みずなし ミズナギドリ き三きミ れた海域で平行進化した結果である。モグリウ が本州東方海上で観察される。日本では繁殖する。ミズナギドリ属 p ~ 、当き s は一六種 ididae の四科に分類される。 おがさわら ミッパメ科は、ミズナギドリ目のなかでも、ミ これらの諸科の著しい特徴は管状の外鼻孔 シロハラミズナギドリ p. をを、きが小笠原を含み、日本では、小笠原諸島でオナガミズナ ズナギドリ科のミズナギドリ類が潜水生活のた で、このため管鼻目 Tubinares の名もある。 ギドリ P. を c c ~ 、 s 、セグロミズナギドリ P. 諸島で繁殖する。このグループは魚類やイカ、 め特殊化したものであろう。一方、ウミツ・ハメ ミズナギドリ目四科のうちで、とくに注目すべ 動物プランクトンを海面からつまみあげて食べをミぎュが繁殖する。また、南半球からア きはモグリウミッパメ科である。この科はわす科は、ミズナギドリ科のシロハラミズナギドリ 力アシミズナギドリ P. き、、ミ es 、ハイイロ る。海がある程度荒れているときに採餌する。 、ノボソミズナギか一属四種の潜水に適応した鳥よりなり、亜南類に縁が近いが、プランクトン採食者として特 ミスナギドリ P. 、 'ts ミ、 s ノ、、 ④ミズナギドリ類この科の仲間ではもっとも ドリ P. 、ミき s 、斗が初夏に日本の近海に渡極圏を中心に南半球の寒流域に分布している。殊化している。アホウドリ科は、ハクチョウや 飛翔力のあるグループで、細く長い翼をもち、 コンドルと並んで、飛ぶ鳥としては最大限の大 全長約二七 ~ 五五弩、体は細く、嘴も細く長来する。コミズナギドリ p. き、、ミみはま外形態は、チドリ目に属する北半球のウミスズ 〈長谷川博〉 メ科にきわめてよく似ていて、生活様式や採食きさに達したと考えられている。モグリウミッ い。なかでも高度に飛翔適応したのはオオミズれな記録があるのみである。 バメ科以外の他の三科は世界的に分布するが、 もく鳥綱の一目。方法もウミスズメ科に近い。しかしモグリウミ ナギドリ属 c ミ。ミミ斗で、日本近海特産のオミスナキドリ目 ミズナギドリ目が南半球で進化を遂げたのは疑 ツバメ科は、他のミズナギドリ目の鳥と同様に この目 ProceIIariiformes は真に外洋性の海鳥 オミズナギドリ C. ミミミ s 、大西洋東部と 〈森岡弘之〉 管鼻をもち、その他の骨格や解剖学的特徴もあ 地中海のオニミズナギドリ C. 0 き & きの一一類よりなり、アホウドリ科 Diomedeidae 、ミ みすなしがわ普段は表流水がなく、 ズナギドリ科 procellariidae 、ウミッパメ科わせて考えると、ミズナギドリ目に属するのは水無ー 種が知られる。全身が黒褐色で嘴が太いクロミ すえなしがわ 明らかで、ウミスズメ科との類似は南北に分か降雨後や洪水のときだけ水が流れる川。末無川 ズナギドリ属 p き ce は南半球の冷海域で Hydrobatidae 、モグリウミッパメ科 Pelecano- ともいう。砂漠のワジ wadi のように降水量 が少なく、蒸発量がこれを上回るために表流水 が消失する場合と、湿潤地域でも扇状地上を流 。ギ同れる川のように、地表面が透水性の大きい物質 からなる所で伏流浸透して表流水がみられない 。オの飛場合とがある。上流部が湿潤地域にあっても乾 の同っ燥地域に流入して水流が消失する例が多い。間 欠河川、間断河川、一時河川、断続河川などは いずれも水無川である。砂漠でも降雨後には奔 流となって流れることがあり、河谷を形成す る。アメリカ合衆国の乾燥地域ではアロヨ ar ・ へいたん royo とよばれる。谷底は平坦で交通路として 〈高山茂美〉 利用されることもある。↓ワジ シロハラミズナギドリ ハシポソ ミズナギドリ オオミズナギドリ ハイイロ ミズナギドリ フルマカモメ ユキドリ クジラドリ 327
なすべルー・チリ海溝が走っている。このよう森林地帯とプラジル北東部の熱帯半乾燥地域を科、ポキシア科、サポテンなどが生育する。カ地方に区分される。 ー - にゆ・つ 乳類のうち約半数の科が固有のものであ ーチンガはセラードよりもさらに乾燥した地域 な変動帯にあたるアンデス地域は、一九六〇年除き、プラジル高原の大部分は四 ~ 五か月の乾 に分布する。セラードと比べると、イネ科草本る。地史的にみると、ます中生代に形成された のチリ地震、七〇年のベルー地震、八五年のル期をもっサバンナ気候で、セラードとよばれる イス火山の噴火などに代表される火山・地震災疎林の原野が広がっている。。フラジル高原南東はいっそうまばらになり、有棘のプロメリア科陸橋が新生代の初めにとぎれ、北から入ってき ゅうてい かせつ 害の頻発地帯である。南緯三五度以南の南部ア辺の大西洋沿岸地帯は多雨な熱帯森林地帯をなやサポテン、マメ科のアカシア属、ミモザ属、た有袋類、貧歯類、鰥節類 ( 原始有蹄類 ) が南 アメリカ大陸で独自の適応放散を遂げた。広鼻 ンデスは氷雪に覆われた部分が多く、人口希薄す。アルゼンチン南部、アンデス山脈東麓のパ カエサルピニア属などが生育する。 げつし ④パラモ、ブナいずれもアンデスの熱帯地域猿類と齧歯類がそれに続いて入り、鮮新世には 地帯であるが、熱帯、亜熱帯に位置する北部・ タゴ一一ア地方は、深い谷で刻まれた台地が主体 中部アンデスでは、年中温暖ないし冷涼な熱帯をなす荒涼たる半砂漠地帯である。〈松本栄次〉の高地にみられる独特の植生で、パラモは湿アライグマ科、更新世 ( 洪積世 ) にはネコ科、 高山気候をもっ標高一〇〇〇 ~ 三〇〇〇の山〔植生〕南米大陸はおよそ北緯一二度から南緯性、ブナは乾性という違いがある。パラモは一一一イヌ科、イタチ科が入って有袋類と髀節類を滅 地に広く耕地や牧場が開かれ、多くの都市や村五五度にかけて位置し、気候帯も熱帯から寒帯〇〇〇以上の高地に成立するが、これを特徴ばし、それにかわってバク、ペッカリー、シカ せいろく 落が分布している。アンデス山脈西麓の太平洋までと広い。太平洋岸沿いには標高六〇〇〇 づける植物はさまざまである。垂直分布の下部類が入ってきた。このように数度にわたる北か らの新しい動物群の流入と新旧動物群の交代が 海岸地帯の気戻ま、ヒゝ イ。」カら南へ、コロンビア西を超えるアンデス山脈がほば南北に走る。南アからいうとおよそ次のようになる。ますワイン 岸の高温で非常に多雨な熱帯雨林気候、ベルー メリカの植生は、赤道を挟んで南北に広がるア マニア属、ドリミス属などの低木種の分布するおこると同時に、古い動物群の一部 ( たとえば からチリ北部の著しく雨の少ない砂漠気候、チマゾン低地の熱帯多雨林、さらにその南東から 地域、さらにエリカ属、キク科 ( セネシオ属、有袋類のオポッサムや貧歯類 ) が生き残り、南 リ中部の地中海性気候、チリ南部の冷涼多雨な南にかけて広がる半乾燥地域のセラード ( サバ デイプロステヒュウム属 ) などの低木種の分布アメリカの特異な動物相が形成された。 きよく 鳥類も約半数の科が固有で、シギダチョウ目 西岸海洋性気候と、緯度とともに変化する。 ンナ的相観をもっ群落 ) やカーチンガ ( 棘性のする地域、やがてカラマグロスティス属、ステ はこの大陸に固有、アメリカダチョウ類は近縁 中央低地帯の平原は、南アメリカの三大河川 高木、低木やサポテンからなる群落 ) などによ イバ属などのイネ科の草原とウンべリフェラ であるオリノコ、アマゾン、ラ・プラタの各河って代表される。以下、南アメリカのおもな植科、キク科、オオバコ科のクッション植物で覆種がアフリカにのみ生息し、ハチドリ類は多様 われる湿った凸地形の地域を経て、イグサ科の に分化して一部が北アメリカにまで進出してい 川の流域ごとに、北からオリノコ平原、アマゾ生について述べる。 はちゅう ン平原、ラ・プラタ ( 南部 ) 平原に三分され ①マングロー・フ林北部ベルーからコロンビアディステイチャ属の優占する沼沢地へと移行する。両生類や爬虫類の一部の科はアフリカおよ びオーストラリアと共通し、淡水魚はアマゾン る。リヤノともよばれるオリノコ平原は、雨期の北部にかけての太平洋岸と、大西洋岸の熱帯る。バラモでは四八〇〇が植生限界となる。 かんばく 乾性のブナは四〇〇〇以上の高地にみられ、水系を中心に多様化しているが、その主要構成 と乾期のはっきりしたサバンナ気候下に小灌木から亜熱帯地域に分布する。塩分濃度が高く、 北西アルゼンチメンバーであるカラシン類はアフリカと共通 を交えた草原が広がり、粗放的な牧畜地帯をな泥中の通気が悪いという条件下のため、気根なベルー、ポリビア、北部チリ ンに広がる。この植生はステイバ属、カラマグし、また肺魚類はほかにアフリカとオーストラ す。アマゾン平原はアマゾン川の上流域でもっ どを伸ばして生育する。属ではリゾフォラ、ア ^ 新妻昭夫〉 リアにしかみられない とも広く、アマゾン川沿いに大西洋岸まで続ウイセニア、コノカルプス、ラグンクラリアな ロスティス属、フェスッカ属などからなる大草 どがあげられる。 