レプトン - みる会図書館


検索対象: 宇宙論がわかる
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1. 宇宙論がわかる

到達距離強さ 関係のある素粒子 ハドロン ( 陽子・中性子など ) 力の種類 強いカ 10-13cm 荷電粒子 ( 陽子・電子など ) 電磁カ ( 無限大 ) 10 ー 15cm IO ー 3 すべての素粒子 弱いカ 10 ー 39 士予言のメソンは今日パイメソンと呼ばれる が、それ以外にもメソン、の ( ォメガ ) メソ ンなどが発見されている。 大 8 限 レプトンは、強い相互作用は行わない素粒 粒子てある。もともと軽い粒子という意味てレ るプトンと名付けられたが、その後になってハ す 係ドロンより重いレプトンが発見されたという いきさつがある。種類は六種類が知られてい AJ ミューオン ( 、 カる。すなわち、電子 (o) 、 粒類タウ粒子 ( ごと、それぞれに対応する三種類 の のニュートリノてある ( マイナスの印は電荷を表 て している。また、ニュートリノとは、他の素粒子との 相互作用をほとんど行わない、質量ゼロの素粒子のこ と。ただし、若干の質量をもち、宇宙のダークマター の候補てあるとする説もある ) 。ハドロンより重い レプトンといったのはタウ粒子のことて、最 カ 重 初期宇宙の様子 115

2. 宇宙論がわかる

ということは観測されない。やはり反応の前後てレプトンの総数は変わらないのだ このことを法則化するために、「バリオン数」と「レプトン数」という物理量を導入する。 そして、それぞれの素粒子のバリオン数の値を、陽子や中性子などバリオンは「十」、反陽 子・反中性子など反バリオンは「 1 、ハリオンてない電子や光子は「 0 」とし、レプトン 数の値を、電子やミューオンなどレプトンは「 7 」、陽電子など反レプトンは「 中子・光子などレプトン以外の粒子は「 0 」というふうに決める ( 盟ページ表 3 参照 ) 。 このようにすると、一一個の光子から電子と陽子のペアがつくられる、といった事象は、 「バリオン数の保存」と「レプトン数の保存」という法則によって禁じられているのだと理 解することがてきる。仮にこれらの保存則が破れていると、自然界にはエネルギーの高い ( つまり質量の大きい ) 状態から低い ( 質量の小さい ) 状態へ移ろうとする傾向があるから、陽子 がどんどん質量の軽い粒子に壊れてしまい、物質の安定性がくすれ、われわれ自身も物質 的な崩壊を免れることがてきないはずてある ( 実際は、陽子はバリオン数が + の最も軽い粒子てあ るか・ら、 バリオン数の保存則が成り立つかぎり、陽子はこれ以上軽い粒子に壊れることがてきない ) 。 ・クオーク クオークはあらゆるハドロンを構成する、最も基本的な「素」粒子と今日考えられてい る。クオークがもはやこれ以上分割てきない、分子ー原子ー原子核ー陽子・中性子と続いたミ 12 ろ初期宇宙の様子

3. 宇宙論がわかる

( 強いカで ( 強いカで ノ、ドロン 作用する粒子 ) 作用しない粒子 ) ( 電子 , ミューオン , フェノレミオン バリオン ( 陽子 , 中性子など ) レプトン ートリノなど ) ( パイメソン , 光子 ( 電磁作用をする ) ポゾン メソン K メソンなど ) W + , W ー , Z0 ( 弱い作用をする ) 非ハドロン 表 2 素粒子のスピンと相互作用による分類図 荷 レプトン数 バリオン数 0 素粒子 電子 陽電子 陽子 反陽子 中性子 反中性子 十 1 O イ 1 十一十一 0 1 0 0 0 1 0 0 0 0 0 表 3 素粒子の電荷・パリオン数・レプトン数 初期宇宙の様子 1 2 1

