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検索対象: これ一冊でわかるeラーニング専門家の基本 : ICT・ID・著作権から資格取得準備まで
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1. これ一冊でわかるeラーニング専門家の基本 : ICT・ID・著作権から資格取得準備まで

図 1 .3 学習者間の関わりと時間による分類 (l) 同期型自己学習 学習者が同一の時間に , ネットワーク上の教材にアクセスして個々に学習する 形態である。学習者はあらかじめ決められた時間だけ教材を学習できる。例えば , レベルの異なる複数の教材を公開し , 習熟度の異なる学習者を同時に学習させる 場合などは , この学習形態に分類できるだろう。 学習者が同一の時間に ( 2 ) 同期型協調学習 1 .2 e ラーニングの学習形態 11 学習者が同一の場所に集合して学習する形態を集合学習 , 学習者がそれぞれ異な る場所で学習する形態を分散学習と分類することができる。 以降では , この 3 つの組合せによる関わりを見ていく。便宜上それぞれの項目 を用いて分類したものであるため , 実際にはあまり行われることがない学習形態 もあるが , e ラーニングの多様な学習形態を知るうえでは欠かせないという考え から , 紹介することとした。 1.2.1 学習者間の関わりと時間による分類 ここでは , 学習者間の関わりと時間を尺度に学習の形態を考えてみよう。図 1.3 の縦軸は時間 ( 同期学習なのか非同期学習なのか ) とし , 横軸は学習形態 ( 自己 調整学習なのか協調学習なのか ) とする。 ネットワークを活用してコミュニケーションをはかり 同期型自己学習 自己 非同期型自己学習 同期 同期型協調学習 協調 非同期型協調学習 非同期

2. これ一冊でわかるeラーニング専門家の基本 : ICT・ID・著作権から資格取得準備まで

実際に行動できる ( 必要な場面で使えること ) 話す 聴く ( 相槌 , 質問の適切な使用 ) 読み取る それ以外の部分で失礼がないようにふるまえる 態度 おもてなし , 思いやりの気持ちを示せる 相手を尊重していることを示せる 時間管理 , 健康管理ができる 相手との約東に誠実でいる 社会的ルールを順守しているなど 見た目 , それ以外の目標については , 新人研修の別の部分でも扱うことができ る。また , 日々の注意事項として研修を通して行うのが実践的であろう。 言葉遣いについては , ますは 3 種類の存在を認識させてから , それぞれを学習 させるのがよさそうである。尊敬語 , 丁寧語 , 謙譲語を 1 っすっ扱うか , 例題中 心で総合的に扱うかは要検討である。実際の行動として話し方にするか , メール などの書きものにするか , 他の研修の内容と重複しないように選択する必要があ る。 行動 解答例には , まだ不足しているところがあるかもしれない。例えば , 敬語が使 える , という面から詳細化したが , 失礼な言葉 , 軽薄と思われる言葉遣いを避け ることができる , という目標を加えることも考えられる。相手先からの資料につ いて「頂戴します」 , 「拝見します」と言いながら「そのサイトは私どもからは見 れません」と言ってはだいなしである。正しくは「見られません」と言わなけれ ばならない。いわゆる , 「ら抜き言葉」である。 詳細化も構造化も , 「これが正解 ! 」といえるただひとつの答えはない。多く の考え漏れをみつけることができれば , 学習目標の詳細化は成功である。構造化 を行って詳細化の不備がわかったら , 詳細化に戻るべきである。 6.4 学習目標構造化 115