〔住民・一一画語〕南アメリカの住民の人種構成は 原のほか、巨大なバイナップル科の植物プヤ・ く、標高ほば二〇〇以下の平原である。川沿 はんらん きわめて多様である。この大陸の先住民である 、にはバルゼアとよばれる低湿な氾濫原が続く ⑦熱帯多雨林。フラジルの北東沿岸からアンデ ライモンデイイによって特徴づけられる。 が、平原の大部分はテラ・フィルメとよばれるスの東斜面下部のアマゾン地域、コロンビアか ⑤ノトフアグス林亜寒帯の森林で、チリ北部インディオ、植民者であるスペイン人とポルト 低い台地である。年中高温多雨な熱帯雨林気候 らベネズエラにまたがるオリノコ低地などに分の乾燥地域に続いて成立するナンヨウスギ科のガル人を主体とするヨーロツ。ハ人 ( 白人 ) 、お 下にセルバとよばれる大森林が発達している。布する。ほとんどが木本種 ( 草本種は二〇 % 以アローカリア林の南部に分布する。南緯三七度よび奴隷として連れてこられたアフリカ人 ( 黒 南北に長いラ・プラタ平原は、北部の熱帯半乾下 ) によって構成され、木生つる植物や樹高四付近から。ハタゴニアまでの地域 ( 途中に亜寒帯人 ) の三者を基本に、インディオとヨーロッパ 燥気候を呈するグラン・チャコと、南部の温帯五 ~ 六〇という巨大な樹木が生育する。生態降雨林を挟む ) にみられるが、北から南へと種人との混血であるメステイソ、ヨーロッパ人と 草原が広がり豊かな農牧地帯をなすパンバとか調査によれば、一診タ当り七四種、五四〇個体を変化させ、大形葉から小形葉へ、落葉性からアフリカ人との混血であるムラートなどの混血 らなる。 人が多数みられる。このほか、一九世紀以降、 の木本種が認められる多種の群落でもある。 常緑性へという傾向がある。 ③チャコ、セラード、カーチンガチャコとは そのほか、南アメリカに特徴的な植生として世界各地から移民を受け入れた国が多く、イタ 南アメリカ大陸の東部を占める高原地帯は、 ア人、ドイツ人、ポーランド人、日本人、中 アマゾン川沿いの低地によって北のギアナ高地平原の意で、ここには南アメリカ特有の植生が は先に述べたセラードの南に分布するアローカリ 国人、インド人およびそれらの子孫が居住して と南のプラジル高原に分けられる。ギアナ高地成立する。アマゾンの南の南プラジル山地とア リア属、ポドカルプス属などの優占林、ベルー いる。これらの各人種の居住地域には歴史や自 ンデス山脈の間には、面積約六五万平方キロものからチリ北部の沿岸部に生育するテイランジア は、一部に最高峰ネプリナ山 ( 三 0 一四 ) のよう な高峰もあるが、一般には標高一〇〇〇前後広がりをもったグラン・チャコが展開するが、属、プロソピス属、ノラナ属などの植生 ( ロマ然環境を反映した地域性がみられる。すなわ 〈大賀宣彦〉ち、インディオの古代文明が栄えたアンデス地 の低山性の地塊で、北西部はリヤノと同様なサここでは樹高が二〇を超えるプロソピス属、ス植生 ) があげられる。 3 膨 ハンナ気候、南東部はアマゾン平原と同様の熱シノブシス属などの木本種が優占し、ヤシ科の 〔動物相〕非常に特異で多様性に富み、動物地域にはインディオやメステイソが、サトウキ ビ・プランテーションの労働力として多数の黒 帯雨林気候下にある。プラジル高原は南東縁のトリスリナックス属、低木のカッパリス属、シ理学上は新熱帯区・新熱帯亜区の一区一亜区よ 部分でもっとも高度が大きく、一一〇〇〇級の ヌス属、セルシデイウム属などが生育する。プりなる新界にほば一致 ( 境界は中央アメリカ地人奴隷が導入されたプラジル北東部にはアフリ あ山岳もみられるが、多くは標高五〇〇 ~ 一〇〇ラジルの中央部にはセラードが熱帯多雨林に隣峡 ) し、ほかの二界、すなわち北界と南界に対カ人やムラートが、ヨーロッパと気候が類似し み・〇のなだらかに起伏した高原である。一部に接して分布する。まばらなイネ科草本群落とキ置される。さらに新熱帯亜区は熱帯雨林から温た・フラジル南部、ウルグアイ、アルゼンチン、 チリなどにはヨーロッパ人が多い なは古生代以降の水平な地層からなる平坦な台地ク科のはか、ダールべベルギア属、マチェリウ帯草原、砂漠、高地などの多様な環境を含み、 このように多種の人種が共存しているにもか み・もみられる。ほば南回帰線以南の亜熱帯・温帯ム属などのマメ科の小低木をはじめ、ポンバカアマゾン地方、東プラジル地方、チリ地方の三 397
むらさき 雄しべ 雌しべ ムラサキ科 キュウリグサ 花冠の付属突起 ルガイという ) の名でよばれる。ヨーロッパで科に入るが、チシャノキ属は木本でチシャノキ 〈奥谷喬司〉亜科、スナビキソウ属はキダチルリソウ亜科に は養殖もされている。↓イガイ ムラサキウニ〔紫海胆〕ミぎ c 斗 s 属する。ムラサキ亜科は子房は四、五裂し、あ きよくひ っ との二亜科は分裂しない。染料や薬用とするム カ c き ss ぎ棘皮動物門ゥニ綱ナガウニ科に 花 属する海産動物。本州中部から九州に至る沿岸ラサキ属、薬用のヒレハリソウ属、香料のキダ 中 でもっとも普通にみられる紫色のいがぐり形のチルリソウ属 ( ヘリオトロープ ) などに栽培品 の 葉 〈高橋秀男〉 ゥニ。岩のすきまや岩の上のくばみに入り、流種がある。 のれ寄ってくる海藻そのほかの破片を摂食する。ムラサキカイ〔紫貝〕ミミ。ミ。 s 誉モ 2 殻径五 ~ 七垰一、棘長四垰一ぐらい。裸殻は緑紫色軟体動物門二枚貝綱リュウキ、ウマスオガイ科 オた を帯びた暗灰色。産卵期は七、八月。生殖巣はの二枚貝。房総半島以南に分布し、潮間帯下か サを 「雲丹」として加工されるが、品質はパフンウら水深一〇ぐらいまでの泥底に深く穴を掘っ ラ形 イ ム舟 ガ ニなどに比べてやや劣る。食用以外には発生学てすみ、出・入水管の穴が離れて別にできる。 キ の研究材料として広く用いられる。日本沿岸の殻長一一戸一、殻高五・五拜一、殻幅二・七に達 サ ラ 殻皮は厚 ほか、済州島、台湾、中国南東岸にも普通に分し、殻は薄く長卵形で膨らみは弱い。 ム いが滑らかで、光沢のある褐色、老成してはげ 布する。一属一種で近縁種がない。キタムラサ キウニ s 、、ミ守 e ミきミ s とは外観がると紫色を帯びた殻の地肌が現れる。内面は紫とによる。南アメリカ原産で畑や庭に普通に生 きば 〈小林純子〉 酷似し、関東北部と日本海沿岸の一部で分布域色をしている。鉸歯は二本あり、前主歯は牙状え、世界に帰化する。 が重なるが、分類学上の「科」の段階で異なるで強く、靱帯は背の高い歯丘上にのる。砂に潜ムラサキカビモドキ s を ってすむが、貝殻を開閉して泳ぐこともでき ミミ 0 ce き細胞粘菌類タマホコリカビ目 別系統の種である。いわゆるいがぐり形をした 紫色のウニは世界各地に産し、いずれもその国る。貝紫の原料となる貝 ( おもにツロップリとのタマホコリカビ科ムラサキカビモドキ属の菌 タ のことばで「紫色のウニ」とよばれている。図シリアップリ ) をムラサキガイ ( 紫貝 ) の名で類をいう。この属は胞子が発芽して生じた細胞 サ ゥ一一 〈重井陸夫〉 よぶことがあるが、それらはアクキガイ科の巻壁のない単細胞体が栄養体で、これは粘菌アメ ぎそく ラ バといわれ、糸状の偽足がある。粘菌アメー き貝であり、二枚貝の本種と異なるため誤りで ムムラサキウマゴヤシ 0 アルファルファ ある。 〈奥谷喬司〉 バは分裂して増殖し、やがて流れをつくって集 ムラサキオモト〔紫万年青〕ぎき 頭糸柱房珠 合し、偽変形体といわれる白色の細胞集団をつ d 0 、 Hance ッュクサ科の不耐寒性多年ムラサキカイメン〔紫海綿〕ミミ。・ 柱葯花花子胚 草。メキシコ原産で、日本には一八〇六年 ( 文きこミミ s 海綿動物門尋常海綿綱カワナシくる。この細胞集団はゆっくりと移動したあ ひしん 化三 ) に渡来した。高さ約三〇垰一。葉は長披針カイメン科に属する海産動物。海岸の潮間帯のと、中心部に突起ができ、これが伸びて、高さ 形で質はやや厚く、長さ約二〇で先がとが岩上に生息する海綿で美しい紫色を呈する。外約一の子実体の柄を構成する。この柄は、セ 面 ルロース性の鞘で包まれて空胞化した細胞群か る。葉脚は茎を抱き、上面は暗緑色、下面は暗形は殻層状で、ときに指状突起や煙突状突起が ようえき 紫色。花は白色または淡青色で、葉腋から出る発達する。体表には直径二ミリ程度の流出口が開らなり、柄の途中の数か所から輪生する三、四 がくへんかひ く。骨片は桿状体のみで、体内ではこの骨片が本の淡紫色の小枝を生ずる。他の粘菌アメー 二枚の舟形の包葉の中に多数つく。萼片、花被 ともに三枚で、雄しべは六本、子房は下位。シ規則正しく網目状に並んでいる。一年中、海岸集団は柄の主軸と小枝の先にあって、淡紫色で キンラン ( 紫錦蘭 ) ともよばれ、観葉植物としでみることができるが、冬には体表に汚泥など球状の胞子塊をつくる。これは粘液に包まれて ふん いる。このような子実体は動物の糞などに生ず て栽培される。また、葉裏の表皮細胞は、植物がついて目だたなくなることもある。