マ学校で脳について教わりましたか。また脳の働きを知ることが、学習、記慮、思考などにどのよう に役立つかを教わりましたか マ記憶の働きのしくみについて教わりましたか マ特別な高度な記憶技術について教わりましたか マ学習しているとき目がどのように機能するか、また、目の機能をどうしたらうまく利用できるかを 教わりましたか さまざまな学習技術について何か教わりましたか。また、それをはかの分野に応用する方法を教わ りましたか 注意を集中するとはどういうことか、また、必要なときに集中力を持続させるにはどうしたらよい て かを教わりましたか れ マ動機づけについて教わりましたか。動機づけによって能力をのばす方法や、動機づけの利用法につ いて教わったことがありますか マキーワードやキー概念について教わりましたか。また、それらとノートのとり方や想像力との関係の について教わりましたか の マ思考について何か教わりましたか 人 創造性について何か教わりましたか
5 記憶 記慮についての いくつかの質間 学習中の記憶力 学習後の記憶力の働き 記匱カーー復習の技術と理論 特殊な記憶システムー・ーー記憶術お ことばを結びつける要素と記慮術 数の語呂合わせのシステム 「不可能な」課題 6 頭脳地図ーー序論・ 練習と解説ーーー草ひばり キーワード 記應と創作 ことはの多元性 キーワードを用いたノート法と普通のノート法
回転させる 上方から見る 下方から見る 色を変える ( 少なくとも三回 ) 遠くに見えるように遠ざける もう一度近づける 拡大する 縮小する 形を全面的に変える 消す ふたたび出現させる どれもさはど苦労せすにやりとげることができる。し かし、カメラのような装置や器具ではこのようなことは とうてい不可能だ。 感光板 カメラのレンズ 0 物体 人間の目 人間の脳 網膜 物体 後頭葉 視神経 図 7 昔の考えと反して , 脳はカメラよりはるかに複雑な働きをしている 23 2 すは・らしい頭脳
ドに引き出す方法を見つけるための実験を行っていくべきだろう。 近ごろでは、よい意味で「普通であることに反逆する人々」が増えている。いきいきとして、楽天 的でユーモアがあり、肉体的にも強く、持久力があり、はがらかで、熱意があり、関心を持ち、知識 欲や探求心に富んでいて、親切で、驚くべき記憶力と直観力を持っ七〇歳以上の人々のことだ。まさ に、子どもの優れた特徴を兼ね備えている。 私たちの頭脳について理解して、手入れを怠らずに本来の働きに即した使い方をすれは、エドワー ド・ヒューの逸話は人類の子どもたちみんなの物語となるだろう。 10 今後の方向 181
解とかうまく調和して働く条 件を見つけなけれはならな : 普通は、学習開始後二〇 分から五〇分はこの条件が満 たされている。これより短い 時間だと、学習内容のリズム と構成をつかむには十分では これ以上長く学習を続 けても、記慮量は下がってい くはかりだ ( 図四のグラフの レ、つに ) 。 講義にしろ、本を読むにし ろ、マスメディアを利用するに しろ、二時間以上にわたって 学習する場合には途中に短い 休憩を何度かはさむようにす るほ、つがよい。そ、つすれは記 100 % 75 % 記憶された量 50 % 25 % 0 % 2 時間 1 時間 学習を終えた時間」 学習を始めた時間 図 20 学習時間中の記憶力の働き。グラフから , 学習時間のはじめと終わ りでは記憶力の高いことがわかる。ひとまとめになったものや , たが いに結合したもの (), B, C) はよく記憶される。特に目立つもの , 特徴的なもの ( 0 ) はさらによく結合される
100 % 75 % 低照 ) 。 っ す このようなわけでテスト 2 のグラフは、例とし し 少てあげた単純なグラフよりもすっと複雑なものに がなる。また、読者が学習中の自分の記憶力の働き △時憶 について記入したグラフよりも複雑だろう。テス れト 1 の成績を平均してグラフにすると、図のよ 、つになる。 △時・に っ た このグラフからわかるように、理解の程度が一 カ 日 定である通常の状況では、学習時間のはしめや終 △ わりに出てきたもの、繰り返し出てきたり、特に レ」 意味があったり、韻をふんでいたりするようなも 時 間 らの、よく目立つもの、変わっているものが記慮に AJ 始 を残りやすい ( この記慮の特性は心理学者のフォン を 習 休く・レストルフにより発見され、フォン・レストルフ 度て効果として知られている ) 。一方、学習時間のなか憶 5 下ほどに出てきたものは記億に残ることが少ない。 図 記億力を適切な水準に保っためには、記慮と理 記憶された量 50 % △ 5 時間 日 - 三ロ 一三ロ
