ー 1 円いト・一 583 系の " はくつる” 古河ー栗橋間にて円 74 ー 1 写真 : 諸河久 わりながら走るこの電車は他の仲間に比較してそうとう てこそ , このような高効率運用が可能となっていること の働き者である . 青森運転所の 583 系の電車運用は図 8 で を強調したい . この結果 , 同運転所の 583 系は使用日車 ある . しかしこの運用図表では 583 系の高効率運用とい キロ ( 1 日当りの平均走行キロ ) が 1000 キロを越え , 新幹 線の " こだま " 編成に肉薄するまでになっている . この っても , どこがそうなのかちょっとわかりにくいであろ う . そこで , この運用の一部を日別に順序で並べてみる ことを身をもって感じとっている我々にとっては , 雪だ と , 図 9 となる . 上野一青森間 750km を一気に走って来 るまになって上野に入ってくる彼等をみるとき , 心から た編成が青森で基地に入区し , 仕業検査を受けて再び上 ご苦労さんという気持にならざるを得ない . また厳しい 野へと向かって出区していく . この間わずか 4 ~ 5 時間で 吹雪のもとで , 特急列車の運用を確保すべく努力する多 ある . いつばう上野口でも同様な折り返しを行なってお くの人々に頭の下がる思いがするのである . り 2M → IM の折り返しのごときは , 尾久基地に入区す ②単純なことはいいことだ / " つばさ " 運用 ることもなく , 上野駅から直接青森へと向かっていく . かって赤い電気機関車をたすさえて , 板谷峠を上り下り このように両端の終着駅 ( 基地 ) で次々と運用が飛びつい していた 181 系気動車による " つばさ " も , 51 年 11 月か ていく形態こそ 583 系電車に課せられた永遠の任務なの らは秋田運転区に新たに配置された 485 系電車と置き替 である . 図 9 を一見すれば , サインカープ状に流れるよ わった . では , この電車運用を図 10 でごらんいただきた い . いままで述べてきた青森 ( 運 ) 等の運用に慣れてし うに回転して行く運用の移り変わりがよくわかる . 図の 下段に比較のため昼行特急のみに連用される 485 系につ まった我々にとっては , まことにせいたくな感じさえす いても掲げておくので , その差をよく見極めてほしい . る . しかし , これは列車設定の状態からしてやむを得ず このサインカープを描く運用は , 他の長距離特急には このような運用となっているわけで , 近い将来 , 秋田区 受け持ち列車が増加すれは変化していくはずである . ほとんどない . しかしながら , いったん車両故障等が発 生すると , 深夜時間帯に運転所での編成替え作業が必要 1 本の編成が 1 本の列車に充当されるのみで運用が終 になるわけで , 現場作業にたずさわる人々の協力によっ 了し所属編成全部がこの形態で組み立てられた区所は , 図 7 なかなか所属基地へもどれない交直流特急電車 ( 青森運転所 485 系 12 両グループ ) 一日目 7 第・しウぃ 4 8 4 9 6 5 形台 森田岡 青青秋盛山仙 交番検査 2829 323 252 27-28 29 30 ーー 30 引 一 026M ( 0 薩こ ) 4 一 006M ( 0 こ 3 ) 0 > 9N0 一 一 0 一 8M ( 0 こ ) 一 00 M Ⅳ貶 220M ( ) 6040M い ) ー ( 卩 0 ) > 〔〔 00 38M をい ) ( 卩 0 や > 一 8 4 26M O こ 22M O こ ) ( 37 ) 36 ぐ ( い ) 卩 0 や ) > 68 34M をい ・ 2042M ( - ( 罍コマ品 32M ( を O 、い リも > 98 7 東大宮 尾久 ( 客 ) 走行粁計 872.4 7 日回帰 4 日回帰 5 日回リヨ 30