普通、海 の生理実験材料として使われることで知られて岸に生息する紫色の海綿をすべてムラサキカイる。偽変形体は環境が悪化するとマクロシスト だいほうのう 〈植村猶行〉 メンとよんでいるが、これには三、四種類が混 ( 大包嚢 ) を形成するが、この過程で有性生殖 か brage familY/8B0- 同されている。詳しく調べるためには、骨片のがあるといわれる。↓細胞粘菌類〈寺川博典〉 ムラサキ科 ムラサキクンシラン 0 アガバンサス raginaceae 双子葉植物、合弁花類。木また大きさ、骨片の配列などを調べなければならな たくよう は草。葉は多くは互生し、単葉で托葉はない。 。分類がむずかしい仲間である。〈星野孝治〉ムラサキケマン〔紫華鬘〕 C ミミミ旁 ci き (Thunb. ) Pers. ケシ科の越年草。高 花は両性で放射相称、普通は五数性。雄しべは ムラサキカタバミ〔紫酢漿草〕 0 さ・ かひ さ二〇 ~ 四〇拜一で、全体が柔らかい。葉は二回 花筒につき、花被片と同数で互生し、葯は縦裂 lis cory ミ DC. カタバミ科の多年草。地 りんべん する。子房は上位で、二室または不完全な四下に褐色の鱗片に包まれた鱗茎があり、子球を三出羽状複葉。小葉はくさび形で欠刻する。四 ~ 五月、総状花序をつくり、長さ一・三 ~ 室。果実は一個の核果または分果に分かれた四つくり、よく繁殖する。葉は根生し、長さ一〇 がくへん の紫色花を多数開く。萼片は一一枚、花弁は四枚 ~ 二五の長柄の先に小葉をつける。花期は冬 個の小核果からなる。世界の寒帯から熱帯に約 きょ 一〇〇属二〇〇〇種、日本に一四属約三〇種分以外ほとんど年じゅうにわたり、花は淡紅紫色で外側の二枚のうちの一方に距がある。雄しべ は六本、雌しべは一本、子房は一室。蒴果は披 名は、全体が 布する。五亜科に分けられ、キュウリグサ属をで径約二、小花柄は一 ~ 三。 しん 針形で、中に黒色の小さな種子がある。林の藪 はじめとする日本産の大部分の属はムラサキ亜カタバミによく似るが、花色が紫色を帯びるこ 花冠 じんたい かん さや ) くか ゃぶ 664
ハヌムバ ハン・セナバテ は大部分が顕著な赤茶色を呈しているのでマダ ウ科も同じく亜科となる ) 。その産地は熱帯か と イ・インガラガ ( 在位一五 ラ 、らら亜熱帯で、とくに東洋熱帯と南アメリカに種ラヒメバチとは容易に区別できる。〈桃井節也〉 ダ ~ 一六 0 一一ころ ) の時代か 、、こ類が多い。中形から大形のチョウで、例外的なマダラフルマカモメ cape pigeon, マ ら武力による周辺地域の 小形種でもモンシロチョウ程度。飛び方は緩や Pintado pe ( re 一 \ 0 をき e 鳥綱ミ シ みつ かで蜜を求めて花に集まる。日本本土の土着種ズナギドリ目ミズナギドリ科の海鳥。全長約一一一征服が始まり、四代目の 下 はアサギマダラの一種のみで、南西諸島ではそ九の中形種。亜南極圏の島で繁殖し、南半球王スルタン・アグン ( 在 ラ のほかカバマダラ、スジグロカバマダラ、リュ中緯度以南の外洋に分布する。体上面に白黒位一六一三 ~ 四五 ) の時代にジ ダ はん マ ャワ中部、東部のほとん ウキュウアサギマダラ、オオゴマダラの四種が斑、翼に白斑があるため、こうよばれる。↓フ カ ア ルマカモメ 〈長谷川博〉どを支配下に収め、二度 土着種。南西諸島ではほかにマダラチョウ科に はちゅう 上 にわたってオランダ東イ 属する南方地域からの迷チョウが多い。幼虫のマダラへビ oriental king snake 爬虫 ゅうりん ビ ンド会社の根拠地バタビ 食草は、ガガイモ科、キョウチクトウ科、クワ綱有鱗目ナミヘビ科マダラへビ属に含まれるヘ へ ア ( ジャカルタ ) を攻撃 科が主要なもので、これらの植物に含まれる有ビの総称。この属き d をの仲間は無毒で、 ラ 毒成分を体内に蓄積しているので、鳥類も捕食日本をはじめ朝鮮半島、中国東部・南部およびした。その子アマンクラ マ しないといわれている。 〈白水隆〉インドシナ半島、ビルマ、アッサムの各北部地 ト一世 ( 在位一六四五 ~ 七七 ) はオランダ東インド会社とは友好関係を維ノシメマダラメイガ ( 米、クルミ、豆、乾果、 マダラトビエイ〔斑飛贖〕 spotted ea- 方に八種が分布している。ほとんどが全長言 ふすま メー、小は七〇ほどであ持したが、 前後で、大は約一・五トル 国内では反対者を殺すなどして独裁菓子 ) 、スジコナマダラメイガ ( 小麦粉、皴、 gle rayZ ミ 0b ミまミ、こ軟骨魚綱工 イ目トビエイ科に属する海水魚。太平洋、大西る。日本には四種および二亜種が分布する。体的地位を固めた。このためマドウラの領主トウそば粉、乾果 ) 、チャマダラメイガ ( 葉タバコ ) ルナジャヤが一六七四年に反乱を起こした。国などの重要害虫は、長年、人家、倉庫、製粉工 洋、インド洋の熱帯から亜熱帯域の沿岸域に分背面が赤色系でよくかみつくアカマタ 0. 夸 とうき あまみ 布する。胸びれが頭の前に突出して頭鰭を形成ミぎ斗ミが奄美・沖縄諸島に、アカマダ一フ王は会社に援助を求めてこれを鎮圧したが ( 一六場などにすみついてよく適応しており、灯火に むち っしませんかく は誘引されない。ナシマダラメイガやツツマダ すること、尾部は鞭状でその基部付近に大きな D. ミききき s が対馬、尖閣諸島 ( 中国、朝公 I) 、このときから王国は会社の干渉を受ける ラメイガは果樹の害虫としてよく知られ、マッ 棘があること、背びれが左右の腹びれの間に位半島、台湾にも分布する ) に、亜種であるサようになったうえ、領土の割譲を迫られた。 やえやま こののち王国では二度にわたる王位継承戦争ノシンマダラメイガ、マッノマダラメイガ、マ 置することが特徴。あまり沖合いに出ず、おもキシママダラ D. 、 . ミ新が八重山諸島に分布 しんしよう に底生動物の二枚貝やエビ類を食べる。胎生でする。ほかに、小形種で細長く体背面が灰褐色 ( 一七 0 三、 一七一九 ~ 一一三 ) 、一七四四年のバタビア華ツアカマダラメイガは、針葉樹の新梢や球果 きよう 数尾の子を産む。体長は体盤幅で三ぐらいに系のシロマダラ D. 。ミ s が本州、四国、僑のオランダに対する反乱の応援のための戦などの害虫として林業に影響を与える。また、 おくしり までなる。 〈仲谷一宏〉九州および離島 ( 奥尻島を含む ) に、サキシマ争があり、そのたびごとに会社の介入が起こカラマツマダラメイガの幼虫は、山形県や長野 ハイカダ D. s 、 e ミミミきミ、 ~ sci ミが り、北海岸に面した領土のすべてを失った。オ県でカラマッ林に多発し、かなり被害が出てお マダラハタ「斑羽太〕 E. ミミ・ うおつり り、シロイチモンジマダラメイガの幼虫は、エ c 、 & を硬骨魚綱スズキ目ハタ科に属する海 八重山諸島に分布し、尖閣諸島の魚釣島からセランダはむしろ国王の権威を利用して間接的に さや ンカクマダラ D. 。をミが一九八二年領土を支配する政策をとったが、たまたま東イ ンドウ、ダイズ、ササゲの大害虫で、莢内で食 水魚。南日本から西太平洋、インド洋、紅海な りゅうきゅう 〈井上寛〉 ンド総督ファン・イムホフ Van lm'hof ( 在任害する。↓メイガ どに広く分布し、琉球諸島には多い。全長五 ( 昭和五七 ) に初めて記録されたが、これらを たえん き一いんし そくへん 〇に達し、体は長楕円形で側扁する。鰓蓋上オオカミヘビ属こ c & をに含める考え方もあ一七四三 ~ 五 0 ) の失敗から第三次の王位継承戦争が マダリアーカ Salvador de Madariaga ( 天会ー一九七 0 スペインの小説家、批評家。 縁は強く湾曲する。体色は褐色で、背側には五る。狭い島に、アカマダラとセンカクマダラの起こった ( 一七四九 ~ 五七 ) 。これは実質的にはオラ はんもん ンダのマタラム支配に対する抵抗であったが、 リ理工科大学に学び、鉄道技師として働いたあ 個の鞍状の濃褐色の斑紋があり、体全面には濃ような同属の競合二種が生息するのは興味深 どう - 」う えさ 褐色の円点が密布する。体表面に粘液が多い マダラへビは夜行性で瞳孔は縦長、餌はトオランダは反乱車内部の対立を利用してこれをとロンドンに渡り、『ザ・タイムズ』の寄稿者と 〈松井孝爾〉鎮圧し、ついで・一七五五年に、まだ残っていた なる。一九二一年からは国際連盟事務局に移り、 近縁種にアカマダラハタ E. s き g ミ、ミ ~ 、 s がカゲ、ヘビなどである。 いるが、体が赤みを帯びていること、胸びれ条マダラマルバヒロズコガ〔斑丸翅広頭王国の領土をジョクジャカルタのスルタン領と軍縮委員会議長などを務める。ついで二八年に りん そくせんりん 数、側線鱗数、鰓耙数などが多いことなどで、 小蛾〕を、ミ c を s を ) 4 昆虫綱鱗スラカルタのススフナン侯領に分割し、王国のはオックスフォード大学教授、スペイン第二共 〈生田滋〉和制時代 ( 一九一一一一 ~ 三六 ) には駐米大使、駐仏大使 マダラハタと区別される。