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検索対象: 職業としての政治
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1. 職業としての政治

では、強大でナショナルな法律家ギルドによってローマ法の継受そのものは阻止された。ある法 体系がもっ影響力の大きさという点でこれに匹敵するような例は地上のどの地域にも見出せない。 イスラーム インドのミーマーンサー学派には合理的な法学的思惟の萌芽はかなりあったし、また回教でも古 代の法学的思惟の継承と発展がみられたが、神学的な思惟形式による合理的な法思想の圧殺を阻 止するほどの力はなかった。とくに訴訟手続きの合理化が充分でなかった。古代ローマの法律学 は、都市国家から世界帝国にのし上がっていったまったく独自の政治組織の所産であるが、この パンデクティステンカノニステン 古代ローマの法律学がイタリアの法律家に継受され、中世後期のローマ法註釈学者や教会法学者 の手でいわゆる「現代的慣用」が試みられ、さらに、もともと法学的およびキリスト教的思惟か ら生まれた自然法論がのちに世俗化するにつれて、はじめてこの合理的法思想は実現を見た。こ の法学的合理主義の偉大な代表者としては、イタリアのボデスタ、フランスの王室法律家、ーー国 公会 王の権力が封建領主の支配を掘り崩すための形式的手段は彼らの手でつくり出された 議首位主義の立場に立っ教会法学者や自然法的神学者、大陸の君主に仕えた宮廷法律家や学識あ る司法官、オランダの自然法学者と暴君放伐論者、イギリスの王室派と議会派の法律家、フラン ス高等法院の法服貴族、そして最後にフランス革命時代の弁護士などが挙げられる。この法学的

2. 職業としての政治

や、貴族を宮廷に召しかかえ、政治・外交上の仕事に当たらせた。一七世紀にな「てドイツの教 育制度が大きく変わった原囚の一つは、これまでの人文主義的文人に代わって、宮廷貴族の職業 政治家が君主に仕えるようになったことに求められる。 ・ハトリツィアート 第四の範疇はイギリス特有のもので、小貴族と都市在住の利子生活者を含む都市貴族、専門用 語で「貴紳」と呼ばれているものである。この階層はもともと国王が地方の族に対抗して味 セルフ・ガバメント 方に引き入れ、「自治体」の官職に就かせたものであるが、のちになると国王はますますこの階 層に依存するようにな「た。みずからの社会勢力を伸ばすため地方行政の官職を無償で引き受け こンエノトリー は、結局そのすべてを独占し、全ヨーロッパ大陸国家の運命となった官僚制化か とりで らイギリスを守る砦となった。 第五の階層は大学に学んだ法律家である。これは西洋、ことにヨーロツ。 ( 大陸に固有のもので、 大陸での政治構造全体にと 0 て決定的な重要性をも 0 ていた。ローマ後期の官僚国家の手で修正 されたローマ法が後世に及・ほした影響は圧倒的に大きか「た。合理的国家への発展という意味に おける政治経営の革命化の担い手がどこでもこの学識ある法律家であったという事実ほど、その 影響の巨大さをは 0 きり示しているものはない。その点ではイギリスも例外ではなく、ただそこ ュリステン

3. 職業としての政治

一永井荷風訳 ポードレールやヴェルレーヌなどフランス近代の詩人の作品から、 隹木荷風が自らの琴線に触れた詩を選んで流麗な日本語に移した訳詩集。一 〔緑四一ー六〕定価四六〇円 ー。ー仏蘭西近代抒情詩選ーーー <t ・ベルトラン作 / 及川茂訳 深い闇の彼方から現れては消えてゆく幻想の数々 : 埋もれた詩 . レ人ベルトランによる、幽玄な美しさを湛えた散文詩集。 ②夜のガスパ 〔赤五八九ー一〕定価五ニ〇円一 レンプラント、カロー風の幻想曲 挙 呉茂一訳 ヨーロッパ抒情詩の流れをふまえて選ばれた名作を鏤骨の名訳で贈一 るギリシア・ローマ抒情詩集の決定版。《解説久保正彰》 点ギリシア・ローマ抒情詩選 〔赤一一四ー一〕定価六七〇円一 新 ・ : 今月の重版再開 : 庫 定価六ニ 0 円カウッキー編 / 川口・松井訳 定価六二〇円一 文土屋文明自選 波 ローザ・ルクセンプルクの手紙〔白一四 9 一〕 土屋文明歌集〔緑一〇五・一〕 岩 定価七七〇円 定価一一六〇円岡崎次郎・時永淑訳 / サン作 / 河盛好蔵訳 。ーザ【 ~ , 経斉学入門〔白一四 9 二〕 メゾンテリエ他三篇〔赤五五 9 六〕 定価三一〇円一 ベルンハイム著 / 坂口・小野訳定価五七〇円秋元寿恵夫訳 セ、一プク獄中からの手紙〔白一四 9 三〕 歴史とは何ぞや〔青四一四 , 一〕

