なめに 2 倍強と見積もってみてもピークの力は noo 以上ということになる。 ・チラベルトは、 噂によると ( あまり定かではないが ) パラグアイ代表のゴールキー ボールスピードの測定で時速 160 を記録したそうである。ボールと足との接触時間はほ とんど変わらないはずなので、同じように計算をしてみると平均の力は 193 瓸、そのピー クは 386 瓸以上になるはずである。やはり彼はタダ者ではない。日本のマスコミがつけた 計算してみると改めてわかるが、こんなすごいシュートからゴールを守るゴールキー 旅も大変なポジションである。正面でボールをキャッチするということは、ボールの運動量を 学 止まっている状態に戻すということである。衝撃をやわらげる時間が、キッカーの足とボー 科 る ルとの接触時間と同じならば、同じだけの力を受けてしまうことになる。 め を仮に衝撃をやわらげる時間を倍にできたとしても、チラベルトのシュートならば平均で 1 カ oo 弱の力を受け止めなければならない。そのことを知ってか知らずか、ゴールキー サ 、コールに入らない程度にボールの方 は強いシュートに対しては無理にキャッチにいかない。、 章 向を変え、その運動量を逃がしているのである。これならば衝撃をまともに受ける心配はな 第 。特にハイレベルなゲームになってシュートのスピードが上がるほど重要な技術だといえ ハラグアイの怪人″の呼び名は間違っていなかった。 1 引
図 17 ジャンプ方向が摩擦円錐の外側になると滑り ( スリップ ) が発生してジャンプできない ノースリップ 摩擦円錐 スリップ せ、最短時間でボールに到達する必要があ るのだ。 問題となるのは、体幹の回転運動は高い 位置のボールより低い位置のボールの方が 大きくなる点だ。これは低いボールほど処 理するのが技術的には難しいことを意味す る。 実際、ゴールキー ーの側方 2 ・ 1 E の 位置に、 1 ・ 9 、 o ・ % 、 o の三段 階の高さにボールをセットして到達時間を 比較すると、低いボールほど時間がかかる のである。この結果は、高いボールより低 いボールの処理の方が難しいことを示して おり、ジャンプ技術だけでなく体幹の回転 運動をコントロールする能力も重要である
ンパクトボイントが 1 ずれると、秒速約 1 ・ 3 E の速度差が生じると推定される。速すぎ ても遅すぎても狙ったコースを外すことになるわけだ。 ロベルト・カルロスやべッカムら、一流のフリーキッカーたちは、ゴールまでの距離やコ ースによって、ボールの回転と速度を的確に判断し、スイングスピードとインパクトボイン トの極めて微妙なコントロールを行ない、ゴールを増産し続けているのである。 世界で勝負できるドリプルカ 腰を曲げて重心を低くするのではない 世界を代表するようなフォワードの選手は、ドリプルの名手でもある。リバウド ( プラジ ル ) 、ロナウド ( プラジル ) 、オーウエン ( イングランド ) らのドリプルは、それだけでもエ キサイティングであり、ボールを持っただけで観衆を湧かせることができる。では、ドリプ ルの運動学的特性とはどういうものだろうか ? ドリプルはただボールを蹴って追っかけるのではなく、ディフェンスがいるのかいないの か、スペースはあるのかどうか、狙いは何かなど様々な状況によって、ボールタッチやスピ
下がり、その後、また大きくなっていくことが知られている。この空気抵抗が急激に変化す サッカーボールの場合、条件にもよるが秒速幻 5 % る一定の速度のことを臨界速度といし のレンジにあると推定される。したがって、キックされたボールがこの臨界速度を通過す るような速度で飛んだ場合、急激に空気抵抗が大きくなることによってボールが減速し、ゴ ールキー パーはボールが近くに来て急に曲がったように感じるのである。 このような空気抵抗の急激な変化をドラッグクライシスと呼び、これを積極的に利用した る 析のが、ゴルフボール表面の窪み ( ディンプル ) である。このドラッグクライシスの効果は重 をカなどによる上下方向の運動軌跡にも同じ影響を及ぼし、ボールのコースをドロップさせる レ のである。 プ ハーが比較的慣れているインステップキックによるシュートは、わずか 夕また、ゴールキー ス ジ に低速のバックスピンがかかる場合が多い。その場合、若干上向きに揚力が働いたボール軌 タ ン跡 ( コースが下がりにくい ) となる。逆に、カープキックは回転の方向からバックスピンが フ 少なく、ボールコースが下がったように感じさせることになる。そして、これらの総合的な 章 作用により、曲がって落ちるフリーキックが可能となるのだ。 第 フリーキックでは、ボールの回転数だけでなくボール速度が極めて重要な要素であり、イ