3. これ一冊でわかるeラーニング専門家の基本 : ICT・ID・著作権から資格取得準備まで

る。設計にかかる時間と工数 , 開発期間 , 実施期間 , 評価をして改善に至るまで の期間 , 関係するスタッフの役割と人数などを含むスケジュールと予算を表にし て添付する。これにより , 採用を決める関係者が実現可能性を判断できるように なる。さあ , 企画提案書を作成するために様々な分析をしていこう。まずは , ーズ分析から。 5.2 ーズ分析 マナプが昨日 1 日かけて書いた企画提案書は , きっかり 20 秒でミチコの手によって葬られ 「残念だけど , これではダメね」 「ミチコ先輩 , 僕の考えた企画書は , 何がいけなかったんでしようか」 「ああ , それよ。「僕の考えた企画書」は必要ないの」 一瞬 , これってイジメなんだろうか ? という暗い考えがマナブの脳裏をかすめる。 「マナブ君 , 以前はシステム開発をやっていたんでしょ ? 企画書をつくるとき , 最初にどんな ことをしていたの ? 」 「まあ , お客様にヒアリングしたり , 今までのシステムを検証したり , 他社のシステムのこと を調べたり・・・」 「そうよね。じゃ , 私は会議があるからもう行くね。頑張って」 言い終わらないうちに立ち上がり , 書類を片手にミチコは部屋を飛び出していく。 「研修は君がつくるけど , 君が考えるんじゃないのよ , いい ! ? 」 振り向いて念を押すかのように言い残し , 頼るべき先輩はドアの向こうに消えた。主のいな いデスクの前で , マナプはミチコの言葉の意味を考えてみた。これまでのシステム開発でやっ てきた仕事から , 「要求定義」という言葉が思い浮かんだ。そうだ , 自分であれこれ考えるより , まず新入社員に関する社内の要求を調査してみよう。それに , これまでの研修を受けてまだそ れほど時間が経っていない若手にも話を聞いたほうがいいな。 マナプは , 新しい仕事のやり方の糸口が少し見えてきたかもしれないという気がした。 74 第 5 章分析フェーズ

4. これ一冊でわかるeラーニング専門家の基本 : ICT・ID・著作権から資格取得準備まで

会では , どんな仕事においてもその仕事において求められるスキルをすべて備え ている人は , そう多くはない。そう考えると , 1 人の人間にすべてのプロセスを 任せることは , 効率・効果の面でも正しい選択とはいえないことになる。 先に述べたことは考えてみれば当たり前のことだが , 実際の e ラーニングでは どうだろうか ? e ラーニングにおいても状況は同じである。こでは , 実際に ニングを運用するうえで , どのような知識と技能を持った専門家が必要な e フー のかを見ていくことにする。 1.4.1 コンテンツやコース運営に関する知識や技能を持つ専門家 WBT で e ラーニングを実施するとしても , 単にウエプサイトの知識だけを持 った人がっくるのでは , 見栄えがよくても学習効果の面で疑問が残る。この点に (1) 教材に関する分析や設計を行う専門家 いては , 以下の 2 種類に分類できるだろう。 ショナルデザインの知識や技能を持った人が求められるはすだ。この専門家につ ついては , 第Ⅱ部において詳しく説明する授業設計の手法である , インストラク るだろう。対面授業ならば , 相手の表情などを見ることである程度予想がっくこ 授業の進め方などに関する知識や経験 , 技能を持った専門家が必要になってく 1.4.2 授業運用に関する知識と技能を持つ専門家 なものとなる。 や設計の段階ではコンテンツの実態はないが , この専門家によってはじめて有形 ながら , コンテンツ開発に関わる業務を取り仕切る専門家がこれにあたる。分析 インストラクショナルデザイナの設計に基づいて , 品質やコスト , 納期を守り ( 2 ) 教材の開発を行う専門家 e フー ニングのコースやコンテンツを設計する専門家がこれにあたる。 行っている。ある学習目標を達成するために必要な分析を行い , それに基づいて 一般に , 「インストラクショナルデザイナ」と呼ばれる専門家が , この業務を 1 .4 e ラーニングを支える専門家 19

