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検索対象: プレゼンテーション概論
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1. プレゼンテーション概論

9 イ第 11 章提示資料はインパクトが大切 1 . スライド作成の基本事項 ( 1 ) メディア特性を理解する ソフトを使ったスライド作りは , 美しい色づかい , かわいいイラスト , 面白い動画など も思いのままに取り込むことができる。しかし , 見栄えのよい資料を作ることが目的なの ではない。聞き手がプレゼンテーション全体を受け入れるのに貢献するかどうかがポイン トであり , そのためにはます , スライドというもののメディア特性を理解する必要がある。 第 1 の特徴は , 次々に画面が入れ替わっていくという点である。 1 枚のスライドを見せ ている目安は 1 分程度であることを第 10 章で説明した。今 , 聞き手の前に提示されている 資料は 1 分後には全く別の情報に変わってしまうのである。 第 2 の点として , 聞き手にとっての記録性がないということである。提示されたスライ ドの要点をすべてメモしていくことは不可能なのだ。この点を補うため , スライドの一覧 をあらかじめ配るやり方もあるが , 提示資料と配付資料を同一のもので済まそうとする安 易な姿勢として批判する声も少なくない。 第 3 に 舌し手の立場からすると , ホワイトボードや OHC, ポスターなどと比べて表 現上の自由度が高い。そのうえ , 聞き手を驚かすようなアニメーション効果を付けること もできるし , 音声や動画の挿入も , ある程度のスキルがあれば可能である。 以上から導き出させることは , スライドは話し手側には自由度が高く使いやすいが , 聞 き手にとっては情報過多になりがちだということである。プレゼンテーションにおけるス ライドは聞き手の情報処理能力を考え , 詰めこみすぎにならないように心がけよう。 一三ロ スライドについての認知 △△ぐ 舌し手側 聞き手側 ・自由な表現可能 ・どんどん進む ・あれも , これも ・記録しにくい スライドプレゼンテーションは情報過多に陥りやすい

2. プレゼンテーション概論

7 状況 やろうとしていることと状況を天秤にかけ , 実現可能性をさぐる 得してもらうのは難しそうと判断したら , 迷わず目的を削ろう。どうしても目的が削れな いときは , 事前に資料を配るなど , 状況を改善させる。いずれにせよ , 無理をしすぎると いいことはない。また , 無理かもしれないと不安に思いながら話せば , 緊張から , 失敗す る可能性が高くなる。この条件ならば , しつかり準備をすれば必ず目的を達成できる , そ う確信してプレゼンテーションに臨むことが大切なのである。 ( 3 ) タイムマネジメント 与えられた時間を大切にし , 過不足なく有効に使う。これもプレゼンテーションの大事 な鉄則である。一般に話し慣れしていない人が公の場で話しをすると , 間 ( ま ) がもたず 短めになる傾向がある。逆に , パプリック・スピーキングに少し自信のある人 ( 中級者 ) は , あれもこれもと内容を欲張り , 全体が長くなりがちだ。 プレゼンテーションの上級者は決して話しを延ばしたりはしない。「 20 分お時間を頂き まして , 〇〇の説明をさせて頂きます」と冒頭で聞き手と時間の約東をして , 必ずこれを 守る。時間はあらゆる人に一日 24 時間 , 平等に与えられているものである。その貴重な時 間を使わせてもらうのだから , 5 分たりともいい加減にしてはならない。「あなたの時間 を大切に思っています」というメッセージを発することは , 人に対して話すときの基本的 ェチケットなのである。

3. プレゼンテーション概論

723 ( 2 ) その場に合った振る舞い どのような振る舞い・パフォーマンスが適切かは , 場面に応じて異なる。相手は上司か 友人か , よく知っている人か初対面か , ビジネスの場かプライベートか , 挨拶するのか , 雑談するのか , 頼みごとをするのか , 謝るのか・ 。その場その場で , どのような話題・ 話し方・態度が適切かをきちんと掴める人は「コミュニケーション能力が高い」人と言わ れるだろう。「 KY ( 空気が読めない ) 」という言葉が , 今後定着するかは微妙だが , 用語 の寿命は別にして , 場に合った言動や振る舞いが大切であることに変わりはない。 求められる振る舞いは立場によっても変わる。たとえば , 学校の教員は教師と研究者の 2 つの顔を持つ。研究者に必要なのは , さまざまな可能性を検討する柔軟な姿勢である。 一方 , 教師は何をどう教えるか自分で絞り , 決めたら迷わずに言い切る必要がある。学生 の立場からすれば , 「こんな考え方もある , 別のこういう意見の人もいる・・・・・・」などと多 くの可能性を説明されると「答えはどれか 1 つにして / 」という気持ちになるはずだ。 の点において , 教師と研究者に求められるパフォーマンスは対照的であるともいえる。 ところで「 24 時間 , 周囲のことばかり考えて演技するのは嫌」と考える人がほとんどで はないだろうか。むしろそれが自然である。そこで , 限られた時間の中でのパフォーマン ス , すなわちプレゼンテーションのときだけでも場にあった演技をすることをお奨めした い。内容や表現に十分注意し , 状況や立場にあった最高のパフォーマンスをしよう。 強第′を ( 04 真面目顔のプレゼン 笑顔でプレゼン どちらも ーっのパフォーマンス

