序 昭和 50 年代の名市大精神科と 境界例文化について 章 7 私が精神科医となって , 既に 17 年が経過した。この間 , 私は , 県立の単科 精神病院にはじまり , 大学病院精神科と民間精神病院への勤務を経てドイツ に渡り , 帰国した昭和 62 年以降は総合病院の精神科で働いている。開業クリ ニックや精神衛生センターといった未だ少数派の職場を度外視すれば , 私の 経歴は , わが国の精神科医の平均的な勤め先をほぼ網羅していると言えるか も知れない。本書に収録したのは , 私がこの期間に一一最初の論文に着手し たのが昭和 55 年であったから , 正確に言えばこの 10 年間に一 - ー臨床の合い間 を縫って書きためた 12 編の論文である。まとめて読み返してみると , 進歩が とは言わないまでも , 変化が一一一あるようでもあり , ないようでもある。 それでも , 扱っているテーマは , 境界例と分裂病との精神病理学的対比とい う点で一貫しているので , このたびーっにまとめて刊行することにした。 この時期に出版を思い立ったのには二つの理由がある。ーっは , 昭和 50 年 以来身近かに御指導を仰いできた木村敏先生が還暦を迎えるにあたり , その 学恩に謝意を表したいがためである。もっとも , 先生御自身は現在もいよい よ若々しく御活躍中であって , 還暦を云々する弟子どもによって神棚の上に 祭り上げられてしまうような存在ではない ( その事情は , 70 歳を迎えられて も多分変わらないことだろう ) 。学派を作ることを厭い , 精神病理学は個人 プレイであると常に主張しておられる先生は , 弟子たちが師に追従したよう な論文を書くことを何よりも嫌われている。したがって , 還暦記念などとい う儀礼的な事柄は , 先生にとってはどうでもよいことかも知れない。しかし , 私にとっては さらに一般化して , ある師のもとで一つの学問を学んだ者 たちにとっては , と言いたいところなのだが - ーー決してどうでもよいことで はない。私が一編でも論文を書くことになったのは , 木村敏先生の感化と ,
序章 9 日の暫定的帰結とは別の方向に展開する努力こそ , 臨床精神医学にとって有 意義であると考えている。その考えの一端は , すでに別著 1 ) で論じたが , 私 はこの際 , 境界例概念を知る以前からこの種の患者と接触し , その後英米流 の境界例論に影響されたり反発したりしながら , 手さぐりで進めていった十 余年間の私の思考過程をそのまま呈示することが説得的ではないか , と考え るようになった。本書に収録した個々の論文は , いずれも問題の提出にとど まって解決には程遠い。けれども , こうして並べてみると , 一定の問題意識 に貫かれていることは疑い得ない。 結局 , 私はこの序章で , 50 年代の名市大精神科の在り様と , 50 年代以降の 境界例観の展開とを , いずれも私自身の体験を素材として呈示しようという わけである。 私は , 昭和 48 年に東北大学医学部を卒業し , 岩手県立南光病院に 2 年間勤 務した後 , 50 年 4 月から名市大精神科に入局した。 私が精神科を選んだ理由は , 今もってはっきりしない。父母との関係に大 きな葛藤があったわけでもなければ , 学生運動に深くコミットして挫折を味 わったわけでもない。学生時代からビンスワンガーやミンコフスキーの翻訳 本などを読んではいたが , これは当時の学生にとって流行のようなものであっ たろう。結局 , 私自身の中に特定の科を選択する積極的な動機が見出せなかっ たために , いわば消去法で精神科が残ったというところだろう。 もちろん , 付随的な理由ならば , いくっかは挙げられる。精神科が他の科 よりも面白そうに見えたとか , 早くから精神科志望を表明していた同級生た ち一一渡辺哲夫 , 昼田源四郎 , 北脇雅之といった面々ーーーの影響を受けたと か , あまり世の中に出たくないので精神病院の塀の中で分裂病患者を相手に 暮らしていたいなどという , 若者の古典的厭世観ーーもちろん , そんなセン チメンタリズムは , 実際の臨床に足を踏み入れればたちまち吹き飛ばされて しまうわけだが もあったようである。 いったん精神科と決めたら , あとは早かった。学生時代の読書から 2 , 3 ) , いずれは木村敏先生のもとへ行くのがよいと考えたが , いきなり名市大の門