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いじゃないですか」 マナプがそういうと , ミチコは頭に手を当てしばし考え込んだ。う一 , と唸りながら , 上を 向いたり下を向いたりと忙しい。やがて手で膝を打ち , 体を起こしたミチコが口を開いた。い つになく表情が硬いように見える。 「マナブ君は , 何でこの研修の教材が講義ビデオコンテンツだと思うの ? 」 「え , 何か違うんですか ? 」 とても意外なことを言われたような気がして , マナプは腰を浮かしかけた。 「ざっくり言うとね , 人がものを憶えるのにも順序とやり方ってものがあるのよ。君が言った , 「こんな教材にしよう」っていうのは , その順序と学習の方法を見極めてからでないと決められ ないわけ」 マナプは , この仕事を始めたときに , いきなりコンテンツのサンプルをつくろうとして止め られたことを思い出した。順序と学習の方法。もしそれらが間違っていたら ? 「時間を割いて仕事に役に立たないことを学ぶか , いくら必死に学習してもたいして身につか ないかよ」 6.3 学習目標詳細化 演習問題 今回のビジネスマナー研修はどの領域と考え , 切か。あなたの考えを簡単に述べなさい。 6.3.1 学習目標詳細化の意義 どのレベルまでを目指すのが適 学習内容をつくっていくために最も重要なのは学習目標である。分析結果とし て , 目標は定まっているはずであるが , それを実現可能な目標として , 具体的な 到達レベル , 確認方法まで決め , その目標を達成するために何が必要かを考えて 詳細化していく。発注者と学習者の両方に研修の結果を明示するためであり , 後 述するテストの作成につながっていく。 学習の目標について , 有名なプルームの教育目標の分類を確認しておこう。プ ルームは認知的領域 , 情意的領域 , 精神運動的領域に分けて , それぞれのレベル を定義した。つくろうとしている研修はどの領域に属し , どのレベルを目指して 6.3 学習目標詳細化 107

6. これ一冊でわかるeラーニング専門家の基本 : ICT・ID・著作権から資格取得準備まで

つまり , CDP は , 従業員一人ひとりの課題として取り組むだけでなく , 企業 全体としてそのプログラムを開発するとともに , 従業員のそれぞれが所属する部 門や組織で実行していくべき人材開発の課題といえる。企業側としては , 事業ビ ジョン , 事業戦略を明確にし , 社員にキャリアの大枠を示すべきである。従業員 個人として自律的に行うキャリア開発が行える社内の支援体制の整備としては , 次のようなものがある。 ・社内公募制度 ・社内フリーエージェント制度 ・上司によるキャリア面談 , 目標管理制度 ・キャリア開発ワークショップ , キャリア・カウンセリング そして , 従業員個人としてのキャリア開発において , 個人の転機となる「移行 期」には , 節目のキャリアデサインということが大切になる。一方 , 移行期以外 では , キャリア・ドリフト , つまり , キャリアについて考えすぎす , ますは状況 に身を委ねてみるということも必要だといわれている。 2.5 組織学習とこれからの e ラーニングの利用可能性 2.5.1 「組織学習」から「ラーニング組織」への系譜 個人の獲得した個人知識が , 組織の他のメンバーに伝達共有され組織知識とし ても獲得 , 蓄積される。すなわち , 組織が学ぶということは , まず個人の知識の 変革 , その変革過程を経て , その組織内での伝達 , 他者の受容という社会化のプ ロセスを通過し , 組織知識となって組織学習が成り立つのである。したがって , 新たな知識の受容は , 組織のパワー構造をはじめ , 組織文化との適合が必要にな る。そしてはじめて組織に新知識は受け入れられ , 他の知識は統合され , 組織メ ンバーに共有され , 組織知識として獲得 , 蓄積されることになる。 組織学習のコンセプトは , 1960 年代後半の学術論文に登場している [ 11 ] 。そ の組織学習の端緒は , サイアートとマーチ (Cyert & March, 1963 ) であること は多くの研究者が指摘している。組織学習とは何かの定義については , 「行為と 結果の関係と , その関係への環境の影響に関する知識を開発する組織内プロセス 38 第 2 章 ICT 活用による企業内教育と新たな人材開発