4. プレゼンテーション概論

87 2 . 演出としてのツール活用 プレゼンテーションにおけるツールは , あくまでも手段であり , それ自体には基本的に 価値はない。ツールに意味があるとすれば , それは目的達成のためにどの程度貢献できた かという点に尽きる。用意したツールをプレゼンテーションにどのように取り込むか , 第 6 章で取り上げた「演出」 (). 53 ) という視点から検討しよう。 い ) 演出の心構え ツールを活用するときの基本的な心構えを「さしすせそ」でまとめてみる。 さしすせそ さりげなく提示 主役 ( しゅやく ) はプレゼンター スライドは 1 枚 1 分 正確性の徹底 即応が大切 「さあ , こちらをご覧ください / 」あまりにもハイテンションで「見せるぞ / 」「どう だ / 」という気持ちが前に出すぎると , 聞き手は逆に気持ちが引いてしまう。自信満々の 資料もあえてさりげなく提示しよう。また , プレゼンテーションの主役はあくまでプレゼ ンター。決して資料の方が主になってはいけない。 プレゼンテーションソフトを使って提示するときは , スライド 1 枚を 1 分間で見せると よい。それ以上短いと消化不良になるし , 同じ画面が長く続くと , 聞き手は飽きてしまう。 また , 持ち帰りが前提の配付資料は , 後からクレームにならないよう正確性が第一である。 データそのものの正確性はもちろん , 著作権や個人情報保護などにも配慮したい。 そして一番大切なのは即応性である。用意していた資料がうまく表示できないといった トラブルの可能性は , いかにリハーサルを重ねてもゼロにすることはできない。予定外の ことが起こっても , 焦らず , 落ち着いてその場の状況に対応できるような臨機応変さが肝 要である。

5. プレゼンテーション概論

〃 2 第 13 章質疑応答を成功させるには l. 質疑応答の意義 ( 1 ) パーソナルコミュニケーションとプレゼンテーションの違い 日常の会話のようなパーソナルコミュニケーションとプレゼンテーションとの一番の違 いは何だろうか。それは , 会話が基本的に双方向性をもっているのに対し , プレゼンテー ションは「プレゼンターが話し , 聞き手はそれを聞く」一方向的なコミュニケーションに なっているという点である。 パーソナルコミュニケーションでは , 多くの場合 , 話し手と聞き手はお互いに代わるが わるメッセージを送りあっている。相手の話がよくわからないときは , 「それ , どういう 意味 ? 」と尋ねることもできる。また , 話がつまらないとき , 聞き手はつまらなそうな顔 をしたり , 気のない返事をして , 話し手に「あんまり面白くないよ。その話」という非言 語のメッセージを送ることもある。こうしたフィードバックによって , 会話の内容は適宜 修正され , 誤解や行き違いの可能性が減少するのである。 ( 2 ) 質疑応答の位置づけと期待される効果 プレゼンテーションの場合 , この適宜の修正が利きにくい。聞き手の反応や会場全体の 雰囲気から , 話の途中で内容をある程度調整することはできるが , それにもおのずと限界 がある。自分の話は本当に相手に伝わっただろうか。難しいと思われなかっただろうか。 誤解された部分はなかっただろうか。一方向的であるためのこうした不安 , 問題を解消す るための大切なプロセスが質疑応答である。 自己紹介のような簡単なスピーチは別にして , プレゼンテーションを行う場合 , 質疑応 答の時間を設けることはプレゼンターの義務と心得ておいた方がよい。貴重な時間を使っ て自分の話しを聞いてくれた人の疑問には , 誠実に答える態度が必要だ。難しい質問に きっちり明快に答えれば , 聞き手の話し手への信頼度が高まること請け合いである。周到 な準備と , 本番での臨機応変な対応で , プレゼンテーションの最後を飾る質疑応答をしっ かりと成功させたい。 き