第 7 章臨床単位性について 231 39 ) McGlashan , T H and Carpenter Jr W T : Postpsychotic depression in schizophrenia. , c ん Gen 尸 S ッ c ん厩 , 33 ; 231-239 , 1976. 40 ) 三上昭広・渡辺博 : 精神分裂病者の頭部 CT 所見 . ーー - 特に経過及び状態像と の関連について一一一 . 精神医学 , 23 ; 505 ー 515 , 1981. 41 ) 三野善央 , 永松郁子他 : 精神病症状消退後の虚脱状態と過渡対象 - ーーある精神 分裂病者の寛解過程から一一一 . 精神医学 , 30 ; 141 ー 147 , 1988. 42 ) 宮内勝 , 安西信雄他 : 治療的働きかけへの反応の仕方にもとづく精神分裂病 圏患者の臨床的類型化の試みーーー「自己啓発型精神分裂病患者群」と「役割啓発 的接近法」の提唱 ( 第 1 報 ) ーーー . 精神医学 , 29 ; 1297 ー 1307 , 1987. 43 ) 宮内勝 , 安西信雄他 : 精神分裂病圏患者に対する役割啓発的接近法の試み 「自己啓発型精神分裂病患者群」と「役割啓発的接近法」の提唱 ( 第 2 報 ) 精神医学 , 30 ; 14 159 , 1988. 必 ) 村上蜻彦 : 「分裂病」症状を呈する境界例について . ( 吉松和哉編 ) 分裂病の精神病理 11 , pp. 173 ー 197 , 東京大学出版会 , 東京 , 1982. 45 ) 松尾正 : 分裂病者との間で治療者自身が。沈黙 " するとき , そこにもたらされ るもの一一現象学的治療論の試みーー . 精神経誌 , 88 ; 50 538 , 1986. 46 ) 永田俊彦 : 分裂病者の「目覚め」の体験と再発 . ( 吉松和哉編 ) 分裂病の精神病理 11 , pp. 6 ト 83 , 東京大学出版会 , 東京 , 1982. 47 ) 永田俊彦 : 分裂病残遺状態ーーその症候論 ( 欠陥と残遺 ) 16 ; 5 ー 11 , 1987. . 臨床精神医学 , 48 ) 永田俊彦 : 分裂病残遺状態における挿話性病理現象について . ( 土居健郎編 ) 分 裂病の精神病理 16 , pp. 167 ー 190 , 東京大学出版会 , 東京 , 1987. 49 ) 中井久夫 : 精神医学の経験 1. 分裂病 . 岩崎学術出版社 , 東京 , 1984. 50 ) 中安信夫 : 背景思考の聴覚化 . ( 内沼幸雄編 ) 分裂病の精神病理 14 , pp. 199 ー 235 , 東京大学出版会 , 東京 , 1985. 1982. 53 ) 岡崎裕士 , 太田敏男 : 精神分裂病の陽性症状と陰性症状 . 臨床精神医学 , 11 ; 52 ) 中安信夫 : ケース・カンファランスへの誌上参加 . 精神科治療学 , 3 ; 152 ヨ 55 , . 精神科治療学 , 1 ; 545 ー 556 , 1986. 51 ) 中安信夫 : 分裂病シュープの最初期兆候ー一見逃されやすい微細な体験症状に 1337 ー 1350 , 1988. ついて
