お金の運用も考える 緊急事態に備えての貯蓄、住宅購入や増改築に備えての貯蓄、子どもの進学に備 えての貯蓄、老後に備えての貯蓄など、その目的はいろいろあります。 そこで、いつ、何に使うかによって、預け先や金融商品を分けて、資産の分散投 資をしておきたいものです。ポ 1 トフォリオという一一一一口葉を聞いたことがあると思い ますが、資産を分散投資することを、そう呼びます。 近い将来に必要になるお金は安全生優先でしつかりと確保し、遠い将来に必要に なるお金は、投資などによって増やすことを考えればいいのです。 たとえば、病気やけが、突然のリストラなど、いざというときに必要なお金は、 すぐに引き出せる口座に預けるべきですし、進学や車の購入などで、数年以内に必 要なお金は、金利にこだわることなく、着実にたまる安全性を重視すべきでしよう。 けれども、老後の準備資金など、まだ一一〇年、三〇年も先というお金には、少し
有意義なお金の使い方を教える わが家でも人並み ( ? ) に貯蓄はしています。住宅資金に教育資金、高齢化社会 るに備えてもちろん老後資金も : : : 。改めてこんなことを書くと、「ファイナンシャ 貯ルプランナーなんだから、当たり前 ! 」といわれてしまうかもしれません。でも、 わが家の場合は、家族全員にたくさんの夢があるので、貯蓄のほとんどはその実現 引のために消費してしまうことになりそうです。 すこの消費については、私は、夫婦一一人で貯めたものなら、それは一一人で使いたい と考えています。夫婦で協力して貯めたお金を、自分たちの夢のために使う。これ ん 力は当然のことなのです。 章 けれども人によっては、貯めたお金をできるだけ子どもに残してやりたいと考え 第 ん、むしろ、こうした考えが主流かもしれません。け ている人もいるでしよう。い、 れどもわが家では、子どもにはお金よりも、「生きていくための知恵」や「大人に
単独の医療保険に入る 最近、とくにニーズの高い保険といえば、入院時の保障を目的とする医療保険で 識 す。医療保険とは、病気やけがで入院したときにかかる医療費をカバーするための 保ものです。 すこれからあらたに医療保障を確保する場合は、死亡保障とは切り離して考えるこ ク とです。たとえば老後にまとまった貯蓄ができたとき、死亡保障は不要になり、医 れ 療保障のみですむことも考えられます。 っ医療保障を手放したくないために死亡保障もやめられないケースもあるので、こ れを避けるためには、死亡保障の保険に医療をつけるのではなく、単独の医療 章 第保険に入ったほうかいいでしよう。 また、医療保険は、短期の入院からの保障を決め手として選ぶ人が多いのです が、医療保険に入る本来の目的は、長期の入院に備えてのこと。そのためには、一
一人三〇 0 万円を目標に 教育資金は、子どもが生まれたらすぐに準備を始めましよう。これは、子どもの 成長とともに絶対に必要なお金で、入学金など、まとまったお金が必要な時期も決 識 のまっているので、計画は立てやすいのではないでしようか。 金 お いくら貯めればいいかは、一概にはいえません。学校が公立か私立かによって、 っ 立入学金も授業料も大きく異なりますし、受験の程度によっては、塾や予備校の費用 も必要となるでしよう。 の大学になると、文科糸と理科糸でも授業料は違うし、親元を離れて暮らすとなる と、子どもの生活費も考えなければなりません。音楽や絵画など、芸術系の学校を 章 希望するなら、受験のためのレッスン料なども考慮しておく必要があります。 こうした事情を考え合わせ、平均すると、大学進学までに一人につき三〇〇万円 ぐらいは貯めておきたいものです。できれば五〇〇万円を目安にがんばりましょ
自営業の人にとっての朗報とは 自営業の人の住宅購入に関しても考えておきましよう。 一般に、自営業の人は家を買うときの融資を受けにくいものです。それは、サラ 術 購リ 1 マンに比べて立場が不安定で、納税額が少ない人が多いことにも関係します。 第「住宅ロ 1 ンを貸すのは給与所得者のみ」としている銀行も出てきています。サラ ム リ 1 マンだってけっして安定しているとはいえませんが、ロ 1 ンの査定ではやつば ホ り有利なのが現実です。 のまた住宅ローンを借りられても、金額面で不利になるケ 1 スが一般的です。住宅 金融公庫の融資が縮小されて、将来的には廃止も含めた組織変更が検討されている 章 第現在、自営業者が自分が望むだけの住宅ローンを借りるのは、さらに難しくなると いえるでしよう。 そんな状況の中で、朗報といえるのは、年金融資に「バリアフリー融資」という
