理解 - みる会図書館


検索対象: 図解仕事人
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1. 図解仕事人

この章の冒頭で、ストックとしてのビジネスコミュニケーション能力は、理解力、企画力、 伝達力の、三つから構成されていることを述べました。 このなかでも、基本を成すのは理解力です。上司の言うことを理解できる。社内資料を理 。まず自分の頭で理解する能力がなければ、企画力も伝達力も身につきません。 解できる : 図解も同様。図解にも、「理解力を高める図解」「企画力を高める図解、「伝達力を高める 図解」の三種類がありますが、根本を成すのは「理解力を高める図解」でしよう。 まずは自分の仕事を図解してみる 私が宮城大学に赴任して以来、最初の激動の四年間が終わりました。私自身は「教育」 「研究」「建学」を三本柱に全力疾走してきたのですが、その過程で仙台市や宮城県という地 ( 3 ) 理解力を高める図解 100

2. 図解仕事人

自分の仕事を図解する目的は、仕事における自己の「棚卸し」です。つまり、自分は何の ために仕事をしているのか、その意義や目的といったものを一度総点検することと認識して ください。 取引先を理解する 図解は自分の仕事のみならず、いろいろな方面に応用が利きます。 たとえば、新規につき合いを始めた取引先の会社のことをどうやって理解したらいいでし よ一つ、か 理解するということは、対象の構造と関係を理解することだと考えてみましよう。このよ のうに理解には二通りあります。 へ 人 一つは、社長が誰で、どういう部署に分かれているかなど、会社の中での意思決定の構造 事 仕を理解することです。これは、組織図を眺めればわかる類の理解です。静的な理解とでもい いましようか 章 もう一つは、ある事業部とある事業部との関係がどうなっているか、業績はどちらがいい 第 のか、部長どうしどちらが年次が上で、どちらが社内で力を持っているのか、社長との関係

3. 図解仕事人

文 説得 受け手 伝え手 納得 図解 解には内蔵されているということでしよう。 ・全体がひと目で分かる 文章コミュニケーションでは、文字面を真 剣に追わないと、中身を理解できないところ があります。目に入ってくる文字や言葉、文 章を脳の中で意識的に処理して、初めて理解 可能だからです。 一方図解は、一目で全体像を把握でき、さ らにもう一度、論理回路を働かせ図解を読み 下す作業を行うことになる。いわば二重に記 憶に刻み込まれることになります。そのため、 理解が速く、そして深い。 最近、プレゼンテーションの場面で、図解 を使うことが多くなってきている背景には、

4. 図解仕事人

浮かべる / 時系列で並べる ( 3 ) 理解力を高める図解 まずは自分の仕事を図解してみる / 仕事における図解の技 術 / 取引先を理解する / 図読のすすめ / 図読を実践してみよう ( 4 ) 企画力を高める図解 企画力は図解で養われる / 「新しい旅企画」を図解する / 構 想力を高める図解 / 「骨太の方針」を図解する ( 5 ) 伝達力を高める図解 相手に「達する」ことが重要 / 会議・根回しに応用を / 図解 資料の作り方 / 図解プレゼンテーション / ホームページは自 己表現の最高の道具 第 3 章時間仕事人になるー セルフマネジメントはタイムマネジメントに尽きる / 朝が早 142 157

5. 図解仕事人

ところを本文に当たって確かめるなど、自分なりに理解をさらに深めていきます。 4 ・仕上げ 最後に全体の構図やレイアウト、論理展開の順序などを考えながら図解を充実させ、スッ キリさせていきます。 ここまでくると、本の中身について、図解を見ながら誰にでも説明できる自分に気がつく はずです。「よくわかった」という感覚が出てくるでしよう。 また、こういった過程を経ると、最低でも三回は本を通読することになります。この図読 によって本に対する理解は他の方法に比べて圧倒的に深いはずです。 道 の へ 人図読を実践してみよう 仕著者が書いている通りに本を読まなければならないという強迫観念は捨て去りましよう。 図 「著者はこう言っている」ではなく、「私はこの本をこう理解した」でいい。図読は本に対し 章 て、客観的で正確な理解をするのが目的ではありません。 第 自分の関心や目的意識を中心に読んだら、この本の姿はこうなった、と割り切ってしまっ