に伝達することによって、強烈なシュートを放つ。また一流選手は、体勢が崩れた状況でも ボール速度を高めるための技術的メカニズムを瞬時に複合的に組み合わせ、驚異的なゴール を挙げていると言えるのである。 速くて急角度に曲がる究極のフリーキック る す 析 一流選手のカーブキックのメカニズム を現代サッカーにおいて、ゴール前のフリーキックは最大のゴールチャンスである。特にロ レ ベルト・カルロス ( プラジル ) ゃべッカム ( イングランド ) のような一流選手のカープキッ プ タクは、相手チームを恐怖のどん底に陥れる。ボールを曲げる技術は、何もフリーキックだけ ジに使われるわけではない。様々な局面で用いられる、一流選手には不可欠のテクニックなの タ ンである。 フ テレビで見てもわかるように、インステップキックとカープキックではフォームが異なる 章 し、同じカープキックでもインフロントカープキックとアウトフロントカープキックとでは、 第 フォームが異なる ( 図 4 ) 。ここでは、これらのカープキックに共通する要素や特性を踏ま
図 6 ボールの回転と速度は反比例の関係にある ・回転数 ( 左縦軸 ) ー 0-- ポール速度 ( 右縦軸 ) 0 ) 0 【 0 0 一 0 0 -0 0 LO 一 っ Od C\J ィー 1 秒間あたりの回転数 ( 回 / 秒 ) ポール速度 ( E / 秒 ) 0 5 ) 0 一 0 0 ( 0 っっィー 1 5 0 一 0 LC) 【 0 -1 0.16 年 6 月、フランスのリョンでロベル ト・カルロス ( プラジル ) が放ったミラク d E ルフリーキックは、ボールスピードが秒速 程度と推定され、回転数が少ないこと ゼから、比較的ボールの中心に近いところを d フ はインパクトしたと考えられるのだ。 ら空気抵抗で急激に速度が変化する ーを惑わす 椥カープキックがゴールキー 8 のは、曲がるからだけではない。 d 中 一のボールが空気中を飛ぶ場合、回転による →横方向のカ ( 揚カ ) のほか、空気抵抗によ るプレーキカ ( 抗力 ) や重力がかかる。一 般にボールの空気抵抗は、速度に比例して 大きくなるが、一定の速度で急激に抵抗が
図 16 スローイン時の手首、肘、肩、腰の速度変化 速度 ()/ 秒 ) ポールリリースの瞬間 12.0 首 / 肘一 をボールに伝達する「鞭の運動」のメカニ ズムとまったく同じであり、脚の曲げ伸ば しを含めた全身を使ってボールを投げるこ とが、ロングスローの秘訣なのである。 CD ゴールキーピング 低いシュートほどセープしにくい C\J 0 唯一ボールを手で扱えるゴールキー ⑩は、現代サッカーにおいて最も重要なポジ LO c.D ションの一つである。その技術の巧拙は得 点に直接結びつくため、極めて大切だ。 師カーン ( ドイツ ) やブッフォン ( イタリ ア ) をはじめ、世界のトップクラスのゴー ルキー ーを見ると、例外なく高度なダイ
サッカーはチームゲームである。したがって、勝利を得るためには、ゴールキー イフェンダー、ミッドフィールダー、フォワードなどのポジションで構成されたチームメン バーが、各自のパフォーマンスを最大限に引き出すことが重要と考えられる。特に、攻撃面 では、各ポジション間をパスとドリプルを組み合わせてボールをつなぐため、パフォーマン ス発揮の基本は、正確な状況判断と正確なパス、ドリプルであるといえよう。前者は、プレ ーヤー個人の能力に依存することが多い反面、後者は、正確なパスを出すための、また思い どおりにボールコントロールがなされたドリプルを行なうためのべースが必要となる。ここ で述べるべースとは、足をグランドに固定させること、必要な方向へより高速にターンさせ ること、最適なボールスピンを掛けること、高速なボール蹴り出しをすること、さらには 分間プレーヤーの疲労を軽減させることなどが挙げられる。このべースを確立するには、サ ッカースパイクが重要な役割を担っていることはいうまでもない。 本章では、サッカースパイクの基本的構造を紹介するとともに、サッカースパイクに要求 される機能や、その機能を発揮するための構造について、それらの評価手法を織り交ぜなが ら説明していきたいと思う。 190
第 1 章ファンタジスタのプレーを解析する ことがわかる。 一見、ゴール上方のネットに突き刺さるシュートの方が入りやすいように思えるが、キー 。、ーにとっては地を這うような低いシュートの方が防ぎにくい。 爆発的なジャンプカと精密な体幹運動のコントロールで低いボールを処理できるのが、ト ーの特徴なのである。 ップクラスのゴールキー ( 浅井武 )
は大きく異なっており、むしろインステップキックにより近い特徴を持っているのである。 どうやらピクシーのインサイドキックはインステップキックと同様、主に平面的な動作によ って構成されているようである。でもこんな動作でしつかりインサイドにボールを当てるこ とができるのだろうか ? 助走の角度に秘密が 実はインサイドキック時の助走の角度が違うのである。 旅インステップキックでは、ピクシーと日本人選手の間に助走の違いは見られず、両者とも 学 やや斜め後方からボールにアプローチし、キックしているようである。しかしインサイドキ 科 ぐックになると、ピクシーはほほ同じような助走からキックするのだが、日本人選手は助走を め を開始する位置を大きく変え、ボールに対してほぼ真後ろの位置からゴールに向かって正対す カるように助走し、キックするのである。 サ つまり日本人選手のインサイドキックは、真後ろから目標に正対するように助走し、イン 2 サイドを目標に向けてまっすぐ前方に振り抜くキックであるといえる。そのために股関節を 捻り、インサイドを目標に対して正対させる動作が必要不可欠なのである。 105