EF64 - みる会図書館


検索対象: 鉄道ファン 1976年10月号
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1. 鉄道ファン 1976年10月号

表 1 運用からみた新形直流機配置表 て天王寺まで入線する . また東貝塚ー和歌山間の 昭 51 . 7.1 現在 " 紀泉国境 " においては貨物列車の前・後部補機 配置使用 配置使用 管理局区・所名 形式 形式 管理局区・所名 運用もみられるようである . また同区の E D61 , 両数両数 両数両数 2 両については当面の ED62 への改造計画はない 東京北宇都宮新 EF65 44 引 EF65PF 大阪吹田第ニ ものの , 紀勢線電化時には両形式とも何らかの変 23 EF65F 横川 5 EF63 (21) 高崎 化が生じるものと思われる . 高崎第ニ ED60 5 EF62 29 25 〔甲府区〕 ED61 ED6 ー ED61 E D 61 ゆかりの甲府区には現在でも 10 両もの E D 東京西甲府 EF60 EF64 33 30 ( クイル ) 61 が配置されており , 中央東線八王子一甲府間の 山 岡 円 岡 山 EF60 EF62 23 貨物列車にのみ連用されている . 全連用が重連総 篠 / 井 EF65 EF64 30 括制御による重連単位の運用にしたがい 6 両が使 EF64 用されているが , 近年になって E F 64 の増備によ ( EG) 北松本 ( 支 ) ED60 り余剰が生じ ED62 への改造が進展し影がうすく 3 なった感が強い . さらに運用表の上からは 6 両使 京 東京南東 EF65P 用となってはいるものの , 運用変更という形態に 沼 津 EF60 32 22 より EF64 の予備車および早期落成車が代機とし EF60 静 岡浜 松 て充当されることが多く , 実質的には 2 ~ 4 両使 EF60500 用となり稼動率はきわめて低い . また , 本年 10 月 伊那松島 ED62 5 には ED62 への改造により全連用が EF64 に置き EF64 5 換えとなるのは必至であり , ED61 が中央東線か EF64 稲沢第ニ ( E G ) ら姿を消すのも時間の問題と思われる . EF65 〔伊那松島区〕 ED62 EF60 伊那松島区には ED61 を種車とする ED62 がすで 米 原 EF65 2 に 5 両も配置されており , 旧形車 ( E D 18 ・ 19 ) と EF65F 中央東線での D61 重連運用 をト - ー 44 華 天王寺竜 長 野 客 5 3 貨ロ EF61 広 島 EF60 30 EF65PF 4 下関岡 EF65P 4 関転幡生国 EF66 56 広 島 23 25 39 C-D CD -4- 名古屋 1976 ー 1 ー田 写真 : 諸河久 初狩にて 39

2. 鉄道ファン 1976年10月号

イラストで見る新形直流電気機関車の系譜図 ED60 支線用 ED6 ー ED62 EF6084 EF60 クイル式 ) EF65 EF605 ~ ( ツリカケ式 ) EF65000 い、 CZ ( : つ一 = つ OÜ ■を ロロ EF65500 EF60500 EF6 ー EF602 平担線用 EF90 ( EF66901) EF66 幻 EF66 に ~ EF6225 EF622 EF62 ー EF641 ~ EF632 ~ EF631 EF6446 勾配線用 . 関 崇博 イラスト

