放射能汚染 - みる会図書館


検索対象: ジキル博士のハイドを探せ
101件見つかりました。

1. ジキル博士のハイドを探せ

究所長 ( 科学アカデミー 副総裁 ) は 1 月引日付のソビエト・ロシア紙のインタビュ て、同原発から一〇キ。暠圏は現状維持地域とし、生物の放射性物質に対する防御機能 など、放射線環境学の研究区域にするとの案があることを明らかにした」 ここていう「生物」が、人間てはないことを祈るばかりてす。 そして、イリインがジキル博士てはないことを : ベネズエラで輸入冷凍牛肉から放射能を検出 本章の検索によると、ヨーロッパの汚染食糧がアジア、南米などの第三世界へ、さ らに流通していることが明確に出てきました。 ①マレーシア。年 8 月四日付クアラルンプール発。「マレーシア厚生省は本日、 高レベルの放射能汚染のため、五ト , の粉末植物脂を輸入元の西ドイツへ送り返したと 言た。同省の保健部門責任者、ジョーンズ・ヴァルギーズ博士によると、許容基準 を超えるセシウム一三七と一三四を検出したという。マレーシア政府はこれまてに、 ヨーロツ。、 ) 、ノカらの輸入食糧の船荷を一六回返送している」 ②マレーシア。 9 月日付クアラルンプール発 << 。「マレーシア厚生省は、イタリア から輸入されたチョコレート、三八ポンドから許容基準を超えるセシウム一三七と一 三四を検出し、ただちに返送した」 師③ベネズエラ。 9 月浦日付カラカス発。この長文の記事は核心をついています。 マレーシア 同国の汚糧については 第 3 章も参昭

2. ジキル博士のハイドを探せ

という計画を発表しました。解毒された乳清粉末は再び商品として出荷されるという ことてす」 モハという会社にはとんてもない「前科」があるのてす。チェルノブイリ事故直後、 モハは占い粉ミルクの在庫を放出し、売りさばきました。ところがこの粉ミルクはサ ルモネラ菌に侵されており、多くの乳幼児が感染したのてす。経営苦境に陥ったモハ が、連邦政府と取引したのてしよう。 ヨーロツ。、ては食物サイクルによって放射能の濃度が上がってきています。それに 対して当局にはまったく打つ手がない ここに原発事故のおそろしさがあるのてすが、 しかたがないのて放射能汚染食品の基準値を引き上げることになつご。 オこれは年 6 月に委員会から発表され、Ⅱ月 1 日から実施される予定だった ( 第 5 章参照 ) 。 現行の基準値は、セシウムを対象にして一般食品が一キ。等当たり六〇〇べクレル、 乳幼児の食品は三七〇べクレルてす。新しい基準値は、 たとえばセシウムていいます と乳製品て一〇〇〇べクレル、その他の食品一二五〇べクレル、飲料水八〇〇べクレ ル、家畜の飼科は何と一一五〇〇べクレルぞす。 もうチェルノブイリの事故からかなり時間がたっています。原子力関係者も汚染は 徐々におさまってきたと言っている。しかし、事実はまったく反対て、汚染はこれか らも続い ていくのてす。緩和された基準にのっとって、今後、汚染食糧は大量に市場 へ流れ、日本にも入り込んてくるてしよう。 の放射能汚饕品の 基準値 独・蘭などの引き上げ反対 派と英・仏などの賛成派と のあいだて紛糾し、年 月燔日に決着するまて延期 された。結員域外て は現行のまま、域内ては乳 幼児用食品一〇〇〇、一般 食品一二五〇べクレルへと 引き上げられた ( 詳細は第 5 章参照 ) 。ちなみにアメリ 力は日本と同じ一一一七〇、タ イは六ー二一、マレーシア は一八〇ー五四〇べクレル、 シンガポールはゼロ、つま り徴曇ても許可していない