7. これ一冊でわかるeラーニング専門家の基本 : ICT・ID・著作権から資格取得準備まで

・変更 : どこかの何かを変更する ( もっとよい内容を思いついたとき ) この 4 つの改善方法と , 改善の対象 ( テスト , 教材 , システム , メンタリング など ) を組み合わせた報告書であれば , 具体的な改善につながりやすい。 最後に , コースやコンテンツの改善はなぜ必要であり , 評価活動を続けること のメリットは何なのかを考察しておきたい。評価活動に対する批判のひとつはホ ートン [ 5 ] が挙げているように「評価自体に時間やお金がかかりすぎる」とい うことである。この指摘は , 評価を後ろ向きにとらえればもっともな側面を持っ ており , インストラクショナルデザイナであれば「評価にかけている時間を , 新 しいコンテンツの開発に振り向けたい」と考えるのも当然かもしれない。 しかし , ADDIE モデルも PDCA サイクルも , 評価から次の分析や設計が始ま るのはなぜであろうか。一度の開発で完全なコースやコンテンツができると考え ごうまん るのは傲慢であるばかりでなく , 現実にも即していないのではないだろうか。 また , e ラーニングの特徴のひとつは学習者側に主導権があることであり , コ ースに合わせて学習者を動かそうとする方向よりも , 学習者に合わせてコースを カスタマイズする方向を目指す学習形態である。インストラクタやインストラク ショナルデザイナが , 学習者をコントロールしようとすればするほど「いつでも , どこでも , 何度でも」学習できる e ラーニングのよさは打ち消されていくことに なる。たとえ , ある学習者が e ラーニングコースを修了したとしても , 嫌悪感を 持ってつまらなく学習していれば , e ラーニング嫌いを生み出していくことにな る可能性がある。反対に , 常に様々な角度から学習者のデータを分析し , コース を改善していることがわかれば , モチベーションにも満足度にもよい影響がある はずである。 さらに , 教育や研修の質保証という観点からも , 組織的 , 体系的な評価活動を 習者中心に設計され , これまでとは違った多面的な改善ができる e ラーニングに 評価は設計や開発に比べると地道な活動の積み重ねである。しかし , 行っていることは , 重要であろう。 一方で学 9.2 総括的評価 165 ために , 評価活動を決しておろそかにしないよう心がけたい。 おいては , 欠かすことのできない活動でもある。よりよい e ラーニングの実現の

8. これ一冊でわかるeラーニング専門家の基本 : ICT・ID・著作権から資格取得準備まで

業員のモチベーション向上」 , 「業務展開上に必要なタイミングで学習プログラム の提供」などを重視する企業が増えており , 企業内教育としての e ラーニングに 求められるニーズも変化してきた。 2.2.2 e ラーニングの研修対象と教育訓練の主導主体 ニング導入企業の研修対象について見てみると , 8 割近くが全社規模を e フー 導入対象としている傾向にある。その研修内容は , 全社べースの「汎用的な知識」 が多い。例えば , 英語などのコミュニケーションや , 最近ではコンプライアンス や情報セキュリティの問題が多発するなかで , 全社一斉教育により全社員の底上 げ教育の必要性が高まっている。このような大人数を対象に短期間に実施すべき 一斉教育に e ラーニングは非常に適しており , e ラーニングの導入を後押しして いるといえる。 一方 , 部門べースでの「業種・職種別に特化した知識」の教育にも , e ラー ングが活用されるようになってきた。このような状況変化から , 教育訓練の主導 主体について , これまでは本社人事部門が取り組んでいたが , 今後はその主導体 制には変化がみられるであろう。つまり , 本社が主導すべき研修内容と , 専門業 務を直轄するライン部門が主導すべき特定の専門知識・技術に関わる研修内容を うまく組み合わせていくことが求められる。 企業の競争が激しくなるなかで , 業務改善に役立つ教育訓練へのニーズはます ます高まっており , 現場の教育訓練ニーズを実際に把握しているライン部門に教 育訓練の主導体制がシフトすることも考えられる。ライン部門の教育訓練の効率 化と実践的な教育ニーズに対応するために , 前述したように e ラーニングと集合 研修を組み合わせたブレンディッドラーニングが , ますます浸透していくと考え られる。 2.2.3 企業の人材開発部門から見た重点事項 ニング導入企業のなかに , 自社の人材戦略に e ラーニングを組み込んで e フー いる企業が増えてきた。例えば , e ラーニングと人事システム , ナレッジマネジ メントシステム , さらには ERP (Enterprise Resource Planning) システムの人 32 第 2 章 ICT 活用による企業内教育と新たな人材開発