8 先生が主宰しておられた名古屋市立大学精神科の精神病理学的土壌に拠っ ている。 我田引水を恐れずに言えば , 昭和 50 年代の名市大精神科は , 同時代の中で はもとより , 他の時代や他の国々を比較の対象に含めてみても , 精神病理の 臨床を学ぶのに第一等の機関ではなかったか , と私は思う。精神科の臨床教 育は , 職人世界の技の伝承に似て , 若い間にすぐれた師匠や先輩のやり方を 親しく見聞することによって , もっともよく遂行されるものではあるまいか。 書物による独学や講演セミナーなどを通じて間接的に得られた整合的な知識 は , あまり役立たないばかりか , 時には誤解の種となって臨床実践を妨げも する。しかも , 精神科医各自が自分のものとすべき技術は , 職人世界の芸や 技に比べていちだんと一般性の乏しい , 個人の能力や資質に拘東されるとこ ろの大きい技術であるから , 弟子たちは自分の身に合わない技術をきつばり と断念する必要もある。いわば負の方向・除外的な方向にも選択を働かさな ければならないわけだが , その点でも , 一流の人々と身近かに接することが 重要になってくるのである。よい師匠は , 弟子どもを自分のミニチュア版に 仕立て上げることなく , 彼らを彼らの器量に応じて彼ら自身にめぐり合わせ しめる。 木村先生に対する感謝を表明するためには , 当時の名市大精神科の上質な 精神病理学的雰囲気をそのまま具体的に描出するに如くはない。そこで , 以 下に当時の教室の雰囲気を , 私の体験を素材に描出してみるが , この試みは 単なる懐古趣味に尽きるものではない , と私は信じている。というのも , 精 神科医の一生のスタイルを決定的に左右するものが , 最初の 10 年間をいかな る環境で , どのような同僚たちとともに過ごしたかという体験であることは , 現在の若い医師たちにも当然あてはまるであろうから。それは , 現今の大学 精神医学界で , 客観的研修制度の樹立を目指して ( 与える者の側から ) 喧し く論じられている卒後臨床教育問題を , 受ける者の側から具体的に考えてゆ いまーっの刊行の狙いは , くヒントの一つとなりうるかも知れない。 て , あえて異を唱えたいという点にある。私は , 境界例が含む問題圏を , 今 の客観的結論に到達した観がある境界例概念とその治療論の方向づけに対し 半世紀を超える歴史的変遷を経て今日ほぼ一定
30 ことによって他の研究者たちを刺激し , 対論を求めること , そして , そのよ うな対話がリゾーム的に相互作用して各自の考えをさらに発展・変容させる という循環プロセスの形成をはかることであろう。本書が同僚たちに , その ささやかな試みとして受け取られることを願ってやまない。 1 ) 2 ) 3 ) 4 ) 5 ) 6 ) 7 ) 8 ) 9 ) 10 ) 11 ) 12 ) 13 ) 14 ) 15 ) 16 ) 17 ) 文献 鈴木茂 : 境界事象と精神医学 . 岩波書店 , 1986. 木村敏 : 自覚の精神病理 . 紀伊國屋書店 , 1970. 木村敏 : 人と人との間 . 弘文堂 , 1972. 中井久夫 : 精神分裂病状態からの寛解過程 . ( 宮本忠雄編 ) 分裂病の精神病理 2 , 東京大学出版会 , 1974. 中井久夫 : 精神分裂病者への精神療法的接近 . 臨床精神医学 , 3 ; 1025 ー 1034 , 1974. 平野千晶・飯島尚治・新居昭紀・鈴木茂 : 引きこもりと受け身的態度に終始す る患者の分裂病可能性 . 精神科治療学 , 5 ; 553 ー 562 , 1990. 鈴木茂・武井陽ー・斎藤孝和・新居昭紀 : 子どもの強迫症状と分裂病 . 精神科 治療学 , 6 ; 81 ーー 92 , 1991. 河合隼雄・成田善弘・鈴木茂 : 境界例とかかわる一一一ある事例を素材として . ころの科学 , 36 号 , 63 ー -89 , 1991. 河合隼雄 : 生と死の接点 . 岩波書店 , 1989. 言葉と物 . ( 渡辺一民・佐々木明訳 ) , 新潮社 , 1974. 内田隆三 : 消費社会と権力 . 岩波書店 , 1987. 安永浩 : 境界例の背景 . 精神医学 , 12 ; 492 ー 499 , 1970. ーズ , ガタリ : ァンチ・オイデイプスーー - ー資本主義と分裂病 宏祐訳 ) , 河出書房新社 , 1986. 市川浩 : く中間者 > の哲学 . 岩波書店 , 1990. 柄谷行人 : 終焉をめぐって . 福武書店 , 1990. 川本三郎 : 大正幻影 . 新潮社 , 1990. 山口昌男 : 道化的世界 . 筑摩書房 , 1975. ドウノレ フーコ ( 市倉
