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検索対象: 鉄道ファン 1976年11月号
53件見つかりました。

1. 鉄道ファン 1976年11月号

写真 : 小工光 山陽本線を行く 475 系“山陽” 糸崎にて 写真 : 関崇博 第をー第ご、 一三 山陽本線を行く 475 系”べっふ” 円 72 ー 8 写真 : 編集部 鹿児島本線を行く 475 系”玄海 " 原田にて GE ト : ムー てこの静電アンテナを装備することになった . して増備されたものがこのクモハ 471 十モハ 470 の 13 と 15 この装置は電車線に高圧の交流電気が流れているかを である . 奇数設計ということで 12 と 14 をそれぞれ欠番と 検知するためのもので , クモハまたはクハの屋根前部に したのであった . 設けられたアンテナが架線の交流電圧により誘起された ( 注 1 ) ノッチ戻し・・・・高いノッチから低いノッチへ戻 電圧を連転室後部の増幅器で増幅し , 継電器を動作させ したい場合一度オフにしなければならなかったが , こ 表示燈を点燈 , 交流区間に進入したこと , または架線の の装置では 3 ~ 5 ノッチの間を自由にゆききできるよ 電圧の有無を知らせるものである . なお 481 系以降特急 うにして勾配区間に対処したものをいう . 車では増幅器がシリコントランジスタ化され , この検知 ( 注 2 ) 勾配抑速プレーキ・・・・連続下り勾配を下る場合 器により交直自動切替ができるようになっている . に速度を一定に保持するため , 停止用発電プレーキを 4- ー 3 471 系に欠番のあるわけ 任意の段において速度制御ができるようにした機構で クモハ 471 十モハ 470 のユニットには当初から欠番があっ ある . た . すなわち最終番号が 15 なのに総数は 13 ユニット ( 26 両 ) しかなく , 12 と 14 番が欠けているのである . 参考文献 これは , 1 ~ 11 が昭和 37 年 7 月 ~ 10 月にかけ増備され 川添雄司”交流電気車要論 " 電気車研究会 日本国有鉄道 " 18 年の国鉄車両 " 交友社 たもので両側にカップラをもって上り下りいすれにも使 茂原信彦 " 国鉄電車ガイドブック ( 交流篇 ) " 誠文堂新光社 用できるものであった . しかし近い将来クハが製造され 沢柳健一“国電再入門”鉄道図書刊行会 ることになったため , クモハは奇数設計 ( 上り向き ) と 鉄道ファン誌 , 鉄道ピクトリアル誌 , 電車 み 2

