いを繰り返す。 被害者意識にとりつかれる 相手を救おうとするがうまくいかないので、相手を責める。相手を責めても相手は変化 しないので、最後に自分はこんなに相手のおかげでみじめになったと被害者意識にとりつ かれ、弱々しくなる。 自分や自分のまわりに害があるのに、波風を立てないようにしようと四苦ハ苦する 相手を喜ばせようとして相手に合わせ、なんとかして葛藤をさけ、相手が怒らないよう 病に、相手が少しでも迷惑に思わないようにと異常な努力をし、和を保つ努力をまわりの人 す 出 にも強制する。 み 生 , 刀 傷 レ愛情としがみつきを取り違える の 愛するということは、相手との人間関係にのめりこむことや、胸がドキドキして相手か 章ら離れられなくなることだと思いこんでいる。 第
こんだり、おせつかいをして相手を変えようと工夫する。とらなくてもよい相手の行動の 責任はとるが、自分の行動がどのような結果を招いているかは考えない。 3 問題や危機が起こっているような状況や人間関係に身を置きやすい 不安定な、他人中心の生活をし、ハラハラしたり心配しながら生きていないと空虚な感 じがして、どうしていいかわからなくなる。信頼することができないような人に無意識の うちに引かれてしまう。 依存心が強く、一人でやっていけるという自信がない 病 自分に自信がなく、「見捨てられ危機感」におそわれ、一人でいると不安になって、誰 出か相手が必要になる。 み 生 、カ 考え方、視野がせまい 傷 5 の 相手の問題で頭がいつばいで、地域社会、自然などへの関心がうすくなる。友だちから 章も離れ、孤立してしまい、あるのは自分と相手だけのせまい世界になる。 第
9 自分のからだから出るメッセージに気かっかない ま 繊細な感情が麻痺してしまっているので、いろいろな感情の適切な表現ができない。 たは相手との関係で、なにか変だなと感じたときに、胸がドキドキしたとしてもその注意 警報に注目せず、何度も同じことを繰り返す。 怒りの問題をもっている 怒りを爆発させるような相手といっしょになって、怒りを恐れにすり替えたり、または 適切な怒りの処理の仕方がわからず、長い間ためておいて突然フラストレーションを爆発 させたり、自分より弱ゝ し人に八つ当たりしたりする。かげで相手の悪口やぐちを一一 = ロうこと 病も多い す 出 み 生 忍耐強く待っことができない 傷 相手がなにかをすると反射的に行動したり、せかせかと動き回って余分な心配をする。 の 相手の不全な行動に対して必要のないがまんはするが、長い目で見てじっくりプランをた 章てて、じっくり静かに時を待っということができない。 第
かを覚えていないのは、たぶん、解離の症状で、ひどいトラウマに遭遇したとき、まるで 自分とは分離してしまって自分ではないかのように感じたり、記憶がなくなったりする現 象の一つだろうと考えられました。 「大変な経験をしましたね。病院で目がさめたときには、自分でもどこにいるかわからな くてびつくりしたでしよう。こういう現象がある人は、とても大きく心が傷つけられる出 来事にあってしまった人であることが多いの。あなたの場合はどうなの ? 」 私が聞くと、彼女は突然大きくしやくりあげ始めました。 「先生、もう耐えられません。私は強い女として、まわりの人みんなの世話をして生きて きました。でも、この一、二年、どういうわけか弱くなってしまったんです : : : 」 大粒の涙が彼女のほほを伝いました。 「なにか耐えられないことがあったんでしよう。ゆっくりでいいから一言葉にしてくださ 私が言うと、彼女は泣きながらしばらくの間躊躇していました。 「いままで誰にも話したことがないんです。実は私は子どものとき、父に長い間犯されて いたんです。こんなことを言うのは恥ずかしくて : 彼女の声は小さくなり、自分の腕で自分のからだを抱くようにしました。
嘘をつかなくてもよいときに嘘をつく 自分に対して正直になれず、出てくる思考や感情を否定したり、疑ったり、無視したり する。つく必要のないときに、つい嘘を言って相手をかばったり、その場をとりつくろっ たり、真実を隠したりする。 自己の確立ができていない 自分の力を信じず、相手に幸せにしてもらいたいと思っている。自分の人生の目的や、 自分はいったい誰なのかがはっきりせず、自分を大切にできなかったりする。自分を肯定 し受け入れることができず、自己主張できない。 病 す 出 共依存といっても、いろいろ違った症状を示します。以上のような行動、思考や人間関 生係が主なものです。全部の項目があてはまらなくても、もし多くの項目があてはまれば、 傷共依存であるといえるでしよう。 の 私のところへ相談にくるアダルト・チルドレンのなかでも、表面的にはなんの問題もな いように見えるのに、共依存的な人間関係の蜘蛛の糸にからめとられて苦しんでいる人た 章 第ちはとくに多いのです。家族が機能しないとき、人がアディクションなどの問題をいつま
かばわなかった母親 次の週、プレンダがやってきたときは、ほんの少し気持ちが落ち着いているのがわかり ました。まだソフアには浅く腰掛けて、この場所から逃げ出しそうな姿勢でしたが、とき どきは私と視線を合わせることができるようになっていました。 「先週はいかがでしたか。つらい思い出がたくさん出て、胸がどきどきしたり、からだが 自分のものではない感じがしたかもしれないわね。自分をいたわりましようね。癒しは安 し全な場所でしか起こりません。あなたがいまいる場所は安全ですか」 癒 の と目ノと、 ン レ 「前の夫は暴力を振るいましたけれど、 いまの夫はやさしいんです。先週のセッションの 彼よ黙って聞いてくれて、サ ル後、夫に私が性的虐待にあっていたことを打ち明けました。 , 冫 チ イコセラピーをつづけるように勇気づけてくれました。仕事はいま休んで、出てくる思い ル出を朝から晩まで先生に言われたとおり記録していますー ダ ア といって、ぶあついノ 1 トを取り出しました。何ページも何ページもびっしり書きこん 章でありました。 第 「先週ここで話した後、少しだけ心がすっきりしたでしよう。あなたの夫に批判されない