6. プレゼンテーション概論

イ 8 第 6 章会場設営とレイアウト l. 強力な味方としての環境 プレゼンテーション会場がアメニティ (amenity, 間どりやデザイン ) として感じがよ いや く , 癒されるような緑や音楽につつまれていたなら , 聞き手は心も身体もイキイキとして , プレゼンターの実力以上のものを受け止めてくれ , 環境はプレゼンターにとって強力なサ ポートになる。また , 逆に会場設備の不備により , せつかくの準備が台無しになる可能性 もある。環境をいかに味方にし , 活用するのかという方法を知ることにより , プレゼン テーションのパワーに大きな差をつけよう。 ( 1 ) 会場の選択 使用する会場によって , プレゼンテーションは大きな制限を受ける。たとえば , プロ ジェクタ設備のない会場であれば , パソコン (PC) を使ったプレゼンテーションはでき ない。また , 聞き手に机が与えられておらず , 椅子だけの会場の場合は , メモが取りにく いので , 板書を使った発表は不適切ということになる。会場の選択は , 100% プレゼン ターの要望どおりにいくとは限らないが , できるだけ目的と成果があがる環境に整えるよ うにしたいものである。目的に応じた会場の種別と , 会場を確認するときのポイントをま とめると次のようになる。 プレゼンテーションの会場と用途 ・全ての聞き手に視覚・聴覚情報が快適に行き渡ることが最優先 【主要チェックポイント】 ・照明・空調 ・マイク・プロジェクタ ・聞き手側の座席環境やレイアウトなどにも配慮 【主要チェックポイント】 ・聞き手座席・レイアウト ・マイク・プロジェクタ 会場種別 主な用途 講演会 発表会 報告会 大会場 ンイ 会イテ 場 中 ・聞き手からの働きかけを重視し , 双方向性を十分に確保 【主要チェックポイント】 ・レイアウト・プロジェクタ・ホワイトボード 二二ロ 会商 小会場 ・聞き手座席 打ち合わせ

7. プレゼンテーション概論

2 . ボデイランゲー ( 1 ) ボデイランゲージの分類 定のポスチャー (posture, 姿勢 ) を見せることも一種のボデイランゲージである。ジェ 表現 ) という。ジェスチャー (gesture, 身ぶり ) がその主なものだが , 動かないまま一 身体の動きや表情を視覚的に見せてメッセージを与えることをボデイランゲージ ( 身体 スチャーについては , 以下のように分類できる。 ・数量的・・・・・数や量などを示す。指で数字を示したりして表現する。 ・写生的・・・・・大きさや長さなどを示す。両手を広げたりして表現する。 ・指示的・・・・・何かを指さして聞き手の注意をひく。左右 , 上下などの方向 , 位置を示す。 ・象徴的・・・・・間接的にあるものを表象して示す。 V サインやガッツポーズなど。 形慧的・・・・・形や様子などを示す。空間にその形などを描くようにして表現する。 快感を与える可能性がある。ボデイランゲージは , あくまでも意識的なものであることを 手をふるわしたりするなどの無意識な身ぶりは , 聞き手に不 自覚しておこう。 なお , 身体をゆすったり , テーションの主旨や , その他の非言語表現と調和させることも重要である。 姿勢で決めて , あまりュラュラ動かない方がよい。また , ボデイランゲージはプレゼン 落ち着きのある表現が必要である。就職面接のときも , 胸をはって顎を引いた堂々とした えば , アカデミックプレゼンテーションなど研究成果を発表する時は , 身ぶりを抑制した , ただし , 日本人は , あまり派手なしぐさを好まない傾向があることも確かである。たと や話し手の感情を視覚的に表わすことができる。 である。プレゼンテーションでは , メリハリをつけた動きをすることによって , 伝達事項 ボデイランゲージは , 音声や言語的表現を補ってくれる重要なコミュニケーション手段 ( 2 ) 効果的なボデイランゲージ

8. プレゼンテーション概論

29 形式 (How) 上の制約があれば , それもプレゼンテーションスタイ こうしオ形 ~ ルに影響するので , 確認が必要である。 HowMuch/Many は数値情報のチェックのこと。 ビジネスの場合 , 最終的価値はお金に換算されてしまうので , 予算上の制約や求められる 収益など , 特に金銭に関する前提はしつかりと明確化しておきたい。 ( 2 ) 必要なデータの収集 5 W 2 H により , プレゼンテーションの基本条件が明らかになったら , 目的達成のため に必要と思われるデータを収集する。ここで情報収集の基本について確認しておこう。 集める段階では , 評価を入れず , できるだけ幅広く , 多く情報を集めることが何より大 切である。集めることと精査することとを同時にやろうとすると情報の幅が狭まってしま うからだ。収集するときは , 収集することに集中する。たくさん集めれば当然ゴミのよう な情報も多くなる。それらは後から捨てればよいのである。 これは企画案を考えるときなどにも適用できる考え方である。アイディアを出すときは くだらないものも含めて , 自由な発想でどんどん出し合うい。その後 , 精査して平凡なも の , 実現可能性のないものなどを削っていく。できるだけ大きく膨らませてから , シェイ プアップしていく。これが , ビジネスにおける情報収集やアイディア出しの基本なのであ る。 選別・絞り込み A 群 ( 採用 ) ( プレゼンで使用する ) B 群 ( リザーブ ) ( 聞かれた時のためにとっておく ) C 群 ( 今回は使わないのでポッとして捨てる ) 情報収集の見本 できるだけたくざんの。 → 上幅広い情報を収集 : ーンストーミングとい 1 ) 自由な発想をできるだけ多く出すため , 他人の批判を禁止するアイディア会議をプレ