3. 鉄道ファン 1976年10月号

表 4 E F62 けん引優等列車 上野 昭引 . 7 コ現在 長野 直江津 高崎 ー EF62 高ニ 妙高 5 号 3 田レ 妙高 5 号 302 レ EF62 高ニ 603 レ を EF 64 幻 0 F62 高ニー EF62 高ニ 越前 606 レ 区とも旅客列車の電車化の進んだ信越・高崎線にあって は普通旅客列車運用は少なく , 全機が列車暖房用の電動 発電機を搭載しているため , 後述の EF64 のように旅客 列車の列車暖房の可否による運用上の分離はみられない 〔篠ノ井区〕 篠ノ井区にも 23 両の EF62 が配置されており , その運用 区間は信越線篠ノ井・長野一直江津間を主体に同線の高 崎間であるが , 高崎二区に比べてさらに旅客運用が少な い . また篠ノ井・長野一直江津間については一部貨物列 車に重連総括制御による重連連転が実施されており特筆 されよう . EF62 は信越線勾配区間の特定区間用機という色彩が 強い関係上 , 高崎二区・篠ノ井区ともロングラン運用が 極めて少なく , 運用効率も低いのが運用上における最大 の特徴であるといえよう . ( 上・下 ) 電車 ■ E F 63 客車・貨物 ( 下り ) 前述の信越線の本務機 E F62 と呼応して同線横川一軽井 沢間の専用補機を務めている EF63 は , 全機が横川区に ( 上り ) 配置され , 連用区間は当初から現在に至るまで横川一軽 単機 ( 上・下 ) 井沢間のみであり , 同時に国鉄新形直流機の中では最短 運用区間である . また補機は全列車について 2 両使用 り , その編成は 10 両または 12 両という長大なもので , ( 常に横川側連結 ) のため運用も 2 両単位とされており , 165 ・ 183 系の 8 両運転は臨時にのみ見られるようである . 同区間を通過する列車には電車特急から E F62 の単機回 また EF63 の稼動率は , 23 両 ( 昨年の碓氷峠事故による 送に至るまで全列車に E F63 の重連補機が不可欠なもの 2 両の事故廃車が生じたため実際には 21 両であるが , 本 であり , 文字どおりの " 碓水の関守 " といえよう . 年度中に補充機が新製されるためあえて 23 両とする ) の 現在では定期の電車特急・電車急行列車はいずれも E 配置に対して使用 18 両と決して高くはないが , 横川およ F63 と協調運転可能な 189 ・ 489 ・ 169 系が使用されてお び軽井沢両駅での折り返し時間が非常に短く , 非常に効 果的に運用されているといって良いであろう . 表 5 F62 ・ 63 の運用区間 昭引 . 7 コ現在 上野大宮高崎横川軽井沢篠ノ井長野直江津長岡 ・ E F 64 高崎ニ区 EF62 旅客運用 〔甲府区〕 高崎ニ区 EF62 貸物運用 甲府区には現在 23 両の EF64 が配置されており , その運 簔ノ井区 EF62 旅客運用 用区間は中央東線・篠ノ井線新宿ー松本間のほか塩尻経 ノ井区 EF62 貨物運用 由で稲沢まで入線するが , 事実上中央東線専用といって 横川区 EF63 補機運用 良いだろう . かっては ED61 ・ EF13 等の存在により甲 をおさ 中央・篠 / 井線の主力機 EF64 中央東線初狩付近にて 円 75-3-2 写真 : 諸河久 表 6 横川一軽井沢間の列車形屯 横川 抑速 軽井沢 押上 押上 EC EF63 EF63 PC または FC EF62 EF63 EF63 抑速 抑速 EF62 PC または FC EF63 EF63 押上 EF63 EF63 EF62 み 3

