妻と愛人、二人の女にひかれる男の情痴のあ さましさを、美しい上方言葉の告白体で描き、 宇野千代著おはん 野間文芸賞受賞女流文学者賞受賞幽艶な幻想世界を築いて絶賛を集めた代表作。 ものを憶えられない「病気」のポーイフレン あたしのこと ドとの性愛を通して人の存在のもろさと確か 億えてる ? さを描いた表題作など、大胆で繊細な九篇。 夫のために妾を探す妻ーー明治時代に全てを 円地文子著女 坂犠牲にして家に殉じ、真実の愛を知ることも 野間文芸賞受賞なかった悲しい女の一生と怨念を描く長編。 明治以来の文学史上、屈指の名編と称された ノ表題作をはじめ、いのちの不思議な情熱を追 岡本かの子著妓 究した著者の円熟期の名作 9 編を収録する。 あたりまえのように思えた日常は、一瞬で、 桐野夏生著 ) ンオラマあっけなく崩壊する。あなたの心も、変わっ てゆく。ゆれ動く世界に捧げられた短編集。 〈革命党〉への入党をめぐる女子学生の不可 ヾレタ一 ' 「解な心理を描く表題作など、著者の新しい文 倉橋由美子著ノ 女流文学者賞受賞学的世界の出発を告げた記念すべき作品集。 内田春菊著
米原万里著 死への興味から、生ける屍のような老人を 湯本香樹実著一見の」庭「観察」し始めた少年たち。いっしか双方の間 The Friends に、深く不思議な交流が生まれるのだが : 不気味な大家のおばあさんは、ある日私に奇 。「夏の庭」で世界 妙な話を持ちかけた 湯本香樹実著ポプ一フの秋 中の注目を浴びた著者が贈る文庫書下ろし。 瞬時の判断を要求される同時通訳の現場は、 不実な美女か 緊張とスリルに満ちた修羅場。そこからつぎ 貞淑な醜女か つぎ飛び出す珍談・奇談。爆笑の「通訳論」。 読売文学賞受賞 魔女の世界では、「」が 1 ダースそう、 米原万里著魘女の 1 タース世界には我々の知らない「常識」があるんで ー正義と常識に冷や水を浴びせる章ー す。知的興奮と笑いに満ちた異文化ェッセイ。 講談社ェッセイ賞受賞 谷中・根津・千駄木ーー。かってこの地をこ 森まゆみ著明伯東 ~ 只畸人傳んな破天荒なャツが歩いていた ,. 精力的な 聞き書きから甦る % のユニークな人生行路。 東京各地を丹念にたどりつつ、留学、離婚と 森まゆみ著々 , の坂再婚、嫁姑の不和、子供たちとの生活など、 芸術選奨新人賞受賞文豪をめぐる人間模様を描くカ作評伝。
ストリップ小屋、クラブ : : : 夜の世界を 山田詠美著ひざまずいて足をお舐めあ 0 けらかんと遊泳しながら作家となった主 人公ちかの世界を、本音で綴った虚構的自伝。 亠す・イ - ノーー、い 大人でも子供でもないもどかしい時間。まだ、 山田詠美著放田 - 後の立日付恋の匂いにも揺れる歳の日々ーー。放課後 にはじまる、甘くせつない 8 編の恋愛物語。 勉強よりも、もっと素敵で大切なことがある と思うんだ。退屈な大人になんてなりたくな 山田詠美著ばくは勉強ができない し物歳の秀美くんが元気漫剌な高校生小説。 べッドタイムアイズ・指視線が交り、愛が始まった。クラブ歌手キム と黒人兵スプーン。狂おしい愛のかたちを描 山田詠美著の戯れ・ジェシーの背骨 くデビュー作など、著者初期の輝かしい三編。 文藝賞受賞 私の心を支配する美しき親友への反逆。教室 の中で生贄となっていく転校生の復讐。少女 山田詠美著蝶々の纏足・風葬の教室 平林たい子賞受賞が女に変身してゆく多感な思春期を描く 3 編。 黒い肌の美しき野獣、ヤスミン。人間動物園、 山田詠美著アニマル・ロジックマンハッタンに棲息中。信じるものは、五感 。物語の奔流、一千枚の愉悦。 泉鏡花賞受賞のせつなさ・ :
幼い男の子に異常な関心を示す中年女性の屈 。日常の欺瞞性を剥ぎ、歪み 河野多恵子著幼旧ル狩り・・解虫折した心理 = ・ 芥川賞・同人雑誌賞受賞の中に人間性の正確な把握を試みた短編集。 自分の死んだ姿を見るのはマゾヒストの願望。 河野多惠子著みいら採り猟奇譚グロテスクな現実と人間本来の躍動と日常生 野間文芸賞受賞活の濃密な時空間に「快楽死」を描く純文学。 くちびるヘの偏愛「赤い脣」、右半身を恋人 河野多惠子著赤い脣里 ~ い髟友にゆだねる「片冷え」など、偏執、誘惑を軸 に大人の女のエロチシズムを描く短編集 7 編。 もう逢えないはすだったあの人なのに : 小池真理子著水血 ~ 月の ~ 皋生と死、過去と現在、夢と現実があやなす、 妖しくも美しき世界。異色の幻想小説 8 編。 愛した美しい青年は性的不能者だった。決し てかなえられない肉欲、そして究極のエクス 望 小池真理子著欲 タシー。あまりにも切なく、凄絶な恋の物語。 天衣無縫の天才画家・辻堂環が死んだ 月無邪気に、そして奔放に、彼に身も心も委ね 小池真理子著 ~ 蜜 た六人の女の、 , ハつの愛と性のかたちとは ?
