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検索対象: 鉄道ファン 1976年11月号
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1. 鉄道ファン 1976年11月号

アッドセクションの話 交直立 女売はこのよ ~ うにして彳テなわれ・る 囈石沙克 : 常磐線取手一藤代間を通過する 401 系電車 1 ト 8 ー 27 写真 : 喜多山弘 日本やフランスのように従来 , 直流電化を中心に進めた E10 形ディーゼル機に変わり , 電車だけは交直両用電車 のちに交流電化に転向した鉄道や , 電気方式の異なる鉄 で車上切換によって田村を停車せすに直通している . 道の国境区間においては , 電気方式の変わり目 ( 接続点 ) 時 , 交直両用の ED30 形が運用されたが , わずかな期間 をどこにするか , また交直接続の方法をいかにするかな で休車となり現在は廃車になっている . どかが大きな問題になる . 構内接続式は接続する駅の本線の途中にデッドセクシ 日本においては多くの主要幹線が東京を中心にして直 ョンを設け , 半分ずつ直流区間と交流区間とに分ける . 流電化で始められたため , 交流電化を拡げていくと幹線 この間をディーゼル入換機で列車を転線させるか , ディ に数個所の交直接続点を設けなければならず , 輸送面か ーゼル入換機を使ってけん引機関車の入換えをする方法 ら能率が良く , 安全確実な接続方式とするため , 技術的 で停車駅は 1 つですむが , 入換作業が複雑で停車時間が にいろいろなくふうがなされてきた . 長くなる他 , 広い構内を必要とする . では , 交流区間と直流区間の接続箇所ではどのように この例はわが国にはないが , ヨーロッパではスイス・ して直通運転をしているのであろうか . フランスの国境駅のジュネープ ( コルナバン ) やスイス 代表的な方式として次の四つがある . ・イタリアの国境にあるドモドッソラなど古い接続駅に / 駅間接続式 見られる . 間接接続方式 \ 構内接続式 2. 直接接続方式 / 地上切換式 ( 1 ) 地上切換式 直接接続方式 \ 車上切換式 これは接続駅の一部の架線を直流・交流のいずれの電流 も送れるようにして機関車の付替えで接続を行なう方法 間接接続方式 である . 蒸気機関車・ディーゼル機関車など非電気式動力車を利 昭和 31 年わが国最初の交流電化の試験を仙山線で行な 用する方法で , 駅間接続式と構内接続式の 2 つがある . った頃 , 直流区間の接続駅である作並で地上切換式のテ 駅間接続式は両端の駅で機関車の付替えを行なうもの ストが行なわれた . この結果が良かったため , 昭和 34 年 で , 最も簡単な方式であるが駅には全列車の停車が必要 東北本線白河電化の際 , 本格的な設備として黒磯駅に採 となり , 駅では機関車付替えのための入換えが頻繁とな 用された . 作並駅はその後昭和 43 年 9 月の全線交流化で り , 運転時分のロスも大きい . 交直切換設備は不要となり , 現在黒磯駅が国鉄では唯一 この例には大形タンク機 E10 形が最後の務めを果した の地上切換式のものである . 北陸本線米原ー田村間があるが , 現在この橋渡し役も D 外国ではベルギーとフランスの国境駅ジュ 1. ーーモン , ス 55