4. 鉄道ファン 1976年10月号

特集 : 国鉄の新形直流電機 新形直流電機では , はじめての F 級電機として 198 年に登場した EF60 形 . 同じ形式ではあっても , 初期の 14 両はクイル式 , それ以後はツリカケ 式といった構造上の相違がみられるが , われわれファンにとっては外観上 の相違も見過すことができない . ED60 の外観から貫通扉をとったような ~ 129 , 5 田 ~ 5 Ⅱ号のスタイル , EF65 とそっくり同じな 512 ~ 引 4 号 機のスタイルの 2 種がある . そして 129 号までの外観 , 特に前面について は図のようにヘッドライトの取付け台 , ェフ。ロンなどに相違が見られて , 形態のノくラエティーぶりが楽しい 6 EP603 EF6 57 EF60 形前面の形態変化 らであるが , EF65 形も昭和 40 年度増備車 ( EF6548 ~ ) く通風ロ > E F 60 ・ 61 ・ 65 ( 1 ~ 47 ) でスカートの上部にあった通 から採用された . しかし昭和 47 年以降運転室内の換気改 風ロはダクト内通風抵抗を減少させるために正面窓下に 良が行なわれた結果通風口が廃止されることになった . 移設されることとなった . これは昭和 39 年の EF64 形か 該当する機種は E F 64 , E F 65 P F 形でテールライト外 E F 62 乗務員扉 ステップ 運転室まわり 明りとり 形式番号 / ト窓 水きり EF62 ー なし * ライト 運転室側窓 備 0 試作車 フィルター形態 考 車 側窓と 乗務員扉 の上のみ 2 0EF62 に事故廃車 24 25 前面窓上から サイドの乗務 員扉の上まで 連続 DT124 ニ一ニ一 = ニ 28 29 0EF62 35 事故廃車 54 E F 63 形式番号 EF63 ー 軽井沢寄 速度検知車 モニター 連結器 自ミ車 中問台車外 * * 明りとり窓なし 運転室まわり 水きり ライト 0 試作車 考 スカート形状 船 底形 側窓と 乗務員扉 の上のみ 2 を◎◎ ー 4 正面窓からサ イドの乗務員 扉の上まで連 2 ー 続 22 23 自連・密連 明りとり窓 共 用 DT に 5 DTI 26 中問台車内 No. 22 , 23 はナン / ヾーが プレート状に変更 外はめ式 * * 試作車登場時 36

5. 鉄道ファン 1976年10月号

特集 : 国鉄の新形直流電機 運用からみた 新形直流電機の活躍 外山公夫 プルー・トレインけん引に活躍する東京区の EF65P 東海道線三島一函南間にて 1976 ー 3-21 写真 : 諸河久 国鉄新形直流電機は本年 600 両以上の両数に達し , 昭和 33 ■ D 形 ( E D60 ・ 61 ・ 62 ) 年に ED601 が誕生して以来 , EF60 から発展した EF65 〔北松本支区〕 E D 60 北松本支区には現在 ED601 ・ 2 ・ 3 の 3 両が配置されて でいちおうの完成をみている . いつばう , 特定線区用と おり , その運用区間は大糸線南松本一信濃大町間であり して EF62 ・ 63 , 勾配線区用として EF64 , さらに特定目 全運用が貨物運用であるが , 表 2 に示すよう非常に列車 的用として E F 66 も登場するなどバラエティー豊かにな 本数が多いにもかかわらず , 効果的に運用されていると り , かっ , 飛躍的発展をとげたといって過言ではなかろ う . またその運用範囲も北は黒磯・新潟から西は下関に いって良いであろう . 至るまで本州内のみではあるもののかなりの広範囲にわ 竜華区〕 ED61 たっており , 今や " 直流電化区間の主役 " といった印象 竜華区には現在のところ ED604 ~ 8 の 5 両 , ED6117 ・ 18 の 2 両 , 計 7 両の ED60 ・ 61 が配置されており , 両形式 さえあるようだ . そこで本稿ではこれら各形式の本年 7 は完全な共通運用により運用されている . したがって中 月 1 日現在の運用面からの現況について総括的に解説す 央東線にみられるような重連総括制御による運用はみら ることにしたい . れない . 運用区間は定期では阪和線竜華ー和歌山操間の みであるが , 多客時には 12 系客車による臨客をけん引し 38

