98 第 11 章提示資料はインパクトが大切 ( 2 ) ピジュアル化 文字情報のみに頼らす , グラフやチャートなどのビジュアル表現を多用するのも , パソ コン・プレゼンテーションの特徴である。しかし , 何でもビジュアル化すればよいという ものでもない。何が有効か , ビジュアル化に向かないものはなにか , 考えてみよう。 たとえば , ある待ち合わせ場所を説明する場合 , 「〇〇駅の北口を出て , 斜め前の道を しばらく真っ直ぐ行って , 5 分ほど歩いたらコンビニの手前を右に曲がって・・・・・・」などと いう説明はわかりにくい。ところが目的地までの地図を見せれば , 瞬時にわかる。これが ビジュアル化のポイントである。基本的に「言葉・文字で説明しにくい概念を視覚化す る」と考えよう。逆に言うと , 言葉で説明して十分わかるものは , 話し言葉を中心に表わ した方がよい。全てスライドで示さなければならないという固定観念をもたないようにし 下図は , 輸血の仕組みという因果関係を表わすのに , 文字のみでやろうとすると失敗す ることを示している。この場合 , 関係図を示して , 聞き手に全体をイメージとして捉えて もらうようにするのがよいのである。 悪輸血のしくみ ・ B 型の人は A 型の人に輸血できません 例 B 型の人は B 型の人に輸血できます ・ B 型の人は 0 型の人に輸血できません B 型の人は AB 型の人に輸血できます ・ 0 型の人は A 型の人に輸血できます ・ 0 型の人は B 型の人に輪血できます ・ 0 型の人は O 型の人に輸血できます O 型の人は AB 型の人に輸血できます ・ AB 型の人は A 型の人に輸血できません 伝えるべき情報の性質と , それに合ったビジュアル技法の関係は以下のとおりである。 流れ図 ( フローチャート ) ①時間の流れ・作業プロセス・スケジュール ②概念の関係 ( 並列・対立・因果関係など ) 関係図 ③平面的な概念・位置関係 地図・レイアウト図 ④数値データ ( 売上げ・収支など ) の傾向 グラフ ⑤物事の印象やイメージ・人間の感情 イラスト ⑥商品・建物・イベント風景など 写真 情報の性質とビジュアル技法 良い例 輸血のしくみ 矢印の方向に 輸血可能 AB 个・ツ < 个ー・ 0 个・ 0
99 ( 3 ) シンプル化 プレゼンテーション・ソフトを扱えるようになると , イラストや飾り文字など , つい多 く使ってしまいがちだが , それらが必すしも効果を高めているとは限らない。たとえば , 下図で☆型の図形は , メッセージ上何の貢献もしていないので邪魔なだけである。また , 「情報社会を支える 3 本柱」が何なのか , 一目見てわかりにくいのは , 3 つの枠の大きさ や文の表示方法がバラバラだからである。並列のものは並列らしく見せなければならない。 余計なものは省き , 情報は十分整理する。簡単で的を射たシンプルなスライドにすること を心がけよう。 良い例 悪い例 情報社会の諸問題への対処一 情報社会の諸問題への対処 情報社会を支える 3 本柱 法 倫理 技術 愴理により情報社会 技術力で不法行為 法の規制で不法行為 を抑止する の安定を図る に対処・予防する ↓ ↓ ↓ ・学校教育 ・不正アクセス防止法 ・ワクチンソフト ・個人情報保護法 ・啓発活動 ・ファイアウォール ・暗号イヒなど ・著作権法など 3 つの柱の組み合せで情報社会の安全が図られる 国際化様準化 情報化 ; 国第化 = 様準化 情報化 情報社会を支える 3 本柱 技術で支える ウクチンソフト ファイアウォール 暗号化 備理 第せられるから悪いこ とをしないのではなく、 自分で自分を律する 教育が大切 ! 石をを抑止 例 ) 不正アクセス 禁止法 など ポイント 3 つの牲の組み合せで情報社会の安全が図られる一 ポイント ( 4 ) イメージ化 企画案の内容や , 人間の感情 , 場の雰囲気など , モノでないものは言葉で表現しにくい。 そこで , 写真やイラストなどを用いてイメージで聞き手に迫るという方法がある。 広告会社が新製品を PR するためのイベント企画を提案したい場合で考えてみよう。イ べントそのものには目に見える形はない。そこで , たとえば笑顔の営業担当者が商品を説 明し , 大勢の人々が納得顔でその説明に耳を傾けているようなイメージ写真でアピールす ることが考えられる。また , 次に示す図で , 聖家族教会 ( サグラダ・ファミリア ) という 良 私のスペイン旅行 私のスペイン旅行 聖家族教会 聖家族教会 ①アントニオ・ガウディ ( 1852-1926 年 ) の代表的 . ①アントニオ・ガウディ ( 1852-1926 年 ) な建築物 の代表的な建築物 ②スペイン第 2 の都市であるバルセロナに建つ ②スペイン第 2 の都市であるバルセロナに建つ ③着工は 1882 年。竣工は 100 年先とも、 200 ・③着工は 1882 年。竣工は 100 年先とも、 200 年先ともいわれる壮大な大聖堂 年先ともいわれる壮大な大聖堂 悪い例 サクラダ・ファミリア サクラダ・ファミリア