図 12 210kVA 電源 MG の改良 町運転所の 485 系にみられる . たとえば , 向日町運転所の 485 系についてみると , 同 電動発電機 MG の送電区分 在 所の 485 系が上野口へ入りこむのは , 3001M ・ 3002M の 平 常 1 往復しかないために , " 雷鳥 " と組み合わせているの である . いまこれを一般の自然な形の運用として , 3001 8 M を金沢で 3002 に折り返し , 4019M を 4026M に折り返し Tc M M' M M' TD M M' M M ・ Ts Ts Tc とすれは , 東大宮滞泊車両はいつまでも向日町へ帰るこ 鳥側 ◎ とができなくなる . すなわち , このような運用は必然的 ( 各車電燈・冷暖房半減 ) g 障 MG 故障 に生まれたものなのである . また , 青森運転所の 485 系 耐 秋平 についても , 上野ー秋田間 " いなほ " が 1 往復しかない 雪田常 ために , 同様な運用となっているわけである . 強 毎年冬期になると , 上越国境付近は豪雪に見舞われ , 形 4 " はくたか " のダイヤは大混乱となる . この場合は運用 を途中の金沢で分離し , " 雷鳥 " の方は金沢折り返しで 系ば G 田 00 ′片 代 3 側 所定運用を確保する . 青森運用の方も同様で , " いなほ " Tc の片 MG 故障の場合 , 運転台からの指令により が混乱したときには , 上野で 32M から 37M へ折り返し変 M 障 自動的に TG の予備 MG が故障側へ送電する . G MG 故障これにより正常運転を継続する . 更を行なうことになる . こうして見ると , これら X 状の 運用は , 異常時に対応し得る運用となっているわけであ ◎印は 210kVA 電動発電機・印 70kVA る . ところが , 電車は 1 日おきに仕業検査を受けること 用なのである . そこでクイズめくが問題を一つ . " はく になっており , いま述べたような運用変更を行なうと , たか " は現在向日町連転所 485 系で運用されているが , 仕業検査を受けた編成が再び仕業検査指定の運用にの 仮にこれを金沢運転所の 489 系の運用に移管して , " 白 る . 逆にその日終着した場所で仕業検査を受けるべく予 山 " とのからみ運用にすれば , これらの問題点は解消す 定した車両が仕業検査指定のない運用で戻っていくこと るわけであるが , 実際は実行できないのである . 熱心な になり , この編成は終着した基地で検査切れとなり , 予 ファンの方はその理由を考えてみて下さい . 定外の検査をする必要が生ずる . 各基地では毎日決めら 5. ガンバレ / 交直流特急電車 れた作業ダイヤにより検査が行なわれているから , この 今日 , 全国各線に大活躍をする交直流特急電車の運用に ように予定外の仕業検査を行なおうとしても , たとえは ついて , きわめて概略の話をしたが , まとまりのない記 臨時列車の運転時期には検査スケジュールがぎっしりで 述となったことをお許し願いたい . 検査線にとり入れることさえ困難なケースも起り得るわ すべてのシステムは大規模になるほど , そのコントロ ールが困難になる . かって特急電車が登場したころは , けである . それも特定の一日ぐらいのことであればともかく , こ 初期故障等に悩まされたが , しかし , それはパイオニア こに述べた 2 組の運用は , いずれも上越線という名にし としての悩みであった . 我々が現在持つ悩みは , 成長し おう豪雪地帯を通過しているため , 連日このような運用 きった大規模システムを動かすためのそれである . 限ら 変更もすることになると , 担当者にとっては頭の痛い運 れた条件の中で , より良い輸送を目指し , 今後も運用改 善を進めて行かねばならないと思っている . この意味で 図 11 大形 X 状運用の例 冬期に弱いといわれる電車の汚名を返上すべく行なった 青森 ( 運 ) 485 系 485 系 1000 台車での 210kVA 電源 MG 3 台とう載方式 ( 図 盛岡 12 参照 ) や , 予備車の増強等車両面からの改善 , 仙台 運転所 485 系帰区回帰改善のために行なった , 奥羽線へ の青森編成乗り入れ等運用面からの改善というように , 一歩一歩着実に手を打ってきているわけである . 近い将来 , 東北・上越新幹線が開業すれば , 交直流特 急電車の運用形態もまったく別のものとなっていくであ ろう . その中で少くとも大形運用等については , 現在よ り改善されるであろうことは期待できる . 願わくば , 新 幹線開業の日まで彼等が基幹輸送力としてりつはに使命 を果してもらいたい . 全力投球でがんばる交直流特急電 車達を暖かい目で見やってほしいと願いつつ筆をおく . 「 , 0000 00 ロ 0 ■ ) T's の 210kVA MG は常時は - 独給電 0 ( き ) さ ~ 00 〔 , 日 上野 東大宮 上野 上野 金 沢 ( 80 ) 、 0 、 向日町 大阪 ダイヤ混乱時には点線のように折り返し変更をするのだが・・ 秋田 32
