345 解説 ではこちらが優勢で、むしろ分のあったはずの情勢が、飛行機発進のほんの一瞬の手遅れから一 挙に逆転、大敗戦をまねく羽目に立ちいたった。これは日本の蒙った太平洋戦争最初の手痛い一 撃であったばかりでなく、以後、完全に守勢にたたされ、一気に敗戦への下り坂をつつ走らされ ることとなった。この運命的な敗戦の日米双方に即したくわしい経緯をよんでゆくと、 しささか 不謹慎な言い方ながら、手に汗握る思いを禁じ得ない。 児島氏のこの本は、事実を冷徹に追いつめてゆくことの面白さを堪能させてくれる叙述にみち みちている。『太平洋戦争』が直接の呼び水となり、きっかけとなって、・ほくは日米双方の戦争 参加者の手記、回想録をよみ合せてみるという楽しみを覚えた。将軍、指揮官、参謀から、下士 官、兵士にいたるまで、さまざまな人々が、それそれの立場と観点から、この大戦争の多種多様 な局面を語っている。先に名をあげた阿川氏の『暗い波濤』は、そうした回想や聞き書のいわば 小説的な集大成といった読みごたえのある業績だが、そうした読書の折にも、児島氏のこの本は、 折にふれてのそいてみて太平洋戦争の総体的な動きをふり返るための、もっとも手頃な参考書の 役割を果してくれる。 一九二七年生れの児島氏は、太平洋戦争が始まった年に十四歳、十代後半のもっとも感じやす い青春前期をほぼ完全に戦争のなかにひたされて過した世代に属する。氏をかり立ててこの本を 書かせ、なお引きつづいて『東京裁判』『天皇』 ( 連作、目下刊行中 ) などの一連の現代史探求の仕 事を粘りづよく続けさせているものの根は、どうやら氏の少年期の歴史的な体験の中にあるらし
B -14 ー 7 S -17-3 ダグラス・「〉カーサ 1 連合軍最高司令官が回想する太平洋戦争と日本統治の 真実。下巻ではフィリピン戦から日本降伏を経て占領 ~ マッカーサー大戦回顧録下 津島一 ~ 大訳政策を展開させるまでを描く。〈解説〉工藤美代子 使命感過多なナショナリストの魂と冷徹なリアリスト 一原爾の眼をもっ石原莞爾。真骨頂を示す軍事学論・戦争史 戦争史大観 観・思索史的自叙伝を収録。〈解説〉佐高信 読売新聞の徹底取材による幻世紀検証シリーズ第 3 読売新聞 編弾。世紀の初頭、日露戦争から昭和恐慌を経て日中 幻世紀大日本帝国 世紀取材班戦争 ~ と向かった近代日本の足跡を追う。 読売新聞取材による幻世紀検証シリーズ第 5 弾。真 読売新聞 編珠湾で始まる太平洋戦争秘話、原子爆弾開発に関わ 一幻世紀太平洋戦争 世紀取材班 った科学者たちへのインタビューなどを収録。 満州事変の首謀者、世界最終戦争の予言者、東条の 亠冂江一宀舛二郎弾劾者。熱烈な法華信仰に生き世界史の行く末を見 石原莞爾 据えた一理想主義者の生涯。〈解説〉村松剛 戦時の兵士のすがたと心理を生々しく描き、そのリ 生きている丘 ( 隊 ( 伏字復元版 ) 石川達三アリティ故に伏字とされ発表された、戦争文学の傑 2 作。伏字部分に傍線をつけた、完全復刻版。 空襲に明け暮れる太平洋戦争末期の日々を、文学の 月目と現実の目をないまぜっつ綴る日録。詩精神あふ 内田百門 東京焼盡 れる稀有の東京空襲体験己 大学を繰上げ卒業し参加した太平洋戦争はいかに無謀 蝦々臥貝吐であ 0 たか、戦争に邁進する国家とは何であ 0 たか。物 海軍予備学生 海軍予備学生達の真実の叫び。〈解説〉森村誠一 た 16-1 う -9-7 えびな