9. プレゼンテーション概論

6 第 1 章プレゼンテーションとは何か 3 . プレゼンターの心構え にレベル設定を考え , 聞く気がない人も聞く気になるように話し方の工夫をしなければな も , 聞き手に受け入れられなかったら意味はない。知識の足りない聞き手にもわかるよう プレゼンテーションでは , 聞き手こそが神様である。どんなに周到な準備をして臨んで 通信の知識が不十分で , また , そもそもあまり買う気もなかったようでしたので・・・・・・」。 果たして通るだろうか。「私のプレゼンテーションは完璧だったのですが , お客様が情報 テーションをした結果 , 残念ながら売れなかったとしよう。上司にこんな言い訳をしたら , たとえば , 情報システムを提案・営業しているビジネスパーソンが , 顧客にプレゼン ( 1 ) 聞き手は神様 がけておかなければならない。これはあらゆるプレゼンテーションに共通する基本原則で プレゼンテーションをする人 ( = プレゼンター ) は , 常に , 以下の 3 つの点について心 ( 2 ) 目的と条件の確認 この心構えを忘れてはならない。 てもらうのではなく , 話し手の方が聞き手のニーズやプロフィールにとことん合わせる , 失敗の原因を聞き手に求めたら , その時点でプレゼンター失格である。聞き手に合わせ らないのである。 プレゼンテーションには必す何らかの目的がある。具体的な準備に入る前に 何のために話すのか , 目的・目標をはっきりさせなければならない。それには , で書いてみるのがいいだろう。 まずは , 短文の形 目的を明文化できたら , 次に , 与えられている条件を確認する。持ち時間は何分か ? 聞き手は何人か ? 聞き手と自分と 場所はどこか ? プロジェクターは使用できるか ? 持ち時間 15 分 , 初対面の顧客 50 人が相手だとしよう。この状況で自分の主張をすべて納 きるかを検討する。すなわち目的と条件を天秤にかけて , てんびん こうした種々の状況をすべてはっきりさせる。そして , の関係は ( 初対面か親しい間柄か ) ? 成功の可能性を探るのである。 この状況のもとで目的が達成で

10. プレゼンテーション概論

( 2 ) 聞き手分析の手順 ①プロフィール分析 キーパーソンがいる場合は , 特にその人物について詳細に分析する。基本はプロフィー ル分析であり , 以下のような項目を確認することになる。 聞き手分析に必要な情報例 そのポジションについてどのくらい年月が経っているのかが分かれば , 氏名・年齢・性別・役職・学歴・職歴・趣味・特技・家族構成・性格・・ 現在の役職や , 聞き手にアピールすることが大切なのである。 商品や企画は受け入れられる。求めているものを掴み , その何かが確実に得られることを ている場合など , 状況はさまざまだ。聞き手が自分にとって利益になると感じれば , その きく関わってくる。安い価格で購入すると社内での得点が上がる場合 , 斬新な企画を求め も含めて探るのがニーズ分析である。キーパーソンの社内における立場などもニーズと大 聞き手が , 今回のプレゼンテーションに何を求めているか。その欲求を , 潜在的なもの ②ニーズ分析 きるだけキーパーソンの志向・性格に迫れるように心がけよう。 あまり細かいデータばかり出し過ぎると , 逆効果になりかねない。人脈などをつかい , で 。人の性格はさまざまである。イメージ重視の人に対して , 好まず前例を重視する人・・ 全体的なイメージを大切にする人 , 人と同じが嫌で斬新な企画を好む人 , 変わったことを の傾向は最終判断に大きな影響を及ばす。論理的考え方やデータの正確性を重視する人 , その人の性格について把握することも骨が折れそうだ。しかし , キーパーソンの考え方 ためには , その人に関するできるだけ多くの情報を集めておく方が有利なのである。 生活の話題に触れると , 多少は不愉快に感じるかもしれない。聞き手に合った話題を出す かもしれない。だが , たとえばキーパーソンが独身者であった場合 , 子どもの教育や家庭 趣味や特技 , 家族構成など , プライバシーにまで踏み込むことに抵抗を覚える人もいる キャリアなどを見れば , その人の専門性がどこにあるのか見極めることも可能だろう。 プレゼンテーション計画に大きく役立つ。また , 大学時代の専攻や , 社内で歩んできた