かる こえ こ使 かる こえ こ使 がる こえ こ使 子どもも自然に勉強に取り組むようになり、成績もよくなる。そして、 つまり、親が高学歴だと、子どもも高学歴になりやすいというわけだ。 こうしてみると、実際には、必すしも教育の機会が均等とは言えないことがわかる になるロ それでも教育費が安けれは、本人の努力次第で学力をつけ〔 、 ( 力と るが、家庭 まっていると言われる 日本では近年、教育費が上がりつづけている。もともと日本では子どもの教育費が家計 に占める割合が高く、国からの援助も世界的に見て極めて少ない。大学の学費も年々上が 、世界でもトップクラスだ そして、ゆとり教育のために、中学受験が盛んになり、ますます教育費がかさむ。そう した状況では、安定した収人がある裕福な家庭しか、子どもに高い教育を受けさせられな くなっている。つまり、教育を受ける機会がますます平等ではなくなってきているわけだ。 こうした傾向は、教育格差が世代を超えて受け継がれることを意味する すると、比較的裕福で高度な教育を受ける機会がある階層 ( 上層 ) とそうでない階層 ( 下層 ) とが分かれてしまい、それが固定化してしまう。こうなると、かっての身分制社 7 教育格差 ーい学校に入る 0 9 3
当に学力低下が進んでいるのかどうか、議論が高校教育の無償化によって、公立高校間でも競 争が激化し、格差が広がる恐れがあるとも言わ 分かれている。 れている。 【学級崩壊】 主に小学校で、児童が授業中に教師を無視し【学校ボランティア】 「学校支援ボランティア」ともいう。 て勝手な行動をして、授業が成り立たない状態 「開かれた学校」の理念の一環として、保護者 をいう。小学校低学年から見られる。 近年、一部の児童が意図的に授業を妨害するや地域住民、地元の企業などが、学校の教育活 「反抗型」から、教師と児童のなれ合いから学級動をサホートすることが増えている。生徒の登 の統制がとれなくなる「なれ合い型」へと性質下校を見守ったり、部活動を指導したり、授業 をサホートしたりするなど、さまざまな役割が が変わってきていると一一ミわれる。 期待されている。 【学校間格差】 学校間で、教育水準や学力の差が大きいこと【教育格差】 をい一つ。 生まれ育った環境の違いによって、受けられ 日本では従来、有名私立学校と公立学校とのる教育のレベルにも違いが生まれる。そのため に、経斉的にゆとりのある家庭とそうでない家 あいたの格差が問題とされ、ゆとり教育によっ てその格差がさらに広がるとされてきた。また、庭のあいたでは、子どもの学力に格差が生まれ、 2 1 0
しかし、近年では、教育のあり方が変化し、知識や技術を与えるものから、自らデザイ ンし自ら学ぶというあり方に変わってきている。その結果、個々人の関心や自発性が重視 されるようになっている。 いまの生涯学習は、そうした教育のあり方の変化とともに、関心や自発性を重んじるも のとして考えられている リカレント教育とは ? 「リカレント教育という一一口葉が、近年、使われるようになっている 罕 , 「生涯教育」と同じような意味で用いられるが、リカレント教育とは、とくに学校教育 を終えたあとの社会人が、大学等の教育機関を利用する場合の教育を意味する たとえば、職業訓練のために専門的な技術を身につけたり、社会人がキャリアアップの ために資格を取得するなどの目的で学ぶ人が増えているが、それがリカレント教育の代表 例と一一口えるだろう まのように誰もが大学へ進学する時代で 高度成長の時代からバブル期の手前までは、、 はなかった。そのため、近年、高校や高等専門学校、短期大学を卒業した人が、社会人入 かる こえ こ使 かる こえ こ使 生涯学習 193
17 生涯子習 近年、就職したあとになってから、もっと 学びたいと考える人が増えている。そう した生涯を通しての学びを「生涯学習」 という。生涯学習について考えることで、 学校教育のみならす、広く社会教育全般 についても考えてみてほしい。 生涯学習
解答例 1 【賛成】グローバル社会にとって必要 近年、知識量よりも思考力や応用力を重視するーØ< 型学力の考え方を導入しようと する動きが広がっている。こうした動きは、日本の教育にとって、好ましいのだろうか。 確かに、性急な導入は控えるべきだろう。いまの日本の教育は、脱ゆとり教育の動きの 中でまだ揺れている状態だ。そんな状況でーØ< 型学力の重要性を説いても、基礎学力 の軽視につながるとしか受け取られない恐れもある。しかし、それでも、基本的には ー U)< 型学力を重視する方向で、日本の教育を変えていくべきだ。 近年、グローパル化や情報化が進んで、世界が大きく変化してきている。変化する状況 に対して、自分から働きかけ、問題を解決する能力が求められている。知識量を重視する 従来型の学力は、与えられた仕事を効率的にこなすためには有用かもしれないが、刻々と 変化する状況に対応するにはあまり役に立たない。ー U)< 型学力は、知識量ではなく、 「状況に応じてどれだけ知識を活用できるか」という実践的な力を評価の対象にしている。 これからの日本人に必要なのは、そういうタイプの学力だろう。いまの日本は、ゆとり教 育の反省を踏まえたうえで、どうすれば学校教育においてー CO< 型学力を効果的にのば せるのかを真剣に考えるべき時期に来ている。 このように、私は、ー U)< 型学力の導入を進めるべきだと考える。 0 7 8