2. 鉄道ファン 1976年11月号

一地鰤 , 第ま第、を第第を 北陸線の米原ー田村間の交直接続用として作られたユニークな凸形機 ED301 写真 : 三島富士夫 4. 標準形交直流電気機関車 F81 形の発展 ているが ( 関門用 300 台は除く ) , これには , 直流区 北陸線の電化が北上し糸魚川まで達したあとは , すでに 間では静止形のサイリスタインバータを使用してい 直流電化されている上信越線との接続が再び問題となっ る . 交流区間では主変圧器の暖房巻線を使用する . (iii) 主整流器とインバータ用サイリスタを一つのタ て来た . 車上切換方式は当然としても , 接続点をどこに ンクに納めて油漬とし , 冷却効率をあげコンパクト するか , 機関車の運行をどうするかなどが検討された結 果 , 糸魚川一梶屋敷間で交直接続することとなり , 北陸 にしている . ( ⅳ ) 90kVA の電動発電機を持ち , すべての補機に 3 線の糸魚川一直江津間と , 信越線の直江津一宮内間が 44 年 10 月に電化され , 北陸線の交流区間と信越線の直流区 相誘導電動機を用いプラシを M G のみとするなど , 間が結ばれることとなった . ここで使用される機関車も 保守の省力化がはかられている . (v) 空転を検知すると自動的にノッチ止めを行なうほ 新しい技術の可能性も含め種々検討されたが , 時間的な 制約もあり , 最終的には交流 50 / 60Hz , 20kV と直流 1500 か , 空転軸を含む台車に空気プレーキをかけ , 再粘 V の三電気式で , 標準主電動機 MT52 をもつ 6 軸の抵抗 着したらゆるめる方式の再粘着プレーキを備え , 粘 制御機関車 , つまり EF65 形の交直流版として , F811 着性能の改善をはかっている . 号が昭和 43 年に誕生した . EF81 形は , それまでの技術 (vi) 運転台まわりは人間工学的に配慮した斬新で使 の集大成として設計され , 技術的に非常に安定したもの いやすい構造としている . を持っており , 実用面では本質的なトラブルもなく , す (vii) 固定編成特急客車や高速貨車をけん引する設備 こぶる好評であり , また 3 電気式であるので , 日本海縦 ( 編成増圧装置 ) を持っている . 貫線の電化の延長にともない酒田・秋田と運行の範囲を 5. ユニークだった E D 301 号 広げた他 , 東北線 ( 田端ー福島間 ) や , 関門トンネルに 北陸線の米原ー川村間の交直接続用として , EF553 号 も進出 , また , 湖西線の開業により , 東海道線にも姿を を種車にし部品を流用する形で , 国鉄浜松工場で昭和 37 見せるといった具合に , 標準機関車として全国を走るに 年に改造された . これは EF553 号の部品の大幅な再用 至った . このうち , 関門用は , 塩害対策として車体外板 と , 不足部品と追加となる交流部品を交直流電車との共 や屋上のステンレス化などが行なわれ , 300 台の番号を 通化が考えられ , 主変圧器 , シリコン整流器 , 交直切換 装置や冒進保護装置などは 471 系交直流電車と共通とな とっている . ( 1 ) 性能 っている . また車体構造は簡単で交直接続のハタオリ連 基本性能は川 % 。こう配で 1200t をけん引することがで 転に便利なように中央運転台式となっていた . 米原ー田村間の 1200t けん引も問題ないことが確かめ きる . られていたが , けっきよく , この交直接続の運行は米原 ( 2 ) 特徴 (i) 使用線区の情況を考え , パンタグラフ以外の特高 構内の入換と共通の運用が良いこととなり , 現在のよう 機器を屋内に収容するなどの耐寒耐雪構造に十分な なディーゼル機関車けん引となり , ED301 号はその後 鉄研での試験機関車として使われたりしたが , ED461 配慮が払われている . 号同様 , 廃車となった . (ii) 客貨両用として列車暖房用の電気暖房装置を持っ 78