の て っ 起 、カ な 家庭のなかに、ひどい精神的な虐待や言葉の虐待がある機能不全家族もあります。たい 家ていの親は、子どもを罵ったり、馬鹿にしたり、コントロ 1 ルしてしまったことがあるで 章しよう。ぐずる子どもに「もう置いてくからね」と置いてきばりにしたとか、愚痴をきか 第せる、批判するなど、するつもりはなくてもある程度の虐待の経験があるはずです。 まえだ」と言われ、とりあってもらえませんでした。 セックスと暴力のなかで、家族といっしょにいるのが恐ろしく、いつも悪夢にうな され、心臓がどきどきし、汗びっしよりになることが多かったと一言います。 母からは、「お父さんが子どもとセックスしたなんて、誰にも一言うんじゃないよ。 おまえの頭が変たと思われるからね」と言われました。だんだん智子は本当に自分の 頭がおかしいのではないかと疑いはじめ、あまりの苦しさに、これは絵本のなかの出 来事で、本当に自分には起こっていないのだと思いこもうとするようになりました。 このケ 1 スのように、一人だけでなく父親にも兄にも強姦されたりなど、複数の保護者 から性的虐待を受けているアダルト・チルドレンは何人もいます。 【精神的、言葉の虐待】
一般に男性のほうは、自分の受けた暴力、虐待を自分の外に向けて出し、加害者となる ことが多いのに対して、女生のほうは自分のなかに向けて被害者になったり、うつ病や心 身症になったりする傾向が知られています。 暴力のある家庭で育った女性のアダルト・チルドレンは、ともすれば、虐待をするよう なポーイフレンドとっきあったり、殴りつけたり怒鳴ったりする夫と一緒になったりする から不思議です。 アティクション 機能不全な家族で育ったアダルト・チルドレンが、つらさを麻痺させるために、アルコ 病 ール、薬物、ギャンプル、セックス、買い物、仕事、過食や拒食などにはまりこんでアデ す 出 イクションになってしまうことは少なくありません。 み 生 アディクションのあった家族で育てられたり、性的虐待があった場合には、自分も各種 傷のアディクションにとらわれたり、売春などの行為にとらわれてしまうことがあります。 の 男性のアダルト・チルドレンの場合は、自分もアルコール依存症になったりする場合が 章多いのですが、女性の場合は過食症や拒食症、アルコール依存症など、実際に自分が問題 第を抱える人になる場合と、問題を抱える人を世話することにのめりこむ共依存 ( コ・ディ
がったりすることが知られています。 子どもへの虐待 自分が虐待を受けて育っと自分もアビュ 1 ザー ( 虐待する者 ) になってしまう可能性が あります。 子どものころ虐待されて非常につらい目にあった人は、親を恨み、自分は決して親のよ うにはならないと決意しますが、自分の傷を癒したり、また自分のストレスを癒す技術を 身につけていない場合、フラストレーションがたまったとき、カッとなって親と同じよう に子どもを叩いてしまったりします。長い間体験してきた親からの虐待は、振る舞い方と 病して身についてしまうのです。 す 出 叩いたあと、自責の念は強く、自尊心はますます弱くなってしまいます。よほどはっき し子どもへ、そして次の世代 生りと自分の受けた虐待を認識し、癒しをしていかないと、弱 ) 傷へと連鎖・伝達してしまうことが多いのです。身体的、性的虐待だけでなく、精神的、言 の 語的虐待も次の世代に伝わってしまいます。 不思議なことに、性的虐待を受けて育った女性は、自分の子どもに直接性的虐待をする 章 第ことはあまりありませんが、そうした女性たちの選んだ夫やボーイフレンドが子どもを性
のはやめてくれって言うんだけど、彼は″うん〃とは言わないの。どうしたらやめさせら れるかしらーと言います。 「友だちなの ? それともセックスしてるの ? 」 ートはセックスは友だちとしてのコミュニケーションの一つだって一一 = ロうの。 「 : : : ギルバ 私が男友だちがいないのは変だっていうのよ。だんだん自分を疑いはじめてしまったわ。 彼は私のことをシンプルすぎるとか、たいくつだとか一一一一口うんだけれど、本当かしら ミッシェルは自分の感情が信じられなくなって疑いはじめていました。次の週に話を聞 いてみると、彼はギャンプル依存症で、何回か破産したり、あちこちの銀行からお金を借 りて返さなかったり、偽の書類をつくって半年間刑務所に入っていたこともある人でし す 出 九カ月前、二人でネバダ州のタホ湖へ行ってギャンプルをしたときには、カジノはギル み 生 ートを多額のお金をばらまく上客として、自家用飛行機で迎えに来てくれました。ホテ 傷ルもただにしてくれて、ワインや食事も飲み放題、食べ放題でいたれりつくせりでした。 の そのときは、ギャンプルで彼は五〇〇〇ドルをもうけました。けれど、次のときからは 章三〇〇〇ドル、八〇〇〇ドル、四〇〇〇ドルと、行くたびにお金をすってしまいました。 第そしてだんだんミッシェルにお金を借りるようになりました。