シェイクスヒ。ア 534 老人とんでもない ! こいつは気違いでございますそ。 人間なんか虫けらみたいなものだと思ったものだった。ふグロスター狂人が盲人の手を引くというのも時世が悪いか らだ。 なんとなく伜のことが念頭に浮かんだが、まだその時には、 頼んだ通りにしてもらいたい。 嫌なら自分の好きなように あいっと してくれ。が、今何よりも大切なことは、すぐここから離 仲直りをしてはいなかった。だがその後いろんな事を知っ れることだ。 老人承知しました。一番いい着物を持ってきてこいつに 神々はまるで気まぐれな悪童連中と少しも変わらぬ、 着せてやります。そのために私がどんな目に逢おうとかま 虫けらみたいに面白半分に俺達人間を殺してほくそ笑んで いません。 クロスターおい、裸男、どこにいる エドガー 「傍白」一体これはどうしたのだ ? 悲しんでい エドガートムは寒くて寒くて。「傍白〕もうこれ以上正体 る人に を隠すのは無理だ あはうづら 対して阿呆面をして接しなければならないなんて、自分はグロスターおい、もっと近くに。 もちろん 勿論他人 エドガー 「傍白〕だがまだ隠しつづけなければならない にも不愉央だろうし、損な商売だ。「大声で」旦那さん、今 おや、その目はどうしました、血が出てますよ。 グロスタードーヴァーへ行く道を知っているか ? グロスター今のは裸の男か ? エドガーそりやもう、柵だろうと木戸だろうと馬道だろう 老人はい 六、よ , つで、こぎ、います と人道だろうとみんな知っとりますよ。このトムは突然悪 おど グロスターそれじゃ、もうお前は帰ってくれ。ただ、 魔に威かされて分別をなくしてしまったんだよ。旦那さん マイル たた ドーヴァー街道をここから一哩か二哩いった所でもしお前 第恐ろしい悪魔に祟られんように用心した方がいいです ぜ ! なにしろこのトムときたら、五人の悪魔にとつつか よしみ いんらんつかさど 古い好でわしらに追いついてくれると有難いのだが。 れましたんでね。つまり、淫乱を司るオブディカット、 おし その際できればこの裸の男に着せるものを何か持ってきて 唖の大王ホバデイダンス、盗みを司るマフー、殺人を司る くれ。この男に道案内を頼みたいと思っているのだ。 モードー、ロを曲げたり顰めつ面をしたりする癖を司るフ
だわ。 者には、自ら求めた苦痛を味わわせてやるのが一番の リーガン父上だけなら喜んでお引き受けするんですけれど、薬なのですよ。この家の戸口をお閉めになって下さい。父 従者なんか一人だって嫌ですわ。 ふてい 不逞のやからが大勢つき従っております。いつもいい加減 ゴネリル私もあんたと同じ意見だわ。それにしても、 なことを グロスター殿の姿が見えないようだが たぶら 言って父上を誑かしているのです、どんなことを言って コーンウォル老人の後を追って出ていったようだ。 そそのか 唆すか分りませんわ。それを警戒するのが分別という 帰ってきた。 ものですよ。 グロスター再び登場。 コーンウォル さ、戸口を閉めていただこう。今晩はひどく げつこう 荒れそうだ。 グロスター王様はひどく激昂しておられます。 あらし ーガンの言う通りだ。さ、嵐を避けて家に引きこもろう。 コーンウォルどっちへ ~ 打 , . てっとされている ? 二同退場〕 グロスター しきりに馬を呉れと言っておられましたが、 どこへ行こうとされるのか、分りません。 コーンウォル好きなようにさせるがよい行きたい方へ行 かれるだろう。 ゴネリルグロスター殿、父上を無理に引き留める必要はあ りませんよ かわい グロスターああ、お可哀そうに ! 夜にはなるし、冷たい 風も 激しく吹き荒れてきました。このあたり数マイルにわたっ て ア くさむら 身を隠す叢ひとつございませんが リーガンおお、グロスター殿、同情は無用です ! 勝手気 儘な あ、