3. ジキル博士のハイドを探せ

西ヨーロッパ当局はストップしたけれど、中近東なら、放射能に関してあまり知識 かないだろうとい - フのて流してしまう 食糧ば、大きな形てどこかて動いているわけてす。ソ連の穀物収穫量は年、一一億 一〇〇〇万ト , になるそうてすが、平年より逆に増えている。絶対に食べられない汚染 されたものが、どこかに回っているはずだと、すっと考えていました。 これは想像てすが、国際的な食糧シンジケートは、どうやらヨーロッパ南方のトル コ、イラン、イラクなど戦争て混乱しているあたり、そしてレバノンのように国中が 内戦状態のところへこのような汚染物資を手際よく送り込んているようてす。戦時体 制のために放射能の測定に手が回らない地域へ、どんどん送り込んている。 実をいうと私は、このことを予想していた。年 9 月 6 日に次のような報道が流れ たからてす。 「放射能て汚染されていたオランダ製の粉ミルクをフィリピンが販売禁止にした」 ( マ ニラ発毎日新聞 ) アキノ新政権のフィリピン国内にも動揺がありますね。「放射能許容基準を大幅に超 える放射性物質が検出されたとして、二つの銘柄のミルクの販売を禁止する」 ( 同紙 ) 1 ということをフィリピン厚生省が命じた。オランダから輸入した粉ミルク「バーチ・ 1 とエ。 。ツリー」 ハミルク「ダッチ・レディー」のことてす。 フィリピンはよく気がっきました。気がっかない国や地域はおそらく相当あると思 ソ連の穀物収穫量 年度の穀物収雅賢里は二億 一一〇〇万ト , だと予想され ている ( 圏年 2 月現在 ) 。 一一億ト一を超える収豐里を一一 年連続てあげたのは初めて。 しかしソ連は輸入も大量だ 穀物輸入量は同一 = 一〇〇万 一 ( シカゴ穀物市場・ 参照 ) 。

4. ジキル博士のハイドを探せ

このジキル博十は、放射能の安全基準を定める ( 国際放射線防護委員会 ) の黒幕てもある。チェルノブイリ事故のあと、全世界に汚染食品を流通させてきたの か、この機関てはないか あるいはわが国て、放射性廃棄物を一般のゴミ並みに扱ってよいとする法律が、チ エルノブイリ事故直後に衆参両院を通過した。おそるべき法律てある。この法令の判 断基準となるのが、ラッシュバウ率いる— o の安全基準なのだ。 いま、全世界は チェルノブイリの壮大な生体実験にかけられている。 やがて訪れるのは、廃棄物を用いた生体実験になろう。 悪魔を探す必死の作業 わずか一人の人間の履歴を追うだけて、原子力の暗黒の世界に光を当てることがて きる。クラレンス・ラッシュバウは、まさしく神が遣わしたメフィストフェレスてあ り、現在われわれの命を握っている。その肩書が博士てあることに最大の注意を払わ なければならない 地球上に氾濫する事件は、これだけてはない。 さまざまの世界を動かす〃ジキル博 士のハイド氏〃を追跡してみよう。フラジルの怪事件の正体がこうして明らかになっ たのは、すてにラッシュバウの名前が私の記匱に刻まれていたからてある。しかしそ の記の糸を引きずり出したのは、 1987 年川月 8 日付の電てあった。すな

5. ジキル博士のハイドを探せ

てすから、大きな被害は今から始まります。 年 4 月末に事故が起き、 5 月に大量の死の灰が降り積もった。ちょうど春先てし たから、農家は野菜を収穫し、出荷しようとしていた。そこに出荷停止の命令。事故 当時の写真を見れば分るのてすが、出荷を取りやめた野菜などは野積みされていた。 雨ざらしてすから腐って川に流れて いく。その川から農家は取水している。結局、野 菜の出荷停止は意味がないと農家は判断し適当にごまかしていった。汚染された野菜 す は畑に鋤き込まれ、あるいは闇の市場に流されたりしたのてす。 チェルノブイリの放射能による被害は、よく一〇〇〇人に一人が危ないとか二〇〇 0 分の一の確率だ、などといわれます。その数字を見ると宝クジのように感じられま すが、実際には子どもの確率が異常に高くなります。子どもは日に日に体が大きくな ってゆく。成長過程て骨や肉をつくる。その中にストロンチウムやセシウムといった 非常に半減期の長い放射性物質が入り、体の中に固定される。放射線を出す機械を埋 め込んだような形になっていくわけてす。しかも、被害の顕在化は長期間にわたるの 1 て確認が難しい 1 年 1 月、ソ連の血液学者、軍病院医師、ふたりの放射線学者からなる調査団が広 1 島を訪れ、被爆者や研究者、医師らと会っています。 1 月日付広島発電によ 1 。ると、団長のアンドレイ・ボロビョフも、こ , フ言っている。 「チェルノブイリ事故について大量の研究データが得られ、分析が進むだろう。しか ストロンチウム アルカリ金属のひとつ。四 つの同位体といくつかの放 射性同位体がある。放射性 同位体ストロンチウムは、 セシウム一三七などと同様、 核分裂の際に出る。人体に 入ると骨に蓄積され、戸線 を出して白血病を誘発する。 4

