問題 - みる会図書館


検索対象: 日本語練習帳
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1. 日本語練習帳

「私が行くか行かないか ( トイウコト ) ハ、「分かりません、といっているのですから、傍線の 部分は不明なのだと思ってはいけません。「私が行くか行かないか」ということは、間題 ( ( 0 三 c ) として、話題として確定的で、ゆるぎないことだとハが決定しているのです。その確 定した問いに対しての答え ( 新しい情報 ) として、「分からない」ということが加わったのです。 つまりハは、事柄・事実が確かだというのではなく、問題として確かだというのです。これが 日本語のハという助詞の特性です。このことが、これまでの文法家の中にさえなかなか理解で きなかった人がいます。ここをよおく呑みこんでください。 次のような場合にもそれが生きてきます。 美しくは見えた 訪ねては来た これは、「美しく見えた」「訪ねて来た、のようなハのない型と似ています。ところが中身は 嫌 まったく違います。ハが一つ加わると、「美しくは見えた。しかし、べらばうに高かった」「訪 ん ねては来た。しかし、遅く来た」のように、何かの留保が付いたり、条件が付いたりして、、 文 は結局、単純な肯定では終わりません。 さらにこれは次の形にもなります。

2. 日本語練習帳

本 基 の 五ロ 1 三 た敬語の使い方の間題は消え失せてしまって、別の評価が成り立つでしよう。 終りのあ茶を飲みながら 研究に一生を投した人の業績の全体に目を向けて初めて分かることがあります。学 者とはそれぞれ自分の根本的な間題を自分に課しているもので、その課題に対する答 えをおのおのがカの限り追究した結果が、いわゆる業績なのだということ。 私はある時期、「言語とはいったい何なのだろう」という問題に自分なりの答えを もちたいとあれこれ考えたことがありました。私は本来、そういう課題をもって国語 学に進んだのではなかったのに、私がそうなったいきさつは、こんなことでした。 大学に入ったとき、私は橋本進吉先生の演習に出席し、その一点一画を細かく追究 する学問、透明な思考を重んじる行き方に感じ入り、国語学を選んだのです。 橋本先生の一生の課題は「日本語はいかにあったか」ということでした。奈良時代 には発音はどうだったか、どんな単語がどういう意味で使われたか。平安時代にはど 205

3. 日本語練習帳

社会の公正さ、透明性を保つ上での検察の必 要性を示した。金融関係の公的機関の長に検 察が多く起用されるのも国民の検察への 期待と信頼のあらわれだろう。しかし捜査の 進め方や収束の仕方には懸念の声もある。検 察の責任者、新任の北島氏はそれを肝に銘し てほし ) 。 折しも新潟地検の検事が職名を使って親族 の税務調査に圧力をかけて処分を受けた。検 察官は起訴権限を独占している。職責の重要 さを胸に刻み、言動を自ら律すべきだ。 また特捜部の活動と対照的に日常の事件の 取扱いには問題があり、犯罪の被害者への対 応にも不備がある。被害者救済は大事な課題 。数年前取り調べ検事が被疑者や参考人に 120

4. 日本語練習帳

十日まではだめです 四時からはあいています ( それ以前はだめです ) 合計しても一〇〇万円にはならない 「限度のハ」は「対比の 0 の延長上にある使い方です。ハは、本質的に、「一つのことを取 り上げて、他の同類と比較する」ことを役目として、しかもそれとは違うと明示するのです。 << ハ、ハの対比のように、「十日まではだめです」といえば、「十一日ならはいいけれど」と いう意味が裏に見えます。「四時からは」という表現は「それ以前は , との対比があるわけで、 それと「限度」の使い方とは根本は共通です。 ハの働き④ーー再問題化 ハの働きを三つ見てきました。①話題として一つのこと ( もの ) を設定する、②対比する、③ 、ハは自分の上に来ること ( もの ) を、とにかく一 限定する。この三つの共通点は何かというと っ選択して、「これは確かなこと ( もの ) だ、他とは違う」と取り立てることといえるでしよう。 次の四番目の働きもその延長線上にあります。ます一つの例を出しましよう。 私が行くか行かないかは分かりません

5. 日本語練習帳

財布はなかったこという説明になる ( これは対比でもあるわけで、先にハの使い方は四つある が基本的には共通陸があるといったことがここで現れているわけです ) 。それに対して、 「花が咲いていた」とは、気がついてみたら、「花が : : : 」という現象が生していた という発見の喜び、驚きの表現 「鍵が見つかった」とは、「鍵が : です。つまり、、は、現象の写生であり、新発見の驚きを含む表現です。ところが、、 の「花は、「鍵は、という型では、すでに問題が出されており、その結果、どうであったか、 どうなったかという答えを提出するという「問答の形式」です。新しい情報は、ハの下に来る のです。、の「花が」「鍵が」という型では、ガの上のものやことは新しく気づいた対象 であり、発見であり、新知識の対象だと扱うのです。この点でもガとハとは逆のはたらきをし ます。ガが描写、あるいは写生の文を導く型だという例を一つ出しましよう。 もっと 尤も驚ろいたのは、何処迄行っても東京が無くならないと云う事であった。しかも何処 ( 4 ) をどう歩るいても、材木が放り出してある、石が積んである、新らしい家が往来から二三 ( 5 ) 間引っ込んでいる、古い蔵が半分取り崩されて心細く前の方に残っている。 ( 夏目漱石『三四郎し