釣りによって漁獲さ翅目ヒロズコガ科に属するガ。はねの開張一五歴史は終わった。 りんし 〈片山正夫〉 れ、食用にされる。図要ハタ ~ 二五ミリ内外で、雄は雌よりはるかに小さい マダラメイカ「斑螟蛾〕昆虫綱鱗翅目メを歴任。フランコ政権樹立後はイギリスに亡命 イガ科の一亜科であるマダラメイガ亜科 Phy- して著述に専念。七六年、四〇年ぶりに帰国。 はねは細長く、前翅外縁は丸みをもつ。前翅は マダラヒメバチ〔斑姫蜂〕ミ e きき しようはんてん ミミき sus 昆虫綱膜翅目ヒメバチ科に属茶褐色で、黒色の小斑点を散布し、後翅はそれ citinae のガの総称。日本産だけでも六〇〇種『盲人のロマンセ』 ( 一九 = = ) などの詩作品や『神 以上知られているメイガ科のなかで、この亜科の敵』 ( 一九三六 ) などの小説もあるが、コロンプ する寄生バチ。体長一五ミリ前後。体は細形、黒より暗い褐色で斑紋がない。本州から沖縄県ま 色のハチで、日本全土に産し、普通にみかけで分布し、成虫は六 ~ 八月に出て、灯火に飛来のものはノメイガ亜科に次いで多く、一二〇種スやポリーバルらの伝記、『スペイン』 ( 一九三一 ) さなぎ へんべい る。アゲハの幼虫に産卵し、その蛹から羽化すする。幼虫は扁平な 8 字形のポータブルケース余りが記録されているが、研究が非常に遅れてなどの文明批評に健筆を振るった。〈佐々木孝〉 いるので、実際は二〇〇種くらい生息している回上原和夫訳『薔薇と十字架』 ( 一九五六・みすず る。アゲハには、このハチ以外にアゲハヒメバ をつくり、樹皮や朽ち木を食べる。〈井上寛〉 チ T きミ s ミミミ 0 、、クロハラヒメバチ C ミ ~ ものと考えられる。はねは細長く、じみな色彩 書房 ) ▽佐々木孝訳『情熱の構造ー丨ーイギ マタラム Mataram 中部ジャワに成立し ) をを、 so ミ ) などが寄生し、同じような生たイスラム王国 ( 一五全ころ ~ 一七五五 ) 。建国の時期の種が多く、開張一〇 ~ 三〇ミリ。すべて夜行性 リス人、フランス人、スペイン人』 ( 一九会・ れんが書房新社 ) 活をしているが、これらの種類は体の一部また と事情については不明な点が多い。三代目の王で、灯火に飛来するが、幼虫が乾燥食品につく 1
Mt6M 第 まだらち マダラチョウ ( 雌 ) 表 ( 雌 ) 表 ( 雄 ) 裏 ( 雄 ) 表 スジグロカノヾマダラ ( 雌 ) 裏 オオゴマダラ ( 雌 ) 表 ( 雄 ) 裏 ( 雄 ) 表 ( 雄 ) 裏 ( 雌 ) 表 ク中もっとも小形で、色は灰黒色。雄の前翅は茶褐色で、発音鏡の発 マダラスカンクは体長達はあまりよくない。雌の前翅は短い。後翅に は短翅型と長翅型とがある。後肢は大きいが、 二三 ~ 三五、尾長一 ななた 相対的に短くて太い。産卵管は薙刀状。成虫は マダラスカンクはさら夏から秋までみられ、年一 ~ 三化性。草原に普 に小さいが、標本は数通にみられ、雄は日中ジーツジーツジーツと鳴 裏 〈山崎柄根〉 測個体しか知られていな い希種である。全体マダラタルミ〔斑檜見〕ミミ。、ミを、 に黒色であるが、頭、硬骨魚綱スズキ目フェダイ科に属する海水魚。 背、体側に不規則な南西諸島、東南アジア、インド洋の沿岸域に分 そくへん 斑をもつ。習性はシマ布する。体高は高く、紡錘形に近い側扁形であ ふん スカンクに似ている。 る。吻は短く、鈍角である。背びれと臀びれの ↓スカンク ^ 朝日棯〉後縁は鋭くとがる。尾びれ後縁はわすかに湾入 マダラスス〔斑する。全長約七〇成魚の体は一様に黒い はんてん が、頭部には淡褐色の斑点が散在する。幼魚は 鈴〕 P 、 e きミミ 0 ・ ミ、昆虫綱黒い地色に、吻部とえら、頭の後縁および体中 ちよくし 直翅目コオロギ科に央部と腹部下縁に白い縦走帯がある。さらに、 体背部に白い小円斑が二個あり、背びれの中央 属する昆虫。体長六、 七、、リの小形のコオロギ部縁辺も白い。サンゴ礁のやや深い海域に生息 で、肢に顕著な黒と白する肉食性の魚で、漁獲はきわめて少ない。最 まだら の斑模様をもつのでこ近、本種の近縁種ミ . き c ミミが沖縄県八重 やま 〈赤崎正人〉 の名がある。日本全土山地方から知られている。 に分布し、シベリア沿 マダラチョウ〔斑蝶〕 tiger and crow ラ海州にもみられる。体昆虫綱鱗翅目マダラチョウ科 Danaidae の総 マ 称。マダラチョウという ギ ラも虫種は存在しない。タテハ サ ダを成 マ起④チョウ科、ンヤノメチョ 突 ウ科に近縁のもので、学 力の蛹 状垂者によっては広義のタテ ウ質は ョ肉蛹 ハチョウ科のなかの一亜 チ , ②③ ラ史 科とすることもある ( そ ダ活卵虫 マ生①幼の場合にはジャノメチョ ( 雄 ) 表 ① ④
る。ごく一部の成虫は昼飛性であるが、大部分徴は五十音図を基調にして字音・悉曇を考究し めいき神明の器の意味で、中国で墓「蜀王」と称し、「大夏」国を建てた ( 一三六一 l) 。 明器 は夜行性で、よく灯火に飛来する。幼虫は、農た点にあるといえる。 〈沼本克明〉やそれの付属施設に入れるための土、木、玉、彼は国内を八道に分かち、周制に倣った官制を 作物の重要な害虫を含み、また乾燥食品の害虫回馬渕和夫著『日本韻学史の研究』全三巻 ( 一九石、銅でつくった仮器。人物、動物の場合を俑 設け、科挙を行うなど地方の経営に努めたが、 いん めいし。よら・ とされる昆虫のなかには、メイガ科に属するも ~ 六五・日本学術振興会 ) という。殷・周時代の銅武器の、玉や石による在位五年にして病没した。後を子の明昇が継 のが少なくない いたが、部将間に抗争が絶えず、国力が衰え、 。この科を分類学上いくつかの銘柄めいがら商品の特定の品質を表示す模倣や、殉死代用の人物俑、動物俑の製作に始 しゅげんしようみん 亜科に分けるが、学者によって意見が異なる。 るためにつけられた、慣習上広く認められてい まった。戦国時代には銅、陶、木製の俑葬がみのち朱元璋 ( 明の太祖 ) の送った征討軍に降 〈谷口規矩雄〉 日本には次の九亜科が分布している。 る名称。プランド brand ともいう。生産地られる。秦の始皇帝陵の兵馬俑坑出土の加彩武 月子 / はオオメイガ亜科 Schoenobiinae 小さい亜科名、等級、規格、商標、商号などを組み合わせ人・馬は硬い表現であるが、実物大でリアルさ めいきんるい oscines 鳥綱スズメ 鳴禽類 で一五種ほど知られている。本州南西部以南でて用いられることが多い。銘柄を用いることに があり、明器の画期をなす。漢代には加彩陶質目鳴禽亜目に属する鳥の総称。この亜目 Osci- りよくゆう のイネの大害虫ィッテンオオメイガ、サトウキよって取引が円滑になる。銘柄を指示するだけ灰陶や緑釉で騎兵、男女俑、牛、羊、楼閣、 nes の仲間は、英語では song birds 、フラン そう スでは oiseau chanteur 、またドイツ衄で ビの害虫シロオオメイガはこの亜科に属する。 で行われる取引を銘柄売買という。製造品の場家屋、農舎、水田、貯水池、倉、竃 ( かまど ) 、 ⑦ヤマメイガ亜科 Scopariinae 日本産として合は同業者一般に通じて用いられるもの ( たと井戸、家畜小屋、雑技俑など豊富な題材の明器は SingvogeI などともよばれるが、ヨーロッ 記録されているものは一五種。小形でじみな色えば人絹平織 ) と、生産者が自己の製品につけ がつくられる。北朝には漢の伝統を引いた緑釉、 パにはこの亜目以外のスズメ目の鳥がいないの で、これらのことばはスズメ目とはば同義に用 彩をし、幼虫はコケを食べる。 る特定の銘柄とがある。 黒褐釉の騎兵、武士、ラクダ、鎮墓獣が盛行し、 ぎじよう ③ットガ亜科 Crambinae 日本産は七五種。 いられる。よい声の基準は主観的なものではあ 株式については一般に発行会社の名称が使わ南朝には青磁の鼓吹儀仗俑などが盛行する。唐 るが、日本でも一般によい声でさえするとされ 幼虫がイネの大害虫ィネノズイムシまたはメイれ、新株・旧株が市場に出ている場合、別の銘代には三彩の馬、騎馬、ラクダ、女子、神将、 てんきん チュウとよばれるニカメイガのはか、シバを食柄として扱われる。債券のように発行日が異な鎮墓獣や加彩貼金騎兵が現れ、明器の圧巻を迎る鳥はすべてこの亜目の鳥である。しかし、鳴 みん べるシバットガなどを含む。 る場合は多数銘柄となる。なお、指定銘柄、一 える。明器は明時代まで続くが、紙製明器の流禽亜目にもカラスのように声がよくないとされ 〈下條信行〉るものもある。↓スズメ目 〈浦本昌紀〉 ④ノメイガ亜科 Pyraustinae もっとも大きい 般銘柄、店頭銘柄、あるいは一部銘柄 ( 一部上行によって陶俑は衰退する。 亜科で、日本産は三〇〇種余り。