4. 職業としての政治

111 を常とした。法の合理化、ローマ法の普及に貢献した。なお、二八ページの注 ( シニョ ーリア制 ) を参照。 公会議首位主義 Konzilianismus. カトリック司教の宗教会議 ( 公会議 ) の決定がローマ教会内の最高 意思として教皇をも拘東するという理論。 四一一 8 クレオン Kleon. 422B. C. 死亡。アテネの最も著名なデマゴーグ。ペリクレスのあと、民衆指導者 として活躍。 四一一 8 ペリクレス Perikles, 495 ー 429 B. C. 古代アテネ最大の政治家。民主的改革をおこない、文芸・美術 を奨めて古典古代文化の黄金時代をつくり出した。 四五 9 ノースクリフ「卿ー AIfred C. W. NorthcIiffe, 1865 ー 1922. イギリスの新聞王。保守党の機関紙『デ ・メール』を創刊、のちに『ザ・タイムズ』を買収。有名なドイツ嫌い。貴族 ( 子爵 ) に列せらる。 咒 2 教皇党と皇帝党もともと司教叙任権と教皇の教権拡張政策をめぐってドイツ帝国内に起こった教皇 派と皇帝派の対立が、ドイツ皇帝のイタリア政策によって一三世紀ころからイタリアに持ち込まれ、教皇 党と皇帝党になったが、次第に本来の意味を変えて、イタリア諸都市内部の勢力争い ( とくに商人貴族対封 建貴族 ) の色彩を濃くしていった。 5 テイラー ・システム一人のなしうる標準作業量を科学的に測定し、これを達成するために、たとえ ば特殊な出来高賃金その他を導入した科学的な労働管理制度。アメリカの技師 Frederick W. Taylor, 1856 ー 1915 の創案。

5. 職業としての政治

109 一二世紀ころから北部および中部イタリアで成立した都市コムーネ ( 都市 一穴 2 シニョーリア制 Signorien. 自治共同体 ) は類型的にいって、コンソリ制の段階ーー - 。ボデスタ制 ( 後出 ) ーーカビターノ・デル・ポポロ ーリア制の段階に到達し、や 制の段階を経て、一三世紀末ころから門閥独裁の時代、すなわちこのシニョ がてこれらの門閥が世襲的専制君主に転化することによってコムーネの時代は終わりを告げるが、このコ ムーネの門閥独裁の時代の支配者をシニョーレと呼んだ。彼らは名門の出ではあるが世襲君主ではなく、 市民より成る自治的諸機関も形式的にはなお存続し、コムーネの外観たけは維持されていた。 ヴェ ー・ハーはこのシニョーリア制を、任命制官吏による合理的行政の端緒と考えていたようである。 マクシミリアン帝 Kaiser Max; MaximilianI, 1459 ー 15 一 9. 神聖ローマ皇帝 ( 在位一四九三ー一五一 九 ) 。目前に迫ったトルコ人の侵入の危険に直面して、帝国の改造、ことに行政改革に着手。教会との関係 においては、みずから教皇となって帝国と教会の一体化を実現すべく種々画策したが、ヤーコプ・フッガ ーらの財政援助が得られず失敗。 元カール五世 Kar 一 V , 1500 ー 1558. ハプスプルク家から出た神聖ローマ皇帝 ( 在位一五一九ー一五五六 ) 。 宗教改革を弾圧、のちルッター派のドイツ諸侯とアウグスプルクで和を結び、信仰の自由を公認。 ベトリー・フ 三一一肥「経営」 Betrieb とは「一定種類の継続的な目的行為をいい、経営団体とは行政 ( 管理 ) スタッフを中 ー ) 。したがって近代国家の官庁・政党・ 心に継続的に目的行為をおこなう利益社会関係をいう」 ( ヴェー 大学・会社はいずれも「経営ーないし「経営団体ーである。たたし「経営ーの代わりに「運営」と訳した