2. 鉄道ファン 1976年11月号

イスとフランスの境のバーゼル ( 交流異サイクル ) , 連国内などで見られる . この地上切換式では一部の架線に流れる電気は交流 20 kV と直流 158V の場合 , 電圧がケタ違いに違うので車 両や電気設備が電気的に破損しないよう特別の保護装置 をいろいろ設けている . 〇普通 , 駅や構内にある信号機や標識の信号は列車や車 両を線路の条件によって進入させてよいか否かを示すも のであるが , 黒磯駅の場合この他に進入する線路の架線 が機関車と同種類の電源となるよう信号と電源切換を連 動させている . たとえば上野から黒磯駅にはいる手前に 建ててある下り場内信号機は構内の下り線の架線が直流 になっている時のみ進行信号が出るようになっている . その位置を表示するとともに , 切換操作テコの鎖錠を行 〇駅構内で入換運転をする時に使う入換標識には , 標識 なって大電流を切ったり , 間違って異電源に切換えない が示す進路の架線が直流か交流かを入換操車を担当する ようにしている . 検知は機関車がパンタグラフを上げて いれば , 架線には機関車の MG など補助回転機の運転電 運転係に知らせるために , 図 1 のように入換標識の下に 流が数アンペアのレベルで流れているのでこの電流の有 架線電源を示す「進路電源識別標識」を付けている . こ れには = および ~ 形の表示があり , = は架線が直流で入 無と大きさでなされる . 換標識が進行を表示する時に紫色に点燈する . 黒磯駅構内の配線略図は図 3 に示すが , これで下り列 ~ は架線 が交流で進路がとれている時に橙黄色に点燈する . 車の機関車付替えの様子を説明してみよう . 〇駅構内の交直両用の留置線に停っている機関車がバン 到着線である 1 番線の架線には直流を送っておき , 列 タグラフを上げ下げする時 , 機関士は架線の電源がどち 車は場内信号機の現示にしたがって到着する . 直流機関 車は進路電源識別標識付入換標識の直流進行現示で操車 らであるかを確かめる必要がある . このため , 必要な個 所に「架線電源識別標識」を設けている . 直流電源の時 係の誘導によって亘り線を通って X 地点まで進み , ここ には垂直 2 個の紫色燈が , 交流電源の時には水平 2 個の でしばらく待機する . これから 1 番線の架線は交流に切 換えられ , 青森方の交流機待線にいる交流機は W 地点か 橙黄色燈が点燈する . ら交流電源を確認の上誘導で亘り線をわたって 1 番線の 〇架線を交直切換する場合 , その架線の区間に機関車 列車に連結され , 発車時刻になれば列車は交流機にひか がいない時か , またはパンタグラフを下げている時か , れて発車していく . あるいはこの区間に向かって進んでくる機関車などがな さて , X 点で待機中の直流機は進路電源識別標識付入 い時でなけれはならない . このために検知装置を設け , 換信号機の直流・進行信号で 3 番線あるいは機回り線を 切換操作テコを扱う係員に機関車の有無 , 交直別および 図 3 黒磯駅構内電源配線略図 図 1 進路電源識別 標識付入換標識 0 0 ソ 架線電源識別標識 図 2 紫色 橙黄色 ◎ 0 紫色 橙黄色 本屋 ( 下りホーム ) - ゾーい番線 ) - ー ( 2 番線 ) - フ、 ( 交り ( 電車ホーム ) ーノ ( 交 3 ) - ( 交い ( 3 番線 ) - ( 機回り線 ) ー ( 上りホーム ) ( 6 番線 ) ( 7 番線 ) ー ( 8 番線 ) ( 東京方 ) ( 青森方 ) 0 0 ( 9 番線 ) + ー 0 直流区間 - 交流区間 交直流共用区問 ー -- ー壯ーーセクション / ・・・・・ / ←テッドセクション 無架線区問 ・進路電源識別標識付入換信号機および入換標識 0 架線電源識別標識 ( 信号扱所 ) 56

3. 鉄道ファン 1976年11月号

モハ 72 改造の クモャ 740 青森運転所にて 円 76 ー 7-30 写真 : 太田正行 一壟二「 ■クモヤ 740 交流職用制御電動車 ています . クモヤ 740 交流職用制御電動車の製作されたいきさつは 昭和 43 年 , 急速な交流区間の延伸にともない , 運転所・ ■クモヤ 791 形交流職用制御電動車 この電車は , 昭和 35 年に将来の交流電化用の研究課題と 電車区から工場へ定期修繕のため交流専用の回送運転用 して試作新製された車両で , 交流整流子電動機を使用し けん引車と , 構内人換用の動力車をとの要講から製作さ た直接式交流電車です . れたものです . 改造車用種車にはモハ 72 形を適用し , 両 車両構造は , 東海形 ( 153 系 ) と共通な形状で両運転 連転台付の 1 M 電車で , 車体構造は全鋼製低屋根構造 台付の IM 方式の車両です . 室内は客室になっており定 で , 車体側構造は室内機器冷却口を 2 カ所設けたほかは 員 108 名の乗客が収容できる接客設備で , 側出入口の戸 モハ 72 の原形のまま再用しました . 扉は折戸方式を採用した漸新なものです . 電気方式は交 前面は切妻形の貫通方式になっており , 室内は接客設 流 20kV ・ 60Hz で , 車両性能上は 1 M 1 T または 1 M 2 備を取りはらい中央部に機器室を設け , その前後は控室 T で運転できるように計画された車両であり , 台車は空 兼荷物置場となっています . 台車および空気プレーキ方 気バネを用いた DT26 形 ( 原形は東海形に使用した DT 式は新性能車と同じ電磁直通空気プレーキにしてあり , 24 の 1 部改造 ) です . 空気プレーキ装置は発電プレーキ クモヤ 440 形とすべて共通にしてあります . 電気方式は 併用直通プレーキ方式で , さらに勾配抑速用発電プレー 交流 '20kV ・ 50 / 60Hz 専用で , 交流区間のみを走行できる キも備えた車両です . 車両です . 研究課題に対する種々の試験が実施され , 十分試作目 この電車の性能は , 直流性能をのぞけはクモヤ 440 形 的が達せられたので , その後新幹線開発時のプレーキ試 式と同様であり , 搭載電気品は在来の主電動機回路部品 験車に改造された後 , 現在 , 南福岡電車区の構内入換用 に , 新たに交流電気品 ( 主変圧器・主整流器・空気しゃ に使用されています . 断器および交流避雷器 ) が室内中央機器室内に格納され ュニークなスタイルの クモャ 7 田 南岡電車区にて 円フ 6 ー 3 写真 : 川西博勝 み 6

