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検索対象: 精神道入門 : こんな私も修行したい!
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1. 精神道入門 : こんな私も修行したい!

AII IfIfRODVCfiOrI FOR SPiRjfVAL AUJAKEIIiTIG 命懸けの修行午前中のお出かけ その朝、駅に降り立った私は、大きな不安を抱えていた。 原因はタイ料理である。 ゅうべ、私は久しぶりに新宿でタイ料理を食べた。私は辛 いものがそんなに得意ではない。 そして、昨日のタイ料理は辛かった。一口食べ、瞬時に私 の舌は「日本人向けにあんまノーアレンジ」な状態をキャッ チした。それで最初から「辛っ辛っーと舌を出して いた。なのに。なぜだろう。気づくと : : : 辛くなくなってい たのだ。 カレーやパパイヤのサラダなど何もかも、普通の料理と同 じように味わえる。こんなこと初めて。ひょっとして舌の臨 界点を超えたのではないだろうか。 そう思いつつ、私よりずっと辛いものに強いトニ 1 でさえ みけんしわ 眉間に皺を寄せながら食べるような料理を、私は快調にバク ハクとたいらげたのであった。おいしかった。 ところで仏教には「因果応報」という言葉がありますね。 実にこの世界をよく表していると思います。「原因があれば、 ゅ彳力しーは

2. 精神道入門 : こんな私も修行したい!

CHAPfER 内観 ) いけど、まだ私の問題が残っているー 祈りします。って合掌するのもし 衝撃の告白の後、しばらく学習に戻った。最後に先生が「何か質問ある人は個別にでも 受け付けますよ」と言うので早速「あの : : : ちょっとお話が」と手を挙げた。 男性二人は部屋に戻り、先生と二人になってから切り出す。「さっきの紙 : : : 返して欲 しいんですけど。私、自分が何者か先生にわからないからこそなんでもいろいろ言えるの に、本とか読まれて私のことが知られたりするの、嫌なんです : : : 」 私がそう言うと、先生はさっきの紙を挟んであったファイルから取り出したが、そのま でも私は小栗さんと話してきて、素晴らしい方だと思い、興味 ま「そうなんですか : がわいてきたんですけどねえ」などと言いつつ、紙をじっと見つめている。 ひょ、ひょっとして私に返す前に言憶しようとしてる ? 「あの、すみません、お願いします」と重ねて一 = ロうと「では : : : そんなに苦しめていると は思わず、申し訳なかったですね、と返してくれた。「ありがとうございます」しかしー 私が今これで部屋を出てしまったら、先生は記憶したことを紙に書き留めるかもしれな かくらん と思い 記憶がなくなるまでいろんなことを話して先生の脳内を攪乱しなければ たち、内観のことなどについて質問しまくった。先生は丁寧に一つずつ答えてくれて、 「小栗さんは本当に熱心で素晴らしい」とほめてくれた。先生、すまんー 1 時間近く話した後、自分の部屋に戻る。この作戦が成功したかどうかはわからないが、 今できることはやった。なんだかすがすがしい気持ちで寝た。 215

3. 精神道入門 : こんな私も修行したい!

CHAPfER 内観 く部屋のドアが開く音がして先生が入ってきた。屏風の前ま で来る気配がしたけど、その後少し間があって、屏風の端が 向こうにわずかに開かれた。先生が正座で座っていて、ゆっ くり深々とお辞儀。私も合わせて頭を下げる。顔を上げた先 生がゆっくりと一 = ロう。 「この時間は、誰に対する、いっからいつまでのご自分を調 べてくださいましたか」私の回答は「この時間、母に対する 私の小学校入学までを調べました」。そしてこの後三つの課 題について発表した。 「していただいたこと」 兄弟 3 人が年子で私が末っ子だったため、私の世話がゆ き届くようにと、ばあやさんを頼んでくださいました。 2 ばあやさんの家に預けられて母に会えない時もあり、自 分としては寂しいと思っていました。 3 ( それをしてくださった時の相手の心情は ) その時はわ かりませんでした。 「して返したこと」

4. 精神道入門 : こんな私も修行したい!