3. 鉄道ファン 1976年11月号

通って無誘導で N 点まで走り , そのあと直流機の 機留 1 ~ 3 番線に誘導で下がって留置となる . この方式は , 列車を停車させて機関車の付替え を必要とすること , 機関車のロングランができず 運用効率を上げることが困難であること , 地上設 備に多くの費用がかかることなどの欠点があり , その後の交直接続には交直両用電気車の開発とあ いまって車上切換式によることとなった . なお , 黒磯駅については昭和 43 年 10 月から特急 電車に対して列車選別車上子を , 地上には下り第 2 および上り第 2 閉そく信号機付近に列車選別の 地上子を , 1 番線と 5 番線の進入部分にデッド・ セクションを設け , 通過列車はこれにより車上で 交直の切換えを行なえるようにした . ②車上切換式 これは 2 駅の中間あるいは構内の特定区間の架線 にデッド・セクション ( 無加圧区間 ) を設けて , 交直両用の電気車がこのセクションを通過中に車 上の交直機器の切換えを行なう方式である . この 方式は高価な交直両用の電気車をたくさん製作し なくてはならないが , 切換えのための停車は不要 となり , 地上設備が簡単になるので , 昭和 36 年の るようになった . ョーロッパでも新しい接続個所 手間をはじめとして , 各所でこの方式が採用され 常磐線交流電化の際 , 接続個所となった藤代ー取 写真 : 荒川和敬 円 62 ー 12 ー 3 米原ー田村間にて 通過中の ED301 テッドセクションを 特 92 印 30 に第 ュ 第を“ 田村にて円 62 ー 3 ー 13 ークな凸形電機 ED30 の活躍した北陸本線米原ー田村間 写真 : 岩沙克次 57

4. 鉄道ファン 1976年11月号

〔 EL 編〕 1. 最初の交直流機 ED461 号機 常磐線の沿線 , 筑波山麓の柿岡には , 地磁気観測所があ り , 鉄道を直流電化するとここの観測に微妙な影響を及 ばすことが考えられ , 常磐線の電化は取手でストップし ていた . しかし , 地磁気の観測には交流電化ならば支障 がないので , 交流電化の実用化とともに , 電化進展の機 運が生まれてきた . 取手以遠の電化は交流 50Hz で行な い , 取手一藤代間で交流と直流の接続を車上切換によっ て行なうこととなった . 当初の計画では , 貨物列車は直流・交流それぞれの専 用機関車によりけん引し , 旅客列車は , 近距離ローカル 列車を交直流電車により , 長距離列車を交直流機関車に より運転する方針であった . この方針に沿って , ED461 号 ( のちに ED921 号と改称 ) が , 昭和 34 年に試作された . 交直流電気車の構成は , ①直流電気車十交流→直流変換装置 わが国最初の交直流電機 ED461 ②交流電気車十直流→交流変換装置 ③直流電気車十交流電気車 (iv) 速度制御は直流機と同じく , 抵抗制御 , 組み合 が考えられるが , いすれも重量・スペースの制約が厳し わせ制御 , 界磁制御により , 交流機のようなタップ い . この内 , ①の方式がこの点で最も有利であり , E D 制御や位相制御は行なわない . 461 号も , 以後の交直流機関車もすべて①の方式を採用 (v) 列車の電気暖房用交流電源は , 交流区間では主変 している . ED461 号では , 直流機と同じ抵抗制御・直 並列組み合わせ制御に水銀整流器 ( ェクサイトロン ) を 圧器の 4 大巻線から供給され , 直流区間では , 水銀 付加した方式である . 整流器をインバータ運転することによって供給され ( 1 ) 性能 ( 注 ) 1 台車 1 電動機方式も , 連結軸間のネのため自励振動を起こ ED461 号の使用区間には , 最大 10 % 。のこう配しかなく , し , 粘着性能などに悪い影響を与えることが , EF 形として量 それも最長 4.5km で , 全体としての等価こう配は 1 % 。以 産されてから判明した . その意味では , D461 号は試作機とし て十分使いこまれたとは言えず , そして試作の意義を十分に発揮 下となり平坦線に近いので , 電気機関車の使用条件とし できなかったのは残念である . ては厳しいものではない . 旅客列車の定数は最大 550t ( 性能計画用 600t ) で , この列車をけん引して 10 % 。こう 2. 関門トンネル用 EF30 形の量産 配での均衡速度が約 70km / h であること , また将来の速 山陽本線の直流 1500V 電化と鹿児島本線の 60Hz20kV 電 度向上を考え , 最高速度は 110km / h とした . 化の決定により , 交流と直流の接続セクションを九州側 使用状況から考えて , 重連運転の必要はないので , そ の門司駅構内に設けることとなり , 車上切換により運転 のための設備はしていない . また , ローカル列車の電車 することとなった . このための交直流機関車として試作 化を想定し , 性能は急行列車を主体に考えているが , 各 EF301 号が昭和 35 年に誕生した . これは , 従来関門ト 駅停車にも使えるように容量は選定されている . ンネル用に使用されていた E F 10 形に代るもので , トン ②特徴 ネル区間の運転を主体とし , 門司ー門司操車場間の交流 区間でも部分出力で運転可能としている「直卞交従」形 G) 軽量化と主回路の簡略化のため , 1 台車 1 電動機 の客貨両用機関車である . 方式とした . この方式では前後軸が歯車で連結され ており , 軸重移動の影響を受けず , 粘着上も有利で ( 1 ) 性能 あった ( 注 ). 関門トンネル内の 22 % 。のこう配で , 重連で貨物 1200 t の 起動が可能であり , 門操の交流区間内のこう配でも , 重 (ii) このため , 主電動機は 1 時間定格 770kW ( 連続定 連で貨物 1200t の起動が可能である . このため , 1 時間 格 700kW ) で , 我国および狭軌で最大のものとなっ 定格出力 600kW の主電動機 3 台を 1 台車 1 電動機方式 た . ( ⅲ ) また , 駆動装置には防振ゴム接手を有する中空 で装備して , 直流区間ではその全出力が出せ , 交流区間 軸式が用いられた ( 注 ). では運転距離が短く平坦であるので , 346kW ( 10 分間定 E046 い プ 5