529 リア王 ふらち 強盗も同然の暴力を振うとは、全く不埒千万という他はな リーガンあっ、狐が、陰険な不忠者が、やってきた , や コーンウォルそいつの痩せ細った両腕をしつかりと縛るの したい、貴方がたはわたしをどうしようとなさるのだ ? コーンウォル最近フランス王から貰った手紙は何だったの グロスターどういうことです、これは ? 貴方がたはわた しの客人で や リーガンさ、正直に答えなさい、何もかも分っているんだ こんな不当な仕打ちは止 あることを忘れないで戴きたい。 から めて貰おう。 コーンウォル コーンウォル最近この王国に上陸した、ある叛逆者らと こいつを縛れといってるんだ。 お前の間にはどのような陰謀が企まれているのだ ? 「数人の従者グロスターを縛る〕 リーガン 、誰の手にあの気の狂った王を リーガンもっときつく、もっと。なんとい、ついやらしい謀 ほんにん 送りとどけたのです ? さ、言いなさい せい・一く グロスター全く冷酷無情なお方だ ! わたしは謀叛人なんグロスター確かに手紙は受け取りましたが、必すしも正鵠 を かではない す えたものではなく、しかも、いわば中立の立場にたとうと コーンウォル この椅子に縛りつけろ。ゃい、悪党め、今に ひげ きっと する 「リーガン、グロスターの鬚を引き抜く」 グロスターおお、なんということを ! わたしの鬚を 者からよこされた手紙で、敵方からのものではなかったの むしり取るなどとは、全くもって一一一一口語道断な話。こ。 リーガンそんな白い鬚を生やしていながら謀叛人だなんコーンウォルするいそ。 リーガン嘘を一一 = ロうんじゃない ! て , グロスター貴方という人はひどい女性だ。貴方がわたしのコーンウォル王をどこへ送った ? グロスタードーヴァーへ 顎から いのち リーカンなぜドーヴァーへ ? そんなことをしたら命がな むしりとった毛の一本一本が今に生命をえて貴方を詰りま すそ。 コーンウォルなぜドーヴァーへ ? おい、誰かこいつに返 客人のくせに、この家の主人たるわたしの顔に向かって あご おんな
シェイクスヒ。ア 474 怒って出発された ! 丿ア王も昨晩お出かけになった , が理解した限りでは、怪しからんことが書いてあります。 権力を グロスターさ、見せてくれ。 自ら制限し、手当を受ける御身分になられた ! これが全エドマンド兄上は本心からでなくて、ただ私の誠心をさぐ 部あっと り試そうとしてこれを書かれたのに違いありません。 はびこ いう間の出来事なのだ。エドマンド、どうした、何か事件グロスター「読む〕「敬老精神というのが蔓っているため、 我々はせつかくの青春を台なしにされている。財産がその 〔手紙を隠す」 エドマンドいえ、別し ためになかなか手に入らないが、 入った一員にはも , っこちら グロスターなぜそんなにそそくさとその手紙を隠そうとす が年をとって何の役にもたたない。そんなわけで、俺は老 るのだ。 人の横暴な圧力に頭をさげるような、愚劣な奴隷根性には エドマンド別に何も変ったことではないんです。 いささかうんざりしている。あの老人が威張っているのは、 グロスターお前が読んでいた手紙はどういう手紙だ ? 実力があるからではなくて、俺達若い者がそうさせてやっ エドマンドなんでもないんです。 ているからにすぎない。俺の所に来てもらえれば、もっと め グロスターなんでもない ? それじゃそんな風に慌てふた この件について相談したい。俺達の親父が目 艮を覚まさすに めいてポケットにねじ込む必要はないではないか。なんで 眠り続けるようなことになれば、財産の半分は永久に君に もないことなら、隠すまでもないことだ。さ、見せて貰お あげよう。そして、俺の最愛の弟としていつまでも遇する う。さ、どうした ? なんでもなければ、眼鏡なしでさっ つもりだ。エドガーより」ふうむ ! これは陰謀オ と見るだけでよさそうだ。 「眼を覚まさすに眠り続ける : : : 財産の半分は君にあげよ せがれ エドマンドそればかりは勘弁して下さい。兄上からの手紙 う」だと ? 伜のエドガーが ? ・あいつがこんなことを墅日 ですが、まだ全部読み終ったわけではないのです。ただ、 くのか ? こんなことを考えるような心や頭をもっていた のか ? おい、エドマンド、 読んだ部分から判断しますと、どうも御覧にならない方が いっこの手紙を貰ったのだ。 だれ よさそうですから。 誰がもってきたのだ。 ずる グロスターその手紙をわたしによこすがいし エドマンドもってきたのではないのです。狡いと、 エドマンドどうも困りましたな、このまま隠していてもお か、私の部屋の窓の所に投げ込んであったのです。 ひっせき 見せしても、どっちみち御機嫌を損するわけですから。私グロスター兄の筆蹟だというわけだな ? ころ しいます