AII lFIfRODvcTiOfI FOR SPiRjfVAL AUJAKE11i11G マイ・フェイバリット坊主 「私、座禅がしてみたいんだけど : : : 」と、ある日、友達の 杏子ちゃんが連絡してきた。私が写経や瞑想をしているとい う話を聞きつけ、一緒に修行しようと思ったらしい。「ああ、 座禅は前やったことあるよ」と答えると「いいなあ。辛い ? 何か変わる ? 」と興味津々の様子。 しかし私もやったとはいえ、川年近く前の話。しかも座禅 が終わった時、「これからちよくちよく来たいと思ってます ので、皆さんよろしくお願いします」と宣一一 = ロしたくせに、そ の 1 回でやめてしまったというだらしなぶり。 「せめて 2 回くらいは行けよ : : : 」と我ながら苦笑いの深夜 2 時。歌のタイトル風にしてみたところで、しようもなさは 、こまかしょ一つもない。 しかしね、ここの住職、姿形は完璧で私が思い描く「マ イ・フェイバリット坊主像」だったんだけど、座禅の後「懇 親会」みたいなものが催されていたのでそれにも出てみたら、 坊主なのに酒はもちろんタバコを吸っていたのでねえ。 それなら、昔タバコ吸ってたけど頑張ってやめた私の方が、 本当に、一一 仏んだ

5. 精神道入門 : こんな私も修行したい!

ATI lIIfRODvcfi011 FOR SPiRjfVAL AUJAKE11iTIG もし描く機会があれば絶対描いてやる ! 絶対だぞーーっと 誓ったあの夜。やっと現実になりました。なんか書いたら今、 ちょっと彼女を許せた気分。そんな私はまだまだ修行中 : 未だ続く「フリース」への嫉妬 眠ったり起きたりを繰り返していたら、朝方になったよう だ。目覚ましが鳴り、全員瞬時に起き上がる。起き抜けとは 思えないスピ 1 ドで布団を上げ、洗顔。コップ 1 杯の水でロ をゆすぎ、顔を洗わなければいけない。 その後トイレに行って袴をはいて座禅堂へ。もち小走り。 即座に座禅開始。相変わらず窓は開けっ放し。こんなとこで 寝た男子は寒かっただろう。私も今、十分寒い。ふと前方を 見ると、フリースの人だ。フリース着たーい。 あの軽くて薄 くて温かいものがあったら、どんなに快適だろうか。着てい るあの人が憎い。私は寒いのにあの人だけ : そういえばこういう嫉妬に名前がついてたな、と思い出す。 例えば今の場合だと、彼がフリース着ていることと、私が寒 いことはまったく無関係の話。彼がフリースを脱いだって私 が温かくなるわけではないのだ。なのに、人間は「なんだよ

6. 精神道入門 : こんな私も修行したい!

AII IIIfRODVCTiOII FOR SPiRjfVAL AUJAKETIiTIG たらしい。早すぎてわからん。 リーダーの裏切り リーダ 1 に連れられ、女子寮に。すぐ寝られるかと思いき や、なぜか女子だけは「自主トレ」というか「自主座禅」が あって、しかもそれは外でやるというのだ。布団だけ敷いて、 野外用座禅セット ( ゴザと座布団 ) をリーダーからもらう。 いいかげん寒かった私は、もらいながら「上に一枚着ていっ ていいですか」と聞いた。 彼女は「うーん : : : 」と渋い顔をしたが「まあ : すよ。厚くなければ」と言ってくれた。 ( 矢継ぎ早と違って リーター ありがとう ) とまだこの時、私は 融通きくぞ、 思っていた。この時までー 私は喜びつつ素早く上に一枚着てみんなの後につき、一列 になって玄関を出た。私は最後の方で、すぐ後ろにリーダー とナンバー 2 が続いていた。ちょっと離れたお堂の前に、私 までの 4 人が先に到着し、座り始めた。チラッと振り返ると ーダーとナンバー 2 は座禅セットを持ったまま、座禅堂の 入口で何か用を済ませている様子。そのうち来るだろうと思 倍ろの神小ゞ 布団 引キ、出し 印のみは

7. 精神道入門 : こんな私も修行したい!