4. 鉄道ファン 1976年11月号

〔 EL 編〕 1. 最初の交直流機 ED461 号機 常磐線の沿線 , 筑波山麓の柿岡には , 地磁気観測所があ り , 鉄道を直流電化するとここの観測に微妙な影響を及 ばすことが考えられ , 常磐線の電化は取手でストップし ていた . しかし , 地磁気の観測には交流電化ならば支障 がないので , 交流電化の実用化とともに , 電化進展の機 運が生まれてきた . 取手以遠の電化は交流 50Hz で行な い , 取手一藤代間で交流と直流の接続を車上切換によっ て行なうこととなった . 当初の計画では , 貨物列車は直流・交流それぞれの専 用機関車によりけん引し , 旅客列車は , 近距離ローカル 列車を交直流電車により , 長距離列車を交直流機関車に より運転する方針であった . この方針に沿って , ED461 号 ( のちに ED921 号と改称 ) が , 昭和 34 年に試作された . 交直流電気車の構成は , ①直流電気車十交流→直流変換装置 わが国最初の交直流電機 ED461 ②交流電気車十直流→交流変換装置 ③直流電気車十交流電気車 (iv) 速度制御は直流機と同じく , 抵抗制御 , 組み合 が考えられるが , いすれも重量・スペースの制約が厳し わせ制御 , 界磁制御により , 交流機のようなタップ い . この内 , ①の方式がこの点で最も有利であり , E D 制御や位相制御は行なわない . 461 号も , 以後の交直流機関車もすべて①の方式を採用 (v) 列車の電気暖房用交流電源は , 交流区間では主変 している . ED461 号では , 直流機と同じ抵抗制御・直 並列組み合わせ制御に水銀整流器 ( ェクサイトロン ) を 圧器の 4 大巻線から供給され , 直流区間では , 水銀 付加した方式である . 整流器をインバータ運転することによって供給され ( 1 ) 性能 ( 注 ) 1 台車 1 電動機方式も , 連結軸間のネのため自励振動を起こ ED461 号の使用区間には , 最大 10 % 。のこう配しかなく , し , 粘着性能などに悪い影響を与えることが , EF 形として量 それも最長 4.5km で , 全体としての等価こう配は 1 % 。以 産されてから判明した . その意味では , D461 号は試作機とし て十分使いこまれたとは言えず , そして試作の意義を十分に発揮 下となり平坦線に近いので , 電気機関車の使用条件とし できなかったのは残念である . ては厳しいものではない . 旅客列車の定数は最大 550t ( 性能計画用 600t ) で , この列車をけん引して 10 % 。こう 2. 関門トンネル用 EF30 形の量産 配での均衡速度が約 70km / h であること , また将来の速 山陽本線の直流 1500V 電化と鹿児島本線の 60Hz20kV 電 度向上を考え , 最高速度は 110km / h とした . 化の決定により , 交流と直流の接続セクションを九州側 使用状況から考えて , 重連運転の必要はないので , そ の門司駅構内に設けることとなり , 車上切換により運転 のための設備はしていない . また , ローカル列車の電車 することとなった . このための交直流機関車として試作 化を想定し , 性能は急行列車を主体に考えているが , 各 EF301 号が昭和 35 年に誕生した . これは , 従来関門ト 駅停車にも使えるように容量は選定されている . ンネル用に使用されていた E F 10 形に代るもので , トン ②特徴 ネル区間の運転を主体とし , 門司ー門司操車場間の交流 区間でも部分出力で運転可能としている「直卞交従」形 G) 軽量化と主回路の簡略化のため , 1 台車 1 電動機 の客貨両用機関車である . 方式とした . この方式では前後軸が歯車で連結され ており , 軸重移動の影響を受けず , 粘着上も有利で ( 1 ) 性能 あった ( 注 ). 関門トンネル内の 22 % 。のこう配で , 重連で貨物 1200 t の 起動が可能であり , 門操の交流区間内のこう配でも , 重 (ii) このため , 主電動機は 1 時間定格 770kW ( 連続定 連で貨物 1200t の起動が可能である . このため , 1 時間 格 700kW ) で , 我国および狭軌で最大のものとなっ 定格出力 600kW の主電動機 3 台を 1 台車 1 電動機方式 た . ( ⅲ ) また , 駆動装置には防振ゴム接手を有する中空 で装備して , 直流区間ではその全出力が出せ , 交流区間 軸式が用いられた ( 注 ). では運転距離が短く平坦であるので , 346kW ( 10 分間定 E046 い プ 5