350 あとが き 長い序章を付けたので , あとがきとして述べておきたいことは多くない。 10 年間にわたる論文を集めたものなので , 手を入れたいところもないではな かったが , 変更は符号の統一や語句の修正程度にとどめておいた。各論文の 初出は , 以下の通りである。 序章昭和 50 年代の名市大精神科と境界例文化について ( 書きおろし ) I . 境界例 ( 内編または症例編 ) 第 1 章自己表出と対人関係 「境界例における多義性と表面性の意義ーー境界例成人の自己表出と対人関係をめぐ って一一一」 ( 吉松和哉編 ) 『分裂病の精神病理 11 』 , 145 ー 172 頁 , 東京大学出版会 , 1982 第 2 章生活史と言語 「成人境界例の記述精神病理学的研究」精神経誌 86 , 167 ー 203 頁 , 1984 第 3 章急性精神病の反復 「急性精神病を反復する境界例患者の精神病像と経過特徴について」 ( 村上靖彦編 ) 『境界例の精神病理』 , 155 ー 185 頁 , 弘文堂 , 1988 ( 新居昭紀氏との共著 ) 第 6 章寡症状性分裂病の臨床 神分裂病 -- ー基礎と臨床ーー』 , 446 ー 456 頁 , 朝倉書店 , 1990 「診断の問題ーーー精神病理学の立場から一一」 ( 木村敏・松下正明・岸本英爾編 ) 『精 第 5 章精神病理学的診断の実例 Ⅱ . 分裂病 第 4 章母親のコミュニケーション ( 書きおろし ) 「寡症状性分裂病の臨床と精神病理」臨床精神医学 11 , 1375 ー 1382 頁 , 第 7 章臨床単位性について 「臨床単位と分裂病」臨床精神病理 9 , 187 ー 202 頁 , 1988 1982
349 10 ) 11 ) 12 ) 13 ) 第 12 章治療技法と反技法 その臨床病理と治療 . 岩崎学術出版社 , 1988. ) 神田橋條治 : ( 境界例の ) 治療 . 現代精神医学大系 12 , 中山書店 , 1981. 柄谷行人 : 探求 1. 140 頁 , 講談社 , 1986. 中井久夫 : リュムケとプレコックス感 . 季刊精神療法 , 3 ; 81-92 , 1977. 中安信夫 : 初期分裂病患者への精神療法的対応 -- 診断面接に含まれる治療的 意義について . 臨床精神病理 , 10 ; 181 ー 190 , 1989. 14 ) 成田善弘 : 青年期境界例 . 金剛出版 , 1989. 15 ) ボラニー ( 佐藤敬三 , 他訳 ) : 暗黙知の次元 . 58 ー 59 頁 , 紀伊國屋書店 , 1980. 16 ) 下坂幸三 , 中村伸一 : 精神療法の側から「精神病理学」を見る . 臨床精神病理 , 9 ; 33 ー 44 , 1988. 17 ) Stone, M H : The Borderline Syndromes. McGraw—Hill Book, New York , 1980. 18 ) Straus, E : Ein Beitrag zur pathologie der zwangserscheinungen. Mschr Ps んⅣ 0 / , 98 ; 61 , 1938. 19 ) 鈴木茂 : 軽症非妄想型分裂病者の成長と言語変遷 . 精神経誌 , 84 ; 1 ー 19 , 1982. ( 本書第 8 章 ) 20 ) 鈴木茂 : 青年期境界例 . ( 清水將之編 ) 改訂増補青年期の精神科臨床 . 115 ー 132 , 金剛出版 , 1989. ( 本書第 11 章 ) 21 ) Wyrsch, J : Zur Psychotherapie symptomarmer Schizophrenien. Mschr Ps Ⅳ , 110 ; 237 ー 244 , 1945. 22 ) ウイルシュ ( 土井永記 , 他訳 ) : 精神分裂病人格 . 文光堂 , 1967.