河 夜 吉本ばなな Yoshimoto Banana 9 7 8 41 01 5 5 91 7 5 いつから私はひとりでいる時、こん なに眠るようになったのだろう 植物状態の妻を持っ恋人との恋愛を 続ける中で、最愛の親友しおりが死 んだ。眠りはどんどん深く長くなり、 うめられない淋しさが身にせまる。 ぬけられない息苦しさを「夜」に投 影し、生きて愛することのせつなさ を、その歓びを描いた表題作「白河 夜船」の他「夜と夜の旅人」「ある体 定価 : 本体 400 円 ( 税別 ) 験」の、、眠り三部作、。定本決定版。 1964 ( 昭和 39 ) 年、東京生れ。日本 大学芸術学部文芸学科卒。 ' 87 年「キ ッチン」で「海燕」新人文学賞、 ' 88 年 単行本「キッチン』で泉鏡花文学賞、 ' 89 ( 平成元 ) 年 IFTUGUMI 』で山 本周五郎賞をそれぞれ受賞。海外で の評価も高く、イタリアのスカンノ賞、 フェンディッシメ文学賞を受賞。『白 河夜船』・ p 」『アムリタ ( 上・下 ) 』 ( 紫式部文学賞 ) 『ハチ公の最後の恋人』 『ハネムーン』「不倫と南米』 ( ドウマ ゴ文学賞 ) 「体は全部知っている』 『虹』など著書多数。 Photo ◎ Jayne Wexler 新潮文庫 吉本ばななの本 か と キ ッチン ア ムリタ ( 上・下 ) うたかた / サンクチュアリ 白河夜船 吉本ばなな他の本 中吊り 旧Ⅱ刪ⅢⅡ II Ⅷ旧 II 1 9 2 01 9 5 0 0 4 0 0 7 吉本ばなな 小説 I S B N 4 ー 1 0 ー 1 5 5 9 1 7 ー 2 ば \ 4 0 0 E C 0 1 9 ろ な な よ 6 新潮文庫 増子山美 カバーデザイン デザイン新潮社装幀室 カバー印刷錦明印刷 新潮文庫 \ 400
唯 著 淋しさと優しさの交錯の中で、世界が不思議 吉本ばなな著キすッ午 , ンな調和にみちている丨ー〈世界の吉本ばなな〉 海燕新人文学賞受賞のすべてはここから始まった。定本決定版 / 私のプロポーズに対して、長い沈黙の後とか 吉本ばなな著と ナ . げは言った。「秘密があるの」。ゆるやかな癒し の時間が流れる 6 編のショート・ストーリー 東日本電車の中吊りに連載されて話題と なった《中吊り小説》が遂に一冊に / 吉本 吉本ばなな他著中吊り・小「况 ばななから伊集院静まで、楽しさ溢れる編。 その恋は不意に訪れた。すれ違って嫌いにな りたくて、でも、世界中の誰よりもあなたを 唯川恵著夜明け前に会いたい 失いたくないーーー純度燗 % のラブストーリー 愛なんか信じない流実子と、愛がなければ生 唯川恵著亦 5 人たキつの昇きられない侑里。それぞれの「幸福」をむた めの闘いが始まった これはあなたの物語。 泣きたいのに、泣けない。ひとりで抱えてる 「さよなら」が知ってる のは、ちょっと辛いーーそんな夜、この本は たくさんのこと きっとあなたに「大丈夫ーをくれるはずです。
魔性の覇王・信長の奇怪な行動に潜む血の刻 信長あるいは戴冠せる 印。秘められたるロ伝にいわく、両性具有と アンドロギュヌス 日本ファンタジーノベル大賞受賞作。 会いたい、すべての美しい瞬間に。感謝した い、今ここに存在していることに。清冽でせ 吉本ばなな著アム つない、吉本ばななの記念碑的長編。 ( 上・下 ) 人を好きになることはほんと、つにかなしい 、つナ」、刀ュ / 運命的な出会いと恋、その希望と光を 最吉本ばなな著 サンクチュアリ 瑞々しく静謐に描いた珠玉の中編一一作品。 庫 夜の底でしか愛し合えない私とあなたーーー生 きてゆくことの苦しさを「夜に投影し、愛 文吉本ばなな著 , 日河 ~ 攸船 することのせつなさを描いた″眠り一二部作 % 朝 あなたもイジッてるでしょ ? ーーー美と幸福を 姫野カオルコ著敕正形美女競う女たちの優越、恐怖、焦燥、そして希望。 変身願望の虚構を描いた、衝撃の長編小説。 強烈な媚術によっていまや瀕死の美少女・妤。 酒見賢一著陋巷い ~ ~ 仕、り・ 7 診察した医鯢は禁断の医術によ 0 て妤を救え ると断言するが : 一触即発の第七巻。 宇月原晴明著 ー医の巻ー