0 崧妥み崧朝言気 近江長岡ー柏原間にて 1975 ー 2-8 写真 : 諸河久 東海道線で見られる数少ない電車特急”しらさぎ " 485 系 ( 金沢 ) の 583 系・ 485 系 , 仙台 ( 運 ) の 485 系と 3 種類の編成 んでいる . 青森運転所との足つけは , 東北線 " はつかり " が連用されていることがわかるであろう . 羽越・上越線 " いなほ " で行ない , 首都圏側に滞泊とな ・秋田運転区 485 系 72 両配置 る車両により , " ひばり ' ' ・ " やまびこ " ・ " やまはと " の 50 年 11 月の奥羽南線電化にさいして , 新たに特急電車の 運用を組み立てている . 基地の仲間入りをした基地であり , 新しく上越線の " と このように青森運転所の交直流特急電車は , その充当 き " に登場した耐寒耐雪形の 183 系 1000 台の交直流版とい 列車の種類 , 運転線町の多さ , 運用キロの長いこと等に える 485 系 1000 台が配置されている . 開業以来約半年は , その特色がある . このことについては後に述べることと 在来形 485 系で運用してきたが , この新製車の落成にと する . もない在来車は順次長崎・佐世保線へと転属させ , 置き ・仙台運転所 ( 483 ) 485 系 203 両配置 換えを完了して間もない . 充当列車は " つはさ " ( 上野 仙台連転所々属の 485 系には , 3 種類の編成がある . ま ー山形一秋田 ) の 2 往復のみである . ず , 磐越西線へ入り込む " あいづ " ( 上野ー会津若松 ) ・全沢運転所 489 系 168 両 , 485 系 93 両配置 のため 9 両編成 ( 一部 " ひたち ' ' にも使用 ) そして 12 両 489 系は 12 両編成で , 信越線経由 " 白山 " と北陸線 " 雷 編成は青森のものと同一で , " ひばり " ・ " やまばと " ・ " ひ 鳥”の共通連用としているが , 1 本のみが " しらさぎ " たち " に使用されている . さらに , " ひばり " のうちも ( 名古屋ー金沢一富山 ) の連用に人っている . っともグリーン車の需要の強い 3 往復に使用するための いつばう , 485 系には 12 両と 7 両のグループがあり , 13 両編成がある . ただし , この 13 両の組成内容は前述し 12 両は " しらさぎ " に , 7 両は湖西線開業による米原口 た青森の " 白鳥 " 編成が , サロ ( Ts ) 2 両であったのに対 の新幹線接続輸送カ確保のために新設された " 加越 " に し , こちらはクロ (Tsc) とサロを各 1 両組み込んであ る . 最近までは同運転所のグリーン車は , ポンネット形 運用されている . のクロ 481 (Tsc) が上野寄りに連結されるのが定位であ ・向日町運転所 583 系 254 両 , 485 系 156 両配置 新幹線博多開業と同時に山陽線の昼行特急は全廃され , ったが , 長崎・佐世保線電化にともない , " みどり ' ' の ここ向日町の様相も一変してしまった . しかし大部分の 編成としてクロを使用する必要が生じたため , 一部を九 夜行寝台特急は存置されたため , 583 系は従来どおり九 州へ転属させた結果 , 現在ではクロの見られるのは 9 両 州特急として " 明星 " ・ " 彗星 " ・ " 金星 " ・ " なは " として ・ 13 両グループの 5 編成のみとなっている . 運用されている . また九州島内では , 博多・小倉での新 以上の話の中でも , 例えば " ひばり " には , 青森 ( 運 ) しらささ 3 0 物、、第、を第 27