5. 鉄道ファン 1976年11月号

交直接続個所の一覧 名 接続駅・区間 切換方式 線 地上切換 黒 黒機駅通過となる特急電車 東 北 ( 上・下 ) のみ車上切換 村上ー間島 切 換 車 上 羽 越 ( 上・下 ) 小山一小田林 切 換 上 車 ( 単線 ) 取手一藤代 切 換 上 車 ( 上・下 ) ー田村 電車列車のみ車上切換 直流 00V 米原 ( 客貨列車は米原ー田村問 交流 60 Hz 20 KV ( 上・下 ) D L けん引 ) 永原ー近江塩津 切 換 上 車 ( 上・下 ) 糸魚川一梶尾敷 上 切 換 車 ( 上・下 ) 鹿児島 上 切 換 車 ( 客貨上・客下・貨下 ) 上 切 換 地 仙 山 作 並 福 島 切 換 上 地 奥 羽 ( 中川扱所 ) 日ロ第い当気当 ・ツ物 湖西線開通までは米 原ー田村間のデッド ・セクションを通過 していた急行 " 立山” 1968 ー 4 ー 29 写真 : 諸河久 一亠 湖西線は電車も機関 車も車上切換である 近江塩津にて 円 76 ー 8 写真 : 羽賀美知雄 器が切れない時には , 直流避雷器が動作して 高電圧をおさえるとともに , 冒進保護リレー というものを働かせて , 空気しゃ断器を開放 させるようにしてある . デッド・セクションは木製あるいは樹脂製 ( F R P ) のものが使われ , 長さは交流区間 から直流区間へはいる所には約 20m , 直流区 間から交流区間へはいる所には約 40 ~ 60m の ものと長さを違えている . これは前者の場合 はセクションに突人した時に発生するアーク を完全に切るために必要な長さであり , 後者 の場合は同様に誤って切換えを忘れた時に保 北 陸 護リレーなどが動作をしおわるまで車両がセ クションの中にとどまっているために必要な 長さである . 現在 , 交直切換のためのデッド・セクショ ンのある場所は表に示すとおり , 8 個所であ り , 黒磯駅だけが地上切換方式との併用であ る . 電気方式など 直流 00V 交流 50 Hz 20KV 司 43 年 9 月 8 日全線 交流化によって廃止 43 年 9 月 20 日 交流化によって廃止 59

