んが増長させてしまった、という最初のボタンのかけ違いみたいなものがあって、エスカ レートしてしまったけど、あそこまでいかなくても夫婦ってトラブルがあって当然ってと ころもあります。生まれた場所も育った環境も違う二人が同じ屋根の下で暮らすのだから、 お互いに妥協したり尊重したりしていかないとうまくいくはずがありません。トラブルを 乗り越えてこそ夫婦って感じもします。 妙さんと宇佐美さんがスウェーデンで結婚したかどうか、このお話の中には描かれてい けんか ませんが、もし結婚していたら、言いたい事言いあって、ハデに喧嘩して、それでも結構 うまくやっているのではないでしようか。あのふたりならエネルギッシュにトラブルを乗 り越えていきそうな気がします。宇佐美さんの方が妙さんに気を遣って合わせるようにな ったりして。夫婦って相性なんですよね。やつばり。 には、他にも色々な夫婦やカップルがでてきます。 この「麒麟館グラフィティ 1 』 それぞれにドラマがあって、どの人達も素敵なのですが、なかでも特に私が好きなのは 火野くんの両親です。番外編の「ポ 1 トレート』にでてくるエピソード、とても素敵でし た。ほわわんと温かくて、お互いいたわりあっていて、尊重しあっていて、でも、お互い 依存し過ぎてなくて : ・。良いんですよねえ。実はこの夫婦、私の夫の両親に似ているんで す。あの穏やかな雰囲気が。だからよけいに好感を持ったのかもしれませんね。夫の両親 が私の理想なんです。もし『麒麟館グラフィティー』がお芝居になるとしたら、私、火野 309

・エッセイし 山崎佳美 ) つも隣に『麒麟館』を ためいき 『麒麟館グラフィティー』を読み終わって、「ああ、本当こ ) ゝ 。ししなあ」と溜息をついてし まいました。「あ、身近にいるいる ! こんな人 ! 」とか「辛いけど、こんな事もあるよ ねえ」なんて思いながら、お話の中に魅きこまれて一気に読んでしまう快感を、久し振り に味わいました。作者の吉村明美先生ってきっと、本当に人間がお好きなんでしようね。 登場人物の描写にすごくリアリティがある。人間を本当に愛していて、洞察力が鋭くて、 人間関係の機微をよくご存じだから、あんなに深いお話が描けるのですね。つくづく感心 してしまいました。 このお話、読む人によって色々なとり方ができると思います。「恋愛物」ってとる人も いるだろうし、「女同士の友情物語」、はたまた「女性の生き方」ってとる人もいるかもし れません。すごく多面性のある作品だと思います。私にとって『麒麟館グラフィティー』 は「ああ・ : 夫婦」って感じでした。読みながら、夫婦のあり方をもう一回考え直したりし 宇佐美さんと菊子さん夫婦の場合は宇佐美さんが強烈な個性の持ち主で、それを菊子さ 0 け

前にも書いたように『麒麟館グラフィティー』は色々な読み方ができます。何を読み取 るかは、読者のいまいる状況によって、クローズアップされるところが違うということな のではないでしようか。それが友情なのか、恋愛感情なのか、私のように夫婦の感情につ いてなのかは、多分、その人の心次第。毎回読むときに、感動する部分が違うという事も あるかもしれません。 くんのお母さんの役を演ってみたいです。夫をきちんと立てて、引くところは引く、主張 するところは主張する。かっ元気で明るくて、一生懸命生きている、あの美代子さんの役 を、ぜひ。 私の場合は夫が同じ劇団の俳優、という事もあって夫婦というより親友という感じかも しれません。そう。どちらかというと菊子さんと妙さんの関係に近いと思います。いつも 一番近くで私を見守っていて、厳しいけれど温かい言葉を言ってくれる。シビアだけど、 確実に私のためになる事をしてくれる。彼は私のダンスの先生でもあるので厳しいんです よ、レッスンなんか。私の仕事の評価が一番辛辣なのも彼ですし。だからこそ、彼が褒め てくれた時は嬉しいですね。本当に。今は、やつばり私生活も仕事上もパ ートナーって感 じです。でも、いっかは火野くんの両親のようになれれよ ) 。しいな、とも思っているのです ・カ : 370

ならばいっそ 別居したまま 相手の存在なんか 忘れて 自分の生活をやって 、ナま、、んじゃ ないか : いまたって 紙の上では 妻」い , っ一」」に なっていますが 事実上 夫婦なんかじゃ ないし まして離婚を 真剣に考えようと い , フ気も 秀次さんにはないでしょ ちょっと 菊子さん 何投げやりなこと 秀次さんに してみれば 妻としての私なんて 眼中にないわけだし 言ってんですか , いっか秀次さんが ほかの人と結婚したい から君とは別れるって 言えば 離婚すれば ノ 3 側

じゃあ 聞くけレし な僕のものに″って つい , つ意・味 - よ あんたの情婦にでも なれっていうのに そうかもな じゃあ 「恋人」か ? ふざけ ないでよ あたしは 真面目に : 「妻」でも