ー流特急電車の活躍 特急時代の電車運用 過日 , それは 5 月上旬の快晴の日であった . その日私は 長崎・佐世保線の電化完成監査のための試運転列車に乗 っていた . 肥前山口で 4 両を開放するリハーサルも無事 に終り , 有明海に沿って快走する 8 両編成の 485 系電車 は淡々として , 終着駅へ向かっていた . この時ふと運転 台の助士側に置かれている小さな箱に , 「秋田運転区」 の標記があるのが眼にとまった . ここにいる大勢の人々 は , この車両が秋田からの転属車であることに別段の感 情はないであろう . しかし , 長崎・佐世保線の電化にむ けて , 青森・秋田・仙台・向日町・南福岡と , 日本を縦 断する大規模かっ複雑な車両転配属を計画し , 見守って きた我々運用担当者にとっては , この 5 つの文字が , い ろいろな意味で感激と充足感を与えて余りある . 豪雪の 板谷峠にいどみ , " つばさ " のヘッドマークも吹雪にか くされるような東北の冬を体験した車両達は , 正反対に 明るい南国の太陽を受けながらエキゾチックな長崎の街 を実に心地良さそうに走り抜けていった . そして , 並い る気動車にわけ入るように長崎駅ホームに滑り込むと き , 高らかに吹き鳴らしたタイフォンの音が架線とは無 縁であったこの地の電車時代の開幕を告げているかのよ うであった . つい先日まで , D 51 が C 60 がプラストの音 をふるわせていた長崎にも 485 系の姿が見られるように なり , 亜幹線への交直流特急電車の進出が著しくなって 来ている . L 特急全盛時代 , 上野で , 大阪で , 博多で , 次々と主 要幹線へ向かって発車して行く特急列車の多くは , 交直 流電車で占められており , 今日の国鉄の中で最も重要な 車種となっているといえる . 今日も全国各線で大活躍する交直流特急電車につい て , その運用を中心に , 現状とともに運用的に興味のあ る話をしてみたいとわう . 私達は日常の電車運用に慣れすぎてしまったためか , 別に気にもとめないことが , 読者の皆様には耳新しく聞 こえることもあると思うので , これ等についても気の付 くままに述べることとしたい . 専門的な話は極力避ける つもりであるが , 一部触れざるを得ない部分については お許し願いたい . 1. 交直流特急電車 , その驚くべき急成長 早期の東大宮車両基地 , 朝もやをついて出区準備をする 車両群 , 今日一日 , 多くの乗客の泣き笑いを乗せて , 各 線に旅立つ前の静けさの中にも張りつめた時間である . ここ東大宮基地は , 東北・上信越を経由して , 首都圏へ 22 大熊孝夫 国鉄運転局車務課 入り込んでくる長距離列車の中枢であり , 尾久と並び , かなめ 北ロの輸送の要となっている . 見渡す限りの群線に勢ぞ ろいした車両は , そのほとんどが特急電車であり , ここ が客車区の派出 ( 正式名称は , 尾久客車区東大宮操派出 ) であることを考え併すと , まさに電車時代の感を深くせ ざるを得ない . 日によって多少の変更はあるが , 東大宮 基地の基本在線計画では , 今朝もまた , 図 1 のように , 豪華な日本の特急電車オンノヾレードが見られたはずであ る . " あさま " ・ " とき " ・ " ひばり " 等代表的な L 特急の ヘッドマークの中に , 日本海縦貫線を巡り , 長駆大阪か らやって来た向日町運転所 485 系による " はくたか ' ' や 北の青森に向かう流麗な 583 系の " はつかり " 等もまじ り , 特急電車の広域な活躍を目のあたりに見る思いであ る . そして , 上野へむけて次々と出区して行く編成を眺 めていると , 屋根上に特徴のある高圧がい子をのせた交 直流特急電車が , 圧倒的に多いことに気がつく . 事実 , 東大宮基地出区となる定期の特急電車 14 編成中 , 実に 10 本までが交直流電車である . 思えば昭和 39 年 12 月わずか 41 両の 481 系電車により , 図 2 のような " 雷鳥 " 朝の東大宮車両基地には特急電車がズラリ を ミ " しら な :
図 8 583 系特急電車運用図 0 9 田 炻ロ 田 円 20 幻 22 23 24 ー 2 3 4 5 6 7 8 ( 750.3 ) 735.8 青森 青諟市 〇形式 583 系 0 配置青森運転所 0 編成 8 M 5 T 口にⅡ 9 8 7 6 5 4 3 2 ー 翫 TN M 〇車両数 使用ロ両 x Ⅱ = 予備 348.4 仙台 常東 碆北 図 3 両 37 両 田 0 両 0 30 . 8 東大宮 4 . 