6. 鉄道ファン 1976年11月号

車設計上の重要な項目であ . る交流区間と直流区間の接 続点には数十メートルの無加圧区間 ( デッドセクション ) が設けてある . その手前で運転台の交直切換スイッチを 扱えば , まず回路がすべて開放される . デッドセクショ ンを通りすぎ新区間に進入すると自動的に回路が順次構 成されていく . 交流回路のまま直流区間に冒進した場合の保護は主変 圧器一次巻線側の冒進保護ヒューズで保護する . また , 直流回路のまま交流区間に進入する場合は , 無電圧区間 で直流電圧継電器が落下し AB B が開放され , 以後交直 切換スイッチを正規に扱わない限り ABB は投入できな 交直流電車の発展は 490 系 ( クモャ 490 ) から 写真 : 鈴木靖人 いようにしている . この保護を確実に行なわせるため交 直流電車では電動発電機など逆誘起電圧を出すものに対 しては逆流阻止ダイオードを挿入し , 無加圧区間で直流 1. 交直両用化にともなう必要機器とその働き 電圧継電器が確実に釈放動作するようにしている . ( 別 直流電車を基本とした交直流電車では , 主変圧器・主整 稿岩沙氏の「デッドセクションの話」をご参照下さい ) 流器・主平滑リアクトル・交直転換器などを直流電車に 追加した形となる . 3. 交直流電車の試作 主変圧器は架線電圧 , 交流 20kV を 1850V に降圧するも 交流電化当初から , 交直流電車の開発の必要性は十分認 のであるが電車の場合は床下取り付けとなるため , 小形 識されていたため , 早い時期に試作電車などによる技術 ・軽量化に努力がはらわれ送油風冷式を採用している . 開発が始まった . 最初に試作されたのは 490 系交直流電 主整流器はシリコンダイオードのプリッジ接続で構成 車である . これは制御車 ( クヤ 490 形 ) にバンタグラフ され , 主変圧器 2 次側の交流を整流する . シリコンダイ ・主変圧器・水銀整流器などの電源装置を搭載し , 電動 オード素子の冷却は電動送風機による強制風冷方式を採 車 ( クモヤ 490 形 ) に供給する方式で 2 両で 1 組となる . 用している . 車両はいすれも従来車の改造によっており , 昭和 33 年の 主平滑リアクトルは電圧および電流の変動の大きい単 相整流出力を平滑化するものである . これは主変圧器と 3 月に 2 編成が落成した . しかし , この電車は水銀整流器を使用しているため , 組になり , 電動送風機で冷却される . 交直転換器は主回路を交流用および直流用に切換える 温度制御が重要であり , 出区時の準備や交流区間に人る 前の温度制御など , わすらわしい点が多く , 実用化まで 働きをする . この外 , 交流シャ断器・交流避雷器・交流 フィルタなどが追加される . 交直両用化に応じて主要機 には至らなかった . その後の技術開発は , このような問 器の変更も必要となる . 題を解決するシリコン整流器の開発に向けられた . 主電動機は脈流運転による温度上昇がさらに加わるた め , 主極・補極温度上昇許容を上げるとともに , 補極の 4. 交直流電車の誕生 追随性を良くするための成層化などの脈流対策を行なう 半導体技術の発展 , 特に電圧および電流定格の増大にと 必要があり MT46B に変更している . 主制御器内の限流 交直流近郊形として常磐線にデビューした 401 系 写真所蔵 : 編集部 継電器なども同様な脈流対策をほどこしている . このほか , 特急電車などパンタグラフ 2 組の車両では 交流区間ではセクション短絡のおそれがあるため , パン タ断路器で片方は開放するようにしている . また , 屋上 機器も交流区間では接地 , 直流区間では非接地に切り替 えている . また後で述べる交直切換の関係で電動発電機に逆流阻 止ダイオードを挿入するとともに補機回路シャ断器を設 けている . 2. 交流・直流の切換え 交直両用電車の交流・直流回路切換および万一切換えを 失念した場合または誤操作した場合の保護は , 交直流電 〔 EC 編〕 0 ノ 9