9. これ一冊でわかるeラーニング専門家の基本 : ICT・ID・著作権から資格取得準備まで

し , 学習者自らがその学習の価値を見出すことの重要性を示唆している。教材に おいては , 学習者にとって興味がある内容を取り扱ったり , 彼らにとって親しみ のあるトピックを取り扱ったりすることで , 学習意欲を高めるよう取り組む必要 がある。こでは , 分析フェーズで得た結果を参考に , 学習者のニーズを満たす ような内容かを十分に吟味することが不可欠である。 自信 (Confidence) とは , 文字どおり , 学習が順調に進んだという成功体験を させ , 自信をもたせることの重要性を説いている。自信を得るためには , 学習者 が自分で学習をコントロールできるような学習活動を導入する必要がある。 では , 学習者を尊重し , 学習者が練習問題や課題に主体的に取り組むという機会 を設けるとよい。 満足感 (Satisfaction) は , 学習に楽しさややりがい , 達成感などを感じるこ とで得られるものである。また , 何か外的な動機付け ( よい成績 , 賞賛の言葉 , 単位認定など ) を得ることからも , 満足感が生じる。特に , 習得した知識やスキ ルが意味のあるものだと実感できるような機会をつくることが大切である。また , 学習の成果を公平に評価されることで , スキルが向上した , 新しい知識を身につ けたという実感が得られる。分析フェーズで得た情報をうまく活用し , 学習者が 満足感を得られるように工夫するとよい。教材設計においては , 学習の成果が明 確にわかるような仕組みや , 達成感を得られるような機会や場面を設定するのが 望ましい。 演習問題解答例 では , ARCS モデルを活かしたビジネスマナー研修の教材設計について , 考え よう。 ます , 注意 (Attention) を考えると , 学習者の注意をひくようなものや , 学 習者に探究心を抱かせるようにする工夫が必要だ。ビジネスマナーに関する簡単 なクイズのようなものを , 写真や動画を使って行ってみるのもよいだろう。ビジ ネスマナーとして適切かどうかを , 〇 , x で答えてもらうようなものを使うとそ れぞれのトピックを考える機会が得られ , 注意をひくことができる。そこでは , 再詳細化で出てきた 3 つの目標に関連する , 身だしなみ , 言葉遣い , ふるまいな どから問題を出すようにする。それらを研修でもっと知りたいと思うように , 少 124 第 7 章教材設計と実施計画

10. これ一冊でわかるeラーニング専門家の基本 : ICT・ID・著作権から資格取得準備まで

にわたり継続して学習してもらうためのモチベーション方法の確立は , 今回の事 例以外でもニーズが多く , それゆえビジネス化のチャンスは高いといえる。 株式会社デジタル・ナレッジ ニングをビジネスツールのひとっとして展開している企業は多い。多く e フ の場合は , e ラーニング以外にもビジネスを展開しているが , 株式会社デジタル・ ナレッジは , e ラーニングだけで成長を遂げている異色の企業である。こでは , このデジタル・ナレッジがどのような経緯で設立され , どのようなビジネススキ ームで成長を遂げてきたのか ? そこから見えてくる e ラー ニングビジネスのポ イントなどをご紹介する。お話しは , 同社代表取締役社長の垪弘明氏 , プロモー ション事業部事業部長 ( 兼 ) プランド推進室室長の丹羽潤一氏に伺った。 株式会社デジタル・ナレッジは , 1995 年に設立された比較的新しい企業である。 教材開発 , ホスティング , 運用 , コンサルテーションなど e ラーニングに関する あらゆる要素をトータルにサポートしている。現在 400 を超えるスクール ( = 教 育ビジネス事業者 ) や学校法人 , さらには企業内研修を実施する部門に対して , カスタム化された e ラーニング講座の立ち上げを行い , 成功に導いている。 小学生向け在宅学習システムの開発がスタート 起業への道程は , PC を活用した小学生向け在宅学習システムの開発から始ま ったという。手弁当でつくり上げた教育システムを営業するなかで , 市場におけ るニーズは感じたが , より多くのユーザに興味をもってもらうためには , プラン ドカのある教育のプロ ( 学習塾 ) の理解と協力が必要だということを痛感し , そ の分野への働きかけの末に起業することとなった。 自己を冷静に分析できたことが起業成功のポイントのひとつであった。つまり , 自らに足りないもの ( 教育に関する知識やノウハウ ) を冷静に自己分析し , それ を外部のプロに求めたことになる。何でも自家生産してしまっては , 無駄な費用 がかかるうえに効果も望めない点に当初から気がついていた。そして , 学習塾と のビジネスの成功により , 以後はロコミやプロジェクトに関わった人たち経由で 株式会社デジタル・ナレッジ 279