鄙びた漁村に異国船が現れたとき、惨劇の幕 はあがったーーー土佐に伝わるわらべうたを素 坂東眞砂子著桃色浄土 材に展開される、直木賞作家の傑作伝奇小説。 山妣がいるてや。赤っ子探して里に降りて来 坂東眞砂子著山妣 ( 上・下 ) るんだいやー明治末期の越後の山里。人間の 直木賞受賞業と雪深き山の魔力が生んだ凄絶な運命悲劇。 頽廃と純真の綾なす官能的な恋の火を、言葉 森茉莉著亦 5 人たちの木林の贅を尽して描いた表題作、禁じられた恋の 光輝と悲傷を綴る「枯葉の寝床」など 4 編。 高校で同級生だった男女 4 人組も別々の道を 姫野カオル「著終式歩みだした。あれから年ーー。折々にかわ される手紙だけで綴られた恋愛タベストリー。 奔放に性を表現する短歌でデビューしてから 年。豊かにたおやかに成長した女流歌人の、 林あまり著べッドサイド 「べッドサイド」を核にした全歌集の集大成。 春夏秋冬、日記形式で綴られた、書き手の女 椰「十・椰「十性の摩訶不思議な日常を、山口マオの絵が彩 る。ューモラスで不気味な、ワンダーランド。 山川 口上 マ弘 オ美 、ム
恋に遊びに、ばくはけっこう忙しい。Ⅱ歳の 江國香織著一」、つは 1 レい日々男の子の日常を綴った表題作など、ピュアで 坪田譲治文学賞受賞素敵なポーイズ & ガールズを描く中編一一編。 愛大の死の翌日、一人の少年と巡り合った女 の子の不思議な一日を描く「デューク」、デ 江國香織著つめたいよるに ビュー作「桃子」など、幻編を収録した短編集。 果歩と静枝は幼なじみ。一一人はいつも一緒だ : 。対照的 った。歳を目前にしたいまでも : ・ガーデン 江國香織著ホリ な女性一一人が織りなす、心洗われる長編小説。 夜の散歩が習慣の四歳の私と、タイプの違、つ 江國香織著去乢しのしたの越月二人の姉、小さな弟、家族想いの両親。少し奇 妙な家族の半年を描く、静かで心地よい物語。 ハニラアイスの木べらの味、おはじきの音、 江國香織著亠 9 いカの匂 ) いすいかの匂い。無防備に心に織りこまれてし まった事ども。Ⅱ人の少女の、夏の記憶の物語。 。絵本と ハンサン、ボター センダック、 絵本を抱えて いう表現手段への愛情と信頼にみちた、美し 部屋のすみへ い必然の言葉で紡がれた肪編のエッセイ。 江國香織著
と言うと、彼はその後ひたすら笑いころげた。 小さな店だった。もう それから、お茶を飲みに行った。ビルのすぐ向かいにある、 夕方で、店内には私たちの他、休日を楽しむ何組かのカップルがいて、みんなひそひ そと小声で話をしていた。 「君さっき、いつもの君を早回ししていたようだったよ。どうしていつもあんなふう 船に働かないの。」 夜と彼はたずねた。受けをねらっていろいろな答えを考えたけれど、結局、 河「バイトだから。」 白 という言葉しか出てこなかった。 「よく、わかった。」 と言って彼はまたしばらくくすくす笑った。その低い声が私語をしゃ。へる時の清潔 な響きや、きちんとした動作のまとまりに私は驚き続けていた。今まで、彼のことな んか気をつけて見ていたことがなかったのだ。それから、左手にある指輪にも気づい ていた。でもそのことには触れずにお茶を飲んだ。彼が結婚していることに、本当は 簡とてもがっかりしていた。