シェイクスビア 544 このことを でしょ , っ ? ・ 伝えておいて下さいそれから、お前さんがこういったこグロスター いや、何も聞こえんな。 エドガーそれじゃ、あなたは目の痛みのために、 まひ 一部始終を姉上に話すことがあったら、分別を働かせるよ 他の感覚までが変に麻痺したんじゃないですかね。 グロスターなるほど、そうかもしれん。それにしても、 お前さんからも言っておいて下さいね。それじゃ、これで。 どうもお前の声が変ったような気がする。前よりも めしい むほんにん そうそう、あの盲の謀叛人のことを万一耳にしたら、あの 一一 = ロ葉も叮寧になったし、中身もしつかりしたように思える 男を 殺した者には昇進の道が開けていることも忘れないでみんエドガーとんでもない思い違いですよ。変ったものと なに言っておいて下さいな。 いえば、着ているものが変っただけですよ。 グロスター ォズワルド自分であの男に出会いたいものです。 しいや、言葉遣いがすっと立派になったようだ。 私がどちら側の味方か、ぜひお見せいたしたいと思っておエドガーさあ、こっちへ。ほうら、ここが目的の場所です。 ります。 こりや大変だ、下を見下ろすと恐ろしくて目がまわりそう リーカンじゃ、六、よ , つなら。 「両者退場〕 からすべにはしがらす ほうら、絶壁の真中あたりを飛びかっている烏や紅嘴烏 かぶとむし が甲虫よりも 第六場ドーヴァー近くの田舎。 は。ま一り 小さくみえます。ちょうど崖の中途に浜芹を摘んでいる男 グロスターと、農夫の服装をしたエドガー登場 ぶらさがっていますが、とにかく危ない商売ですねえ、全 てつべん グロスター例のの天辺にはいっ着くのかな ? エドガー今昇り道ですよ。険しくて骨が折れるじゃないで あの男にしてもその頭が小さく見えるだけです。浜辺を ねずみ すか 歩いている漁夫たちもまるで二十日鼠のように小さく見え、 しカり グロスター いやに地面が平らかなような気がするが 沖合いに錨を下ろしている大きな船もなんだか縮かまって エドガー恐ろしく険しいですよ。ほら、海鳴りが聞こえる 艀くらいにしか見えす、その艀も浮標くらいで、それも
シェイクスヒ。ア 494 グロスターの財産を勝手に使おうという魂胆から、その そそのか 殺害を唆したのはあの連中にきまっていますよ。姉から 君のような信頼のおける人間を我々は必要としているのだ。 正式に臣下に加えるから、そう思ってもらいたい。 ふつつか つい今しがた連絡がありました、そして、あの連中の エドマンド不束な者ですが、誠心誠意お仕えしたいと存じ ことをくわしく知らせてきました。もしみんなが ます。 とうりゆ・つ せがれ 逗留する目的で家にやってくると困ったことになるから、グロスター伜をお取り立ていただき有難く存います コーンウォル ご存知ないと思うがなぜわれわれがここへ来 み豕を留守にした方がよいという、注意も受けました。 コーンウォルそうだ、リーガン、わたしも家にいない方が リーガンそうです、この暗夜を縫って時ならぬ時にきたわ 思ったのだ。ところで、エドマンド、君は父親に対して けは、とても重大な事態が生じたからなのです、グロスタ 几収。 子供として当然なすべきことを立派にやったというではな この事についてぜひ貴方の助一言を戴きたいのです。父も、 エドマンド当然の務めを果たしたまでです。 そしてまた姉も、自分達二人の間の不和のことについて手 グロスターあいつの悪巧みを知らせてくれましたし、 紙を 引っ捕えようとしたはすみに、ご覧の通りの手傷も負いま よこしてきましたが、禾・ ムは自分の家を離れた場所から返事 を コーンウォルで、追手は出したのか した方がよかろうと考えました。両方の使者が返事を貰っ グロスターは、、出しておきました。 て コーンウォル掴まえたら、もうこれ以上悪いことをする ここから出発する時を、待っています。ねえ、グロスター殿、 心配はますあるま い。なんなりと力を貸してやるから、 貴方の苦しい気持をひとます鎮めて、私共に対して 思う通りに事を運ぶがよい ところで、エドマンド、ムフ、 当面どうすべきか、必要な助言をしていただきたい、 君の親孝行の話を聞いてほとほと感心した。早速だがわた とにかく事は急を要しています。 グロスター承知いたしました。お出でいただいて光栄です 「喇叭の盛奏。一同退場」 仕えてもらいたい、 このまま放っておくには勿体ないから もったい