5. 鉄道ファン 1976年11月号

車設計上の重要な項目であ . る交流区間と直流区間の接 続点には数十メートルの無加圧区間 ( デッドセクション ) が設けてある . その手前で運転台の交直切換スイッチを 扱えば , まず回路がすべて開放される . デッドセクショ ンを通りすぎ新区間に進入すると自動的に回路が順次構 成されていく . 交流回路のまま直流区間に冒進した場合の保護は主変 圧器一次巻線側の冒進保護ヒューズで保護する . また , 直流回路のまま交流区間に進入する場合は , 無電圧区間 で直流電圧継電器が落下し AB B が開放され , 以後交直 切換スイッチを正規に扱わない限り ABB は投入できな 交直流電車の発展は 490 系 ( クモャ 490 ) から 写真 : 鈴木靖人 いようにしている . この保護を確実に行なわせるため交 直流電車では電動発電機など逆誘起電圧を出すものに対 しては逆流阻止ダイオードを挿入し , 無加圧区間で直流 1. 交直両用化にともなう必要機器とその働き 電圧継電器が確実に釈放動作するようにしている . ( 別 直流電車を基本とした交直流電車では , 主変圧器・主整 稿岩沙氏の「デッドセクションの話」をご参照下さい ) 流器・主平滑リアクトル・交直転換器などを直流電車に 追加した形となる . 3. 交直流電車の試作 主変圧器は架線電圧 , 交流 20kV を 1850V に降圧するも 交流電化当初から , 交直流電車の開発の必要性は十分認 のであるが電車の場合は床下取り付けとなるため , 小形 識されていたため , 早い時期に試作電車などによる技術 ・軽量化に努力がはらわれ送油風冷式を採用している . 開発が始まった . 最初に試作されたのは 490 系交直流電 主整流器はシリコンダイオードのプリッジ接続で構成 車である . これは制御車 ( クヤ 490 形 ) にバンタグラフ され , 主変圧器 2 次側の交流を整流する . シリコンダイ ・主変圧器・水銀整流器などの電源装置を搭載し , 電動 オード素子の冷却は電動送風機による強制風冷方式を採 車 ( クモヤ 490 形 ) に供給する方式で 2 両で 1 組となる . 用している . 車両はいすれも従来車の改造によっており , 昭和 33 年の 主平滑リアクトルは電圧および電流の変動の大きい単 相整流出力を平滑化するものである . これは主変圧器と 3 月に 2 編成が落成した . しかし , この電車は水銀整流器を使用しているため , 組になり , 電動送風機で冷却される . 交直転換器は主回路を交流用および直流用に切換える 温度制御が重要であり , 出区時の準備や交流区間に人る 前の温度制御など , わすらわしい点が多く , 実用化まで 働きをする . この外 , 交流シャ断器・交流避雷器・交流 フィルタなどが追加される . 交直両用化に応じて主要機 には至らなかった . その後の技術開発は , このような問 器の変更も必要となる . 題を解決するシリコン整流器の開発に向けられた . 主電動機は脈流運転による温度上昇がさらに加わるた め , 主極・補極温度上昇許容を上げるとともに , 補極の 4. 交直流電車の誕生 追随性を良くするための成層化などの脈流対策を行なう 半導体技術の発展 , 特に電圧および電流定格の増大にと 必要があり MT46B に変更している . 主制御器内の限流 交直流近郊形として常磐線にデビューした 401 系 写真所蔵 : 編集部 継電器なども同様な脈流対策をほどこしている . このほか , 特急電車などパンタグラフ 2 組の車両では 交流区間ではセクション短絡のおそれがあるため , パン タ断路器で片方は開放するようにしている . また , 屋上 機器も交流区間では接地 , 直流区間では非接地に切り替 えている . また後で述べる交直切換の関係で電動発電機に逆流阻 止ダイオードを挿入するとともに補機回路シャ断器を設 けている . 2. 交流・直流の切換え 交直両用電車の交流・直流回路切換および万一切換えを 失念した場合または誤操作した場合の保護は , 交直流電 〔 EC 編〕 0 ノ 9

