座禅 - みる会図書館


検索対象: 精神道入門 : こんな私も修行したい!
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1. 精神道入門 : こんな私も修行したい!

AII IIIfRODVCTiOII FOR SPiRjfVAL AUJAKETIiTIG たらしい。早すぎてわからん。 リーダーの裏切り リーダ 1 に連れられ、女子寮に。すぐ寝られるかと思いき や、なぜか女子だけは「自主トレ」というか「自主座禅」が あって、しかもそれは外でやるというのだ。布団だけ敷いて、 野外用座禅セット ( ゴザと座布団 ) をリーダーからもらう。 いいかげん寒かった私は、もらいながら「上に一枚着ていっ ていいですか」と聞いた。 彼女は「うーん : : : 」と渋い顔をしたが「まあ : すよ。厚くなければ」と言ってくれた。 ( 矢継ぎ早と違って リーター ありがとう ) とまだこの時、私は 融通きくぞ、 思っていた。この時までー 私は喜びつつ素早く上に一枚着てみんなの後につき、一列 になって玄関を出た。私は最後の方で、すぐ後ろにリーダー とナンバー 2 が続いていた。ちょっと離れたお堂の前に、私 までの 4 人が先に到着し、座り始めた。チラッと振り返ると ーダーとナンバー 2 は座禅セットを持ったまま、座禅堂の 入口で何か用を済ませている様子。そのうち来るだろうと思 倍ろの神小ゞ 布団 引キ、出し 印のみは

2. 精神道入門 : こんな私も修行したい!

CHAPfER しかし、許しがたかった。だって二人とも、座禅セットを 持って外に出たのに ! あれは「やるふり」しただけだった んだ。そのために最後に並んだんだ。いつもみんなだけやら せて、寝てるんだ。 座禅会が始まる前に門のところで見せてもらったイラスト では、リ 1 ダーらしき人も外での座禅に参加していた。分 くらいで終わったからイラストレーターが拍子抜けしてたら 「明日もありますから : : : 」って答えてたな。あの時は「取 材」だったからやったんだ。普段はサポってんだ。あーもう 怒りがおさまらない。 しん だって体はもう芯の芯から冷えているのだ。凍えてるに近 いくらい。そりやそうだ。秋の夜、外で 2 時間くらいじっと 座ってたんだもの。布団の中もまったく温まらないから眠れ もしない。明日は 4 時起きなのに。ますます頭にくる。まだ ほかの二人、続けてるはずだけど大丈夫だろうか。心配して いると、しばらくして帰ってきた。 しかし、なんで最初に「各自、好きなだけ」と一言一言って くれなかったんだろう。好きなだけやって終われたら、すご 、私だってこの経験、 く素敵な体験になったのに。くそ

3. 精神道入門 : こんな私も修行したい!

CHAPfER 、座禅の体勢に入る。もう秋だったので、やはり寒い。一 枚着てこなかったら私はもう死んでいた。着てこれてよかっ それにしても夜のお寺の境内は神秘的で、お堂の前で自然 を感じながら座禅を組むのは素晴らしい体験だった。特に杏 子ちゃんと私はお堂のほば正面に座っており、中央が開けて いて、とても気分がいい 風景を気にしている時点でまだ未熟者なのかも知れないけ ど、堂内でやるより雑念を流せたような気がする。自分が自 然とともにあるのを感じて、そこにとけこめそうな感じがし ていた。 : それはいいけど、リーターとナンバー 2 か遅い 来たら私の隣に座るはずなのに、全然来る気配がない ひょっとして角を曲がったところでやってるのかな ? 横 目で時々見てみるのだが、角の向こうまでは見えないからよ くわからない。おかしいな : : と思い始めたが、ここは上の 者に従わなければ動けない道場。リ 1 ダ 1 が「終了」と言う までやめてはいけないのだから絶対来るはず。自然を感じっ つ、リーダーを待つ。 さむけ しかし来ない。だんだん忍び寄る寒気。時折吹く風が猛烈 0 ー

4. 精神道入門 : こんな私も修行したい!