6. ジキル博士のハイドを探せ

各紙、通信社ともチェルノブイリの影響を無視していますが、放射能汚染が最大の 影を落としていることは明らかてす。 プラジルのセシウム汚染事件ては、飛散した放射性物質の量が約一〇〇〇キュリー と推定されています。ては、東ヨーロッパ圏てはどうか ソ連当局の発表数字などを分析した日本の科学者の推定を、表面積から割り出して みました。たとえばルーマニアては、全土て約三〇万キュリーという、とてつもない 大量のセシウムが沈着しています。ポーランドはその約四分の一てしよう。ルーマニ アが一番深刻だと思う。電力大臣の首のすげかえなど断片的な異変だけしか伝わって いませんが、気になります。 アメリカでも乳幼児死亡率上昇 年 9 月四日付毎日新聞は、ピッツバーグ大学のスターングラス博士が、チェルノ プイリ事故のあと、アメリカの乳幼児の死亡率が既に前年同期比て二・五 % 高いとい う事実を明らかにしたと報じました。また、Ⅱ月川日付朝日新聞などの各紙は、イギ リスの医学誌「フリティッシュ・メディカル・ジャーナル』のレポートを紹介する < 電を掲載しています。 「 ( 同誌は ) ギリシャて昨年 ( 年 ) 、ソ連のチェルノブイリ原発事故の影響を恐れた 女性二五〇〇人余りが妊娠中絶をしていた、とするアテネ医科大学の産科医グループ プラジルの怪事件 年 9 月に起こったセシウ ム汚込本半件。死者四名と言 われているが、真相は分ら ない ( プロローグ参照 ) 。 128

7. ジキル博士のハイドを探せ

放射性物質を運ぶ雲が通過した後、四九種の鳥の孵化率が六五 % 減少した」というも のてす。温暖なフロリダは、渡り鳥にとって重要な産卵の地てす。アメリカても被害 が確認されつつある。 次はネ。ハール。年 6 月日付朝日新聞によると、年 5 月下旬頃からカトマンズ て、放射能に汚染された東欧産粉ミルクが輸入されたという噂が広まり、 った ( この後日譚は第 5 章参照 ) 。 8 月四日付マレーシア発。マレーシアの保健当局は、西ドイツ製植物性粉末脂 五ト , から基準値より高いレベルのセシウム一三四と一三七を検出し、返送した。 日本ては現在、食品の輸入が大幅に増えています。年 4 月 4 日、日本貿易振興会 年の輸入は金額ベースて二〇八億ド のデータを各紙が報じたところによると、 年比一八・三 % 増。からの輸入も三〇 % 以上増えている。 ては、日本て発見された汚染食糧について、年 5 月から 7 月まての分を列挙しま す。 ・ 5 月 8 日。厚生省発表。ギリシャ産セージ、トルコ産月桂樹、フランス産ヒースの 花から放射能検出。 ・ 6 月日。厚生省発表。ューゴスラビア産ハープ、セージ、フランス産黒すぐりピ ューレ、アルバニア産セージ。輸出国に送り返すよう指示。 日本経済新聞によると、月桂樹の葉とセージが高値をつけている。国内の在庫がな