アプラナ科の場銘柄 ) 、二部銘柄のように株式を区分した用明玉珍めいぎよくちん ( 一三三一ー六六 ) 中国、明月院めいげついん神奈川県鎌倉市山之内 ずいしゅう りん」い 害虫ナノメイガ、ハイマダラノメイガ、イネ科 い方もある。↓指定銘柄 〈桶田篤〉元末群雄の一人。随州 ( 湖北省随県 ) の人。 にある臨済宗建長寺派の寺。福源山と号する。 まうじようとキ一より じよじゅき りんかんのん びやくれん の害虫コプノメイガ、果実に食入するモモノゴ銘柄売買めいがらばいばい対象物件を特定彼は熱心な白蓮教徒で、初め徐寿輝の武将と本尊は如意輪観音。もと北条時頼の建てた最 じゅうけい しせん みよう たっちゅう うえすぎのりかた マダラノメイガ、ダイズを食害するウコンノメの呼び名で表して売買取引をすること。対象物して元軍と戦ったが、重慶 ( 四川省 ) を陥落明寺の塔頭の一つで、上杉憲方によって創建 みつしっしゅごん させると、ここを根拠に四川地方を平定した。 され、密室守厳 ( 大覚寺派 ) を開山とするが、 イガなど農業経済上重要なものが少なくない。 件を表す特定の呼び名を銘柄という。株式の銘 やまのうちすどう 6 ミズメイガ亜科 Nymphulinae 日本で四〇柄 name はその会社の略称ないし通称を用い のちに徐寿輝が殺される ( 一一一一六 0 ) と自立して寺伝では山内首藤経俊が、平治の乱 ( 二五九 ) 種近くが知られ、一部の幼虫は水生。 商品の銘柄 brand はその商品を生産した企業 ⑥ッヅリガ亜科 Garelliinae 日本産は一八種。が命名した名称である。取引所で行われる取引 幼虫がミッパチの巣を食べるハチノスッヅリガは、取引を敏速・円滑に処理するためにすべて などを含む。 銘柄売買である。証券取引所では、相場に指標 ⑦フトメイガ亜科 Epipaschiinae 日本産は一一性を与えるために指定銘柄を設け、一般銘柄と 〈森本三男〉 三種。 区別している。↓指定銘柄 ⑧シマメイガ亜科 Pyralinae 日本産は四〇種鳴管めいかん syrinx 鳥類の発声器官。 ・一うとう は , - ゅっ・ 余り。 鳥類は、哺乳類のように喉頭で発声せす、気管 ⑨マダラメイガ亜科 Phycitinae 日本産は一 の奥にある鳴管で声を出す。鳴管は、多くの鳥 二〇種余り。貯穀の大害虫であるノシメマダラ類では気管が二本の気管支に分かれる分岐点に メイガ、果樹害虫のナシマダラメイガなどを含位置するが ( 気管気管支型鳴管 ) 、ある種の鳥 めいきん む。 ^ 井上寛〉類では、気管の下部 ( 一部の亜鳴禽類の気管型 ー二二以後 ) 「みよう 鳴管 ) 、あるいは気管支の上部 ( カッコウ・ヨ 明覚めいかく がく」ともいう。平安末期の天台宗学僧。音韻タカ類などの気管支型鳴管 ) にある。鳴管の構 しったん ゆいしん 学・悉曇学の研究者。温泉房あるいは唯心房と造は、気管下部ないし気管支上部の数個の軟骨 ひえい 号す。若年に比叡山で研学を積み、後年加賀国環が癒合して形成される鼓室 tympanum とい ( 石川県 ) 温泉寺に住して数多くの著作を残し、 くつかの振動膜とよりなり、発声は呼気ととも ばんじ 後世に大きな影響を与えた。『反音作法』『梵字 にこれらの振動膜が振動することによって行わ っ形音義』「悉曇要訣』『悉曇大抵』「悉曇秘』なれる。鳴管には数対の鳴管筋 sy 「 ingeal mus- どが代表著作であるが、ほかに平安時代の呉音 cle とよばれる筋肉が付着し、その収縮が振動 まつけきよう 、研究に重要な意味をもっ『九条家本法華経音』膜の緊張度を調節するので一般に鳴管筋の多い めも彼の県撰である可能性が強い。その学問の特ものはど複雑なさえずりができる。〈森岡弘之〉 ( 一 0 五六 しん 明器 〔上〕緑釉楼閣四層からなる重厚 な楼閣で高さが 1 をこす大きなも の。高 130.25 山東省高唐県出土 灰陶豚舎左右の小屋は厠。高 22.65 ともに後漢時代遼寧省遼陽市出土 699
むしごけ ムシクイ っしま リサン山脈東斜面に発源し、東流してバンカ海ど数種が繁殖し、とくに鳴き声から名の生じた シナ海に分布する。暖海性のカレイで、対馬周魚になると七〇 ~ 一六〇の深みに移動する。 だえん チフチャフ、きはよく知られている。 ェビ類、イカ類、小魚などを食べる。一年で体峡北部に注ぐ。大小多数の支流が合流する下流 辺海域に多い。体は長楕円形で、ロはやや大き ー、セン、 には一四種あるが、 五年で二〇 ~ 一一部には大湿地帯が広がる。本流、支流とも流域ズグロムシクイ属 S. ~ 有眼側の体側は茶褐色で、目より大きい黒長八、三年で一五 ~ 一 はん 日本では記録がない。背面は灰色か黒褐色で、 一帯の重要な交通路の役割を果たす。河口から 褐色の輪状紋と白色の小円斑が散在する。これ五ぐらいに成長する。体長四〇弩余りにな らの斑紋は虫食い状にみえるので、この名前がる。底引網、刺網などで漁獲される。煮つけ、九〇キ。上流に、石油の集散地として有名なパレ林縁、やぶ、公園などにすむ。ヨーロッパで は、ニワムシクイ S. ぎ、きとズグロムシクイ ンバンがある。 〈上野福男〉 由来する。全長一 八誓・ぐらいで成熟し始め、対干物、刺身などにすると美味。肉に水分が多い S. ミこミなどが多く繁殖する。ハシナガ 馬周辺海域では一、二月、日本海北部では四、 ために東北地方、北海道ではミズガレイともよ蒸し器むしき水蒸気がもっている気化熱 ばれる。図カレイ 〈尼岡邦夫〉の放出を利用して、食品を加熱し、調理するたムシクイ属きを s には一三種があり、背 五月に産卵する。卵は分離浮遊卵で、その径は ′、 4 つばーし しぎよ ーーがわ Musi インドネシア西部、めに用いる器具の総称。古代では甑といった土面は灰色かオリープ褐色で、嘴が長い。日本 一ミリ前後。孵化した仔魚は全長およそ三ミリ。末ムシ川 器が使用されたが、のちに、木、竹、金属などでは記録がない。なお、ムシクイと同様の生活 成魚は水深三〇 ~ 八〇の砂泥底にすむが、成スマトラ島南部を流れる川。全長五二〇キロ を利用し、各種の蒸し器が発達した。日本でよをするが、分類学上は別のグループとされる鳥 せいろう 、南北アメリカ産のヒタキ科プュムシクイ亜 く使われてきたのは蒸籠で、これには角形と丸 イ ク 形がある。蒸籠がつくられたのは江戸時代であ科、オーストラリア産の同科オーストラリアム シ ム る。蒸籠は、水を入れた釜や鍋の上にのせ、下シクイ亜科、南北アメリカ産のアメリカムシク イ 〈竹下信雄〉 の容器を加熱して水蒸気を発生させ、蒸籠の中イ科がある。 ダ すのこ には簀子を敷いて食品をのせ、下からあがる水ムシクサ〔虫草〕、をを、 eg ュき セ親 チョンロン L. ゴマノハグサ科の一年草。茎はまばらに ると蒸気によって加熱する。中国では蒸籠が主で、 ま雛 止の これは、竹を編んだものや、竹皮を利用して、分枝して立ち、高さ一〇 ~ 二〇。葉は茎の下 樹巣蒸籠のような形につくり、中華鍋にのせ、鍋に部では対生、上部では互生し、披針形。四 ~ 五 ようえき 阯ぼ入れた水の蒸気で蒸す。金属のものは、この鍋月、上部の葉腋からごく短い花柄を出し、径二 か」 リの淡紅色花を開く。蒴果は心臟形で、ときに と蒸し籠を一体化したもので、アルミ製のもの イ せいろう ク 虫こぶができることから、ムシクサの名がつい がほとんどである。↓甑↓蒸籠 シ ム 蒸し器で調理すると、温度を一〇〇度 O 以下た。田畑の雑草で、本州から沖縄、およびアジ に調節しながら加熱できるとともに、食品材料ア、ヨーロッパ、アメリカ、オーストラリアに 〈久保多恵子〉 の水分を逃がしながら、穏やかに加熱できる利広く分布する。 点がある。そのため、香り ( 竹やゆす、桜葉 ) ムシクソハムシ〔虫糞金花虫〕 C ミや を料理に移したり、しっとりとしたロあたりのミ 5 き s 昆虫綱甲虫目ハムシ科に属す 〈河野友美〉る昆虫。本州、四国、九州に分布する。体長三 料理をつくることができる。 ふん 、リ前後。毛虫の糞に似て背面には凹凸があり、 ムシクイ〔虫喰〕鳥綱スズメ目ヒタキ科 ウグイス亜科のメポソムシクイ属、ズグロムシ黒色で部分的に褐色、光沢がない。頭や脚は縮 クイ属、ハシナガムシクイ属に含まれる約四〇めると体のくばみにはまり込む。初夏に現れ、 種の鳥の総称。ューラシアに繁殖分布し、いすコナラ、クリなどの葉上にみられ、雌は逆立ち して脚で卵を糞に包んで虫糞形にし、柄をつけ れも全長十数、樹上性である。木の枝を移り ながら、体を水平にしたままの姿勢で昆虫を採て葉上に立てる。幼虫は烏帽子形の殻をかぶつ て歩く。この類は科のなかでコブハムシ亜科を 食する。伸び上がったり、わずかに飛び上がっ たりして、葉の裏の昆虫をとることも多いが、形成しており、日本にもこの種類と同じ属の類 シジュウカラ科の鳥のように枝に逆さまにぶら 似種が一〇種近く産するが、カシ、ツッジ、ヤ 下がることはない。メポソムシクイ属 P を s ・ブッパキ、アザミ、ホウロクイチゴなど、それ それの食害する植物が違っており、体長、体 き s には一五種あり、各種とも背面はオリー 〈中根猛彦〉 ・フ褐色で森林にすみ、互いによく似ているが、形、背面の凹凸に相違がある。 くちゅうやく 鳴き声と生息環境は種ごとに異なっている。日虫下しむしくだし 0 駆虫薬 むしこうせいむせんひょう 本では六種が記録されており、メポソムシク 無指向性無線標識 エスディービー しき Q)Z 22 イ、エゾムシクイ、センダイムシクイ、イイジ マムシクイが繁殖し、まれな旅鳥であるほかのムシゴヶ T 、ミき守ミ、ミ ~ ミ、 Ach. 地衣類の一種。不完全地衣類に分類される場合 二種キマュムシクイ、カラフトムシクイ同様、 と、サルオガセ科の一種とされる場合がある。 中国南部、インドシナ半島などで越冬する。ョ 地衣体は白色または灰白色で、長さ三 ~ 七 ーロッパでも、モリムシクイ P. s 、、洋な メポソムシクイ 7 工ゾムシクイ ま一 センダイムシクイ キマユムシクイ 0 イイジマムシクイ カラフトムシクイ ・一しき かまなべ 623