6. 鉄道ファン 1976年10月号

特集 : 国鉄の新形直流電機 形態の変更系譜 年度 35 更 形状変ー 廃止 標識燈円板 側窓変更 9 50 40 39 49 36 52 48 43 42 46 45 44 外はめ式 ン・ タ P S 22 B 84 E F 6 0 体変更 83 に 9 2 24 25 クイル式 28 29 54 6 3 ロⅡ 4 スカート形状変更 0 ロ 5 6 5 「 / LO 通風ロ正面窓下 ー 48 7 幻 73 6 5P 6 チ 6 5P F 田 39 040 田 55 へ変更 正面窓下 通風ロ 通風ロ 年度 35 がった形態の側窓は , 正面窓の高さと前部を揃えるため にできた形態であるが , 昭和 37 年以降は面倒さを省き普 通の形態の引き違い窓となった . しかし実際の運行中の 使用状況をみると運転室の構造上 , 前部に機器の一部が あること , 後部にひじかけがある関係上 . 前方の窓を開け 台車の系譜 両端 50 46 45 44 36 52 49 48 47 43 42 40 39 38 ることはないことが判明したため , 昭和 38 年度以降に増 備された電機は側窓の前部が H ゴム固定化され保守の簡 易化を計るとともに , 二分割された状態の側窓となっ た . このバターンは E F 60 形 , および E F 62 形において それぞれその例が見られる . ( この方式は交流機にも導 D T Ⅱ 5 26 D T 6 クイル駆動 → ツリカケ駆動 ー→ 変更 ④ ツリカケへ変更 雑問 2800E ⑧ 減速比変更 間車 中台 D T Ⅱ 6 EF65 EF60 丐・ 9 50 い 5 ー 4 EF602 4 EF6 ー EF601, 3 ED60 ・ 6 ー 端車 両台 に 4 D T ロ 3 D T に 5 D T に 0 D T に 0 間車 中台 D T ロ 4 D T に 6 D T EF66 EF62 EF63 EF70 ( 交流機 ) EF64 3 み

7. 鉄道ファン 1976年10月号

E F 64 避 雷器 フィルター 通風ロ 形式番号テールライト EF64 ー 電暖標示灯 状 形 考 備 列車暖房 づ - ン / ヾ - ー ◎◎ あ り 正面窓下左右 28 29 45 46 廃 止 55 56 ◎ 風タ ン 器前 タ 取部 後 付屋 75 の根 た突 76 め出 E F 65 P F 形式番号 ミ甬 . 風 . ァールライト ロ 正 EF65 ー 00 ー 面 ◎ 窓 下 左 右 廃 止 ン′ タ 前 すべて同一形状 切文字 あ り し し 外はめ式 プレート状 一部が F 日 P 化変形 ( 4 面とも ) 考 正面ナンバープレート化 E F 65 田口・田・ m20 ・ 田幻・田 22 5 ー 039 ー 040 5 外はめ式 ー 055 ( 注 1 ) この形態の側窓は昭和 34 年に日立で試作した交直流 ED 形の ED 46 形 ( のち ED92 形一両のみ・廃車 ) に初めて採用されたものである・ ( 注 2 ) 列車番号回送 ( 5462 ) 列車横川寄から EF635 十 EF639 十 F 6 幻 2 十 EF6235 がスヒ。ード超過で転落した事故のことである・ ( 注 3 ) P 形とは高速旅客用 (Passenger の略 P), F 形とは貨物用 (Freight の略 F ) である . PF とは前記の両方を兼ねているのでこのように呼ばれ ている . p 形・ F 形は EF 655 番台を , PF 形は 6510 番台となってい る . なお EF605 開番台は特急用として製造されたが P 形とは呼ばない . こ れは増圧プレーキ装置付特急用というのではなく , 20 系客車の電源車カ ニ 22 の遠隔操作のためのカップラーを装備したために 58 番台で区別さ れたのである . ( 生 4 ) EF 65528 の第 1 ェンド ( 東京寄 ) のスカートのみステッフ次きと りがないのは製造時からのものかは明確ではない . 筆者の推測では事故 かなにかのさい復旧にさいしてステップなしとなったのではないかと考 えている . EF6573 にも同様の例が見られる . ( 目下調査中 ) はめ式と期を一にしている . < P S 22 B 化 > 昭和 51 年 2 月に EH1021 号機に初めて採用された直流専 用下わく交差バンタグラフ P S 22B は , 4 月には E F 58 ( 63 ・ 17 ・ 16 ・ 81 ) などに採用されるようになったが , 従来の大形の PS17 に比較して保守の便もよいため , 今 後は新製される直流機にも採用されるといわれている . まずは EF65 ( 1056 ~ 1068 ) に採用されて登場するとい われており , また形態上の大きな変革がくることになる 3. おわりに 毎日よく見かける直流電機もよくよく見て , そして調べ てゆくとなかなかおもしろいものである . 見落されがち な小さなことーっーっについてもすべてなんらかの理由 があってなされているものであることを痛感した次第で ある . なおこの稿をおこすにさいしては国鉄車両設計事 務所の松田清宏氏に大変お世話になりました . 誌上を借 りましてお礼を申し上げます . < 参考文献 > ( l) 鉄道ピクトリアル " 系直流機関車 " ( 248 号 ) 円 71 年 3 月り ( 2 ) 杉田肇 " 写真で見る国鉄電気機関車 " 電気車研究会い 96 り ( 3 ) 鉄道ファン・鉄道ピクトリアル ( 新車ニュース欄 ) 37