6. 職業としての政治

110 場合も多い。 三三 8 。フットカンマーの告示 Der Puttkammersche Erlaß. プロイセン内相ブットカンマ—(R0bert von Puttkammer, 1825 ー 1900 ) の一八八二年の「告示」を指す。 アルトホフ Friedrich と ( h 。ョ 1839 ー 1909. 二五年もの長い間 ( 一八八二ー一九〇七 ) 、。フロイセン文 部省大学学術局の参事官・局長として大学行政全般に強力な発言権をもって君臨した。いわゆる「アルト ホフ体制」である。 三五貶羅門インドのカースト制度で最上位に立っ聖職者層。 三六 9 李鴻章 ( 一八二三ー一九〇一 ) 中国清朝末期の政治家。日清戦争終結に関する下関条約を手がけた。 三八 3 、、、ー マーンサー学派 Mimamsa ・ Schule. インドの正統六派哲学の一つ。ヴェーダンタ学派と並んで、 正統ラモン思想を代表する学派で、『ヴェーダ』聖典を解釈しその儀式を説明するを任とす。開祖はジ ャイミニ ( 前二〇〇ー一〇〇ころ ) 。 三八 8 現代的慣用 "usus modernus" 純粋なローマ法典ではなく、これを学者の解釈や裁判所の運用によっ て現代化し実用化したもの。 ボデスタ Podestå. 一三世紀前半を全盛期としてイタリアの都市コムーネ ( 都市自治共同体 ) で勢力を ふるった法律家的専門高級官僚。「守護職」と訳されることもある。ボデスタは当該都市と全然関係のな い他の都市の出身者であることを必要とし、短期間だけその都市に招かれて最高裁判権をゆだねられるの

7. 職業としての政治

こと・はの贈物岩波文庫編集部編 ー岩波文庫の名句 365 市民政府論飼信成音楽家訪問杉本秀太郎 ことばの饗一旻岩波文庫編集部編在 杉浦明平訳 ー・読者が選んだ岩波文庫の名句 365 在 法の精神・〈、・、訳ンチの手記全 = 冊 現 岩波文庫編集部編 モンテスキュ ロマン・ロラン愛 - の一」」・は ー岩波文庫から ローマ人盛衰原因論田中治男訳ミケランジロの生涯高田博厚訳 栗田伸子 ポール・ゴーガン ポケ , ト恋愛について中村真一郎編 アンソロジー 犯罪と刑罰壟八一訳ノア・ノア前川堅市訳 ゴッホの手紙硲伊之助訳 人間不平等起原論田も岡訳 全三冊 岩波文庫総目録上製・カバ 高村光太郎 社会契約論皹原川ロダンの言葉抄高田博厚編 フランス二月革命の日々喜安朗訳ワーグマン日本素描集清水勲編 ートクヴィル回想録 権利のための闘争上泓一訳ビゴー日本素描集清水勲編 山口静一 茂 法における常識末延・伊藤訳河鍋暁斎戯画集及 デモクラシーの本質ケルゼン 《別冊》 西島芳二訳 と価値 渡辺一夫 法窓夜話穂積陳重増補フランス文学案内鈴木カ衛 ロシャ文学案内金子幸彦 《音楽・美術》 バッハの生涯と芸術柴田も = 郎ドイツ文学案内手塚富雄 高津春繁 トーヴェン 新編 小松雄一郎編訳ギリシア古典文学案内斎藤忍随 の手紙全二冊 モーツアルトの手紙柴田治 = 一郎編訳ことばの ~ 化 ~ 凩岩波文庫編集部編 全二冊 ー岩波文庫の名句 36 5 ロマン・ロラン べートーヴェンの生涯片山敏彦訳