463 リア王 めたというわけです。その結果お腹が大きくなり、れつき ゆりか′一 とした夫を持つ前に早々に揺籃に寝かしつける赤ん坊を持 つにいたったというわけです。私をふしだらな男だとお思 し - でしような ? ケント生まれた御子息がこんな端麗な方であれば、ふしだ らもまんざらでもないじゃないですか グロスター実はこれよりも一年ばかり年上で、正規の妻が 第一場リア王の宮殿内の謁見室。 かわい 生んだ、だからといってそれだけ可愛いというわけでもな せがれ し伜がこの他に一人おります。ここにいるこいつの方は、 ケント、グロスター、エドマンド登場 頼まれもしないうちにのこのここの世に出てきましたが、 母親というのがなかなかの美人でしたし、私を随分楽しま ケント王はコーンウォル公よりもオールバニ公の方を重く せてもくれました。そんなわけで庶子として認めざるをえ 見ておられるとばかり思っていたんですがね。 なかったというわけです。エドマンド、この方を存じ上げ グロスター いつもそんな風にわれわれには見えていました ているカ ? な。ところが、いざ王国を分与する段どりとなると、王が しいえ、存じてはおりません。 どちらの公爵を重んじておられるのか、どうもはっきりしエドマンド なくなりましたね。両方の分け前が全く均等に配分されてグロスターケント伯爵だ。よく覚えておくがいし、私の親 せんさく しくしていただいているお方だから。 いるものですから、詮索好きの二人の公爵にしても、さす エドマンド今後ともよろしくお願いします。 がに相手の分け前の方がよすぎるとは一一一一口えないようです。 じっこん ケントいや、こちらこそ。今後は御昵懇に願い ケントこの方は御子息ですか ? グロスター養育したのは確かに私ですが、これを人前でわエドマンド御期待に副えますよう努力いたします。 が子だと言うのには毎度のことながら赤面のしどおしです。グロスターこれは九年間外国に行っておりましたが、今度 また行くことになっております。あ、王が見えました。 今ではもう置れて鉄面皮になりましたが。 おっしゃ ケント私には仰言る意味がのみ込めませんがね グロスターところが、この男の母親には腹の底までのみ込 第一幕
475 リア王 こつはみじん エドマンド しいことが書いてあるのなら、兄上の筆蹟です の名誉に大きな傷をつけ、兄上の孝行心を本端微塵に打ち ししと田つくら、 と断言しますが、中味の点を考えますと、そうですとは言 砕くことになります。私は命を賭けても、 いかねます。 兄上がこれを書かれたのは私の孝行心を試すためであり、 たくら そこに陰険な企みなんか毛頭なかった、と信じております グロスター兄の筆蹟なんだな ? そうだな ? エドマンドそうです、兄上の筆蹟です。ですが、中味は兄グロスターそう思うか、お前は ? エドマンドなんなら、私たちがこのことで相談する場所に 上の本心から出たものとは思いません。 こっそりお連れしますから、そこでご自分の耳で納得のゆ グロスターこの件に関して、兄は前にお前の心を打診した くようにお聞きになって下さい。その場所へは早速今晩で ことはなかったのか エドマンドありません。しかし、息子が一人前の丁年に達もお連れします。 ふらち まね し、親父が耄碌している場合には、息子は親父の保護者とグロスター考えられん、あいつがそんな不埒な真似をする なんて なり、その財産を管理するのが当然だと、兄上が言ってお - し・はし・は エドマンドそうですよ、そんなことは絶対にありませんよ。 られるのは屡々聞いたことがあります。 ひ・ころ やっ この手紙に書グロスター常日頃から自分が心から優しく可愛がって貰っ グロスターひどい又だ、全くひどい奴だ ! 全く、なんという ている親に向かってよくもよくも いてある意見と同じじゃよ、 オしか、それは ! 