6. 日本語練習帳

美しくはなかった 訪ねては来なかった これは「美しくなかった、「訪ねて来なかった、のような単純な全面的否定ではなくて、留 保とか部分否定とかになる。 「美しく、「訪ねて」というのは、切れてはいないがそこで一応の判断を下している。ところ 、ハの働きは、すぐ上にあるものを問題 が、その下にハが加わった。すでにお話ししたように として確定したことと設定することです。、や O 、の形は「美しく」「訪ねて」と肯定 の判断を一度は確定的に下しています。それにもかかわらす、それを再びハで間題として設定 しなおした。それは、再問題化であり、直上の判断に留保条件を付けたり、否定したりするこ とにつながります。これを私は「再審」といったこともあります。 「再審」とは裁判用語です。一度決定の下された判決を「再び審議」する、「再び問題にす る」ことです。だから、刑事裁判の場合、死刑の判決に対して最高裁判所が「再審」と決を下 すと、それ以前の決定を再問題化するのだから、結局、逆転無罪となることが多い。 繰り返します。 美しノ、は

7. 日本語練習帳

私はここに大小とりまぜて計二五〇点になるように問題・課題を収めました。これをやり通 して巻末の配点表で点数を数えると、自分の現在の日本語の技能はどのくらいか、およそ見当 がつけられるでしよう。また、日本語とはどんな特質をもっ言語なのか、日本人の社会意識は どんな基本的構造をもつのかということを考えていく糸口もここでお話ししてみます。 クラール・ 私は旧制高等学校の生徒の時、ドイツ語の組だったので、文章を書くには、いつも : Klar ウント・ドイトリヒ und Deutlich ご ( 澄明で区別明瞭 ) という言葉を呪文のように唱えていました。この本でも、人 の文章をどう読み取るかということと並んで、日本語を論明に、区別明瞭に書くにはどうすれ ( いいか、その入り口をお話ししました。 ひととおり読むだけでもこの本は日本語の理解と表現のために役に立っところがあると思い ます。ゆっくりと辛抱強く、練習間題に答え、また作業をしていくと、その人が本来もってい る言語の能力がきっと引き出されてくる。誰かといっしょにこれをして答えをつきあわせ、違 これはまた、 った考えがあることを知るのも面白いと思います。もちろん独りでしてもいい。 一つの知的な遊びにもなるでしよう。

8. 日本語練習帳

うなったか。発音や文法や個々の単語の意味は一つの時代から次の時代へとどう変遷 したか。当然、橋本先生は資料を大切にし、学生にもその扱い方と理解のしかたをく わしく教えられました。 ところが、その後任として来られた時枝誠記先生の根本的な課題は「言語とは何で あるか」ということでした。奈良時代の母音はいくつか、室町時代の一つの単語がい っ栄え、 いつごろ亡びたかなどという過去の個別的事実は問題にされす、かわって追 究されたのは「言語とはどんな行為なのかーでした。 第二次世界大戦中、私は万葉仮名について論文を書いて大学を卒業し、研究室に副 手として勤めるようになりました。昭和二〇年に入って橋本先生は亡くなられ、その 頃から東京の空にはしきりに空襲警報が鳴り渡るようになり、とうとう時枝先生のお 宅は焼夷弾で焼かれ、先生は奧さんとお子さんを軽井沢の別荘に避難させて、御自身 は本郷の東京大学の研究室に寝泊まりされるようになったのです。 「言語とは何であるか」という間いに対しては、その頃は、例えは言語は社会的制 度の一つであるという意見もありました。言葉づかいを間違えれば人々から嘲笑を受 け、ときには罰せられる。だから言語は制度であるという。しかし、時枝先生は「言 206

9. 日本語練習帳

暴力をふるった件で北島氏は監督責任を問わ れた。政治権力の不当な干渉を排除する力を 持っためにもます足元を固めてもらいたい。 縮約のためには、原文の語句の中に、未知の単語、はっきりは分からない単語があれば、そ れはいちいち辞書を引いて確かめる作業をしなくてはいけない。 理解が不正確では、正確な縮約はできません。そのために机辺に中型の現代語の辞書を用意 ことてん ことばてん するくせをつけるとしし 月さい辞典だけでなく、少し大きい事典も必要です。事典とは百科 事典のこと。辞典と事典とを兼ねた辞書も出版されています。 しくつかのねらいか 私は学生に一年間で二〇回くらい この作業をさせました。それには、 ) あったのです。新聞の社説 ( まさまざまの時事間題を扱います。政治的な問題が多いのですが、 骨扱う範囲が広い。その文章を毎週一つは精読し、限られた時間で縮約をする。おのすと真剣に の 章なります。そして扱う範囲の広さが、読み手の目をどうしても社会の広い間題に向けさせる。 つまり、自分たちの生きていく人生・社会を見る目の幅を広くする。また、文章に出てくる抽 1 象語、術語を的確に理解する必要から読み手の語彙が増える、等々。

10. 日本語練習帳

と飛んでしまっては早すぎるでしよう。外国文学者がそういうのだから、日本語には文法なん てないんだろうと田 5 ってはいけない。 ョロッパ語のセンテンスの考え方に立たすに、もっと日本語に自信をもって、日本語のセ ンテンスの組み立て方はどうなっているのかを考える方がいい 、とガとは ノとガとがどんな働きをするのか、ノ 日本語のセンテンスの構造を理解するには、、 どこが同じでどこが違うのかをよく見極めること。ます、ハから始めます。 ハの働き①ーー問題 ( to 三 c ) を設定して下にその答えが来ると予約する 日本語のハの役目から代表として四つを取り上げましよう。その第一は、ハは「話の場を設 定する、「題目を提示する、ということです。ハは「問題を出して、その下に「答え」がくる ことを予約するのが役目だ」といえます。それを具体的に見ていきましよう。 練習⑩ 1 2 ) ( 3 ) のハは「話の場」、「問題」 ( ( op 一 c ) を設定しています。それ 次の文章の ( ) (