8. 鉄道ファン 1976年10月号

、な = : ぐ朝な 山陽本線の電化により出現した , わが国はじめての B ー B ー B 形 F 級の EF60 吹田にて 円 61 ー 12 ー 3 写真 : 野口昭雄 ドバンススイッチ付でノッチ数 5 となっている . コン化等周囲情勢の変化により , 回生プレーキが使われ (iii) 軸重移動補償としては , 主電動機界磁を各軸ご なくなった . また , 最後まで残った , E D 18 ・ 19 等の旧 形 ED 電機の代替として軸重 13 ~ 14t の機関車が必要と とにあらかじめ規定量だけ弱め , 真の軸重に比例し た引張力を出させる方式 ( 軸重移動補償弱界磁装置 ) なったことを考えあわせ , ED61 形を EF64 形で置替え 捻出された ED61 形を軽軸重化する改造が 1974 年以来行 を採用した . (iv) 空転を起こした場合には , 空転した主電動機の なわれた . 電機子電流を抵抗で分流させることにより引張力を これは , 回生プレーキ装置を撤去し , その跡へ床下の 空気ダメ類を移設し , 空いた床下には , 1 軸中間台車を 弱め再粘着させる方式 ( 電機子分路再粘着装置 ) を 新設し , この台車の空気ばねの内圧を変えることにより 採っている . 軸重を 13 t と 14 t の二段階に切り換えるものである . こ (v) 機器の取り付け , 艤装はユニット方式とし , 機械 室の主な電気品は数プロックに分かれた機器枠に取 うして ED62 形が誕生し , 飯田線に配属された . り付けられており , 修繕にさいしては , 枠ごと車外 いつばう , クイル駆動装置は , 使用実績を積むにつれ に取り出せる構造となっている . 粘着面でも保守面でも不利であることが判明し , 1971 年 に ED71 形で試験されたリンク式駆動装置に改造が行な 2 ー 2 E D 61 形 われることになった ( 1975 年 ). これは , 従来のスパイダ ( 1 ) 性能 軸重が 15t となり , 電力回生プレーキ装置を備えている ーに代って , リンクと中間体により , 歯車と車輪とを結 こと以外は E D 60 形と同じである . ぶとともに , クイルと車軸の相対変位を吸収するもので ある . ②特徴 ED60 形と比べ次の点が異なる他は , ほば同じである . G) 電力回生プレーキ装置を持ち , 下り勾配で列車の 3. 平坦線用機関車 抑速を目的とした抑速プレーキで回生ノッチは直列 3 ー 1 E F60 形の誕生 で旅客列車 , 並列で貨物列車の抑速運転を行なう . 山陽本線の電化により貨物用機関車が必要となったが , 回生プレーキ中に , 過電圧・過電流等の事故の場合 従来の E F15 では若干能力不足であり , EHIO 級の性能 は , 警報を発すると同時に , 自動的に空気プレーキ を持った新しい機関車が計画された . これは ED60 を 6 に切り換わる . また , 主電動機開放時および後進に 軸化したもので , 我国では初めて B ー B ー B の軸配置とな 対しては回生プレーキは作用しない . り , F 形電機の基本形態を形成した . EF60 形の試作 2 (ii) 電力回生プレーキ装置の搭載により車体長が長く 両は 1960 年は完成し , 1 次量産機 EF603 ~ 14 号機も同 なり , 軸重も 15 t となった . 年に完成した . 2 次量産 EF6015 ~ は , クイル式を改め ( ⅲ ) ED6115 号機には , 空気ばねの試作台車 DT900 つりかけ式に変更して , 1962 年に落成している . 形が使用された . ( 1 ) 性能 2 ー 3 冊 D62 形への改造とクイル改造 軸重 16t , 10 % 。上り勾配において貨車 1200t をけん引し ED61 形は中央線へ投入され活躍したが , 変電所のシリ て 40km / h 以上の均衡速度が出せ , また起動可能である . プ 6