AII lIIfRODvcfiOfI FOR SPiRjfVAL AUJAKE11i11G を教えてもらいつつ、袴をはく。次の瞬間、ダッシュで座禅堂へ。ここではいつでもなん でも急がなければならないのだ。毎日が小走り。 早速、座禅開始。最初に足の組み方など教えてもらい、杏子ちゃんと並んで座る。ここ は部屋全体が薄暗い。しかし壁に向かうわけではないので、半眼でいても部屋の様子が目 に入ってくる。 最初の 1 時間は楽勝。 1 時間くらいじっとしているのはもう簡単だ。って罰ゲームじゃ ないんだから、こう言っている時点で修行が足りないことは明白。辛くないのは慣れてき ただけで。まあでも慣れは第一歩、かも知れない。雑念は満載だったがとにかくやり終え、 5 分だけ休む。 もちろん「いや—疲れた—」なんてあくびする人はおらず、みんな無言で伸びしたりウ かみて ロウロして、「コーン」と鐘が鳴ったら自分の席へ。入る時に礼、上手へ歩く時は合掌 しやしゅ ( 出口へは叉手 ) 、席の前で礼 : : と例によって作法ずくめ。杏子ちゃんは急いで歩く時、 必ず手を振ってしまいよく注意されていた。 嫌からせ ? それとも修行 ? そして、 2 回めの 1 時間へ突人。これも苦もなく終わる。終わるといきなり「お茶の時 間」。夜 8 時くらい ( だと思うけど、時計がないのでわからない ) 。お茶とお菓子が用意さ れる。 しかしこのお茶の時間に「ホッ D 」を求めてはいけない。若いお坊さんらしき人 ( 4

5. 精神道入門 : こんな私も修行したい!

AII lnfRODVCfiOfI FOR SPiRjTVAL AUJAKE11iIIG 断食の成果、ここに現る さて、とうとうやってきました、厳しい厳しい座禅会。 週末にある座禅会は夕方 5 時スタート、 翌朝川時くらいに 解散とのこと。 この会、なんと予約はいらなくて行きたいと思った時に直 接行けば参加できるという素晴らしいシステム。 当日、私と杏子ちゃんは駅で待ち合わせ、お寺の中にある 座禅用の建物までやってきた。まず、柵と立て看板があり、 階段を上ったところに門が見える。柵の中に入る前に、立て 看板を読んでみる。 そこには、座禅会のお知らせや諸注意が簡単に書かれてい て、中に「タ食をすませてきてください」という一文があっ た。打撃。 「た、食べてきてないよ : : : 」杏子ちゃんが悲しい顔になる。 「私も , 重要事項を聞くの忘れてたなー。「でも大丈夫でし よ」と瞬時に思い直した。断食道場では 5 食くらい抜いたの だ。「昼」と「夜」抜いた時点では平気だったんだから、今 日の夕食ないくらい絶対大丈夫。 128

6. 精神道入門 : こんな私も修行したい!

AII lFIfRODvcTiOfI FOR SPiRjfVAL AUJAKE11i11G マイ・フェイバリット坊主 「私、座禅がしてみたいんだけど : : : 」と、ある日、友達の 杏子ちゃんが連絡してきた。私が写経や瞑想をしているとい う話を聞きつけ、一緒に修行しようと思ったらしい。「ああ、 座禅は前やったことあるよ」と答えると「いいなあ。辛い ? 何か変わる ? 」と興味津々の様子。 しかし私もやったとはいえ、川年近く前の話。しかも座禅 が終わった時、「これからちよくちよく来たいと思ってます ので、皆さんよろしくお願いします」と宣一一 = ロしたくせに、そ の 1 回でやめてしまったというだらしなぶり。 「せめて 2 回くらいは行けよ : : : 」と我ながら苦笑いの深夜 2 時。歌のタイトル風にしてみたところで、しようもなさは 、こまかしょ一つもない。 しかしね、ここの住職、姿形は完璧で私が思い描く「マ イ・フェイバリット坊主像」だったんだけど、座禅の後「懇 親会」みたいなものが催されていたのでそれにも出てみたら、 坊主なのに酒はもちろんタバコを吸っていたのでねえ。 それなら、昔タバコ吸ってたけど頑張ってやめた私の方が、 本当に、一一 仏んだ

7. 精神道入門 : こんな私も修行したい!

AII InfRODVCfiOII FOR SPiRjfVAL AUJAKEIIiIIG 「来るな」初めての修行拒否 話がそれました。 で、川年ぶりに私も座禅に行ってみようと思い、新たにお寺を探したのです。そして、 某有名寺で「一泊座禅会」があるのを発見。歴史ある寺で座禅 : : : 素敵つばい。修行者と してワンランクアップの予感にあふれつつ、そのお寺に電話してみると : 「今までに座禅したことありますか ? 」とおじさんがいきなり厳しい口調で。「えーと、 私はありますが、もう一人はないんで、す、けど : 「女性二人連れなんですか ? 困るんですよね。真剣に禅を学ぶ場ですから、友達同士で キャーキャー来るようなとこじゃないんですよ」 「いやキャーキャーはしないですけど : : : 」 「やめた方がいし ゝと思いますよ。うちはもんのすごく厳しいんです。泣いて帰る人もいる : ほんと、もんのすごく厳しそ くらいですから。特に初めての人なんて絶対無理です」・ う。他ではいただいたことのない「来るな」攻撃ですから。「それに最初に面接がありま す。それでお断りする場合もありますからね」 敷居、メチャ高。しかし、本当にそんなに厳しいのか。ちょっとインターネットで検索 してみた。すると、体験入門した人の感想が幾つかあった。「 1 週間ーのコースに行った 人は「終わった時、〃帰れる〃と思うと嬉しくて涙が出た」などと書いている。泣くほど カ

