると同時に , いま まで学んできた図の位置もわかると思うので表 14.1 に示したものを順を追って , いろいろな図法 の概説をしておく . 表 14. 1 14. 多面投影法が 3 つの垂直な面への投影であるが , 軸測投影は図 14.3 のように , 物体の斜め前方 軸 測 守殳 . 製図的手法 絵川ⅱ」手法 いろいろな図 数学的手法 14.1.1 第一角法と第三角法 多面投影法 単面投影法 コンピューク図法 第一角法 第三角法 写真的發法 象徴図 透視図法 れ : : , 】乂彡卩こ 軸測投影法 等角画法 等角投影法 キャビネット カノヾリエ 3 軸投影法 2 結投影 等角投影図法 グラフ・チャート 6 章の 6.2.1 項で述べてあるが , 第一角法は物体を図 14.1 のように , 平面 , 正面 , 側面をも った壁の前に置いて , 平行光線を各面に垂直な 3 方向から当てたときにできる影像について書く方 なかへ物体を入れ , 各方向から平行に見たとき , その面にできる影像を書いものである . 法であり , 図学および機械製図でも一部使用されている . 第三角法は図 14.2 のように , 透明箱の この手法 は , 図面とか製図といわれているものが , ほとんど第三角法にて書かれている . 14.1.2 軸測投影法 (Axometric projection)
Ⅱ編立体図学 90 角が 3 つ以上の面からなり , その多面角の和が 38 。 ( 四直角 ) 以ードであるという条件による . 正多面体の投影図を書くには , 一面を水平投影面に倒し , それを稜を軸として再び起こして立体 を組立てるように作図すると便利である . 8.3 その他の多面体 多面体には正多面体のほかに角錐 (Pyramid) と角柱 (Prism) がある . 角錐はその底面が多角形 であり , 他の側面が角錐の頂点 (Vertex) と呼ばれる 3 つの共通の頂点をもっている三角形から構 成された多面体である . 軸 (Axis) は底面の中心を頂点に連ねる直線であり , 軸が底面に垂直であ るときは直角錐 (Right pyramid) といい , そうでないときは , 斜角錐 (Oblique pyramid) という . 角錐の高さは , 頂点から底面の平面までの垂直距離で表わす . 切頭角錐 ( 角錐台 ) は , 切断平面に よって角錐の頂点部分を切断してできた立体である ( 図 8 ・ 2 参照 ). 角柱 (Prism) とは , 2 つの合同の底面 (Base) と呼ばれる平行平面と , 平行四辺形で囲まれてい 構成多角形 外形図 頂点の数稜の数 とその数 正三角形 8 正方形 6 直四角錐 十四而体 24 斜五角錐 正三角形 8 正方形 ニ十六面体 48 24 切 正五角形 正六角形 20 三十二面体 90 60 窟 . 0 . 2 正 三十二面体 60 30 正三角形 20 正方形 30 正五角形 六十】一而体 120 60 アルキメデス立体 , 半正面体 , または 疑似正面体とも呼ばれる 図 8.2
106 Ⅱ編立体図学 4 ) 面素 v4 と切断平面との交点 D を求めるには , 卍から XY に平行線を引き , v ′ 7 ′と の交点 k ′から v7 上に k を求める ( 円錐を軸 v 。のまわりに 90 。回転したことによる ) ・ v を中心 , vk を半径とする円と v 4 との交点が d になる . 方針Ⅱ ( 補助平面法 ) 補助平面 TI ( 図 9.5 では水平面 ) と曲面 ( 円錐 (o) との交線を E ( 円 ) とし , 切断平面 T と TI との交線 FG と E との交点を H, I とすると , H , I は断面線 D 上の点になる . このように補助平面を多く用いて断面線 D 上の点を多く求め , これらを 結ぶ . 補助平面は作図が容易であり , 曲面との交線 E の投影が円か直線になるように結ぶ こと ( 図 9 ・ 6 参照 ). 1 ) XY に平行に tl ′ tl ′を引き , 外形線との交点 j ′から j を求める . 2 ) v を中心とし vj を半径とする円 ()I と円錐の交線 E の平面図 ) と h' (t ′ t' と tl ′ t と の交点 ) から XY に下した垂線 fg (T と TI の交線 FG の平面図 ) との交点が h , i に なる . 同じようにして断面線上の点を多数求める . 3 ) A, B は長軸の両端の点であり , 短軸の両端の点 k, m を求めるには , a'b ′の中点 k ′で XY に平行線を引き , 1 ′から 1 というように上記と同じく作図すればよい . 4 ) 面素 v4 上の点 d を求めるには , d' で XY に平行線を引き , 同上のように作図す ればよい . 9.4 製図における切断図 断面は基本中心線で切断した面で表わすのを基本とするが , そのほかにも , て , いろいろ切断が行なわれる . その切断方法にはつぎに示すものがある . 9.4.1 全形を基本中心線で切断する方法 品物の形状によっ これは図 9.7 のように , 品物の基本中心線から真半分に切断して図示する方法である . ( b ) 正 図 9.7 全断面図 基本中心線でない切断 ( c ) 誤り 0 図 9.8 図 9.9 半断面図
122 Ⅱ編立体図学 面体は展開できるもの ( 単曲面 ) と , 近似的にしかできないもの ( ねじれ面など ) とがある . また , 立 体の表面上の 2 点を結びつけた最短距離を測地線 (Geodesic line) といい , 展開図では測地線はつね に 1 直線となる . 11. 1 図 11 . 2 に正多面体の展開図を示す . 11. 2 正多面体の展開 錐面の展開 角錐のときは , 多面体になるが側面が三角形であるから 3 辺の実長を求めて三角形の実形を接続 させて書いていればよい . 作図題 1 四角錐 V-ABCD を展開し , 2 点 P, Q 間の測地線を求めよ . さらに , VP に垂直 方針 な平面で切断したときの断面線を展開図上に記入せよ ( 図 11.3 参照 ). 図 1 1 . 3 1 ) 図 11 . 3 で底面 ABCD は水平 (a'c ′ //XY) とする . 2 ) 亠 a ′ c ′ , v'vl//XY (VlV2 は四角錐の高さ ) なる線 VIV2 を引く . 3 ) a'V2 上に v2m=va なる ar を求め , Vlal は辺 VA の実長になる . 4 ) 同じように , v2b1=vb, V2CI=vc, v2dI=vd により各辺 VB, VC, VD の実長 V1b1, Vldl を求め , また AB, BC, CD, DA の実長はそれそれ ab, bc, cd, da で ある . 5 ) VlA1=vßl, VlBl=v1bI, AlBl=ab にとって , 斜面三角形 VAB の実形 VIAIBI