8. 職業としての政治

諸君の希望でこの講演をすることになったが、私の話はいろんな意味で、きっと諸君をがっか りさせるだろうと思う。職業としての政治をテーマとした講演である以上、諸君の方ではどうし たって、今のアクチ、アルな時事問題に対する態度の表明というものを期待なさるだろう。しか し、その点は講演の最後の方で、生活全体の営みの中で政治行為がもっている意味について、若 干の問題を提起する際に、ごく形式的に申し述べるだけになると思う。一方、どういう政治をな すべきか、つまり、どういう 内容をわれわれの政治行為に盛るべきか、といった種類の問題とな きよう というのは、そんな問題は、職業としての ると、今日の講演では一切除外しなければならない。

9. 職業としての政治

フランス二月革命の日々喜安朗訳 《自然科学》 《歴史・地理》 ートクヴィル回想録 ヒボクラテス庫 古い医術について他八第 新宋亂倭国伝・隋都倭国伝石原道博編訳出 ~ 局なる亠名ド = ・プ 0 政恭訳在 ー中国正史日本伝ー 現 訂旧唐書倭国日本伝 ガリレオ・ガリレイ 星界の報告他一第 新宋史日本伝・元史日本伝石原道博編訳古代への情執 山田・谷訳 村田数之亮訳 ー中国正史日本伝 2 トレルチ 老松堂日本行録宋希璟レネサンスと宗教改革 内田芳明訳 ロウソクの科学矢島祐利訳 ー朝鮮使節の見た中世日本村井章介校注ノ ・・ジンストンフランス大革ム叩マチェビーグル号航海記ダーウイン 紫禁城の黄昏 入江・春名訳 全三冊ねづ・市原訳 全三冊島地威雄訳 ヨーロッパ・文化と日ルイス・フロイス種の - . 起原ダーウイン コロンプス航海誌林屋永吉訳 八杉龍一訳 岡田章雄訳注 本文化 全一一冊 インディアスの破壊についてのラス・カサスレし ストウール 槎聞略桂川甫周 自然発生説の検封 一一口山口清三郎訳 簡潔な報告染田秀藤訳 ー大黒屋光太夫ロシア凛流記亀井高孝校訂 テイトウ・クシ・ユパンギ ボアンカレ インカの反乱 スケ幻日本・日己 = = ロ青木枝朗訳科学と反説 染田秀藤訳 ・ 1 ; 河野伊三郎訳 ー 1855 ~ 1861 ー被征服者の声 史松平千秋訳一外交官の見た明治維新アーネスト・サトウ科学の価値ボアンカレ 全三冊 ボアンカレ 改訳科学と方法 ガリア戦記カ , サル回想の明治維新メーチ = 。フ 吉田洋一訳 ア = イ ~ 相対性理内山龍雄訳・解説 谿ゲルマーニア泉井久之助訳註武家の女性山川菊栄 ローマ皇帝伝スエトニウス 数についてデーデキント 戊辰物語東京日日新聞社会部編 河野伊三郎訳 ー連続性と数の本質 全一一冊国原吉之助訳 モンテスキュ 《法律・政治》 ロ 1 マ人盛衰原因論田中治男訳中世的世界の形成石母田正 栗田伸子 高木・末延 十八世紀パリ生活誌 メルシェ人文地理学原理プラー 編 人権宣言集 宮沢 ータブロー・ド・パリ 全二冊原宏編訳 全二冊飯塚・田辺訳 O ・オプリ ナポレオン言行録 世界憲法集第四版宮沢俊義編 大塚幸男 シルクロード〈ディン トマス・モア 魔 女ミシ = レさまよえる湖ヘディン ュートピア 平井正穂訳 全一一冊篠田浩一郎訳 全二冊福田宏年訳 ☆印の書目には、文庫版のほかに活字の大きいワイド版〔判、並製・カバー〕もあります