8 毛久 0 上野 日車キロⅡ 6.8 図 9 583 系電車の昼夜兼行運用 ( 青森連転所 583 系連用の一部 ) 0 2 4 6 8 田に慴 20 22 24 2 4 6 8 田に絽 20 22 24 2 4 6 8 に 14 田 20 22 24 2 6 8 に 20 22 24 2 4 6 8 卩図田卩 22 24 青森運転所 交番検査・ 00 0 ム イ山 久野 尾上 く参考 > 485 系電車の昼行運用 ( 南福岡区 " にちりん " グループ ) 門司港 南福岡電車区 翌日 5023M ( 0 ) 0 00 ) 、 ~ 〔 00 交番検査 宮崎 南宮崎 秋田区が唯一のものである . らこうして仮に呼んだわけである . だから , 他の運用に 折り返しのまったくないということは , 連用上のゆと 比べて別段変わっていないはずなのだが , 日頃ダイヤ混 りがあることになり , ちょっとのおくれぐらいでは全体 乱等があった場合 , なにかしら他とは異ることを体験的 に影響を及ばさないという点で安心していられるわけで に印象づけられているのでここに招介することとする . ある . しかも前記した帰区回帰についても , 1 日おきに その運用とは , 図 11 に示すもので , 青森運転所と向日 は必ず基地に戻るわけであるから理想的といえる . だが このような運用が良いからといって全国の特急をすべて 図 10 東北・奥羽線特急 " つばさ " 電車運用図 この方式にしたら , それこそ何本の編成があっても足り 9 田凵にロ 14 ロ円 20 幻 22 23 24 秋 田 ないということは明白であり , そもそも機動性をその特 長とする電車にとっては許されないことである . その意 味で , " つはさ ' ' の 485 系は例外的な運用を行なっても らえる幸せものである . ( 3 ) 大形 X 状の電車運用 運用用語集をひいても x 状連用という言葉があるわけで はない . たまたま運用図表上で X 状になっていることか 福島 0 尾 久 37
長崎・佐世保線特急は 2 列車併結運転の”か もめ・みどり”肥前山 ロで分割後は最短編成 の 4 両となる 円 76 ー 67 図 5 長崎・佐世保線特急電車運用図 ・南福岡電車区 485 系 155 両 12 両固定の編成と , 8 両十 4 両の 12 両編成があり , 前者 7 8 9 IO Ⅱにロ店ロ円 20 幻 2223 24 は " にちりん " ( 博多一宮崎 ) に , 後者は " かもめ " " みどり " に運用されている . とくに長崎・佐世保線に ついては , 電車特急としては初めての 2 列車併結運用で かもめ ) あり , 肥前山口で分割後は佐世保までの " みどり”とし て 4 両という国鉄でもっとも短い編成の特急となる等 , ュニークな運用となっている . 図 5 に同線の電車運用図 表を示す . ・鹿児島運転所 ( 481 ) 485 系 154 両配置 12 両編成で九州島内特急の " 有明 " ( 門司港・博多ー西鹿 児島 ) および " にちりん " に充当されており , 札幌 ( 運 ) ・南福岡 ( 電 ) 配置の 485 系とならんで , 交流区間に封 じ込められた交直電車である . 以上 , 各基地別の交直流特急電車の運用充当列車を中 心に概略を述べたが , これらを図解してみると図 6 とな る . この図からも上野口における特急電車のバラエティ ーぶりがはっきりと読みとれる . 3. 交直流特急電車その宿命的な大形運用 さて , 前項で述べた話は , 熱心なファンにとっては , 先 刻ご承知のことであったろう . しかし , 基地ごとに一定 の運用計画があってこそ , これだけの列車が運転できる わけである . そこで , 交直流特急電車の運用の特徴的な 事象について述べることとしたい . 図 6 を再度よく眺め ていただくと , 交直流特急電車は , その字のごとく , 交 直流区間にわたる運用を基本としているため , 必然的に ロングランが多くならざるを得ないことがお解りいただ けると思う . すべて車両は一定の順序で運用を移り変わ りながら周期的に所属基地へ帰区する計画となっている 基地へ帰ってきた車両は , 必要に応じて所定の検査を 門司港 ー山口 幹線接続昼行特急。有明 " ・ " にちりん " の一翼をになっ ている . さらに " 金星 " の間合使用として , " しらさぎ " 1 往復にも充当している . いつばう 485 系については , " 雷鳥 " ・ " 北越 " ( 大阪ー新潟 ) " はくたか " ( 金沢一長岡 ー上野 ) の運用に充当されている . 間合使用で”あさま”に見られる横軽協調形の 489 系 軽井沢付近にて円 75 ー 6 写真 : 後藤文男 肥ー山口 ( みどり ) あさま 28