太平洋戦争 ( 下 )
太平洋戦争 中央公論新社
2 レイテ戦記上 お レイテ戦記中 お レイテ戦記下 お 戦場パプアニューギニア 2 失敗の本質組織論的研究 極限の特攻機桜花 亠な 海戦 ( 伏字復元版 ) 太平洋戦争航空史話上 太平洋戦争 の側面 太平洋戦争の天王山・レイテ島での死闘を再現し戦争と羽 大岡日升車・人間を鋭く追求した戦記文学の金字塔。本巻では「一 第十六師団 . から「十三リモン峠」までを収録。 レイテ島での日米両軍の死闘を、厖大な資料を駆使し貶 , 人岡日升一半精細に活写した戦記文学の金字塔。本巻では「十四 軍旗」より「二十五第六十八旅団」までを収録。 レイテ島での死闘を巨視的に活写し、戦争と人間の絽 大岡日升一平問題を鎮魂の祈りをこめて描いた戦記文学の金字塔。 地名・人名・部隊名索引付。〈解説〉菅野昭正 十五万の日本兵と一万二千の白人兵の死。しかしパ - ・凩〈村一止一一プアニ、ーギニアの死者の数は ? 知られざるニー Z2 2 ギニアでの戦いを歴史の舞台で明らかにする。 戸部良一 / 寺本義也大東亜戦争での諸作戦の失敗を、組織としての日本軍羽 鎌田伸一 / 杉之尾孝生の失敗ととらえ直し、これを現代の組織一般にと 0 て 村井友秀 / 野中郁次郎の教訓とした戦史の初めての社会科学的分析。 太平洋戦争末期に米軍を震撼させた人間爆弾・桜花。 ・内 ~ 滕。初穂究極の特攻兵器を開発した技術者、絶対死を志願し た若者たちのドラマを描くノンフィクション。 第八艦隊の旗艦「鳥海」に乗りこんで、第一次ソロモ羽圜 丹羽 , 文雄・ン海戦に参加した著者が戦争という「非日常」と戦闘 員の「日常」を縦横に描破する。〈解説〉保阪正康 零戦神話の崩れた日、日本軍唯一の米本土空襲ーー・。太 ~ 粢 ~ 月彦平洋の航空機史に残 0 た知られざる秘話を、日米欧の発 掘資料と生存者の証言をもとに精細に再現する。 ーワ 4
中公文庫 太平洋戦争 ( 下 ) 児島襄 を 0 す 0 物・ 中央公論新社
338 「太平洋戦争による我国の被害総合報告書、経済安定本部総裁官房企画部調査課 "BattIe Casualities and Nonbattle casualities in world war 1 . Final Report" Dept. 0 ( Army "History 0 ( Medical Dept.. U. S. Navy in World War 1 ごま
高速機彩雲の活躍、名機・紫電改を擁する最後の海軍戦闘 秦郁彦機ー 。太平洋戦争において、多大な犠牲を出しなが 太平洋戦争航空史話下 ら最後まで敢闘した陸海軍航空隊の埋もれた歴史。 ゥースン 昭和十二年十月、上海戦線の激闘のなかで一作家が 且 ( 松クリーク / 野戦病院日比野士朗見た戦争の現実とは。敵前渡河戦の生々しい内実を 淡々と描いた戦記文学の名作。〈解説〉半藤一利 選択は一 ? ーーー大陸撤兵か対米英戦争か。東条内閣成 陸軍省軍務局と日米開戦保阪正康立から開戦に至る二カ月間を、陸軍の政治的中枢であ る軍務局首脳の動向を通して克明に追求する。 近代天皇制のもとで弟宮という微妙な立場で激動の昭靆 秩父宮昭和天皇弟宮の生涯保阪正康和史に立ち向かい、栄光と苦悩のなかに生きた秩父宮。 その生の真実に迫る名著。〈解説〉半藤一利 一九四二年六月、ミッドウェー海戦敗北。