108 老後の資金も考える 資金計画 MEMO 立額などを割り振うていく。 じて、月々の積立額、ポーナス時の積 で目標額を決めるといい。目標額に応 なえるために必要な夢資金の 2 本立て 活をするために必要な資金と、夢をか 金を計画的に貯めること。基本的な生 て、その夢をかなえるために必要なお 自分の一生涯にわたる人生計画を立
「もっと自由に使えるお金が欲しい」 「どうしたら生活がもっとラクになるの ? 」 などなど、「もっと、もっと」という気持ちになるのが、お金というもの。これ は多くの人の心にある自然な感情でしよう。 ところが、現実に目を向けると、お金は苦労しないと手に入りにくいものです。 しかも、世の中の変化が速くなったせいで、情報に振りまわされたり、お金のこと を考えるだけで疲れを感じたりしませんか ? めファイナンシャルプランナ 1 という仕事で、たくさんの方からお金に関するご相 談を受けていると、やりくりをしても、生活はいっこうにラクにならないといった 思いが伝わってきます。 はじめに
独身時代の貯蓄は大切 結婚したとき、あなたはどのくらい貯蓄があったでしようか ? 独身の頃からき 識 ちんと貯蓄する習慣があった人は、結婚してもお金のことで悩んだり、不自由に感 のじたりすることはあまりないのではないでしようか。 お私は結婚情報誌で家計のプランを提案したり、家計診断をする仕事を長く続けて 立いますが、独身時代にお金を貯めていた人と、貯めていなかった人では、結婚して からの貯蓄額の差が大きくなっているような気がします。 の結婚してまず最初に考えるのが、出産の時期やマイホーム購入です。マイホーム は夫と妻が、それぞれまとまった貯蓄を持っていれば、一一〇代でも買うことが可能 章 になります。家を買うのが早ければ、完済も早いでしよう。買い替えなどを検討す 丐るときも、住宅ロ 1 ンの残高が少なかったり、返済し終えていると有利です。 出産に関しても同じことがいえます。「ある程度お金を貯めてから子どもを産も
暮らしが変わったときが見直しどき お金に関する相談の中で、圧倒的に件数が多いのが「保険の見直し」です。なか 識 知でも、生命保険に関する相談が多いです。あなたも気になっていませんか ? 保保険の見直しでは、ほとんどの人が「保険料を安くしたい」といいます。ただで すさえ、家計のやりくりはたいへんなのだから、少しでも負担を軽くしたいという気 ク 持ちはわかります。 れ ただ、私が気になっているのは、保険料の安さばかりに気を取られ、満足な保障 つを確保していないケ 1 スが少なくないことです。 見直すときには、扶養家族が何人いて、働き手が倒れたり、亡くなったりした場 章 合、どのくらいの保障額で暮らしていけるかを考えて、見直す必要があります。っ 第 9 まり、暮らしが変わったときが、保険の見直しどきだといえます。 たとえば、夫婦一一人の暮らしなら、死亡保障はそう必要ないでしよう。多すぎる
が老後のために準備すべき生活費となります。 「現在の生活費と比べたら、一五万円も不足する ! ーという人もいるかもしれませ んが、そんなに大きな不足額になることはないでしよう。 たとえば月々一一〇万円しか年金はもらえないのに、毎月三五万円も使ってしまう 人は、めったにいないからです。 マネ 1 雑誌などで老後資金の特集などを読んでいると「老後資金には最低五〇〇 〇万円は必要 ! 」とか「一億円くらいあったほうが安心 ! 」などとあり、不安にな りますが、きちんとシミュレ 1 ションをしてみると、意外と現実的な貯蓄額でおさ まるものです。 もちろん、「貯蓄が底をついてしまう不安」も考えなければならないので、一三 〇〇万円が貯蓄のゴールとはいえませんが、五〇〇〇万円や六〇〇〇万円など、貯 めるのが不可能な金額を目標にするのではなく、三二〇〇万円プラス、いざとい うときのための五〇〇万円」といった実現可能な範囲で、老後の計画を立てること が大切だと思います。