みやまり おうはん があり、何年も生きる。茎は高さ五〇 ~ 九〇ョウに似ているが、翅表外縁の黒帯中に黄斑 ミャマハンノキ〔深山榛木〕とき s ミャマフキバッタ〔深山蕗蝗〕き・ きよし ちよくし だえん セ一。葉は卵状長楕円形で縁に細かい鋸歯があ ( 白色型の雌では白斑 ) がなく、また縁毛も強 ミ兵ぎ 0 cz = Call. カバノキ科の落葉低木。を s ミミ ~ 守 do 昆虫綱直翅目イナゴ科に属 ようえき たくよう く桃色を帯びて美しい。年一回の発生で、七、 普通は高さ五以下であるが、一〇に達するする昆虫。フキやクズなどの葉上に止まり、まる。葉腋には長さ約一弩の大形の托葉がある。 ものもある。葉は長枝では互生し、短枝では一一たこれを食べる鮮緑色の美しいバッタで、いわ山地の林中に群生し、関東地方以西の本州から 八月に出現する。幼虫の食草はツッジ科のクロ 九州、および東南アジアの熱帯に広く分布する。 マメノキ。幼虫の状態で冬を越す。 3 シロチ 枚ずつつく。葉身は長さ五 ~ 一〇、やや厚ゆるフキバッタ類の一種。体長二二 ~ 三五、ー . ョウ 〈白水隆〉 、表面は滑らかでつやがあり、粘着力があ雄はやや小形であるが、雌の体は大きくて太名は、深山に生えるミズの意味。〈矢原徹一〉 る。雌雄同株。五月ころ開花する。雄花序は長 。複眼は茶褐色で大きい。前翅も茶褐色で、 ミャマムグラ G ミミをき辷ミ ミャマヤナキ〔深山柳〕 S ミ洋ぎ戔 だえん 枝の先につき、太い円柱形で下垂する。雌花序楕円形に退化し、腹部両側に密着している。後 Maxim. アカネ科の多年草。茎は直立し高さ Fr. et Sav. ャナギ科の落葉低木。ミネャナ だえん たいせつ は短枝につき、秋に熟して球形の果穂となる。肢腿節下面は薄いピンク色。本州の平地から山一〇 ~ 二五。葉は卵形で長さ一 ~ 三、四枚ギ ( 峰柳 ) ともいう。葉は革質で互生し、楕円 形または倒卵形で長さ三 ~ 六弩、先は丸みを帯 堅果には翼がある。亜高山から高山に生え、中地にかけて分布し、成虫は夏から秋にみられが輪生し、うち二枚は大きく、二枚は小さい ↓フキバ 部地方以北の本州から北海道に分布する。名は、 る。若齢幼虫は群生することが多い 夏に茎の先に花序を出し、少数の小花がまばらび、基部は細くとがり、葉柄につながる。縁に きよし ッタ 〈山崎柄根〉 深山に生えるハンノキの意味であるが、北海道 につく。花冠は白色で四裂する。北海道から九浅く切れ込む鋸歯があり、両面無毛で裏面は粉 では、海岸などにもみられる。〈菊沢喜八郎〉 州、および朝鮮半島、中国に分布し、深山の林白色を帯びる。雌雄異株。夏、葉とともに長さ 、、、ヤマホウソ M ミ s き、ミ s Max- im. アワプキ科の落葉小高木。高さ約三 ) 下に生える。 〈福岡誠行〉約三弩の花穂をつける。雌花、雄花ともに、腹 ミャマビヤクシン〔深山柏槙〕 sargent せんたい 側に腺体が一個ある。雄花は雄しべが二本、雌 」 un ぎ er \ 、ミ s c 三ミ L. var. s ・幹は紫褐色、枝は細長く伸び、褐色の淡毛があミャマムラサキ〔深山紫〕 E こ洋ミ だえん ミ Henry ヒノキ科の常緑低木。イプキる。葉は互生し、倒卵状長楕円形で、薄く、長ミきをき Makino ムラサキ科の多年花の雌しべは柱頭が花柱より短く、浅く二裂 きよし ( 伊吹 ) の一変種で、高さ四〇 ~ 五〇垰一。幹は さ六 ~ 一五拜一、粗い鋸歯がある。花は淡黄色で、草。茎は高さ一〇 ~ 二〇、葉とともに灰白色し、子房は通常無毛。包葉は縁に毛がある。樹 えんすい 地に伏して屈曲し、斜上して多くの枝を分か五 ~ 六月、枝の先に伸びた円錐花序につく。核の毛を密生する。根出葉はロゼット状に広が高、樹姿は変化に富む。高山、亜高山に生え、 ひしん つ。樹皮は赤褐色または灰褐色で、老木になる果は径約四ミリ、ややゆがんだ球形で、黒く熟す。り、線状披針形。七 ~ 八月、茎頂に淡青色の五中部地方以北の本州、北海道に分布する。変種 がんげ と、ばらばらになってはげ落ちる。葉は針状葉ミャマハハソともい , つ。ホウソあるいはハ、 ノソ弁花を上向きに開く。亜高山から高山の岩隙やケミャマヤナギは中部地方の高山に生え、子房 りんべん れきち 〈菅谷貞男〉 と鱗片葉の二形があり、青緑色を帯びて、二本とはコナラのことで、葉がコナラの葉に似てお礫地に生え、中部地方に分布する。変種のエゾに絹毛が密生する。 の白色の気孔線がある。鱗片葉は十字対生し、 り、山地に生えるのでこの名がある。本州から ルリムラサキは北海道に分布する。 ミャマヨメナ〔深山嫁菜〕 Gy きき s 、 e 、 〈門田裕一〉 茎につく。雌雄異株または同株。四 ~ 六月、、 九州、および中国に分布する。 ミャマムラサキ属は多年草で叢生し、分果は s をミ誉、 (Makino) Kitam. キク科の多年 だえん かぎ そうせい 形の花を開く。雄花は楕円形で枝先につき、黄ミャマホオジロ〔深山頬白〕 yellow ・翼または鉤形に曲がった勅をつける。世界に約草。茎は普通叢生し、高さ二〇 ~ 五〇弩。根出 ^ 高橋秀男〉葉は花時にもあり、長柄がある。葉の表面は濃 色の花粉を出す。雌花は紫緑色、有柄で厚い鱗 throated bunting/8Emberiza ミを s 鳥三〇種、日本に一種分布する。 片がある。球果は球形で液果状となり、径六 綱スズメ目ホオジロ科の鳥。同科ホオジロ属三 ミャマモジズリ〔深山捩擢〕 ~ きミ・緑色である。五 ~ 七月、枝先に径三 ~ 四弩の頭 。初めは緑色であるが、翌年の九月ころ成 八種中の一種である。全長約一五・五に達す、ぎ c ミミぶき Schltr. ラン科の多年草。花を一個つける。舌状花は淡青紫色または白 そうか だえん 色、管状花は黄色。痩果は倒卵状長楕円形、冠 熟して碧黒色となり、すこし白粉をかぶる。高る。アムール地方、中国東北部、南西部などで球形に肥厚する塊根がある。花茎は高さ一〇 ~ れきち 二〇、基部にやや対生状に葉を二枚つける。毛はない。日本の特産種で、山地の林床や日陰 山、深山の岩壁や礫地、または海岸の岩壁や砂繁殖し、冬季は日本、中国南部などに至る。↓ 礫地に生え、北海道から九州、および朝鮮半ホオジロ 〈坂根干〉七 ~ 八月、花茎の上部に一方に偏って淡紅色花に生え、本州から九州に分布する。ョメナに似 ん ~ 、つ、かレ」 島、台湾、南千島、樺太 ( サハリン ) に広く分ミャママタタビミぎミぎ、。きを数個開く。花冠は径約五ミリ、唇弁以外の五枚るが、冠毛はないので、別属とされる。ミヤコ とうほん かひ 布する。海岸型のものは庭木、公園樹として植 (Rupr. ) Maxim. マタタビ科の落葉藤本の花被片はかぶと状。唇弁は三裂し、強く湾曲ワスレ、アズマギクといわれて園芸店で売られ きょ えられる。園芸上では鱗片葉だけの古木をとく ( つる植物 ) 。マタタビに似るが、ミャママタタ した長さ約五 : リの距がある。ューラシア大陸のるのは、本種の栽培品種である。↓ミヤコワス 〈小山博滋〉 にシンパクと、 、盆栽として賞用する。 3 ビは茎の髄に階段状の空所があり、葉は卵形で亜寒帯に広く分布し、日本では北海道、中部地レ イプキ 〈林弥栄〉基部が心臓形となり、若い枝先の葉が紅白色と方以北の本州、四国の冷温帯から亜寒帯の林縁ミャマリンドウ〔深山竜胆〕ミ に分布する。名は、深山に生えるモジズリ ( ネミをこき Maxim. リンドウ科の多年草。 なることなどで異なる。雌雄異株で両性花もあ り、五 ~ 六月、径約一・五垰一の白色花を開く。 ジバナ ) の意味であるが、モジズリ属 S 、 ~ ・き〒 だえん ーレレっね 先 の 〈井上健〉 果実は長楕円形の漿果で長さ約一一、先は細く 、 s とは別属である。 なり、 ~ 九月に黄緑色に熟し、食用となる。 ミャマモンキチョウ〔深山紋黄蝶〕 からふと は先 深山に生え、日本全土、および朝鮮半島、樺太 moorland clouded yellow, alpine clouded の りんし ( サハリン ) に分布する。名は、深山に生える yellow/8Colias 、ミミき昆虫綱鱗翅目シ 序短 マタタビの意味であるが、マタタビはネコが好ロチョウ科に属するチョウ。日本では本州中部 雄むのに反し、本種はネコがとくに好むことはな 地方の二〇〇〇以上の高山地に産するもの から 〈杉山明子〉で、高山チョウとして著名なもの。国外では樺 ノ花 ミャマミス、き、ミミ (Sieb. et 太 ( サハリン ) 、朝鯡半島北部よりヨーロッパ にわたりューラシア大陸の寒冷地に分布する。 Zucc. ) Blume イラクサ科ミズ属の多年草。 ミズ属は多くが一年草であるが、本種は地下茎はねの開張四〇 ~ 四八、リ程度。普通のモンキチ へきこく へり そうせい へり ミヤマリンドウ 479