6. 鉄道ファン 1976年11月号

3 い ②特徴 (i) 台車・駆動装置には 1 台車 1 電動 機方式 , WN 継手を採用し , 引張カ の伝達は引張棒によっている . これ により台車構造の簡易化と軸重移動 による空転の防止をはかっており , ニヤ制御の採用と合わせて粘着 性能の向上をはかっている . (ii) 直流全出力 , 交流部分出力とし , 全電動機の組み合わせは , 直流区間 では , 3 個直列から渡りを経て 3 個 並列となり , 交流区間では 3 個直列 関門トンネル用の交直流機として試作登場した EF3 田 下関にて 196 レ 6 写真 : 小玉 光 から渡りを経て 2 個直列 1 個開放と いう接続方式を採っている . 格と部分出力としている . 直流区間および交流区間にお (iii) 交流用の電気機器は出力が小さくてよいので , 小形・軽量化がはかられ , 主変圧器は油入自冷式 , ける均衡速度は次のとおりである . 主整流器は車載としては初めてシリコン整流器を使 荷 重 機関車 条 用している . トンネル内の塩害対策のため , 車体外板や屋上 ( ⅳ ) 機器の金属をステンレスにするなどの処置を構じて いる . なお , 車体外板は 2 号機以降ではステンレス のコルゲート板が使われている . (v) 重連総括制御のため , 交直切換方式は交直流電車 と同じく「一斉惰行 , 順次力行」方式が採られてい つり合速度 (km/h) 37 46 40 72 42 47 22 40 件 直流区問 ロ 50 V 交流区問 20kV 直流区問 ロ 50 V 10% 交流区問 20kV 22 % 直流区問 ロ 50 V 直流区間 ロ 50 V 0 % 交流区間 20kV 直流区間 ロ 50 V 交流区間 20kV 22 % 直流区問 ロ 50 V EF30 のステンレスの美しい姿体は関門の名物 0 % 貨物に 00 t 重連 客車 600 t 単機 3. 本格的交直流機関車 F80 形の登場 常磐線は当初 , 旅客列車のみが交直流機関車で連行する 下関にて写真 : 三島富士夫 プ 6