この時点で求 保阪一止・康太平洋戦争をやめる可能性も必然性もあ 0 たのではな 幻の終 ( 戦戦争をやめていたら いか。壮大に展開する歴史シミュレーシ白ジ。 空白の時代に強烈な指導力を発揮した戦後最大の政治 保阪一止康家・吉田の虚実。様々な資料を読み解きながら、吉田の 吉田茂という逆説 本質に鋭く迫る著者渾身の書。〈解説〉庄司潤一郎 「が演出した熊沢天皇」「中野正剛はなぜ自殺に追 昭和史一冉屈〈昭和人〉の系譜を 保阪正康いこまれたか」「挫折した日本の原爆製造計画」など歴史 の闇に消えた史実を再検証する。〈解説〉原武史 活動写真弁士を皮切りに漫談家、俳優としてテレビ・る 1 夢声戦争日記抄敗戦の記 估川益歹亠尸ラジオで活躍したマルチ人間、徳川夢声が太平洋戦は 争中に綴った貴重な日録。〈解説〉水木しげる ほー 1 ー 4
336 「最後の帝国海軍ー豊田副武世界之日本社 「零戦」堀越二郎・奥宮正武日本出版協同 「機動部隊ー淵田美津雄・奥宮正武日本出版協同 「ミッドウェー」淵田美津雄・奥宮正武日本出版協同 「シンガポールー辻政信東西南北社 「ガダルカナルー辻政信亜東書房 「ソロモン戦闘記」福山孝之 ( 非売品 ) 「ニューギニア戦記」小岩井光夫日本出版協同 「熊本兵団戦史」太平洋戦争編熊本日日新聞社 「日本軍強し」・レッキー ( 児島襄訳 ) 恒文社 「タラワ」・シャーロッド ( 中野五郎訳 ) 光文社 「ビルマ戦記」後勝日本出版協同 「ビルマ戦線」五八会 ( 非売品 ) 「栗田艦隊」小柳冨次潮書房 「レイテ湾の日本艦隊」 ィールド ( 中野五郎訳 ) 日本弘報社 「神風特別攻撃隊ー猪ロカ平・中島正雪華社 「沖縄戦史」上地一史時事通信社 「終戦史録」外務省新聞月鑑社 「太平洋戦争終結論」日本外交学会編東京大学出版会 ・、 Pearl Harbor Attack" 39 Vols. U. S. Congress Joint Committee on the lnvestigation the
太 洋戦争 , ・ 争 ( 下 ) 膩 IIIIIIII Ⅷ引馴ⅢⅢ圓 9 7 8 41 2 2 0 0 1 1 7 6 工 S B N 4 ー 1 2 ー 2 0 0 1 1 7 ー X C 1 1 2 1 \ 7 2 4 E 児島襄著 ( 中公文庫 ) 太平洋戦争上下 1 ン、著者紹介昭和二年 ( 元毛 ) 、東京に生まれる。東京大学法学 部卒業。共同通信社記者を経て、現在、戦史家。 こヒまのはる日米双方の資料渉猟・取材に五年を費して書き下 」「児島襄 ろした『太平洋戦争」は、車隊経験のない世代に よって書かれた戦争史として、その緻密な考証、 劇的描写が高く評価され、毎日出版文化賞を受賞。 『史説山下奉文」「戦鑑大和」「天皇」「東京裁判」 「満州帝国」「日本占領「朝鮮戦争」のほか、著 書多数。平成一一年、菊池寛賞受賞。平成五年、紫 綬褒章受章。 旧ⅢⅢⅧⅧ旧Ⅲ引馴 定価ー 当島爨 1 9 2 1 1 2 1 0 0 7 2 4 4 上巻につづき、米軍の反攻が 本格化し日本軍の退勢が明ら かになり始めた昭和十八年以 降を描く。その能力と気力に おいて優劣っけがたい両軍が 相対峙したとき、将軍は何を 策し、指導者は何を企図して いたのか。すべての戦略戦闘 につき双方の資料をたんねん に照合させて描く本書は、こ れまでの戦記や戦争論にない 新鮮なイメージで戦争をとら える。毎日出版文化賞受賞。 児島襄 こ 8 2 中公文庫 中公文庫 724