みやまえ ① たねがしまやくしま 方の種子島、屋久島まで分布する斗をミ (Thunb. ) Pers. var. 、ミ s が、多くの地域では類似のカラス Yatabe ケシ科キケマン属の越年草。キケマ 4 アゲハに比べてはるかに少ない。 ンによく似るが、葉はより細く裂け、果実はや じゅず 国外では朝鮮半島、中国に分布や曲がって数珠状にくびれるので区別できる。 ウ し、東アジアの特産種。はねの開山地や平地の林内に生え、近畿地方以東の本州 に分布する。中部地方以西の本州から九州に産 ュ張は一三〇ミリ内外。暖地産のもの ス はとくに大形となる。はねの表面するものは全体に小形で、変種フウロケマンと ウ ナ 〈寺林進〉 は黒色、光沢のある緑色鱗を密布して区別される。 ヒ し美しい。日本産のチョウでは最ミャマキリシマ〔深山霧島〕 R ぎ・ 美の一種である。カラスアゲハに d d きミミ Makino ツッジ科の半 ② 小枝をよく分 はない黄白色の帯が後翅裏面に現落葉低木。高さ〇・三 ~ だえん 落れるのがそのもっとも著しい特徴け、枝が横に張る。葉は楕円形で長さ一 ~ の であるが、暖地産のものではこの五、革質で表面に褐色の剛毛がある。五 ~ 六 こんせき ウ ウソ帯が退化して痕跡的になることも 月、枝先に漏斗状で先端が五裂する径二 ~ 、 ) 】 - キ、多く、ときにま 0 たく消失する場五の花を = ~ 六個開く。花色は紅紫色、朱色 合もある。寒冷地では年二回 ( 春など変化がある。雄しべは五本。蒴果は卵形、 スウル ウマデと夏 ) の発生、暖地では発生回数褐色の毛がある。九州の標高約一〇〇〇以上 マヤ一 うんぜん ヤミエ・が増えて、晩夏から初秋に第三化 の山地に生え、雲仙岳、阿蘇山、霧島山から開 もん 〇③ ② が発生することもある。幼虫の食聞缶まで分布する。盆栽や庭木として観賞す 形、九月に赤く熟す。核は腹面に三つ、背面に草はキハダ、カラスザンショウ、ハマセンダンる。本種は長崎県ではウンゼンツッジの名でよ 分布する。深山の名を冠しているが、人里近い さなぎ 二つのへこみがある。北海道から九州、およびなどのミカン科植物。蛹の状態で冬を越す。 3 ばれ、郷土の花になっているが、雲仙岳には本 山林の下でもよくみかける。近縁のヒメミャマ からふと しアゲハチョウ 朝鮮半島、中国、樺太 ( サハリン ) に分布す 〈白水隆〉当のウンゼンツッジ R. きミゝ 0 ~ ミ (A. ウズラは全体が小形で、北半球の亜寒帯に広く Gray) Miq. は自生していないので紛らわし 分布し、日本では中部地方以北の本州、北海道る。名は、深山に生えるガマズミの意味であるミャマカラスシジミ〔深山烏小灰蝶〕 りんし ・一↓ツツいン 〈小林義雄〉 の針葉樹林下に生育する。 〈井上健〉が、全体に毛が少なく、葉の裏面脈上に長い毛 S 、ミをミき昆虫綱鱗翅目シジミチ 〈福岡誠行〉 があることで区別できる。 ョウ科に属するチョウ。日本では北海道 ( 南西ミャマキンバイ〔深山金梅〕 P 。、 e ミド ミャマエンレイソウ〔深山延齢草〕 おしま ヾラ斗の多年草。 T 、ミミ、 sc ぎき Maxim. ュリ科の多年ミャマカミキリ〔深山天牛〕ミ s 、 s 部の渡島半島のみ ) 、本州、四国、九州に産すきミミミミ Th. Wolf / 不 、 & ~ ・昆虫綱甲虫目カミキリムシ科に属するるが、近畿地方以西の日本西南部では山地に分茎は太く、高さは約一〇、斜上することが多 草。茎は短くて太い根茎から直立し、上端に三 りようえん 、。葉は三出複葉。七 ~ 八月、花茎の先端に黄 布し、しかもその産地は局部的である。国外でし 枚の葉を輪生する。葉は菱円形または平円形昆虫。日本各地に産し、朝鮮半島、東シベリ そう で、長さ、幅とも七 ~ 一七拜一。四 ~ 六月、茎頂ア、中国にも分布する。体長三四 ~ 五七、、リの大は朝鮮半島に分布する。はねの開張は三〇 ~ 一一一色で径約二の五弁花を数個開く。果実は痩 から細い花柄が出て、側方を向いた花を一つつ形の種類で、体は黒色であるが、灰黄色の短毛五ミリ程度。はねの表面は黒褐色、カラスシジミ果。高山のやや湿った所に好んで生え、中部地 はんもん がくへん に似ているが裏面の斑紋が異なる。年一回の発方以北の本州、北海道に分布する。山草として ける。萼片は三枚あり、緑色、草質で、長さ一一を密布しており、下面の毛はやや長く淡色。前 よく植栽されるウラジロキンバイ P. ミミ L. ~ 二・五娉でややとがる。花弁は白色である胸は中央が横へ膨らみ、背面に強い横じわがあ生で、七、八月に出現する。幼虫の食草はクロ ウメモドキ科の各種の植物。卵の状態で冬を越は本種に似るが、葉裏は白毛を密生し、白くみ が、まれに淡紫色のもの ( ムラサキエンレイソるのが特徴。触角は雄では体よりかなり長く、 ふか 〈鳴橋直弘〉 し、翌春、食草の芽立ちとともに幼虫は孵化すえる。 成虫は夏に現れ、夜間 ウ ) もあり、ややとがった卵形で萼片よりすこ雌では体よりやや短い。 やく し長い。雄しべは六本、花糸は平たく、葯は花に活動し、シイやカシ類の樹木に集まり、幼虫る。シジミチョウ 〈白水隆〉ミャマキンボウゲ〔深山金鳳花〕 R や ~ 、ミ C ~ S ac 、 L. var. ミ ~ 、、 0 ~ C ~ 、 S Hara 糸より長い。山中の林内に生え、北海道から四はそれらの生木の内部を食害する害虫で、四年ミャマカラマッ〔深山唐松〕斗 c ・ 〈中根猛彦〉、ミミき e ミ 0 ミ Maxim. var. 、 e ミミキンボウゲ科の多年草。茎は高さ一〇 ~ 五〇 目に蛹を経て成虫となる。 国に分布する。名は、全体がエンレイソウに似 セン 0 葉は単葉で、深く三 ~ 五裂する。七 ~ (). Boiss. ) Ohwi キンボウゲ科カラマッソ ており、深山に生えることによる。 3 エンレ ミャマガラス〔深山鴉〕 rook \ C ミミ s 月、径約一一で光沢のある黄色花を開く。中部 イソウ ウ属の多年草。数本の肥厚した根があり、茎は 〈清水建美〉洋ミ鳥綱スズメ目カラス科の鳥。ュー ラシアの温帯に広く分布するが、日本には冬に高さ二〇 ~ 七〇。葉は二、三回三出の複葉地方や北海道のお花畑を彩る代表的な高山植物 ミャマオウム 0 ケアオウム そうか 主として九州西部に渡来するのみである。全長で、柔らかい。五 ~ 八月、白色花を開く。痩果で、より低所に生育するキンボウゲに似るが、 ミャマオダマキ 0 オダマキ く亠つばし は基部が狭まって柄となる。山地の林内や渓谷茎に伏した毛がある。基本種は葉は裂片の幅が ミャマガマズミ「深山莢蓬〕 Vib ミ・約四七。ほば全身黒色、嘴の基部の周りは ききミ、ミ Miq. スイカズラ科の落葉低羽毛がなく灰白色であるが、東アジアのものはの湿った岩上に生え、北海道から九州、および広く、牧草地に普通にみられ、ヨーロツ。ハから 〈門田裕一〉 シベリア西部に分布する。 木。高さ二 ~ 三・五。葉は対生し、広倒卵形その部分が非常に狭い。↓カラス〈浦本昌紀〉朝鮮半島、中国東北部に分布する。名は、深山 に生えるカラマッソウの意味。基本種はアムー ミャマクワガタ〔深山鍬形虫〕トミや で先端は長くとがる。五 ~ 六月、散房花序をつ ミャマカラスアゲハ〔深山烏揚羽〕 りんし 〈門田裕一〉 きミ = き 0 きき s 昆虫綱甲虫目クワガタ ルに分布し、葉が大きい くり、小花を多数集めて開く。花冠は白色で、 P ミ 0 ミミ昆虫綱鱗翅目アゲハチョウ ムシ科に属する昆虫。日本各地に分布する大形 深く五裂する。子房は下位で一室。果実は球科に属するチョウ。日本では北海道から九州南ミャマキケマン〔深山黄華鬘〕 C ミ 3 島ぼはいの。 1 こ測、ド誉ご さなぎ ③ ろうと