・ 0 ておられる方も多いであろう . ・青森運転所 583 系 180 両 , 485 系 271 両配置 583 系は , 東北・常磐線の夜行寝台特急 " はくつる " ・ " ゆ うづる " に使用されるほか , 昼間は座席に早変わりして 同線の " はつかり " , 常磐線の日中見られる唯一の 583 " みちのく " に運用されている . また間合使用の形で 上野ー仙台間の " ひはり " にも 1 往復のみ充当されてい を一は第 交流電化の函館本線特急“いしかり " 電車は 485 系台 厚別ー大麻間にて 1975 ー 9 ー料写真 : 篠崎隆一 図 4 函館本線特急 " いしかり " 電車運用図 0 ー 2 3 4 5 6 7 8 9 田Ⅱにロロ田円 20 幻 22 23 24 いつばう , 485 系は 13 両と 12 両の 2 種類の編成がある . 13 両は日本海縦貫線を経由し , 青森ー大阪間を走る " 白 鳥 " の運用である . この編成は同区間 1059.5km を 13 時 間 35 分かけて走り抜くが , 世界でもっともロングランす る電車の記録をもっていた . 現在は新幹線電車の東京ー 博多間 1069. lkm にその座を譲っているが , 在来線とは 基本的に異なる運転方式であることを考えると , やはり 真の意味でのロングランはこちらであるかもしれない . また 12 両グループは 17 編成を要しての大形運用を構成 しており , 使用される列車もきわめてバラエティーに富 一 0 一 24 こ 0 一 一 204 き 600 、 一 006 き 00 、 一 0 っ 44 一つ 02M さ、 00 一 008 へ 00 、 札幌 手稲 道民のために足にふさわしい高効率の運用を行なって , 有効時間帯での列車本数を確保しているが , これは同区 間の距離が比較的短いこと等により行ない得るものであ る . 本州内のような長距離特急では , 折り返し間合を十 分にとり , 整備時間を確保するとともに , 遅れに対応でき る余裕を持っことが基本なっている . この点で , " いし かり " の運用は , 特急電車の中では特異なものである . また , この車両は渡道する前の一冬を , 青森運転所です ごし , 日本海縦貫線の " 白鳥 " に使用されたことを覚え △間合使用で " ひばり”に られる青森 ( 運 ) の 583 系 岩沼付近にて 1975-3 写真 : 羽賀美知雄 26 昼間の座席特急”はつかり " の 583 系 東北線金谷川一松川間にて 1975-12- 幻
中での増備は少ないものと思われ る . 489 系は , 485 系に協調機器お よび指令引き通し回路を付加した のみであるから , 両者の混結も自 由にできる . 実際に金沢連転所に は , 運用数に対して 489 系を多く もたせ , 車両故障等が多発しても 予備車には常時 489 系で確保する ような配置としている . 富山・金 沢一名古屋間の " しらさぎ " は , 金沢連転所 485 系の中に , 1 本の み 489 系が混入する基本計画にな っているのはどうしてか ? との 質問を受けたことがあるが , 理由 は今ここで述べたとおりである . こうして , 485 ・ 583 ・ 489 系は , 交直流特急電車トリオとして発展 して来たが , その両数の推移を図 示すると図 3 となる . 485 系の急 激な伸びが , よくご理解いただけ ると思う . 2. 交直流特急電車その運用 の現状 電車が本線上で華々しく活躍する ためには , それら車両を保守する 基地が必要なことは申すまでもな 上野駅進入の 485 系“やまばと” なーー誕をを呼 東北線蒲須坂ー片岡間にて 1975-5-5 写真 : 西尾恵介 △仙台 ( 運 ) の 485 系による“あいづ” 北越 大阪から湖西線を経由して新潟まで走り抜く " 北越” . 電車は向日町の 485 系 写真 : 松井崇 写真 : 河井秀夫 い . しかし , ーっの基地の保守する車両数には限度があ る . これは , 基地内の車両の収容能力等も関係するが , むしろ検査修繕能力に負うところが大きい . 1 , 700 両に も及ぶ交直流特急電車は , 全国で 5 運転所 ( 青森・仙台 ・金沢・向日町・鹿児島 ) , 2 運転区 ( 札幌・秋田 ) , お よび 1 つの電車区 ( 南福岡 ) に分散配置されている . 基 地別の配置両数等は , 輸送改善による新製車両の配置や 転属等により常に変動するが , 51 年 7 月における長崎・ 佐世保線電化開業および " 雷鳥 " ・ " 北越 " ・ " はくたか " の全面 12 両化完了時点の状況は表 1 のとおりである . では , これらの基地に配置された車両は , おのおのど のような列車に運用されているのか , また基地別の車両 の特徴等について簡単に説明したい . ・札幌運転区 485 系 22 両配置 北海道に渡るために耐寒耐雪装備を強化した 485 系 1500 番台車が配置されている . 電車特急では唯一のグリーン 車なし 6 両の短い編成であるが , L 特急 " いしかり " と して旭川一札幌間に毎日 7 往復が運転されている . 運用は図 4 のようで , 旭川方 , 札幌方から編成各 1 本 を使用しての上下対称のトンボ返り連転となっている . 25
