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検索対象: うわさのズッコケ株式会社
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1. うわさのズッコケ株式会社

ハカセも賛成してくれた。 しゃいん その日の午後、社員四人は、〃スー と / 、、はいび その日は、ひまわりの特売日で、ジュースやコーヒーも八 o 円になっていた。 ラーメンを十ケースしいれて、ビールを五十本と、コーヒーとソーダを十本すっ 買うと、ぜんぶで三四、八五 o 円になってしまった。 しきん 「 ( カセ、資金はいくらあまってる ? 」 「ええ ? 六一 o 円しかないの ? 」 もとで 「だって、元手は、四二、六六 o 円で、トランシー 円。それにきようの仕入れが三四、八五 o 円だもの。」 「じゃあ、おべんとうはあんまり、買えないね。」 モーちゃんが、ちょっとし細い声をあげた。 、六一 o 円だよ。」 さんせい ーひまわり〃に買いつけに出かけた。 ーを買ったから、三七、一六 104

2. うわさのズッコケ株式会社

ノ力しるんなら、かんビールが四十本ぐらいあるんだけど、 「あの、おじさん、ビーレ : 、 買ってくれませんか。」 しゃちょう ホイホイしようじ しょ - つ、は、 さすがは、 O C 商事の社長である。こんなときでも商売をわすれない のは、たいしたものだ。 さんば - っ 「うん、ついでだから、それをもらおう。三宝さん、この子からビールをあすかっ て帰ってくれませんか。そいで、べんとうといっしょに毎日三本すっ、ここにとど けてくれるとありがたいな。」 「はい、しようちいたしました。きみたちのビールって、どこにあるの ? 」 「ほくの家にありますから、帰りによってください。」 がお ハチベ工は、ほくほく顔でこたえた。そりゃあそうだ。あれよ、あれよというう きんかいしゅう いっぺんにさばけたわ ちに、売りかけ金が回収できたと思ったら、ビールまで、 けだ。 プイ ハチベ工は、うしろにひかえた社員たちに、 > サインをおくったものである。 しゃいん 158

3. うわさのズッコケ株式会社

しゆりよく しょ - つ、は しゅうぶんひ 「秋分の日は、きようしいれた品物だけで商 ~ 〔しようよ。とくにラーメンを主力 りえき しようひん 商品にして、利益をあげるんだ。まてよ : : : 」 しんすけ ハカセが、ふと、思いたしたように晋助をふりかえった。 だいきん や 「どうしよう、焼きブタや、モヤシの代金、計算にいれてなかった。一 しや、たりないよねえ。」 「いいさ、父さんにたのんで、お金はあとからはらうようにしてもらうから。わり ばしも、うちから持ってくるから、買わなくていいよ。」 ハチベ工とモーちゃんをふりか ハカセはほっとしたように、 晋助のことばに、 えった。 「晋助くんの父さんに、めいわくがかからないように、しつかりかせごうね。」 かならす売ってみせるからな。」 「だいしようぶさ。ラーメン百ばいは、 しゃちょう 社長は、あくまでも強気である。 しゃいん しかし、社長の ( チベ工も、社員のめんめんも、だいじなことをわすれていた。 つよき ノしい 、六一 o 円 105

4. うわさのズッコケ株式会社

よげん モーちゃんの予一言どおり、秋晴れの日曜日がやってきた。 ホイホイしようじかぶしきがいしゃ はなやましようてんがい しゃちょうたく O O 商事株式会社の社員たちは、午前八時半、花山商店街の社長宅に しようひん 集合した。きようはこのあいだにくらべると、ずっと商品がおおい。そのうえガ びひん スコンロなどの備品もある。 「こりゃあ三人の自転車じゃあ、積めないぜ。」 なかもりしんすけ こまっていたところへ、ひょっこり中森晋助が自転車でやってきた。 「いまから出かけるの ? 」 しゃちょう 社長のことばで、社員たちも、思わす空を見あげた。西のほうが、いつのまに 力、ハラ色にかわっていた。 「だいしようぶ。かならす晴れるさ。」 たんげん モーちゃんが、いつになくきつばりと断言した。 しゃいん っ

5. うわさのズッコケ株式会社

「よう、よう。一株で、一三八円って、そのなかには、さいしょの一 o 円はは いってないんだろ。つまり、その二倍以上になったってわけだよな。」 と′、 ゅうびんちよきん りつ 「一か月で、倍以上になったのね。得しちゃった。やつばり郵便貯金より、率がよ かったわ。」 しょ - つらい だいがいしやしゃちょう 「 ( チベ工、おまえ、将来、大会社の社長になれるよ。」 「あなたたち知らないでしようけどね。 ( チベ工くんたち、そりゃあひっしにはた らいたのよ。」 しゃいん 「そうよね、社員のみなさんに、ポーナスあげなきゃあ。」 しゅわん かぶぬし しばしのあいだ、株主たちは、社長の手腕をほめ しようさん たたえ、社員の努力に賞賛のことばをなげかけた。 「みなさん、おしすかに : ハカセが立ちあがって、手をふる。 「配当金をおしはらいするまえに、社長がひとことあいさつをしたいそうです。」 はいと - つきん かぶ 204