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3 い ②特徴 (i) 台車・駆動装置には 1 台車 1 電動 機方式 , WN 継手を採用し , 引張カ の伝達は引張棒によっている . これ により台車構造の簡易化と軸重移動 による空転の防止をはかっており , ニヤ制御の採用と合わせて粘着 性能の向上をはかっている . (ii) 直流全出力 , 交流部分出力とし , 全電動機の組み合わせは , 直流区間 では , 3 個直列から渡りを経て 3 個 並列となり , 交流区間では 3 個直列 関門トンネル用の交直流機として試作登場した EF3 田 下関にて 196 レ 6 写真 : 小玉 光 から渡りを経て 2 個直列 1 個開放と いう接続方式を採っている . 格と部分出力としている . 直流区間および交流区間にお (iii) 交流用の電気機器は出力が小さくてよいので , 小形・軽量化がはかられ , 主変圧器は油入自冷式 , ける均衡速度は次のとおりである . 主整流器は車載としては初めてシリコン整流器を使 荷 重 機関車 条 用している . トンネル内の塩害対策のため , 車体外板や屋上 ( ⅳ ) 機器の金属をステンレスにするなどの処置を構じて いる . なお , 車体外板は 2 号機以降ではステンレス のコルゲート板が使われている . (v) 重連総括制御のため , 交直切換方式は交直流電車 と同じく「一斉惰行 , 順次力行」方式が採られてい つり合速度 (km/h) 37 46 40 72 42 47 22 40 件 直流区問 ロ 50 V 交流区問 20kV 直流区問 ロ 50 V 10% 交流区問 20kV 22 % 直流区問 ロ 50 V 直流区間 ロ 50 V 0 % 交流区間 20kV 直流区間 ロ 50 V 交流区間 20kV 22 % 直流区問 ロ 50 V EF30 のステンレスの美しい姿体は関門の名物 0 % 貨物に 00 t 重連 客車 600 t 単機 3. 本格的交直流機関車 F80 形の登場 常磐線は当初 , 旅客列車のみが交直流機関車で連行する 下関にて写真 : 三島富士夫 プ 6

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長崎・佐世保線特急は 2 列車併結運転の”か もめ・みどり”肥前山 ロで分割後は最短編成 の 4 両となる 円 76 ー 67 図 5 長崎・佐世保線特急電車運用図 ・南福岡電車区 485 系 155 両 12 両固定の編成と , 8 両十 4 両の 12 両編成があり , 前者 7 8 9 IO Ⅱにロ店ロ円 20 幻 2223 24 は " にちりん " ( 博多一宮崎 ) に , 後者は " かもめ " " みどり " に運用されている . とくに長崎・佐世保線に ついては , 電車特急としては初めての 2 列車併結運用で かもめ ) あり , 肥前山口で分割後は佐世保までの " みどり”とし て 4 両という国鉄でもっとも短い編成の特急となる等 , ュニークな運用となっている . 図 5 に同線の電車運用図 表を示す . ・鹿児島運転所 ( 481 ) 485 系 154 両配置 12 両編成で九州島内特急の " 有明 " ( 門司港・博多ー西鹿 児島 ) および " にちりん " に充当されており , 札幌 ( 運 ) ・南福岡 ( 電 ) 配置の 485 系とならんで , 交流区間に封 じ込められた交直電車である . 以上 , 各基地別の交直流特急電車の運用充当列車を中 心に概略を述べたが , これらを図解してみると図 6 とな る . この図からも上野口における特急電車のバラエティ ーぶりがはっきりと読みとれる . 3. 交直流特急電車その宿命的な大形運用 さて , 前項で述べた話は , 熱心なファンにとっては , 先 刻ご承知のことであったろう . しかし , 基地ごとに一定 の運用計画があってこそ , これだけの列車が運転できる わけである . そこで , 交直流特急電車の運用の特徴的な 事象について述べることとしたい . 図 6 を再度よく眺め ていただくと , 交直流特急電車は , その字のごとく , 交 直流区間にわたる運用を基本としているため , 必然的に ロングランが多くならざるを得ないことがお解りいただ けると思う . すべて車両は一定の順序で運用を移り変わ りながら周期的に所属基地へ帰区する計画となっている 基地へ帰ってきた車両は , 必要に応じて所定の検査を 門司港 ー山口 幹線接続昼行特急。有明 " ・ " にちりん " の一翼をになっ ている . さらに " 金星 " の間合使用として , " しらさぎ " 1 往復にも充当している . いつばう 485 系については , " 雷鳥 " ・ " 北越 " ( 大阪ー新潟 ) " はくたか " ( 金沢一長岡 ー上野 ) の運用に充当されている . 間合使用で”あさま”に見られる横軽協調形の 489 系 軽井沢付近にて円 75 ー 6 写真 : 後藤文男 肥ー山口 ( みどり ) あさま 28