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図 4 図 5 交直セクション通過の状況 ( 交流区間から直流区間へはいる場合 ) 交流 20KV 力行 最寄駅で前パン タグラフ上昇 交流 20KV ABB 特 男リ 標 標架 識線 5E 間 情行に移り , 交直切換 スイッチを「直」にする . ABB が開放する . 交流 20KV セクション トー約 20 , ー セクション セクション 直流 00V 直流汚 00V 後のパンタグラフが直流区間 にはいると ABB が自動投入さ れ力行可能となる . 交直セクション通過の状況 ( 直流区間から交流区間へはいる場合 ) 交直流電車の場合 , ユニット 毎に順次 ABB が閉じて , 可能となる . 力行 直流巧 00V 交流 20kV 交流 20kV 交流 20kV 交直流電車の場合 , ユニット毎 に順次 ABB が閉じて , 力行可能 となる . セクション 約 40 ~ 60m 標架 識線 死 情行でセクション を通過 セクション れ , 力行可能となる . にはいると ABB が自動投入さ 後のパンタグラフが交流区問 特 別 情 彳丁 情行に移り , 交直切換スイッチを 「交」にする . ABB が開放する . 直流 00V 直流丐 00V に使われており , フランスのディジョン ~ ポルト・ヌー プ , マルセイユゃべルギーとドイツの国境駅アーヘンな どがある . この方式では , 車上の切換え操作を誤ったり , または 切換関係の機器が故障した場合そのまま異電源区間には いってしまうので , この時に電気機器がこわれないよう に主回路を切るような保護対策が考えられている . 交直両用機関車が交流区間から直流区間にはいる場合 の切換えの様子を説明してみよう . 列車が接続点に近づくと機関士は特別惰行標にしたが って惰行運転にはいり , 交直切換えスイッチを「交」か ら「直」に操作する . すると , 空気しゃ断器 ( ABB ) が切 れて , 交直切換器および交直転換器も「交」から「直」位 置に変わり , 直流運転の回路に変わる . セクションを通 過して直流区間にはいり , 架線の直流電源を検知すると 自動的に空気しゃ断器が投入されて力行連転ができる状 態になる . 機関士は「 ABB 入表示燈」の点燈を確認し てマスコンハンドルを操作して再び力行運転にはいる . 以上が電気機関車の例であるが , 長編成の交直両用電 車の場合にはデッド・セクションの手前で交直切換スイ 58 ッチを切換えて , 全車の空気しゃ断器を開放させ , つい で直流区間にはいってからは , はいったユニットから順 番に自動的に空気しゃ断器は投人され , 力行可能な状態 になる . なお , 運転室にある ABB 全人表示燈は編成全 部のユニットの A B B が投入されてから点燈し , 運転取 扱いとしては表示燈が点燈してからノッチインとしてい る . また , 電動発電機など補機も特急用電車を除いては ュニット単位で新しい電源区間にはいると同時に起動を はじめるので , 室内燈などは順次ュニット毎に点燈する ことになる . さて , ここで交直切換操作を忘れて , 力行のままデッ ド・セクションにはいるとどんなことになるだろうか . この場合 , デッド・セクションで力行用のしゃ断器が切 れて自動的に惰行となり , さらに直流区間にはいると主 ーズが切れて , 主変圧器の 1 次コイルに大きな電流 の流れることを防ぐ仕組みとなっている . 一方 , 直流区間から交流区間へはいる場合に切換えを 忘れたとすると , デッド・セクションで自動的に空気し ゃ断器が切れて直流回路を 20kV という高圧電気から守 ることとなる . 万一空気しゃ断器の動作が不良でしゃ断

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交直接続個所の一覧 名 接続駅・区間 切換方式 線 地上切換 黒 黒機駅通過となる特急電車 東 北 ( 上・下 ) のみ車上切換 村上ー間島 切 換 車 上 羽 越 ( 上・下 ) 小山一小田林 切 換 上 車 ( 単線 ) 取手一藤代 切 換 上 車 ( 上・下 ) ー田村 電車列車のみ車上切換 直流 00V 米原 ( 客貨列車は米原ー田村問 交流 60 Hz 20 KV ( 上・下 ) D L けん引 ) 永原ー近江塩津 切 換 上 車 ( 上・下 ) 糸魚川一梶尾敷 上 切 換 車 ( 上・下 ) 鹿児島 上 切 換 車 ( 客貨上・客下・貨下 ) 上 切 換 地 仙 山 作 並 福 島 切 換 上 地 奥 羽 ( 中川扱所 ) 日ロ第い当気当 ・ツ物 湖西線開通までは米 原ー田村間のデッド ・セクションを通過 していた急行 " 立山” 1968 ー 4 ー 29 写真 : 諸河久 一亠 湖西線は電車も機関 車も車上切換である 近江塩津にて 円 76 ー 8 写真 : 羽賀美知雄 器が切れない時には , 直流避雷器が動作して 高電圧をおさえるとともに , 冒進保護リレー というものを働かせて , 空気しゃ断器を開放 させるようにしてある . デッド・セクションは木製あるいは樹脂製 ( F R P ) のものが使われ , 長さは交流区間 から直流区間へはいる所には約 20m , 直流区 間から交流区間へはいる所には約 40 ~ 60m の ものと長さを違えている . これは前者の場合 はセクションに突人した時に発生するアーク を完全に切るために必要な長さであり , 後者 の場合は同様に誤って切換えを忘れた時に保 北 陸 護リレーなどが動作をしおわるまで車両がセ クションの中にとどまっているために必要な 長さである . 現在 , 交直切換のためのデッド・セクショ ンのある場所は表に示すとおり , 8 個所であ り , 黒磯駅だけが地上切換方式との併用であ る . 電気方式など 直流 00V 交流 50 Hz 20KV 司 43 年 9 月 8 日全線 交流化によって廃止 43 年 9 月 20 日 交流化によって廃止 59