受けねばならないし , 故障車については , 別の車両と取 否かの判断を編成中の各車について行なわねばならない り替えることになる . したがって , 車両の検査計画に運 わけである . また , 検査能力は一定であるから , 検査該 用をマッチさせるためには , いったん所属基地を出区し 当車両が一度に入って来ても対応できない . このため帰 てから再び帰区するまでの日数は極力短い方が良いこと 区する回帰が長いと基地での検査計画の策定が頻雑とな になる . ところが , 交直流特急電車は前述したようにロ るわけである . ングラン運用が多く , しかも運用範囲が広いため所属 さらに , 運用途中で故障が発生した場合には , 応急処 基地へ至るはるか手前の駅で終着となる列車が多いこと 置は可能としても , 抜本的な修復は所属基地へ帰るまで は困難であることを考えあわせると , 編成をできるだけ や , まったく異線区へ乗り入れざるを得ないこと等によ 短かい回帰で所属基地へ帰してやることが望ましいので り , 編成が長い間所属基地へ戻れない , いわゆる大形運 ある . しかしながら , 青森運転所 485 系の最大帰区回帰 用となる傾向にある . このような条件のもとで , いかに 車両の検査計画と運用の整合をとるかが , 交直流特急電 は図に見るように , 7 日にも及ぶ典形的な大形運用とな っている . もとより , 車両や要員を無制限に使用し , 回 車の運用を策定するに当っての担当者の悩みであり , キ 送列車を運用に組み込む等の処置を講すれは , このよう ーポイントでもある . 一例を青森運転所の 485 系につい なことが解消できるのは明白であるが , 運用の効率化・ て考えてみよう . 図 7 は同所の 485 系の 12 両編成が青森 を出発してから , 再び基地へ帰ってくるまでの運用状況 合理化 , 検査能力の有効活用 , 基地滞泊設備の平均的使 用等さまざまな要素を考えると , 現行の運用は限られた を示したものである . すなわち , 第 1 日目に青森運転所 条件の中で , しかも多くの輸送要請に応えるための , べ を出区した編成は , 2044M ( いなほ 2 号 ) として上野へ 到着 , その日は尾久入区滞泊となる . そして , 翌 2 日目 ストのものであると思っている . このように交直流特急 は , 1301M ・ 1038M ( やまばと ) として上野ー山形間 1 電車は , その運用が半ば宿命的に大形とならざるを得な 往復して同じく尾久滞泊 , 3 日目は " ひばり " で仙台 1 い点にその特徴がある . 日常 , 各線で走る特急列車の一 往復半というように順次移り変わり , 5 日目に 23M ( は 本一本に , これらをふまえた合理的な運用があてはめら れていることを認識していただければ幸である . つかり ) として青森に帰ることになる . そして 6 日目に 22M として再び上野に向けて出区するまでは , 必要があ 4. 交直流特急電車の運用から れば車両交換や編成替えをすることになる . このことを ( 1 ) 583 系の運用はサインカープ ? 検査計画の面から見ると , 頻繁に帰区するような運用で 583 系電車は , 世界最初の寝台座席両用車両として , 昼 夜兼行運用による車両の使用効率向上と車両基地の夜間 あれば , 検査期限の来ている車両を随時運用から抜き取 ることができるが , この例のように何日間も戻ってこな 滞泊能力の救済をねらって登場した車両であることは , い場合には , 次の帰区まで運用を継続することが可能か いまさらいうまでもない . 昼は座席 , 夜は寝台と移り変 新潟 図 6 交直流特急電車運用系統図 秋 田 ( 昭引 . 7 現在 ) 金富 札 485 系 青森 いしかり し、なは 485 系 金沢 ( 運 489 系 金沢・ 485 系 青森 ( 485 系 青森 ( 583 系 いなほ はくたか 長野 き 4 山 あさま 盛岡 かリ 形 ・山やまばと ・は ( つる 会津若松 仙台 ちく・ゅ、つづる 系たち 佐世保 み 門司港 名古屋 大 阪 南福岡 485 系 、米 原 向日町国 485 系 彗・にちりん 明・なは・ に・りん 金 向日町国 583 系 ・なは 長崎 野 上 宮崎 鹿児 485 系 西鹿児島 -- 29