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鉄道ファン グラフ交直流特急電車の活躍 / 諸河久・後藤文男・太田正行・河井秀夫・ 奈良崎博保 交直流車両の発展 / 松田清宏・佐々木拓ニ 交直流特急電車の活躍 L 特急時代の電車運用 / 大熊孝夫・ 交直流急行電車の誕生と発展 / 中山丈・・ 交直流の試験車と事業用車 / 吉田實・・・ グラフ交直流電気機関車の活躍 / 小玉光・編集部・奈良崎博保・太田正行・・ カラー 交直流車両思い出力ラー / 三島富士夫・小玉光・・・ カラー 485 系、、白鳥 ' ' 三態 / 久保田久雄・・・ カラー デッドセクションの話交直接続はこのようにして行なわれる / 岩沙克次・・ 新幹線 22 次車の登場 / 北山敏和・・・ トレインの新しい星オロネ 25 個室寝台車が登場 / 岡田直昭・・ プルー 51 - 10 秋のダイヤ改正 / 猪ロ信・ カラー里の秋 / 梅村新・・・ アメリカ・カリフォルニア州マレー機が走る保存鉄道 / 菅原成也・・ カラー 臙脂と白のいきな連節車デュッセルドルフの近況 / 堀淳一 アルプスの十字路を走る、、氷河急行 ' ' / 植田信行・・ 、、幻の三蟠鉄道 ' ' 聞き書き ( その 1 ) / 安保彰夫・・・ 島崎英一さんを偲ぶ・・ R E P O R T ・・ P O S T / ー き つ」よコーーヲー サロンカー 車両のうごき・ 車内放送・・ 「 / 一 4 ワっ 00 ーワ 4 -. 0 0 ・ 4 8 ワ 8 8 ・ 4 8 《 0 8 0 1 ワ】 1 人ワ 3 っ 0 4 -4 【 / / / 8 8 0- 0 1 ーユース・スクラッフ・ 付図 : オロネ 25 形個室寝台車 サロ 1101200 形付ずい車 新幹線 37 形食堂中間電動車 : 交直流車両の発展図 表紙 : 日本海縦貫線のエース E F 8 1 34 直江津にて 1974 - 6 - 2 写真 : 諸河久 昭和 51 年 11 月 1 日発行 鉄道ファン昭和 5 1 年 1 1 月号 定価 600 円 ー送料荷造共 80 円一 発行所株式会社交友社 発行者山田昭平 . 東泉 . 支 . 店 113 東京都文京区本駒込 6 ー 7 ー 11 TEL. ( 03 ) 947 ー 1100 ( 代表 ) 本店 464 名古屋市千種区宮西町 3 ー 1 振替名古屋 8502 TEL . ( 052 ) 731 ー 0456 、 本誌に関するご投稿・お問い合わせ等については , 上記東京支店編集部へ .