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アッドセクションの話 交直立 女売はこのよ ~ うにして彳テなわれ・る 囈石沙克 : 常磐線取手一藤代間を通過する 401 系電車 1 ト 8 ー 27 写真 : 喜多山弘 日本やフランスのように従来 , 直流電化を中心に進めた E10 形ディーゼル機に変わり , 電車だけは交直両用電車 のちに交流電化に転向した鉄道や , 電気方式の異なる鉄 で車上切換によって田村を停車せすに直通している . 道の国境区間においては , 電気方式の変わり目 ( 接続点 ) 時 , 交直両用の ED30 形が運用されたが , わずかな期間 をどこにするか , また交直接続の方法をいかにするかな で休車となり現在は廃車になっている . どかが大きな問題になる . 構内接続式は接続する駅の本線の途中にデッドセクシ 日本においては多くの主要幹線が東京を中心にして直 ョンを設け , 半分ずつ直流区間と交流区間とに分ける . 流電化で始められたため , 交流電化を拡げていくと幹線 この間をディーゼル入換機で列車を転線させるか , ディ に数個所の交直接続点を設けなければならず , 輸送面か ーゼル入換機を使ってけん引機関車の入換えをする方法 ら能率が良く , 安全確実な接続方式とするため , 技術的 で停車駅は 1 つですむが , 入換作業が複雑で停車時間が にいろいろなくふうがなされてきた . 長くなる他 , 広い構内を必要とする . では , 交流区間と直流区間の接続箇所ではどのように この例はわが国にはないが , ヨーロッパではスイス・ して直通運転をしているのであろうか . フランスの国境駅のジュネープ ( コルナバン ) やスイス 代表的な方式として次の四つがある . ・イタリアの国境にあるドモドッソラなど古い接続駅に / 駅間接続式 見られる . 間接接続方式 \ 構内接続式 2. 直接接続方式 / 地上切換式 ( 1 ) 地上切換式 直接接続方式 \ 車上切換式 これは接続駅の一部の架線を直流・交流のいずれの電流 も送れるようにして機関車の付替えで接続を行なう方法 間接接続方式 である . 蒸気機関車・ディーゼル機関車など非電気式動力車を利 昭和 31 年わが国最初の交流電化の試験を仙山線で行な 用する方法で , 駅間接続式と構内接続式の 2 つがある . った頃 , 直流区間の接続駅である作並で地上切換式のテ 駅間接続式は両端の駅で機関車の付替えを行なうもの ストが行なわれた . この結果が良かったため , 昭和 34 年 で , 最も簡単な方式であるが駅には全列車の停車が必要 東北本線白河電化の際 , 本格的な設備として黒磯駅に採 となり , 駅では機関車付替えのための入換えが頻繁とな 用された . 作並駅はその後昭和 43 年 9 月の全線交流化で り , 運転時分のロスも大きい . 交直切換設備は不要となり , 現在黒磯駅が国鉄では唯一 この例には大形タンク機 E10 形が最後の務めを果した の地上切換式のものである . 北陸本線米原ー田村間があるが , 現在この橋渡し役も D 外国ではベルギーとフランスの国境駅ジュ 1. ーーモン , ス 55