の多年草。茎は高さ四〇 ~ 六〇。葉は二 ~ 五ミャマトべラ〔深山扉木〕 E ミ es き す . 宮増みやます生没年不詳。室町初期の能 役者、また能の作者。永享 ( 一四 = 九 ~ 四 l) ころ回三出羽状の複葉。葉柄の基部は鞘状に膨らををき Benth. マメ科の常緑小低木。高さ ま の人とされるが、多くは不明。室町中期から後み、赤みを帯びる。七 ~ 八月、散形花序をつく三〇 ~ 八〇。根はやや肥大した多肉質であ やまとさるがく る。葉は三小葉からなる。小葉は質が厚く、上 だえん み・期にかけて、その一座は大和猿楽の系列に併合り、白色花を開く。名は、ノダケ ( 中国名前 ー、セン 0 七月 されたらしく、宮増を名のる役者が多い。異色胡 ) と同じセリ科で、高山に生えることによ面に光沢があり、楕円形で長さ五 ~ わきのうひむろ よしつね くらまてんぐ え されき の脇能『氷室』、源義経関係の『鞍馬天狗』『烏る。日本の特産種で、高山帯の草原や砂礫地に ころ、茎の先端に総状花序を出し、長さ一ほ よ ちょうけい ばしおりせったい ちょうぶく ウ 帽子折』『摂待』、曽我兄弟の『調伏曽我』『夜生え、中部地方に分布する。 どの白色の蝶形花を多数つける。豆果は楕円 ガ 形で長さ約一・五、やや肉質で黒紫色に熟ニ 討曽我』がその作品とされ、また国生み神話の 工ゾノシシウド属はシシウド属ゝミ新 ほうかぞう マ 『逆ア』、中世風俗をそのまま描いた『放下僧』、近縁であるが、系統的により古いと考えられてし、中に大形の種子が一個ある。茨城県以西の げんぶく こそで ャ 曽我物系列の『元服曽我』『小袖曽我』の作者おり、北半球の寒帯に四種、日本には本種のほ本州、四国、九州の常緑林内に生え、中国大陸 とも考えられている。民衆の英雄を取り上げ、 か工ゾノシシウドとエゾヤマゼンコの二種があ中部に分布。名は、深山に生えるトべラ ( トべ 〈門田裕一〉 また地方色豊かな能を得意とした能作者である。 ラ科の常緑低木 ) という意味で、葉の形や光沢州、および朝鮮半島に分布する。〈許建昌〉 ぜあみ り、世阿弥系列の幽玄能とは別の主張をもってミャマダイコンソウ〔深山大根草〕がトペラに似ていることによる。〈立石庸一〉 ミャマネス〔深山杜松〕 7 、ミ s 〈増田正造〉 いたことがわかる。 ヾラ斗の多年草。ミャマトリカフト〔深山鳥兜〕ムきこ・ CO ミ、ミ L. var. 、、、 0 ミ (Maxim. ) - 「 il. G き c ミ、三 = ミミ Menz. ノ不 ミャマセセリ〔深山拝蝶〕 Ery 戔旁全体に粗い毛が生え、高さ一五 ~ 二〇垰一、まれミミこをぎき Nakai キンボウゲ科の多 son ヒノキ科の常緑低本。幹は多く地をは りんし う。葉は三枚輪生し、長さ〇・六 ミ 0 ミま昆虫綱鱗翅目セセリチョウ科に属に三〇近くになるものもある。葉は羽状複葉年草。有毒植物で、従来ハクサントリカプトと いわれていたものの大部分が、これにあたる。 ・二ミリ、表面はわずかに弓状に曲がっ するチョウ。日本では北海道、本州、四国、九であるが、側小葉は非常に小さく、頂小葉はほ っしま ば円形、最大で径約一〇。七 ~ 八月、花茎の葉は円形で深く五裂し、裂片は中裂する。花柄てやや深くへこみ、裏面は白い。雌雄異株。 州、対馬などほとんど日本全土に分布するが、 たわがしまやくしま ~ 三垰一の五弁花を数個開く。花は全体に曲がった毛を密生する。主として高山月、開花する。球果は球形で頂は浅くへこみ、 種子島、屋久島および以南の南西諸島には生息先に黄色で径一一 らん - 一く 翌年熟すと藍黒色で白粉をまいたようになる。 しない。国外では朝鮮半島、アムール地方、中期後、花柱は伸長する。果実は痩果。高山に生帯の草原に生え、東北地方南部から中部地方の え、北海道から四国、および千島から北アメリ 日本海側の山地に分布。平地にも多く生える別高山に生え、本州北部、北海道に分布する。名 国に分布し、東アジアの特産種。 はねの開張は四〇ミリ内外。はねの地色は茶褐カ北部に分布する。名は、深山に生えるダイコ種ヤマトリカプトに対して、本種は高山に生えは、深山に生えるネズの意味である。変種とし おうはん しぶつ ンソウの意味であるが、花柱に関節がないのるのでこの名がある。ハクサントリカプトは花て尾瀬の至仏山以西から中部地方の高山にホン 色、後翅には多くの小黄斑がある。雌は前翅の ドミャマネズ、北海道にリシリビヤクシンがあ 中央に帯白色の幅広いバンドがあるが、雄ではで、ダイコンソウ属から独立させる学者もい 柄の先端にごくまばらに曲がった毛が生えるも はくさん ふめいりよう 〈林弥栄〉 〈鳴橋直弘〉ので、白山の高山帯に特産する。〈門田裕一〉る。 不明瞭で前翅の前縁基半に灰褐色の細い性標る。 がある。年一回の発生、暖地では三月中旬から ミャマハタサオ〔深山旗竿〕とま ミャマタネッケバナ〔深山種付花〕ミャマニガウリ〔深山苦瓜〕 Sc ミき・ 四月下旬、寒冷地では四月下旬から六月上旬に ト 0 ミ b 0 ミ、 s Maxim. ウリ科の一年生き L. var. ミミ s ミ Fisch. ア。フラ Ca 、き il ミミ、 0 Fr. et Sav. アプラ つる草。茎は細い。葉は長柄があり、卵心形でナ科の多年草。茎は下部から分枝し、高さ一五 出現する。幼虫の食草は。フナ科のコナラ、クヌナ科の多年草。全草無毛。根茎は多数分枝し、 わぎわ そうせい ~ 三五。根際の葉は長さ三 ~ 五、羽状に深 ギ、ミズナラ、カシワなど。幼虫の成長は遅花茎を叢生する。花茎は高さ五 ~ 一〇、葉は五 ~ 八角に角張り、先端はとがり、基部は心形 く、晩秋になってからようやく老熟し、落葉と数枚の羽片からなる。花期は七 ~ 八月で、密にで湾入部は円形、質は薄く、表面に細毛があく裂け、先端の裂片は大きく、両面に軟毛があ る。茎葉は線形、全縁で基部はしだいに細ま る。葉に対生し、巻きひげがある。花期は八 ~ ともに地上に落ち、幼虫の状態で冬を越し、翌数個の花を開く。日本の特産種で、高山の湿っ さなぎ れきち 春そのまま食をとることなく蛹となる。 3 セた礫地に生え、中部地方以北の本州、北海道に九月。両性花をつける株と、雄花のみをつけるり、毛はない。四 ~ 八月、白色花を開く。果実 ようえき セリチョウ 〈白水隆〉分布する。名は、深山に生えるタネッケバナの株がある。両性花は葉腋に一個つき、帯黄白は上向きにつく。亜高山の砂礫地に生え、北海 〈小林純子〉色、雄花は総状花序をなし、白色。花冠は径約道から四国、およびカムチャッカ、アラスカ、 ミャマセンキュウ〔深山川芍〕 Co こ。・意味である。 朶北アメリカに分布する。基本種は全体に毛が多 s ミぎミ、ミミミ、き ( Wo ミ ) Hara セリ科の多ミャマチャパネセセリ〔深山茶翅排蝶〕五ミリで五裂する。液果は楕円形で長さ一。 からふと りんし ^ 小林純子〉 く、北アメリカに分布する。 年草。太い根があり、茎は高さ四〇 ~ ノ〇チ P ミ 0 s 0 s 昆虫綱鱗翅目セセリチ山に生え、北海道から九州、および樺太 ( サハ リン ) 、東シベリアに分布する。名は、果実の ~ 九ョウ科に属するチョウ。日本では本州、四国、 葉は三回三出の羽状複葉で、質は薄い。八 ミャマハンショウ。ツル〔深山半鐘蔓〕 C 一 e ミミ 0 ミ e こ (Pall. ) P0ir. キン 月、径一〇に満たない小形の散形花序をつく九州に分布。国外では朝鮮半島に産することが形をニガウリ ( ツルレイシ ) に見立て、深山に とうほん 〈小林純子〉 ボウゲ科の藤本 ( つる植物 ) 。葉は二回三出の り、白色花を開く。深山の林縁や草原に生え、知られている。山地の草原に多い。はねの開張生えるニガウリの意味である。 きょ 中部地方以北の本州、北海道、南千島に分布すは四〇ミリ内外。普通のチャパネセセリに似てい ミャマヌカホ「深山糠穂〕安。 s 複葉で、質は薄く、小葉は先がとがり、粗い鋸 し ぎんはくはん る。名は、深山に生えるセンキュウの意味であるが、後翅裏面の中室内に大形の銀白斑をもっ Hack. ィネ科の多年草。全体が柔ら歯がある。六 ~ 八月、赤紫色花を一個ずつ下向 きに開く。花は三角形状の鐘形で長さ約三。 かく、高さ一五 ~ 三〇拜一、毛はない。六 ~ 八月、 のがその特徴である。年二回の発生で、第一匕 るが、センキュウ属 C ミミミではない。 えん は四 ~ 六月、第二化は七 ~ 八月に出現する。幼楸頂に、主軸に二本ずつ分枝がある、卵形の円主として高山帯の低木林内に生え、本州、北海 ミャマセンキュウ属はシシウド属ゝミ ge 新ミ からふと のぎ すい りよう に似るが、果実は、背面の稜が翼状になる。日虫の食草はイネ科のススキ、オオアプラスス錐花序をつける。小穂は長さ二・五 ~ 三ミリ。芒道、および千島、カムチャッカ、樺太 ( サハ さなぎ ひぎ ン ) 、東シベリアに分布する。名は、全体がハ 〈門田裕一〉キ、チガヤなど。蛹の状態で冬を越すが、これは膝折れし、護穎の基部近くから出て小穂外に 本に二種分布する。 ンショウヅルに似るが、高山に生えることによ 突出する。内穎は退化し、葯は長さ〇・八 ~ 一・ は近似種にみられない特性である。 3 しセセリ ミャマセンコ〔深山前胡〕 C ミ一。ミ、・ 〈門田裕一〉 〈白水隆〉五リ。高山の草地や岩場に生え、北海道から九る。 ミききミ、きき (Maxim. ) Kitag. セリ科チョウ ー、、セン 0 さや だえん されき 478