CHAPTER Zazeq でも 1 週間だしね。いきなりそれは無謀でしょ 1 などと思いつつ、また読んでいくと、 そこに驚くべき情報が。 「朝食に出る沢庵を食べる時、音を立てたら怒られる」 えええ っ ! 沢庵って、沢庵って、あの黄色いやつだよね ? 黄色くってさ、 丸くってさ、ポリポリってさ : : : 音 : : 音も食感のうちじゃないか。 食感と修行は両立できないのか。私の人生の中で沢庵を無音で食べられた記憶はないん ですけど。ゝ しゃーこれは大変そうだ。できるのかしら。 しかし私の中では、むしろ「行かねば」という気持ちがさらに強まっていた。敷居と時 ことわざ 給は高い方が燃える。なんて諺はない。 しかし、とにかくこれくらい厳しい方が効果があるんではないか ? と思った。早速杏 子ちゃんに提案してみる。 「沢庵を : : : 音を立てずに ? そんな厳しいとこ自信ないよー」 彼女はちょっと天然つばいというか、ポャンとしたところがある。一生懸命やっている ように見えるけど「へタレ」。いや「へタレ」っていうのは自分で言ってるんだけど、私 が一一一一口うと私がひどい人のように聞こえて損なので「癒しへタレ系」にします。「癒しへタ レ」は、しごきに耐えられるのだろうか。 でも私だって、厳しいところに行きたい気持ちはあるが、一人っていうのもなんだな 1 と勝手に思っていたので必死だ。「大丈夫大丈夫 ! 1 泊だし」こうして人が同じ言葉を 2 回繰り返す時は怪しい

8. 精神道入門 : こんな私も修行したい!

ATI 111tRODVCTiOII FOPV SPiRjfUAL AUJAKEIIirIG 座禅を終えて 印象に残ったのはエアコンですごく寒かったことと、とにかく綺麗な座 褝堂 ( 開店したての和風居酒屋にも似ている ) 。私の好みで = = 「えば、もっ とポロくていいどちらかと言えばを滝のように流しなから、それに耐 えたい。 でもここの座褝会は夜に行われているので、会社帰りにも「ふらっと座 褝」かできて近所にあったら便利だと思う。作法通りにやらねばと少し緊 張していたのだけど、間違えても怒られなかったのは助かった。初心者に 優しいです。しかし私はどうも「やり過ごすーということが最大目標にな っているようだ。それこそが最大の間違いではないだろうか。「怒られな ければ、 しい . 、目的はそんなことじゃないはずなのに。 こんな私でも変われる日は来るのであろうか。暗くなってきました。い や、こんな私だからこそ修行を続けなければならない。敬一 = 策だって受けな きゃいけないんじゃないのかわかりました。 こ、今度こそ : : : きっと。きっとお願いしますー

9. 精神道入門 : こんな私も修行したい!

ATI 111fRODVCfiOfI FOR SPiRjfVAL AUJAKEIIiTIG ないようにしているけど、もう絶対無理。少しずつ残してし まう。すでに太った気がしてきた。これではいくらぐるぐる しても追いっかない。 でも粗末でもなくまずくもないことに感謝。こういう生活 では、ご飯を食べに来るのは嬉しい気分転換だから。 午後、引き続き内観。父親の亡くなった年までやった時は、 少し泣いてしまった。私は一人部屋なのでよいが、男性一一人 は屏風でしか区切られていない空間で大丈夫なのかなあと、 人ごとながら心配になる。名字しか知らない他人だが、プラ イヴェートが洗いざらいダダ漏れなんである。私ならちょっ と耐えられない。杏子ちゃんが来なくてよかった。たぶん、 お互いに。友人と一緒の部屋だと、よけい正直に言えない気 がする。 夕方、お風呂と食事。もう食えん。 先生、攪乱作戦 その後、人に対する最後の内観。私の場合は配偶者。これ は二つの期間に分けて「調べた」。私が配偶者に対して「と 手出し お重こ 212

10. 精神道入門 : こんな私も修行したい!

CHAPtER 3 ー 80 オ目 があるのか」「苦しみをなくすためにはどうしたらいいのか」 などについて、仏教用語を使って話している。仏教用語を使 っているといっても、法事なんかで聞く「坊さんのちょっと ) 話」という感じで、特に抵抗もなく聞ける。 「不善心所」というのが悪い心で、これがあるために怒りや しっと 嫉妬などが起こるのだ、これをとめて心を清らかに生きよう、 というような感じ。 私がなるほどと思ったのは、これ。 「私達は、事実を脳内で編集し、反応している」 つまり、起きた事実に対して勝手な意味付けをしているの は私達。あるいは脳内編集によって、事実を歪めてしまって と、山田くんに頼んで座ぶ いるのではないか。その通り , とんをもう一枚あげたいくらい同意。 確かにそうだと思う。ただ私は、だからこそ本当のところ はどうあれ、起きた事実を肯定的に受け止めれば気持ちよく 毎日が過ごせるし、さらに気持ちがノッてくれば、本来自分 ができなかったようなことまでできるのでは ? という、世 にいう「ポジティヴ・シンキング」的考えである。 でも先生は、「起きた事実をただ事実として認識すること ゆが たまに「ら 1 を若く