6. うわさのズッコケ株式会社

大吾は、。 こくりとつばをのみこむと、すわりこんでしまった。 しつもん 「ええ、なにか質問はありませんか。」 はないき ハカセが、ひとわたりみんなをながめまわした。さいしょは、鼻息のあらかった たしろのぶひこあらいようこ 田代信彦や荒井陽子も、みようにおとなしくなり、ときおりとなりどうしで、こそ こそやっているだけだった。 しゃちょう 「では、社長から、ひとことごあいさっさせます。 ( チベ工社長、どうそ。」 「え ? おれ ? 」 かぶぬし しゃいん 「そうだよ。株主のみなさんに、社員はみんな、はりきってやってるから、これか ごきようりよく らも御協力をよろしくって、あいさっしたら ? 」 ホイホイしようじ 「う、うん、そうだな、ええ、いま、 , 、カセの報告したように、 O O 商事 かぶしきがいしゃ 株式会社は、けっしてつぶれません。どうか安心してください。」 ( チベ工は、ふかぶかとおじぎをしたが、株主のあいだからは、もうしわけてい どの拍手があっただけだった。 は′、しゅ 127

7. うわさのズッコケ株式会社

いってるんだい。 これ、・ほくらがはたらいたお金なんだよ。ちゃんと計算 きゅうりよう しはら して、給料の支払いをしなくちゃあ。」 しいって。ガッポリかせいだってことは、わかってんだから。」 ハチベ工は、いきおいよくカンをつかむと、はやくも、教室の戸口へと歩きだ していた。 いくらはいるかなんて なんだか、すかっとした気分だった。自分のふところに、 ことは、もう、どうでもいいような気がした。それよりなにより、とにかく、株主 れんちゅう さいのう 連中に、わが経営の才能をみとめさせたことのほうが、よほど気持ちよかった。 しゃちょ - っ 「なあモーちゃん。おれ、もしかしたら、ほんものの社長になれるかもなあ。」 「うん、そんときは、・ほくもっかってね。」 かちょう ぶちょう 「ああ、課長、いや、部長にしてやるよ。」 しゃいん 「しゃあ、社員のみなさんを、・ほくの店に連れてきてね。」 かお しんすけ 晋助も、晴れやかな顔でいった。そのとき、うしろでふきげんな声がした。 かぶぬし 214

8. うわさのズッコケ株式会社

しんたろう 慎太郎が、頭をさげる。 あんどうけいこ 「安藤圭子さん。五十株ーー」 一 o 、 o o o 円です。ありがとうございました。」 「こちらこそ。でも、楽しかったわね。また、いっかやりましようよ。」 かんしゃ はい A : つきん かぶぬし 株主たちは、ひとりひとり配当金をうけとり、社員たちに感謝のことばをかけて、 教室を出ていった。 なかもりしんすけ さいごに中森晋助が、配当金をうけとった。 「中森くんは、給料があるからちょっと待ってね。」 ( カセが、帰りかけた晋助を、あわててとめた。 「いいよ、・ほくは。」 「えんりよするなって。おまえの父さんにも、すごく世話になったもんな。おい くらすつになるんだ ? おれたちの給料、い けいさん 「うん、ちょっと待って。いま、計算するから。ます、三人の配当金と出資金を返 きゅうりよう かぶ しゃいん せわ しゆっしきん 212

9. うわさのズッコケ株式会社

はいと - つきん いまのいま、すばらしい配当金の話をきいたばかりのところに、とっぜん、 かぶぬし 会社解散の発表があったのだ。株主たちがだまっているはすがない。 「どうしてよ、せつかく、もうかってるんじゃないの。あたしたち協力するから、 つづけなさいよ。」 」いカ′、さ ( 「そうたよ。こんどは、よその高校の。ハザーこ、 リ大学の大学祭で もスザーやってるよ。」 「運動会でも、ラーメン売ってもいいんじゃないの。」 そんぞく ロぐちに、会社存続をさけびはじめたので、 ( カセが立ちあがった。 しゃちょう げんざい しゃいん 「みなさんのお気持ちは、ありがたいんですが、社長をはしめ、現在の社員たち けいえ じしん どうもこれ以上、経営に自信がありません。もし、どうしてもとおっしやるの なら、どなたか社長になって、やっていただけませんか。」 ハカセが、ぐるりと教室のうちを見まわした。 さっきまで、あれほど会社存続をねがっていた連中も、きゅうに口をつぐんで 力いさん 冫しったら ? れんちゅう 206

10. うわさのズッコケ株式会社

力いじよ - つがか てんじかい クラブが展示会をやっているから、それまで会場係りをうけもっていた連中が、 やってきたのかもしれない。 けつきよく、さいごのお客がラーメンのスー。フをすすりおわったのは、午後四時 二十分だった。 しゃいん 社員たちは、ロをきくのもめんどくさいくらい、くたびれていた。それでも、 「ええ、本日の売り上げを発表します。」 たしろのぶひこ という、田代信彦の声に、一同、つくえのまわりに集まる。 「きようのラーメンの売れた数、百八十二はい。」 ちゅうしよくだい たかはし あきん 「売り上げ金、三六、四円。ただし、みなさんの昼食代、それに高橋さんた ちのラーメン代、合計二、四 o o 円は、計算にはいっていません。」 ハカセが、ノートを見ながらおっかぶせるように発表した。 ーしてるじゃないかすご 「へえ、百八十二はいか。予定より八十二はいもオー いなあ。」 ほんじっ いちどう れんちゅう 188