9. 鉄道ファン 1976年10月号

EF 60 の試作車として 登場した EF 81 ワイバーの取り付けが 異なる 吹田第二区にて 1960 ー 3-27 写真 : 野口昭雄 距 2800mm ( 両端 DT115A. 中間 DT116B ) になるとと ( 全側受 ) の DT106 を使用している . ( 一時期 ED6115 もに車輪もスポーク形からポックス形となった . クイル は空気バネ台車 DT900 でテスト ) 駆動車と比較して正面窓下の手すりの取付間隔が狭くな ED60 8 両 , ED61 18 両とそれぞれ小所帯である っている . 車体延長は見ためにはよく判らないがフィル が , ED61 形は現在回生プレーキ装置を撤去し , 中間台 ターや明りとり窓の間隔のひろさでわかる程度である . 車を設けて B ー 1 ー B とした ED62 形にすでに昭和 50 年度 ツリカケ駆動車は外観上 3 つに分けられる . まず E F 60 で 5 両改造 , 51 年度もさらに 4 両改造され飯田線へ投入 ( 15 ~ 46 ) はヘッドライト ( LP402 形 250W ) カバー形 されつつある . ( 表 1 参照 ) 状が台形となったこと , 運転室側窓形状が前方斜めの切 れ上がりがなくなり普通の引き違い窓となった . これら ・ EF60 形 のグループは昭和 37 年度に製造された . 続いて増備され 山陽本線の電化とともに EHIO 形程度の性能をもつ新し た EF60 ( 47 ~ 83 ) では , 運転室側窓が引き違い窓から い機関車として開発されたもので , 前述の ED60 形の E 前部 H ゴム固定の窓へと変更になった . このグループの F 版と考えればよい . 外観上区分として大きくわけてク 固定編成特急用が E F60 ( 501 ~ 511 ) でともに昭和 38 年 イル駆動車とツリカケ駆動車が 3 タイプ , 合わせて 4 タ イプがある . EF60 のクイル式台車 < クイル駆動車 > 昭和 35 年 1 月に EF601 ・ 2 と試作車 ( 上 ) 両端台車 DT115 ( 下 ) 中間台車 DT116 が完成した . 試作車の両機は両端台車がそれぞれ異って おり , 1 号機は心皿受け方式であるが , 2 号機のほうは E D60 形に使用した全側受方式台車 D T106 を一部改良 に見られる外観上特徴は砂箱が内向きとなっているほか 運転室側窓いつばいまで , 飾り帯が伸びていることであ る . クイル駆動の量産車 EF60 ( 3 ~ 14 ) においては飾 り帯が短かくなり , 台車の砂箱も外向きになったほかは EF601 をベースとしている . クイル駆動車の特徴はヘ ッドライト ( LP402 形 250W 白熱燈 ) カバーの形状が " 樽 ' ' の形をしているほか運転室側窓の前方が斜めに切 れ上がって正面窓高さと揃った引き違い窓となっている ことである ( 工 1 ). 台車は 2 号機の両端台車を除き , 両端 台車 DT115 , 中間台車 DT116 ( ともに軸距 2500mm ). これらクイル駆動車は昭和 35 年製造である . くツリカケ駆動車 > クイル車の異状振動等のトラブル が発生したことをきっかけに E F 60 形もツリカケ式へ設 計変更された . このため車体全長がクイル駆動車の 16m から 500mm 長くなり 16.5m となった . そして台車も軸 1965 ー 3 ー 27 写真 : 諸河久 東京機関区にて △ EF65P とまったく区別がつかない“プルトレ”けん引時代の EF60 引 4 三 = 三一三一三 = 三デ 写真 : 野口昭雄 東京機関区にて 1965 ー 3 ー 27 写真 : 諸河久 " プルトレ”けん引の基礎を築いた EF60501 ~ 511 のグルーブ か , 車体側面乗務員昇降ドア下にステップ切り込みが設 おいては運転室側窓と乗務員昇降ドアの上のみにあった 水きりが量産車となってからは正面窓上から側面乗務員 けられ昇降の便に供している . このほかサイドのフィル ター形状も従来の区分なしのものから 6 列化されたもの 昇降ドアの上まで連続でつけられた . このほか機器室内 に変更となった . 昭和 41 年以降増備された EF62 ( 29 ~ の照度を確保するため量産車からはフィルター上部に小 54 ) は基本的には EF62 ( 25 ~ 28 ) と同じであるが , テ さな明りとり小窓が設けられた . 昭和 39 ~ 40 年に増備さ ールライトの止め板形状が円形の大形のものに変更され れた E F62 ( 25 ~ 28 ) の第 2 グループでは運転室側窓がそ れまでの引き違い窓から前方 H ゴム固定の窓となったほ ている . ト霧物ー・ 27 29