第 5 章精神病理学的診断の実例 187 3 ) Blankenburg W : Der Verlust der natürlichen Selbstverständlichkeit. Enke , Stuttgart , 1971 ( 木村敏ほか訳 : 自明性の喪失 . みすず書房 , 東京 , 1978 ). 4 ) Hecker E : Die Hebephrenie. / レ c ん 0 肥 ' s スん尸厩ん 0 / れ p ん / , 52 ; 394 ー 429 , 1871 ( 渡辺哲夫訳 : 破瓜病 . 星和書店 , 東京 , 1978 ). 5 ) Jaspers K : Eifersuchtswahn. Ein Beitrag zur Frage Entwicklung einer PersÖnlichkeit' oder 'Prozess' . / Neurol, 1 ; 567 , 1910. Gesammelte Schriften zur Psychopathologie. Springer, , 1963 ( 藤森英之訳 : 精神病理学研究 1. pp. 143-232 , みすず書房 , 東京 , 1969 ). 6 ) 木村敏 : 精神分裂病の症状論 . 分裂病の現象学 , pp. 181 ー 233 , 弘文堂 , 東 京 , 1975 ; 横井晋ほか編 : 精神分裂病 , pp. 106 ー 138 , 医学書院 , 東京 , 1975. 7 ) 木村敏 : ( 分裂病の ) 診断 . 現代精神医学大系 10A1 , 精神分裂病 la , 中山書店 , 東京 , 1981. 8 ) Minkowski E : La schizophrénie. Psychopathologie des schizoides et des schizophrénes, Descl& de Brower, Paris , 1953 ( 村上仁訳 : 精神分裂 病 . みすず書房 , 東京 , 1959 ). 9 ) Müller—Suur H : Die schizophrenen Symptome und der Eindruck des Schizophrenen . お 0 sc んⅣ肥 / Ps , 26 ; 140 ー 150 , 1958 ( 木村 敏編訳 : 分裂病の人間学 . pp. 83-101 , 医学書院 , 東京 , 1981 ). 10 ) 中井久夫 : リュムケとプレコックス感 . 季刊精神療法 , 3 : 81-92 , 1977 ; 精神 の科学別巻 , 諸外国の研究状況と展望 , pp. 16 190 , 岩波書店 , 東京 , 1984. 11 ) 中安信夫 : 分裂病シュープの最初期兆候一見逃されやすい微細な体験症状につ いて一 . 精神科治療学 , 1 ; 545 ー 556 , 1986. 12 ) 大橋秀夫 , 山田康 , 町山幸輝 : 精神分裂病の病前性格 . 臨床精神医学 , 5 ; 1 ト 24 , 1976. 13 ) 岡本進 : 遊びと精神医学 . 現代思想 , 8 ( 11 ) ; 126 ー 141 , 1980. 14 ) Rümke HC : Die klinische Differenzierung innerhalb der Schizophrenien. 1 〃な 29 ; 49 ー 53 , 1958. 15 ) Schneider K : Klinische Psychopathologie. 6 Aufl , Thieme , Stuttgart , 1962 ( 平井静也ほか訳 : 臨床精神病理学 . 文光堂 , 東京 , 1972 ). 16 ) SuIIwoId—StrÖtzel L , Kisker KP : Praeschizophrene EntwickIungsverlaufeJ ugendlicher und ihre Typisierung. Psychol Ps 加催川 , 12 ;
