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検索対象: 空が青いから白をえらんだのです : 奈良少年刑務所詩集
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1. 空が青いから白をえらんだのです : 奈良少年刑務所詩集

自分も相手も傷ついて悲しくなる 言葉はむずかしい けれど毎日使うもの 大切に使って 言葉ともっとなかよくなりたい 母のないさみしさを友の前で語ってから、彼は変わりました。 言葉となかよくなれれば、自分を開放し、人ともなかよくなれます。 世間とも、うまくやっていけるはず。 きみの思い、ちゃんと伝わってるよ ! 言葉で。

2. 空が青いから白をえらんだのです : 奈良少年刑務所詩集

おれは「強さ」の意味をはぎちがえ 夜中まで街をうろついたよね あなたは黙っておれの帰りを待っててくれた 拝啓オカンへホンマごめんなありがとう いままで何度迷惑かけたかわからんのに あなたはやさしく包んでくれた 拝啓オカンへホンマごめんなありがとう おれあなたの子どもでよかった 129

3. 空が青いから白をえらんだのです : 奈良少年刑務所詩集

日本の大学進学率は五十パーセント。 大学へ行かなければ、落ちこぼれのように扱われることもしばしばです。 しかし、大卒でも好きな仕事につけるわけではありません。 それぞれが、好きな仕事でイキイキできれば、 それに越したことはないではありませんか。 と呼ばれるような仕事は、 実は誰にでもできるものではなく、 知恵と力と熟練が必要なことも、たくさんあるのです。 もっともっと、敬意を払われていい仕事です。 みんなが、誇りを持って仕事ができる世の中になりますようにー

4. 空が青いから白をえらんだのです : 奈良少年刑務所詩集

「太郎ちゃんよね、と声をかけられた と言われた 、と思ったが ど、つで , もいし 太郎はとりあえず「会う」と答えた 待ち合わせの駅前 母というものは十年間会っていなくても 子どもの顔がすぐにわかるらしい うんとうなずくと母は泣き崩れた 十三歳のとき一恵からいきなり電話があった 「会いたしー ししカわからなかった 太郎はどうして、、、 「ごめんね、と何度もくりかえす 140

5. 空が青いから白をえらんだのです : 奈良少年刑務所詩集

「無理すんなよ、と教官に声をかけられ、 少年は、はずかしそうにうつむきました。 格言や標語のような立派なことばかり書いてくる子に限って、 肩に力が入り、表情も硬く、のびやかさがありません。 完全主義者であるがゆえに、不完全な自分に我慢できなくて、 ハランスを崩し、犯罪に至るケースも。 もっと楽にしていいんだよ。 自分の弱さを認められたら、きっと人生はもっと楽になる。

6. 空が青いから白をえらんだのです : 奈良少年刑務所詩集

いままで何度迷惑かけたかわからんのに あなたはやさしく包んでくれた おれがまだガキだったころ おやじ あなたを置いて親父は出てったよね 泣きくすれるあなたの姿 ほんまメッチャ心配したんやで あん時からおれの家は裕福じゃなくて ツレのおもちやをせびっては泣いたよな そんなおれを見て 「ごめん , と悲しそうな顔をしてたあなた 128

7. 空が青いから白をえらんだのです : 奈良少年刑務所詩集

硬くなり重くなる だからぼくがその鎧をおろしてあげよう こんどはぼくが戦士だ おかんもうちょっとだけ待っててね 門を潜って世間に戻ったら、新たな戦いのはじまりです。 「おかえり」とあたたかく受けいれる世間があってこそ、 彼らの史生は果たされます。 世の中は、敵ばっかりじゃないよ。手を携えて、生きていこうね。 そういえる人が、一人でも多いほど、社会の安全にもつながるのです。 鎧を脱いでもやっていける世界を、ともに作っていきましよう。 くぐ 156

8. 空が青いから白をえらんだのです : 奈良少年刑務所詩集

いつの日か働く喜びわいてぎて おおもう 最後はみんなで大儲け そんなことができるかな いっか夢を叶えたい 刑務所では、受刑者の誰もが、規則正しい生活をします。 そんななかで、はじめて基本的な生活習慣を身につけ、 それまでの自分を振りかえることができるようになります。 メリハリのある日々が生活に張りを与え、くんのように、 前向きになって、明るい夢さえ見られるようになるのです。 ()5 くんは刑期を終え、張りきって門の外へ出ていきました。 かな

9. 空が青いから白をえらんだのです : 奈良少年刑務所詩集

母の日に一度はしたい肩たたき 体が大きな 0 くんは、話すのが苦手。 それをカバーするように、し 、つも威圧的な態度で通してきました。 けれど、それでは通用しなかったから、刑務所に来てしまった。 そんな O くんのなかに、こんな言葉の結品があったとはー みんなもびつくりして、ほめちぎりました。 すると、 O くん、いままで足を開き、ふんぞり返っていたのが、 姿勢がよくなって、やがて前のめりに体を乗りだし、 みんなの言葉に耳を傾けるようになったのです。 評価されること、共感してもらえること。 それは、人間にとって、とても大切なことなのだと感じました。 101

10. 空が青いから白をえらんだのです : 奈良少年刑務所詩集

待ってくれる人がいる、というのは、何よりもの励みになります。 しかし、問題のある家族から問題行動が生まれた、というケースも多く、 出所後待ちうける家庭環境は、必ずしも理想的なものではありません。 それでも、人所をきっかけに家族がそれに気づき、学んで、反省し、 関係を再構築していくことも多いのです。 奈良少年刑務所では「保護者会」を実施しています。 罪を犯した子どもにどう対処したらいいのか、 家族の多くは、途方に暮れています。 教官は、そんな家族の相談冫 こ乗ったり、指導をしたり、 なかなか本音で話せない受刑者と家族の橋渡しをしたり、 家族ぐるみで更生に取り組めるよう、環境作りをしています。