10. 鉄道ファン 1976年10月号

数多くの直流新系列電気機関車の中にあって , 28 余両を 数える EF65 は寝台特急列車から普通貨物列車までをカ バーし , 今や国鉄新形電機を語るうえで交流機の ED75 とともに除くことのできない存在となった . この E F65 も 1 号機が登場してから早くも 11 年が過ぎたが , いつほ うでは今もって新製も行なわれ , 直流機の第一人者とし て活躍を続けている . このような EF65 について新形直 流電機の特集にさいしてその半生を振り返り足跡をたど ってみることも意義あることではないかと思い , ここに 紹介するしだいである . 近年の鉄道車両 , 特に動力車においてはその誕生の背 景を考えずして登場のいきさつを知ることはむずかしい と思われる . これは新形式の動力車に対する仕様がかな り具体的なもの ( たとえば使用線区や用途を限定する等 ) になったためであり , そのことが現在単一形式において 同一仕様のものが数百両といった車両があらわれない理 由でもある . したがってこの E F 65 についてもまずその 誕生の背景からさぐってみることにしたい . ■ F65 誕生の背景 昭和 35 年 , 山陽線の電化伸展にともなって , EHIO と同 等の性能を持つ貨物用電機の必要が生じたため , ED60 ・ 61 で用いられた新しい車両技術を取り入れて F 形なが ら H 形に匹適するけん引力を持っ EF60 ( 1 ~ 14 ) が作ら れた . しかし , その後動力伝達装置 ( クイル駆動方式 ) の トラブルから , 標準形主電動機 MT52 の完成とともに駆 動方式をクイルからツリカケにあらためた E F 60 ( 15 以 降 ) が作られるようになった . また M T52 の使用により , 出力が従来の 2340kW から 2550kW に向上したが , 同一形 式で性能が異なることをさけるために EF601 ~ 14 に特 性を一致させるような歯数比が選定され , 出力向上分は けん引力の強化にまわされる結果となった . ところが山 陽線の全線電化が間近になると運用の合理化のために E F60 と EHIO の共通運用が考えられるようになったが , EF60 はけん引力に力点を置いた設計であったためにこ う配区間では EHIO の方が速度特性が良いなど両形式の 足並みが揃わないことが問題になってきた . そのため E F60 の速度特性を向上すべく歯数比の変更が要望される ようになった . しかし , それに対して速度特性の向上だ けであるならは弱界磁率の変更だけで十分に対処でき , 仮に歯数比を変更しても最大負荷時 ( 重量貨物列車 ) のこ う配における速度は主電動機の特性上上昇させることは できないのではないかとの意見もあった . だが , そのこ ろ九州特急けん引の EF605 が弱界磁率を大きくし速度 を維持していたために主電動機関係のトラブルが多発し ていたこともあり , 弱界磁率を大きくすることに反対す る向きが多かったようだ . さらに歯数比を変更すること の利点として寝台特急列車やコンテナ列車 ( 1000 トン ) の様な軽負荷時においては , かなりのこう配区間であっ 46.7 62 . 