4. 宇宙論がわかる

は「ゲージホゾン」と総称されるよ - フになった。 ・パリオン数とレプトン数 対発生のところて、二個の高エネルギーの光子の衝突によって粒子と反粒子のペアがっ このとき、電荷の保存則が成り立っていた。だが電荷の保存 くりだされることを述べ くりだされてもよさそうなものてある。なせなら、 オけていえば、電子と陽子がペアてつ 電子と陽子がもっ電気量は等量て、符号が反対だからだ。ところが現実にはその反応は起 こらないのてある。 このことは、自然界には電荷以外にも保存則があって、その保存則がこのような反応が 起こるのを禁じているのだと考えることがてきる。その保存則というのが、ここて考える 「バリオン数」と「レプトン数」の保存則てある。 実際、たとえば陽子と中性子の集団があった場合、中性子が陽子に転換したり、陽子が 中性子に転換したりする反応がしよっちゅう起こっているが、決して陽子と中性子の総数 が変化することはない ( ただし、中性子は陽子よりほんのわずか質量が大きいのて、中性子が陽子に転 逆に陽 換する反応の方が起こりやすい ) 。陽子や中性子が今まてなかった所にポッと現れた 子が姿を消してあとに何も残らないとい - フよ , フなことは、絶対に起こらないのた こっぜん 、忽然と姿を消す レプトンについても同様て、電子などが無の状態からポッと現れた 12 2

5. 宇宙論がわかる

内部の核反応ても重要な役割をもっている。すべての素粒子に作用する。 他の : 最も早くから知られていたカて、あらゆる粒子に作用する。ただ、 力に比べて圧倒的に弱い。たとえば、最も強い「強い力」に比べると、 しかしその強さは、電磁力と同じく距離の二乗に反 1 / , 川てしかない。 比例するのて、無限遠にまて及ぶ。 このうち、日常的にわれわれに最も関係の深い力は、電磁力と重力てある。その理由は、 他の二つの力があまりにも短い距離にしか作用しないからてある。 ・ハドロンとレプトン 素粒子を相互作用の強さて分類するとき、「ハドロン」と「レプトン」とに分ける。 ハドロンは、強い相互作用を含めて全種類の相互作用を行う素粒子てある。最も有名な 、ドロン のは原子核を構成する陽子や中性子て、これらは一括して「核子」と呼ばれる。 はまた二つのタイプに分けられ、それぞれを「バリオン」および「メソン」という。 オンは重い粒子という意味て、少なくとも百個以上が知られているが、その最も軽い仲間 が陽子てある。メソンは、原子核の中て核子を結びつける力を媒介する粒子として、一九 三四年、湯川博士が予言し、その後存在が確認された素粒子てある。理論的に質量が電子 と陽子の中間てあるとされたことから、メソン ( 中間子 ) と呼ばれるようになった。湯日博 重 カ 114

6. 宇宙論がわかる

び陽子・反陽子の対消滅によって陽子・反陽子が姿を消すと、これらの粒子が光子からっ くり出されることはエネルギー的に二度と不可能となる。したがって、対消減てどんどん 陽子、中性子、それらの反粒子が消えていくと同時に、対消滅て生じた光子が逆にふえて もしそうてあっ いくことになる。もちろん陽子、中子がすべて消滅するわけてはない。 たら、われわれを始めとして一切の物質は、この世に存在しないことになるからだ。 陽子と光子の数は以上の宇宙てはほば同数てあったのが、このようにバランスが崩 れ、次第に光子の数がふえていって、今日てはその比は 1 対間くらいになっている。 一万分の一秒たった頃 温度はだいたい川になっている。このときから温度がおよそ間になるまての期間を 「レプトン期」と呼ぶ。この期間に入りたての頃、宇宙を支配した粒子は、電子、ミューオ ン、ニュートリノなどのレプトン、およびそれらの反粒子、パイメソン、光子て、これら 、、、ほば同数ずつ存在しご。 オこのほか、前の時代から生き残った陽子や中性子がわずかては あるが混じっていて、陽子から中性子へ、中性子から陽子へと、ひんばんに転換し合って いた。その結果、陽子と中性子の個数は同数てあった。 一つれ、まず重いミューオンが反ミューオンとともに姿を 温度が取から下がってい 1 ろろ初期宇宙の様子

7. 宇宙論がわかる

消し始める。つまり、ミューオンのしきい値以下になると、光子による生成が不可能にな るからだ。体重の重いものほど早く宇宙から消え去るのてある。 レプトン期も末期に近づき、温度が川になると、電子、陽電子、光子のバランスも崩 れ、電子・陽電子の対消滅によって電子も姿を消すものが多くなり、反面、対消滅て生じ た光子は数を増していった。 一秒たった頃 この頃になると、陽子と中性子の数に差が生じており、 % 温度はまて下がった。 が陽子て、 % が中性子という具合になっていた。その理由は、中性子の方が陽子より若 干質量が大きいことにある。 質量が大きいということは、 Eo て表される質量エネルギーが大きいということと同じ て、エネルギーの大きい方からエネルギーの小さい方へ移行していくのは自然のことわり だからてある。そのため、中性子↓陽子の反応の方が、逆の、陽子↓中性子の反応よりも 起こりやすいのてある。温度が高いときは、環境からの後押し ( 熱エネルギーの供給 ) が得ら れて、陽子↓中性子の反応も楽に起こることがてきたわけてある。 リ 4

