本来なら安全なはずの家族が、プレンダにとっては一番危険な場所になっていました。 一七歳になったときやっと家出をし、隣りの町に身を隠しました。ところが、最初に出会 った男とすぐ結婚してしまい この夫からも相当な暴力を受けました。本当の愛情、健全 な男女関係を知らないプレンダが最初に自分に興味を示した男に惹かれてしまったのも毎 理はありません。やさしい言葉、愛の言葉に飢えていたのです。 プレンダは男性との間の健全な関係のつくり方を知りませんでした。プレンダの育った 環境のなかに、よいモデルがなかったからです。 し プレンダの母は「ほら、お父さんを喜ばせてあげなさい。お父さんとのセックスが好き 癒 の だって言って、自分からすすんでお父さんの部屋へ行けば、お父さんだって気をよくする ン レ から。私だって子どものころは、そうやって私のお父さんを喜ばせてあげたのよ」とプレ レ ンダに言っていました。 チ プレンダの母も性的虐待の被害者で、なにが健全な行動なのか、どんな考え方が正しい レ のか、自分の感情もわからないまま大人になったアダルト・チャイルドで、共依存の人で ダ ア した。家庭に波風を立てないように、相手を喜ばせるために、自分の意志、個性を押し殺 章して生きてきた母は、それをプレンダにも強制したのです。 第 このように育てられれば、プレンダが大人になって共依存的な人間になったとしても、