0 表 1 けん引重量と均衡速度 ても , 速度は相当向上することができ , 将来の一般貨物列 車に対する速度向上においてもつごうが良いなどの点が あげられ , ここに歯数比の変更を中心に電気回路を一新 した平坦線用の標準機として EF65 が製造されることに なった . そしてその高速特性を生かすべく一般貨物用に 続いて旅客用ならびに高速貨物用の 500 台が特急塗装も あざやかに登場した . その後 , EF66 の登場などにより 東海道・山陽線の輸送体系が確立した昭和 43 年からは , 東北線の全線電化完成により増大する貨物輸送を改善す べく東北線にも EF65 を投入する計画がたてられた . 東 北線の直流区間は黒磯までであるために東海道線などに 比べればかなり短い . したがって高速貨物列車をけん引 するためにわざわざ E F 66 を用いるわけにはいかないた め , EF65 一本で通すことになった . そのため寝台特急 列車・高速貨物列車から普通貨物列車まで幅広い運用が 組め , さらに関連運用で上越線に入線することも考慮に 入れた重連・耐寒・耐雪装備の EF65 が翌 44 年から作ら れ , 1000 台と命名された . この 1000 台は正面に貫通扉が 付いたため今までの E F 65 とはかなりスタイルが異なり 別形式となってもよいほどの変ばうぶりであった . また 多用途向けであるところは同期に作られた交直流機 EF 81 とも類以している . このような背景の下で作られた E F65 について , 次にその特徴について考えてみることに したい . ・ F65 の特徴 EF65 は従来から用いられていた EF60 の増備の形をと っているために E F 60 との類似点も多く , 車体構造・駆 動方式などはほば同一のものとなっている . したがって EF65 の特徴もおのずから電気関係の部分に多く , これ らを詳細に述べることは技術解説となってしまい趣味の 分野とは言いがたい . したがってここではその中でも特 に基礎的な事項について , 筆者なりの解説を加え , EF 65 の特徴の一部を述べてみたいと思う . また , 前記のよ けん引重量特急旅客 480t0n こう配 特急貨物 L000 ton 般貨物 L200 ton 機関車 E F 6 0 ( MT49B) E F 6 0 (MT52) E F 6 ー E F 6 5 E F 6 6 * Ⅱ 0.0 74 . 2 69 . 0 77 .5 76.4 * 90 . 0 99.7 * 95 . 0 田 7.0 * Ⅱ 0 . 0 56 . 7 53 . 3 58.0 0 % 89 . 0 83.2 93.6 90 .0 44.0 46.0 78.0 * 0.0 0 % 76.0 72.0 76 . 6 * 85.0 ( 注 ) * は機関車または客貨車の最高速度で倒限されるもの などの強度の関係で 1 ) t 以下としている・ . EF61 は歯車 55