8. 宇宙論がわかる

開闢から百億分の一秒たったとき 『秒 ( 百億分の一秒 ) たった時点て、宇宙の温度はになっている。 開闢からこの時点まての期間は超高温のため、陽子などもそのままのかたちてはなくて 構成要素のクオークに分解しており、宇宙はクオーク、電子・陽電子などのレプトン、お よび光子などが、高エネルギーて飛び回っていた。素粒子論的には面白い時期てあるが、 宇宙としては比較的単純な時期てある。 一億分の一秒たった頃 この時点の温度はくらいてある。この温度を境として、クオークが結合して陽子や とら 中性子などが形成されるようになる。いわばクオークが自由を剥奪され、囚われの身とな るときてある。クオークは陽子、中性子だけてなく、 ハイメソンなども形成するから、こ の時期は陽子、中性子、。ハイメソン、電子、陽電子、光子などがほば同数ずって、宇宙の 全エネルギーを分け合っていたと考えられる。また、温度が川に下がるまては、光子の エネルギーが十分高いのて、陽子・反陽子のペアが光子からっくられたり、 逆に陽子と反 陽子の対消滅て光子にもどったり、といった反応を繰り返していたに違いない 温度が川以下に下がると、この温度は陽子などの生成のしきい値てあるから、ひとた 1 ろ 2

9. 宇宙論がわかる

荷 電 成代 素粒子 ワ〕 O 1 亠 10 クオーク 2 / 3 ー 1 / 3 レプトン 1 人っ 0 ワ 3 っ 0 uud ー十一 中性子 、 1 一つ 0 11 一つ 0 っ 0k0 udd クロな系列の最終段階に位置するものかどう かについては、物理学者の意見は必すしも一 致していないが、ともかく現段階ては、クオ ークを電子などと同じく構造をもたない点粒 荷 電 子として扱って、間題はないようてある。 と 種クオークは二つの点て、これまてに知られ ンた素粒子とは根本的に違う。第一は、電子や プ陽子の一単位の電荷に対して、クオークの電 レ / ) てある点だ と荷が端数の電荷 ( 2 / 3 とか 1 3 ク 一 ( 表 4 参照 ) 。第二は、クオークがこれまて単独 クて観測されたことがないことてある。今日て 4 は、宇宙初期のある時点にハドロンという囲 いの中に捕獲されたのを最後に、クオークは 永遠にわれわれの前から姿を消したという考 えが支配的になっている。 てはなぜ、直接的に存在が確認ぞきないク 124

10. 宇宙論がわかる

どんなに天文学的予算をかけた超大型加速器ても、つ くりだすことは不可能てある。一方 て、素粒子物理学の究極の目標は、現在いろいろと観測されているバラエティーに富んだ 素粒子やその間の反応を、統一的に記述する理論体系を作り上げることてある。そのため には、もっと深いところてはたらく基本的原理を発見することが必要てある。そして物理 学者には、そのような基本原理はわれわれの実現しうる限界をはるかに突破した超高エネ ノギー状態を調べることから得られるはずだ、という信念がある。そこから、素粒子物理 学者が宇宙初期の研究へ傾斜していく理由が生じたのてある。 このように、宇宙初期は素粒子物理と切っても切れない縁て結ばれているのて、次項て 現在の素粒子物理の概要を、ざっと整理しておくことにしよう。 現代素粒子物理の概要 ・素粒子とは 素粒子という言葉は文字どおり、もうそれ以上分割てきない究極の粒子という意味てあ る。哲学的にもそのような概念が存在するかどうか興味ある問題てあるが、現在ては一応、 れんが 物質構成の基本単位 ( 建物の煉瓦に相当する ) としてのクオークとレプトンと、これらの「煉 のり 瓦」を結合させる楜の役目をする粒子があると信じられている。 1 12