図 3 交直流特急電車在籍両数の推移 炻 64 00 巧 00 図 00 ロ 00 に 00 日 00 田 00 900 800 700 600 在 500 両 400 数 300 ( 両 ) 200 IOO 63 図 20 83 ( 4 引 ( 483 ) 485 系 829 654 5 田 489 系 它 1 、ト新 - こ 3 シ。ドい字 い早ト , 、 583 系辷 A. ゞ会物鬣 を第も ~ まを 0 5 3 7 2 4 9 2 9 0 3 3 5 8 4 3 9 6 ー ー 0 6 2 ー 4 8 4 3 4 4 3 4 4 3 4 4 円 円 9 149 9 形 48 い 483 485 式 別 4 8 9 系 両 5 0 数 58 い 583 ′ 昭 和年度 4 2 3 9 各年度末両数で示す . グラフ上の数字は合計両数を示す 山陽新幹線の開業は , 寝台列車の現行以上の増発を抑制 ものであるため , 部内的には 485 系と呼んで全体を総称 したため , 434 両をもって新製されていない . するようになっている . この 485 系は , 万能形昼行特急 用車両として重用され , 輸送改善毎に増備を続け , 昭和 さらに , 昭和 46 年には信越線特急 " 白山 " の運転開始 のために , 横軽協調形の 489 系が開発された . この電車 50 年度末には , ついに 1 , 000 両の大台に乗った . また , 昭和 42 年には , 581 系が交直流電車の戦列に加わり , そ は , 一部 " あさま " 運用にも加わり , ひっ迫した同線の の後 , 標準形式の 583 系として増備されたが , 東海道・ 輸送カ打開に大きく貢献したが , 今後の輸送改善計画の 表 1 交直流特急電車配置状況 ( 昭 5L7 現在 ) 地区 基地名 形式 配置両数 運用列車名 北海道 札幌運転区 485 系丐 00 いしかり ゆうづる・みちのく 583 系 はくつる・はつかり・ひばり 白鳥 485 系 はつかり・いなほ・やまびこ やまばと・ひばり 秋田運転区 485 系 900 つばさ ひばり 483 仙台運転所 系 ひばり・やまばと・ひたち 485 あいず・ひたち 489 系 白山・雷鳥・しらさぎ しらさぎ 485 系 加越 明星・彗星・金星・なは 583 系 有明・にちりん 485 系 雷鳥・北越・はくたか にちりん 南福岡電車区 485 系 かもめ・みどり 4 8 ー 鹿児島運転所 有明・にちりん 485 系ぐ 凵 9 4 3 4 2 5 2 4 4 2 2 5 3 6 4 4 3 4 4 8 4 6 4 3 5 0 編 T c M M' M M ・ TC 2 2 ー 8 0 T NC T N M N M N M'q T D M N Mk M N MN T s T NC T c M M' M M' T D M M' M M' T s T s T c T c M M ・ M M' T D M M' M M' T s T c 7 2 T c M M T ・ s T D M M ・ M M' T c M M T c M M ・ M M ・ T T D M M' M M' Ts Tsc 2 0 3 Tc M M TD M M' M M M M T s T c Tc M M T D M M ' M M ' T sc Tc M M' T M M' TD Ts Ts M M' Tc T M M ・ TD Ts Ts M M' Tc Tc M M Tc M M TsM M' Tc T NC M N M 'N T N M N M T D T s T N M N M 'N T NC 2 5 4 Tc M M ・ T M M' TD Ts Ts M M ・ Tc ー 5 6 Tc M M ・ M M ・ Ts Ts T M M' Tc Tsc M M' Tc ・ Tc M M' Ts M M Tc Tc M M' M M ・ Ts Ts T M M' Tc ー 5 4 成 青森運転所 2 7 ー 東 北 中 部 金沢運転所 西 向日町運転所 関 2 み