10. 鉄道ファン 1976年11月号

0 崧妥み崧朝言気 近江長岡ー柏原間にて 1975 ー 2-8 写真 : 諸河久 東海道線で見られる数少ない電車特急”しらさぎ " 485 系 ( 金沢 ) の 583 系・ 485 系 , 仙台 ( 運 ) の 485 系と 3 種類の編成 んでいる . 青森運転所との足つけは , 東北線 " はつかり " が連用されていることがわかるであろう . 羽越・上越線 " いなほ " で行ない , 首都圏側に滞泊とな ・秋田運転区 485 系 72 両配置 る車両により , " ひばり ' ' ・ " やまびこ " ・ " やまはと " の 50 年 11 月の奥羽南線電化にさいして , 新たに特急電車の 運用を組み立てている . 基地の仲間入りをした基地であり , 新しく上越線の " と このように青森運転所の交直流特急電車は , その充当 き " に登場した耐寒耐雪形の 183 系 1000 台の交直流版とい 列車の種類 , 運転線町の多さ , 運用キロの長いこと等に える 485 系 1000 台が配置されている . 開業以来約半年は , その特色がある . このことについては後に述べることと 在来形 485 系で運用してきたが , この新製車の落成にと する . もない在来車は順次長崎・佐世保線へと転属させ , 置き ・仙台運転所 ( 483 ) 485 系 203 両配置 換えを完了して間もない . 充当列車は " つはさ " ( 上野 仙台連転所々属の 485 系には , 3 種類の編成がある . ま ー山形一秋田 ) の 2 往復のみである . ず , 磐越西線へ入り込む " あいづ " ( 上野ー会津若松 ) ・全沢運転所 489 系 168 両 , 485 系 93 両配置 のため 9 両編成 ( 一部 " ひたち ' ' にも使用 ) そして 12 両 489 系は 12 両編成で , 信越線経由 " 白山 " と北陸線 " 雷 編成は青森のものと同一で , " ひばり " ・ " やまばと " ・ " ひ 鳥”の共通連用としているが , 1 本のみが " しらさぎ " たち " に使用されている . さらに , " ひばり " のうちも ( 名古屋ー金沢一富山 ) の連用に人っている . っともグリーン車の需要の強い 3 往復に使用するための いつばう , 485 系には 12 両と 7 両のグループがあり , 13 両編成がある . ただし , この 13 両の組成内容は前述し 12 両は " しらさぎ " に , 7 両は湖西線開業による米原口 た青森の " 白鳥 " 編成が , サロ ( Ts ) 2 両であったのに対 の新幹線接続輸送カ確保のために新設された " 加越 " に し , こちらはクロ (Tsc) とサロを各 1 両組み込んであ る . 最近までは同運転所のグリーン車は , ポンネット形 運用されている . のクロ 481 (Tsc) が上野寄りに連結されるのが定位であ ・向日町運転所 583 系 254 両 , 485 系 156 両配置 新幹線博多開業と同時に山陽線の昼行特急は全廃され , ったが , 長崎・佐世保線電化にともない , " みどり ' ' の ここ向日町の様相も一変してしまった . しかし大部分の 編成としてクロを使用する必要が生じたため , 一部を九 夜行寝台特急は存置されたため , 583 系は従来どおり九 州へ転属させた結果 , 現在ではクロの見られるのは 9 両 州特急として " 明星 " ・ " 彗星 " ・ " 金星 " ・ " なは " として ・ 13 両グループの 5 編成のみとなっている . 運用されている . また九州島内では , 博多・小倉での新 以上の話の中でも , 例えば " ひばり " には , 青森 ( 運 ) しらささ 3 0 物、、第、を第 27