理数離れの問題 日本は技術立国として、長らく経済成長 を遂けてきた。その産業構造は、いまで も基本的には変わらない。しかし近年、 若者の理数離れが進み、技術立国をこの まま維持できるのかが懸念されている。 どうすれは理数離れを食い止められるの か。このテーマも重要な教育の問題た。 14 理数離れの問題
題 課 間題提起は、「学校教育にボランティアを取り入れるのは好ましいかなどでいいだろう 解 この問題の是非を論じるには、ボランティアの教育的意義について考える必要がある の 題日本では、「ボランティアⅡ無償の奉仕活動」というイメージが強いが、本来は社会参 加のひとつのあり方であり、自己実現や社会性の育成につながるものだ。 たんに「い、 ーことをした、「人の役に立った」というだけでは、教育的意義があるとは 一一一口えないが、ボランティア活動を通じて人間的に成長できるのであれば、それは十分に教 育的意義があるだろう。 具体的には、ボランティア活動に参加することで、さまざまな世代の地域の人と交流す 近年、学校教育にボランティアを取り入れようとする動きが強まっています。ポ ランティア活動を必修単位にしたり、入試の際にボランティアの実績を評価の対象 にしたりする学校も増えてきました。 そういった傾向に対して、あなたはどのように考えますか。字以内で論じ なさい 0 0 1 0 6
題 課 説格差社会の間題が注目されはじめたのは、 1990 年代終わりから 2000 年代はじめ 解 にかけてのことだ。それに伴って、教育格差の間題も広く注目されるようになった。 の 題背景にあるのは、もともとは受験競争の激化だ。 課 公立学校では受験競争に勝ち抜くだけの学力をつけるのが難しくなったため、それを補 うための学習塾が乱立した。また、私立学校が偏差値重視の教育をして、有名大学への合 格率を競うようになった。そのために、教育熱心な家庭では、高いお金を出して子どもを 塾や有名私立校に通わせるようになった。 一方、経済的に余裕のない家庭はそこまでできないので、どうしても裕福な家庭の子ど 近年、子どもを有名私立校や塾に通わせることのできる家庭と、そうでない家庭 とのあいだで、子どもの学力格差が広がっていると言われています。 こうした教育格差を少しでも解消するためには、どのような対策が有効だと考え ますか。あなたの意見を字以内にまとめなさい。 086
かる こえ こ使 かる こえ こ使 かる こえ こ使 「ネットいじめ」 ( サイハーし 「ネットいじめ」 ( サイノし ヾー、じめ ) は、インターネット上で行われるいじめのことで、 いじめの新しい形態として、近年注目されている。 具体的には、学校裏サイトや匿名掲示板に、特定の生徒の悪口や個人情報を書き込んだ り、本人に直接、誹謗中傷のメールを送るというものだ。 ネットいじめの最大の特徴は匿名性だ いじめられる側は、誰にいじめられているのかわからないので、いっそう不安と恐怖を 募らせる。逆に、、、 ( しめる側は素性がばれにくいので、いじめがエスカレートしやすい さらに深刻なのは、インターネットには境界がないため、ネットいじめには終わりかな しといっことだ。 従来のいじめは、ほば学校という空間の中で完結していたので、家に帰ってまでいじめ られることはなかったし、被害者が転校すれば、それで問題が収まった。 しかし、ネットいじめの場ムロは、ネットにつながりさえすれば、どこに行ってもいじめ る相手につきまとわれる。また、ネットを通じていじめが学校の外に広がると、たとえ転 、じめ ) は深刻な問題 0 3 2
かる こえ こ使 理解のポイント ) ( 歴史教科書問題の何が問題か ? 近年、歴史教育の間題点が最も典型的にあらわれているのがいわゆる歴史教科書問題だ 1982 年、戦時中の日本軍の行動を扱った教科書の記述の中で、「日本軍が中国を 『侵略』 , という表現が、検定で「中国に『進出』、と直されたと報じられた ( この報道自 体は誤報 ) ために、中国政府から抗議され、国際問題化した。「侵略。を「進出」と言い 換えることで、日本政府は過去の植民地支配の歴史を否定しようとしているというわけだ。 これ以降、日本の歴史教科書の記述をめぐって、しばしば中国や韓国から批判され、 題になってきた。とりわけ、 2 0 01 年、「新しい歴史教科書をつくる会」が、戦時中の 日本の植民地支配などを正当化するような教科書をつくったときには、国内外からの批判 にさらされ、大きな問題となった。 これら歴史教科書問題の根底にあるのは、歴史をどう見るかという歴史認識の違いだ。 歴史教育の問題 1 5 0