8. 精神道入門 : こんな私も修行したい!

CHAPTER Zazeq ② part の肩に一度警策を感じると、スッと離れ、次の瞬間「ズビビ イ ツ」大きな音とともに衝撃が走った。いった 表面だけかと思っていたのに、意外と背中の中まで痛い。な んか音が軽くないもん、こもってるもん。 「この人、うまくないんじゃ : ・ : ・後海しても遅い。「ズビ ビイ ツ」今度は左。痛い 背骨に向かってナナメ じ に叩かれるんだもの、先っちょ、重なってますやん : んじんしつつもお坊さんに合わせて合掌して礼。ありがとう ございます。痛かったが「喝」効果はかなりのもので、本当 にシャキッとした。「初喝」に充実感も覚える。 しかし、夜になっても窓が全て開いているので、寒くなっ てきた。「トイレ , という単語も頭の中に浮かんできた頃、 終了の鐘。堂内がパッと明るくなる ( といってもタ暮れくら ミスター矢継ぎ早が「ナントカカントカリカントカ リ」と指示したら、いきなり男子が自分の座っていたとこ の後ろから布団をザッと引っ張り出し、掛け布団も引っ張っ て瞬時に寝た。予想外の展開にマゴマゴしていると、「遅お おおおおおおおいリ」と今日一番の怒鳴り声。どうやら今日 の座禅は終わったから女子はとっとと出てけ、と言いたかっ

9. 精神道入門 : こんな私も修行したい!

ATI infRODVCtiOn 0 、 S ⅵ〒 VA AtkJAKET1i11(-V 座禅を終えて 噂は本当だった : かなり辛いー泊 2 日が限界。腰も限界。 これをー週間やったなんて、そりや終わったら私だって泣くでしよう。 いや途中で帰る、絶対。 身動きせずじっとしているか、小走るかという両極端な世界。しかも自 由はない。ここに毎週来ていたら精進できるのだろうか 座禅を死ぬほど組んでいるうちに「こうして座褝していたって世界は戦 争し、貧しい人は死んでいる。この座褝に意味はあるのか」と思い始めた。 私が座褝しなくても戦争はしているし、じゃあ座禅のかわりに世界の役に 立っことをするかと言われればその予定もないのだけど。 危ないのは、自分のためになることをするのは当たり前でしかないのに 「えらいことしてるつばい . 気持ちになることだなと思う。

10. 精神道入門 : こんな私も修行したい!

AII InfRODVCfi011 FOR SPiRjfVAL AUJAKEIIiFIG に冷たい。でもリーダーは来ない。まだか。まだか。本格的 に寒くなってきたし、座り続けて腰がかなりしんどい。「一 体いつまでやるの : : : ? 」確実に 1 時間はたっているだろう。 指示が来ないことにイライラしてきた。「忘れて寝てると か ? まさか」「いやひょっとして」いろんな思いが駆け巡 とちらかといえば敵。寒い る。もう自然とも一体ではない。、 よ。なに風吹かせてんだ。ああもう心も腐ってきた。限界か も : : : その時、隣の杏子ちゃんがガバッと立ち上がった。 その次の瞬間、私も立ち上がった。やってられつか。それ が正直なとこ。これ以上続けたら体壊すから、とリ 1 ダーに 怒られた時用の言い訳を用意し、寮へ向かった。 寮の中は真っ暗だった。「むむ 1 : : : 電気が消えてるって ことは ? 」イヤな予感が大きくなるが、とりあえず座禅セッ トを積んであった廊下のつきあたりに戻す。部屋の障子を開 、Ⅱノ二リ・ ( 日ノ、Ⅱノ けるとそこには : : : 二つの布団のふくらみが そしてナンバー 2 ー 爆睡中やーん " 「うっそ 1 、このヒキョウ者 ! 」 静かに布団に入りつつ、心の中で思いっきり毒づく。修行 足りん。 ナンくの ー、くゞナト