というのだ。 この研究だけからでも、脳全体の要求を満たすようにノートを作り思考をまとめるには、さまざま な要素を考慮しなけれはならないと結論できる。たとえば、ことは、数、順序、前後関係、行などに 加えて、色彩、像、次元、記号、視覚のリズムを考える必要がある。つまり頭脳地図が必要なのだ。 ことばと知識の性質から考えても、記憶の機能から考えても、脳のホログラム・モデルから考えて も、また最近の脳研究の成果から考えても、結論はみな同しだ。脳の潜在能力を最大限に利用するた めには、全体を形作っている要素をそれぞれ検討し、これらの要素を一つの形にまとめあげる必要が あるのだ。 法 用 頭脳地図の使用法 と 頭脳地図の性質は頭 ~ 凶の働きと密接に関連しているから、思考、記億、企画、創作などにかかわる あらゆる活動に頭脳地図を用いることができる。図は、頭脳地図の使用法についての頭脳地図だ。 度 高 利用できる範囲が実に広いことがわかるだろう。この章の残りでは、講演原稿の作成、論文や試験、 会議とコミュニケーション、それにノート作りに対する頭 ~ 凶地図の応用について解説することにした図 8
截的で、より理解しやすい。そのために少しよけいに時間がかかるだろうが、これは読み返すとき に節約される時間で取り返すことができる。 4 ことばは線の上に書くこと。線は他の線と結びついていること。これが頭脳地図の構造の基本と なる。 一本の線の上に一語だけを書くこと。ことはを特定のことはと一緒にしないことで、ことはを結 びつけるかぎを多く残しておくことができる。これによって、より自由で柔軟なノート作りができ る。 6 色を多用すること。記應を高め、見た目にも楽しく右脳の働きを刺激する。 頭脳はできるかぎり「自由」な状態にしておくこと。このようなノート作りは創造的な作業だか ら、ことはをどこに入れようかとか、どのことばを入れるべきかなどと思いわすらうのは単に時間 をよけいに食うだけだ。 法 中央の主題について脳が思いつくことをすべて書き出すのが、このノートのねらいだ。頭脳は書く よりも速く概念を送り出してくるから、休む暇などあるはすがない。休んでも、ペンや鉛筆は動きを図 待っているだろう。さっさとペンをおろして書き進めばよい。 順序とか構成を心配する必要はない。 たいていの場合、自然にうまくいくものだ。もしうまくいかない場合は、練習の最後に改めて順序を 整えればよい。
3 キー概念相互のつながりが、その距離と間を結ぶ線によって一目でわかる。 4 これらの結果、記も復習もより効率が高まり時間がかからない 5 新しい知識をつけ加えるのが簡単だ。消したり行間に割りこませたりする必要がない 6 それぞれの地図の違いが一目でわかる。このことは記慮に役立つ。 7 論文の草稿のような、創造的な仕事のためのノートとしても優れている。地図には終わりがない から、脳が新しい概念のつながりを作るのがはるかに容易だ。 これらの点、特に最後の項目をふまえて、もう一度宇宙旅行の講演のノートと同じような練習をや ってみよう。今度は直線的なノートではなく、頭 ~ 凶地図を用いることにする。 その際、以下の頭脳地図の法則に注意すること。 頭脳地図の法則 中央にカラーのイメージを書くことから始める。イメー・ジには「千語以上の価値がある」ことが 多い。また創造力を高め、たくさんの記憶を呼び起こす。 頭脳地図の随所でイメージを使う。 1 の法則と同し効果があり、右脳と左脳の両方の働きを刺激 する。 楷書で書くこと。のちに読み返すときのために、楷書のノートのほうがより視覚に訴え、より直
トに書きこまれたノートを頭脳地図にまとめあげていく段階だ。この地図は、さらに学習を続けると きや復習を繰り返すときの基礎となる。 この段階が終わったら、ジグソーパズルの例のように、おめでとう、と心から叫びたい。冗談のよ うに聞こえるかもしれないが、実は大切なことなのだ。心から喜んで学習を終えると、その後の学習 はますます楽しいものとなり、学習がうまくいく 確率はさらに高くなるのだ。 首尾よく学習が軌道に乗ったら、あなたの関心のある分野の主な内容や構造をまとめた大きな頭脳 地図を作っておくのもよいだろう。 復習を繰り返す 学習の直後に復習したあとも、計画的に繰り返し復習することが大切だ。復習計画は、記億の章で 法 習 述べたように、記慮のしくみに照らして作ると効果的だ。 学 記慮は学習終了後すぐに下降するのではなく、実は一度上昇し、それから急激に下降することをみ機 る てきた。 ちょうど記慮が下降しはじめるときに復習を行、つことによって、このグラフを大きく変形させるこ邯 ~ 凶 7 ヘージで説明したとお とかできる。記億と統合の働きがもっとも活発な時点に復習を行えば、間、 1 。 9 り、グラフの高さを何日間も保つことができるのだ ( 図参照 ) 。