6. 図解仕事人

企画や構想は、言葉で必要十分な説明をするには困難が伴います。けれども図解であれば、 大きな部分しか目に入りませんから本質的な議論になるのです。企画・構想とは、実は図解 そのもののことと理解した方がよさそうです。 「新しい旅企画」を図解する では、まず図解で企画力を高める練習をしてみましよう。基本的には「理解力を高める図 解」と同じなのですが、若干異なる手順を踏みます。それでは、私が日本航空勤務時代に企 画した「新しい旅企画、を例にとってみたいと思います。 キーワードを集める まず、企画の元になるようなキーワード集めから始めます。「旅」の場合だと、「リゾー ト」「レジャー産業」「余暇」「自由時間」「人生八〇年時代」「家族」・ : : ・などといった言葉 や概念が浮かんでくるはずです。自分の頭に浮かんだものから、新聞やテレビ、雑誌から抜 き出したものまでランダムに書き出し、今度はこれらを〇で囲む。これが、図解を作る上で の基本となる素材になります。 ( 暫ページ図 ) 126

7. 図解仕事人

てこない人が実に多い。以前、民間企業で同様の研修をやったことがあるのですが、そのと きは消費者を描いていない人がほとんどでした。なんだかそれに似てますね。 また予算関係の作業だけを図にする人や、ハンコを毎日押している図を描く人がいること も興味深い経験となりました。首都移転など大型公共事業の担当者の図解に至っては、非常 に分かりにくいもので、これに対しては「担当者が理解できていないのに、住民が理解でき るわけがないじゃないか」などの同僚からの批判があったのも面白い体験でした。 毎日取り組んでいる飯のタネであるにもかかわらず、いざその全体像を把握したうえで図 に表現しようとすると意外に難しい。誰が、どのセクションと、どのような関係を持ってい るのか、自分の仕事全体の中で、このテーマはどういう位置づけになっているのか、仕事の 目的は何か、どのような成果を期待してやっているのか、など考えれば考えるほど混乱して きます。 読者も、まず自分の仕事を図解することにトライしていただきたい。取り組んでみると、 発見と疑問と驚きの連続です。組織というものは、組織図と業務分掌で成り立っているよう な錯覚に陥りがちですが、そうではありません。組織は、それぞれのビジネスマンの「私の 仕事」の集大成なのです。そこには生き生きとした個人が息づく世界があります。 102

8. 図解仕事人

第 2 章図解仕事人への道 マルと矢印で「構造と関係」を理解 素材のイメージ 〇〇 にする作業 関係」を明らか 「プロック中の oD 〇品 0 : 骨格のイメージ 図 D マルと矢印での 〇 仕上げ 93

9. 図解仕事人

2 ・仮図解 ひと通り読み終わった後、今度は改めて目次を眺めながら、大まかに図解をデッサンして いきます。著者は目次で、本全体のストーリーを教えてくれているのです。よい本には、よ い目次がついているから活用してみましよう。 このように、目次の指示に沿って本全体を大まかに図解してみる段階を、「仮図解、と呼 びます。この段階では、頭の中にあるさまざまな断片が交差するので、すっきりとした図解 には程遠い状態でしかありません。 3 ・書き込み、理解を深める 次に仮図解を見ながら再び全体を読んでいきます。一度めに印をつけた個所を目印に、本 当に大事なポイント、ピンときた点、キーワードなどを仮図解の中に書き込んでいきます。 この段階になると、本を読むスピードは、一回めの時に比べてかなり速くなっているはずで す。仮図解を充実させるという目的に絞って読んでいくからです。 そして、仮図解に書き込まれた情報を眺めながら、湧いてきた疑問点や論理の飛躍がある 1 10

10. 図解仕事人

実際の図解は四角や三角や楕円を用いているので複雑に見えますが、これら図解の部品は 要するに〇の変形に過ぎません。点線や破線も矢印の一種です。 〇は、個々の要素がどういうしくみ・構造によって成り立っているかを表しています。世 の中に存在するものはすべて、ある塊の中に包含されるという考え方です。その塊どうしの 重なり具合や離れ加減、あるいは大小などを〇で表すことで、全体の構造が理解できます。 ↓は、ものごと同士がどういう関係であるかを表すものです。世の中に存在するものはす べてなんらかの関係があります。その関係は「原因」と「結果」であったり、影響を相互に 与えあったりとさまざまです。大きさや太さを工夫することによって、矢印はさまざまな表 情やニュアンスを醸し出してくれます。 道 の へ 人図解の基本手順 仕図解を完成させるまでには、次の三つの手順を踏みます。 図 章 題材の骨格づくり 第 まずは資料や文章、あるいは頭の中にあるものから、思いつくままにリストアップする作