8. ジキル博士のハイドを探せ

ネ。ハールの汚染パニックとポーランド 以下、ふたつのアフリカのニュースも、こういった文脈てとらえる必要がある。 ④ガーナ。年川月 9 日付アクラ発。この電文は川日、西ドイツの新聞フラン クフルター・ルントシャウに掲載されたものてす。 「ガーナて八一〇ト , の放射能に汚染された粉ミルクが押収された。このうち七五〇ト は O 諸国から、六〇ト , はチェコスロパキアから輸入されたものてあるし ⑤エジプト。Ⅱ月 9 日付のオーストリアの新聞クリアーによると、「エジプト政府当局 は 8 日、オーストリアから輸入された一〇〇〇ト , の粉ミルクを、放射能に汚染されて いたため受取りを拒否した。エジプトの半官紙『アル・アハラム』は紙上てオースト リアを強く非難している [ さらにアジア。 ⑥ネハ レ。肥月 8 日付カトマンズ発。これは第 3 章の情報を確認するような 新形て出ています。「カトマンズてはポーランドからの汚染粉ミルクのためにパニックに Ⅱなっている。そこて『アメリカ政府はネパー ルに対し、粉ミルク一〇〇〇ト , とバター ネパールの粉ミルク 1 年 5 月下旬、ポーランド 1 オイル二五〇ト , 、総額九七万誌相当を供給する』、とアメリカ大使館筋が語った」。 から輸入された粉ミルクが れはむしろネハ ルとアメリカの問題というよりは、ポーランドかどれほど深刻な状放射能に汚染されていたた め、カトマンズてパニック となった。 態てあるかを示している。そう受け取るべきてす。 123

9. ジキル博士のハイドを探せ

Chernoby1 ; 111e れⅡ iu 国 このの記者は、イキリスの北アイルランドと、隣のアイルランド共和国を混同 ことえばイギリスの肉は本国てどういう状况にあるの している部分があるのてすが、オ か。年 1 月日付朝日新聞にロンドン特派員のレポートがあります。 調査報 「英国ウェールズ地方の羊肉は三〇年間も基準以上の放射能汚染が続くという 告書を英国農地所有者協会がこのほど発表した」 この報告書によると、「問題地域の数万頭の羊の肉の放射能は現在一キ。等当たり三三 〇〇べクレルだが、これが許容基準の一〇〇〇べクレル以下になるには三〇年かかる し」ー」ている 「許容基準」についてはあとて述べますが、「現在、三三〇〇べクレルてあることに注 。こごし、ウェールズの放射能汚染につい 意して下さい これは年 1 月の事実てすナオ ては、チェルノブイリだけの影響てはないとも言える。つまり、カンプリア地方にあ るウインズケール再処理工場の放射能再染によるものだとも考えられる。このプラン トへは、日本も死の灰を送っています。チェルノブイリ爆発前からヨーロッパて最も 危険な死の灰の集積場として知られ、一帯ては小児白血病が多発してきました。チェ ルノブイリにその危険性を転嫁しているのてしよう。 「ベネズエラ人の方が悪い / 」 またベネズエラは年 8 月まて、チェルノブイリによる放射能汚染についてまった カンプリア地方 ウェールズ山地を総称して カンフリアとい - フ。この地 域の古名。牧畜と酪農が盛 1 んてある。

10. ジキル博士のハイドを探せ

く無関心だったそうてすから、すてに大量の汚染食糧が流通しているかもしれません。 「この問題に直面するまて、私たちはどの程度の放射能が、人体にどういう影響をお よばす・かとい - フロ 門題について無知だった」と、ベネズエラ科学調査研究所のポリス・ トルージャン所長が記者に語っている。 ここて分るのは、ベネズエラと同じ状况に置かれている第三世界の国々が多いだろ うということてす。アフリカ、中米諸国てもこれから出てくるてしよう。 ベネズエラがオランダへ送り返した八八ト , の汚染チーズについては、 7 月の時点て オランダ政府が安全証明書を発行していた。ところが 8 月になるとベネズエラ政府が 許容基準を厳しくしたのて安全証明書は無効になった。それて調査したのてすね。匿 名を条件にオランダの外交官がコメントしている。 「チーズに悪いところはない。あるとすれば、放射能許容基準を変更したベネズエラ 人の方だ」、と実に傲慢な発言をしています。 しかしベネズエラの事件は、 O 諸国 ( フランス、イタリア、ルクセンプルク、べ ノギー、オランダ、デンマーク、ギリシャ、アイルランド、ポルトガル、スペイン、 イギリス、西ドイツ ) 自身に、放射能汚染への恐怖を再び目覚めさせる結果となった。 つまり、事故から一年半経過しても、大量の汚染食糧が冷凍にされたまま、あちこち の倉庫に隠れているという事実が分ったのてす。 122