実に嫌らしい ことだ ! エドマンド、あいつを探し出して、その腹の中 こんな親不孝で、穢らわしい、犬畜生みたいな奴 がまたとあろうか , をさぐってくれ。頼む。手段その他は自分の知恵を働かせ いや、犬畜生よりも劣った奴だ ! つかま て適当に講じてもらいたい。事態がはっきりさえすれば、 おい、あいつを探してこ、 し捉えてやる。言語道断な奴 わしの身分なんかどうなってもいいんだ。 今どこにいるんだ、あいつは ? エドマンド早速兄上を探します。適当な手段を用いてなん エドマンド余りよく知りません。兄上からその真意をもっ とか取計らいます。そして、委細御報告いたします とはっきりした形で聞き出せるまでは、憤慨するのを我慢 につしよく してやろうとお考えでしたら、父上に実行していただきたグロスター最近の日蝕や月蝕は何か不気味なことの生す い或る安全確実な方法があるのです。もし父上がその方法る前兆なのだ。自然について知識をもっている連中は、あ あだ、こうだ、と理由を述べたてるが、それでも我々の住 をとらすに、兄上に対して乱暴な手段をとられ、しかもそ もたら むこの世界は日蝕や月蝕の齎す影響でひどい目に逢わされ れが兄上の考えを誤解していたとあっては、それこそ父上
シェイクスヒ。ア 528 王に付いていた約三十五、六人の騎士達も王を懸命に捜索 して おりましたが、 ばったり大門の所で出会い、そのまま、 グロスター殿の数人の家来たちと合流してドーヴァーの コーンウォル、リ 方へお連れ申し上げました。なんでも、そこに行けば充分 者ら登場 コーンウォル 「ゴネリルに〕至急馬を駆って御主人のもと 軍備をととのえた友軍が待っているはずだと豪語しており ました。 にお帰り下さい この手紙をお見せになり、フランス軍が 上陸していることをお伝え願います。 お前達は早速叛 コーンウォルオズワルド、さ、奥方の御馬の用意を。 ーガンも。 〔数人の侍者ら退場〕 逆者グロスターを探し出せ。 コネリルでは、公爵殿、さようなら。リ コーンウォル エドマンド、さよ , つなら。 リーガン捕え次第縛り首になさいませ。 「ゴネリル、エドマンド、オズワルド退場」 コネリル両眼を抉り出しておやりなさいませ コーンウォルあいつの処分はわたしに委せてもらおう。工 お前達は叛逆者グロスターの探索に出かけろ。見つけ次第 ドマンド、お前さんには姉上のお伴をしてもらいたい。 叛泥棒同様に縛り上げてわたしの前に引っぱってこい 〔数名の従者退場〕 逆者とはいえ、自分の親父が糺弾され処分されるのは、子 として見るに耐えないだろう。向こうへ着いたら、公爵に 正式の裁判にもかけすにあの男を死刑に処するのは必すし われ 一刻も早く軍備をととのえるように勧告してはしい。 もちろん ふんめ 当を得たものではないが、憤怒の情にかられた場合には われも勿論そうする積りだ。両方の間には伝令を交換して、 時々刻々情報を伝え合うことにしたい。 姉上、ではこれで。権力があるのを幸い、恨みを晴らすのもやむをえない。非 グロスター伯、ではこれで。 難する奴が あってもそれ以上何もできはしまい。や、誰だ ? 叛逆者 ォズワルド登場 おう、どうだった ? 王はどこだ ? 従者達、グロスターを引っ立てて再び登場。 ォズワルドグロスター殿がこの地から連れ出されました。 第七場グロスターの城内の一室。 ーガン、ゴネリル、エドマンド、その他の従 えぐ
登場人物 リアプリテン王 フランス王 ーガンディ公 コーンウォル公 ーガンの夫。 オールバニ公ゴネリルの夫。 ケント伯 グロスター伯 エドガーグロスターの嫡子。 エドマンドグロスターの庶子。 カラン廷臣。 ォズワルドゴネリルの執事 老人グロスターの領民。 侍医 道化 隊長エドマンドの部下。 紳士コーディーリアの従者 伝令 コーンウォル公の家来たち コネリル リーガン リアの娘たち。 コーディーリア リアに従う騎士たち、その他、隊長、使者、兵十、 侍者ら大勢 場所 プリテン。 追放 変装して仕える ア身を犠牲にして助けようとする 王 虐次みな 待女・ リ嫉妬ゴ グロスター ケント 、エドガー 悪決 エドマンド コーディーリア 不倫 コーンウォル 両眼をつ」 : す