232 54 ) 納光弘 , 井形昭弘他 : HTLV-I associated myelopathy (HAM) . 癌と化学 療法 , 14 ; 2411 ー 2416 , 1987. 55 ) PauIeikhoff, B : Atypische psychosen. Versuch einer Revision der Kraepelinischen Systematik. ln : (hrg. Huber' G) Schizophrenie und Zyklothymie , Ergebnisse und Probleme. Thieme , Stuttgart , 1969. 56 ) Schmiedberg, M : The Borderline patient. American Handb00k 0f Psychiatry, vol. 1 , pp. 398 ー 416 , Basic B00ks , New York , 1959. 57 ) Schneider, K : KIinische Psychopath010gie. 6 Aufl. Thieme , Stuttgart , 1962. ( 平井勝也 , 鹿子木敏範訳 : 臨床精神病理学 . 文光堂 , 東京 , 1972. ) 58 ) 下田光造 : 躁うつ病に就いて . 米子医学雑誌 , 2 ; 1 ー 2 , 1950. 59 ) 鈴木茂 : 寡症状性分裂病の臨床と精神病理 . 臨床精神医学 , 11 ; 1375-1382 , 1982. ( 本書第 6 章 ) ) 鈴木茂新居昭紀 : 急性精神病を反復する境界例患者の精神病像と釜過特徴について . ( 村上靖彦編 ) 境界例の精神病理 . pp. 155 ー 185 , 弘文堂 , 1988. ( 本書第 3 章 ) 61 ) 田島昭 , 加藤友之他 : 社会生活の中での分裂病者に対する働きかけーー - 職業生 . ( 精神分裂病の生活臨床第 2 報 ) 精神経誌 , 69 ; 323 ー 351 , 活場面を中心にして 1967. 62 ) 高橋良 , 佐藤時治郎他 : 精神分裂病の CT スキャンによる研究ーー多施設共同 研究ーー -. 精神医学 , 26 ; 251 ー 264 , 1984. 63 ) 田中朋子 , 浜田恵亮他 : Pseudohomozygous type Ⅱ hyperlipoproteinemia . 小児科臨床 高コレステロール血症を主徴とする新しい臨床単位 ? ー 36 ; 2345 ー 2349 , 1983. 64 ) TeIIenbach, H. : Melancholie. 4 Aufl. Springer, York, 1983. ( 木村敏訳 : メランコリー . みすず書房 , 東京 , 1978 ) 65 ) 宇野昌人 : 精神分裂病の長期経過に関する研究 . 精神経誌 , 73 ; 183-220 , 66 ) Wyrsch, J. : Über die Psychopath010gie einfacher Schizophrenien. Mschr 尸 s んⅣ , 102 ; 75 ー 106 , 1940. 67 ) 山田茂 , 豊島至他 : 筋萎縮 , 皮疹 , 関節拘縮変形を伴う Lipodystrophy 症に類似する姉弟例 . 臨床神経学 , 24 ; 703 ー 710 , 1984. 1971.
( 価格は消費税抜きです ) 青年期の精神科臨床 名古屋市立大学助教授清水將之編 A 5 判 328 頁 5 , 680 円 1981 年に初版が刊行された本書は , 今回大幅な改訂増補が行わ れる運びとなった。今回は , 新たに「摂食障害」「青年期境界例」 「感情病圏」「青年期と性」「自殺」「家庭内暴力」「大学生のアパシ ー」「青年期の精神療法」の 8 章が書き降ろされた。本書は学際領 域としての青年精神医学の現場にある , 精神科・臨床心理・ソー シャルワーク・学校・家庭裁判所・保健所などで役立てられるこ とを目指して , 編集されている。 児童青年精神科 現代社会の病理と臨床 岐阜大学教授若林慎一郎編著 A 5 判 230 頁 3 , 800 円 中学生のいしめや登校拒否 , 高校生の不食症や非行も , 時代の 疾患として登場してきた。児童青年精神医学のトピックスを網羅 した本書は , この時代の要請に応えるべく企画編集された。さま ざまな病態に臨床家が適切に対処するための指針となることをめ ざして , 第一線の現場にある著者らが症例を中心に , その時代的 意義 , 診断 , 病因 , 治療 , 予後 , 予防を具体的に述べている。 思春期の対象関係論 福岡大学医学部教授牛島定信著 A 5 判 240 頁 4 ′ 000 円 対象関係論は早期の母子関係のみではなく , 今では広く思春期・ 青年期の心性理解にも有用であり , とりわけ境界例や思春期やせ 症などの治療にも有力な武器となっている。 今後の精神分析の展開にとってますます重要性を増すものである。 有用であったかを示した点で他の書物と一線を画するものであり , 著者が , 臨床で出会った多くの症例の理解に対象関係論がいかに 本書はわが国の風土に根ざした対象関係論の実践に携ってきた