10. 鉄道ファン 1976年11月号

一地鰤 , 第ま第、を第第を 北陸線の米原ー田村間の交直接続用として作られたユニークな凸形機 ED301 写真 : 三島富士夫 4. 標準形交直流電気機関車 F81 形の発展 ているが ( 関門用 300 台は除く ) , これには , 直流区 北陸線の電化が北上し糸魚川まで達したあとは , すでに 間では静止形のサイリスタインバータを使用してい 直流電化されている上信越線との接続が再び問題となっ る . 交流区間では主変圧器の暖房巻線を使用する . (iii) 主整流器とインバータ用サイリスタを一つのタ て来た . 車上切換方式は当然としても , 接続点をどこに ンクに納めて油漬とし , 冷却効率をあげコンパクト するか , 機関車の運行をどうするかなどが検討された結 果 , 糸魚川一梶屋敷間で交直接続することとなり , 北陸 にしている . ( ⅳ ) 90kVA の電動発電機を持ち , すべての補機に 3 線の糸魚川一直江津間と , 信越線の直江津一宮内間が 44 年 10 月に電化され , 北陸線の交流区間と信越線の直流区 相誘導電動機を用いプラシを M G のみとするなど , 間が結ばれることとなった . ここで使用される機関車も 保守の省力化がはかられている . (v) 空転を検知すると自動的にノッチ止めを行なうほ 新しい技術の可能性も含め種々検討されたが , 時間的な 制約もあり , 最終的には交流 50 / 60Hz , 20kV と直流 1500 か , 空転軸を含む台車に空気プレーキをかけ , 再粘 V の三電気式で , 標準主電動機 MT52 をもつ 6 軸の抵抗 着したらゆるめる方式の再粘着プレーキを備え , 粘 制御機関車 , つまり EF65 形の交直流版として , F811 着性能の改善をはかっている . 号が昭和 43 年に誕生した . EF81 形は , それまでの技術 (vi) 運転台まわりは人間工学的に配慮した斬新で使 の集大成として設計され , 技術的に非常に安定したもの いやすい構造としている . を持っており , 実用面では本質的なトラブルもなく , す (vii) 固定編成特急客車や高速貨車をけん引する設備 こぶる好評であり , また 3 電気式であるので , 日本海縦 ( 編成増圧装置 ) を持っている . 貫線の電化の延長にともない酒田・秋田と運行の範囲を 5. ユニークだった E D 301 号 広げた他 , 東北線 ( 田端ー福島間 ) や , 関門トンネルに 北陸線の米原ー川村間の交直接続用として , EF553 号 も進出 , また , 湖西線の開業により , 東海道線にも姿を を種車にし部品を流用する形で , 国鉄浜松工場で昭和 37 見せるといった具合に , 標準機関車として全国を走るに 年に改造された . これは EF553 号の部品の大幅な再用 至った . このうち , 関門用は , 塩害対策として車体外板 と , 不足部品と追加となる交流部品を交直流電車との共 や屋上のステンレス化などが行なわれ , 300 台の番号を 通化が考えられ , 主変圧器 , シリコン整流器 , 交直切換 装置や冒進保護装置などは 471 系交直流電車と共通とな とっている . ( 1 ) 性能 っている . また車体構造は簡単で交直接続のハタオリ連 基本性能は川 % 。こう配で 1200t をけん引することがで 転に便利なように中央運転台式となっていた . 米原ー田村間の 1200t けん引も問題ないことが確かめ きる . られていたが , けっきよく , この交直接続の運行は米原 ( 2 ) 特徴 (i) 使用線区の情況を考え , パンタグラフ以外の特高 構内の入換と共通の運用が良いこととなり , 現在のよう 機器を屋内に収容するなどの耐寒耐雪構造に十分な なディーゼル機関車けん引となり , ED301 号はその後 鉄研での試験機関車として使われたりしたが , ED461 配慮が払われている . 号同様 , 廃車となった . (ii) 客貨両用として列車暖房用の電気暖房装置を持っ 78