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検索対象: <自己発見>の心理学
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1. <自己発見>の心理学

・こくぶ・やすたか 一九三〇年生まれ。東京教育大学、同大学院 を経て、ミシガン州立大学院修了。哲学博士。 現在、東京成徳大学教授。専攻はカウンセリ ング心理学。著書に、「 ^ つきあい〉の心理学」 『・〈自立〉の心理学、リーダーシップの心理学」 「チームワークの心理学」ー講談社現代新書ー をはしめ多数ある。 打ち破れない悩みの壁。はてしなく深い落ち込みの奈落・ーー・℃「ねばならぬ」の思い込みが自分自身を呪縛する。 ビリーフを探り出すこと、そして合理性の定規を当てること。陥穽の非合理性に 気づくことがプレイク・スルーのはしまり。解放のための「自己発見」のすすめ。 国分康孝一 幸福の条件・ーー・認められたいと願うのは自分の利益優先ゆえ、 生き方として高級ではないと思う人がいる。 地の塩としての生き方の方が高級だというわけである。 このような考え方には検討の余地がある。 この人生は自分のために用意されたものではない。 したがって世人は私に奉仕するために存在しているのではない。 それゆえ、自分のことは自分でするというのが、 この人生を生きるための常識である。 人は私を認めるために生きているのではない。人に認めてほしければ、 自分で人に認めてもらうよう何かをすることである。 自力で自分を幸福にする。そのことにひけめや恥かしさや自責の念を持っ必要はない。 本書より 自分がます幸福にならないと、人を幸福にするのはむつかしいからである。 現代新書既刊より生きることに悩みはっきものである。 日常さまざまの場面で、人は悩み、落ち込み、ゆきづまる。 本書の著者には『〈つきあい〉の心理学『〈自立〉の心理学』 『リーダーシップの心理学』『チームワークの心理学』があり、 複雑な人間関係のなかで、いかに自己の確立をはたし、より豊かな人生とするか、 著者自身の豊富なカウンセリング経験もましえ、具体的、平易に説く。 充実した人生を楽しむためには、ます″自分″について考えることが必要であろう。 鑪幹八郎『アイデン一一の心理学』、小川捷之『性格分析』は、主体としての「自己」を 把握するための好著。伊藤順康『自己変革の心理学』は、論理療法の格好の入門書。 都留簽大『「出会い」の心理学』では人間関係のトレーニングの実際を紹介する。 齋藤勇『自己表現上達法』は、対人心理学を軸に、人間関係の悩みの具体的解決策を探る。 石塚幸雄『自己実現の方法』は、自己認識と行動のためのガイドブック。これらも併続されたい。 定価〕本体 680 円 ( 税別 ) 4 I S B N 4 ー 0 6 ー 1 4 9 0 4 4 ー 3 C 0 2 1 1 ¥ 6 8 0 E ( 4 ) ・買自己発見〉。心理学 4 講談社現代新書 心理学 ~ 1 9 2 0 2 1 1 0 0 6 8 0 8 〈自己発見〉の心理学ー—目次より ・論理療法の人生哲学 ・「ノー」と言ってよいとき、わるいとき ・フラストレーション・トレランス ・「ねばならぬ」思考からの脱却 ・なおそうとするな、わかろうとせよ ・スキルも学問のうちである ・「それゆえに」の検討 ・愛は恒常ではない ・悟った顔はしない ・認められたい欲求はノーマルである 国分康孝 マークⅡアジアの「豊攘の渦」 カバーイラスト早川良雄 講 談 社 代 新 書 Y680 ☆☆☆☆ ー 044 ・

2. <自己発見>の心理学

ビリーフの各論を解明すると、人々の精神衛生にもっと貢献てきると思う。 私の最初の翻訳は霜田静志の指導によるカレン・ホルネイ著『自己分析』 ( 誠信書房 ) てあ った。それから三十年後の今、論理療法の立場から見た自己分析の啓蒙書を出版し得た。 自己分析・自己点検はどうも私のライフワークのひとってあったような気がしている。 自己分析というのは単に自分個人の問題を省察し解決するというだけのものてはない。 自分個人の間題をつきつめていくと、それは人間誰てもが体験する共通性の高い問題を含 んていることに気づくはずてある ( 例ー嫁と姑の関係、愛の問題 ) 。ロジャーズやムスターカス など自己探索や体験過程を重視する立場の人たちがいうように TO be personal is to be universal ′し ~ のる。 本書が読者の自己省察 ( 自分のビリーフの検討 ) をすすめるきっかけになればと念じつつ筆 をおく 国分康孝 一九九〇年晩秋箱根・山のホテルにて 196

3. <自己発見>の心理学

めるか死ぬかのほかに打開策はないと思い込む。 私も三十代後半から四十歳にかけて、ひばしにされた体験がある。私はそのおかげぞ学 問的にも社会的にも、そして多分人間的にも成長したと田 5 っている。それは次のように考 え方 ( ビリーフ ) を定めたからてある。 「人生てひばしにされるという経験は滅多にない。今、この滅多にしかてきない経験をせ つかく味わっているのだから、滅多にしかてきないことをしておくチャンスてある」と。 ひばしの恩恵 ひばしとは暇ということてある。この暇を活かして私は自分にとっての懸案事項になっ ていた学位論文を完成させた。そしてまたアメリカに一年、交換教授として滞在するゆと りもあった。もしひばしてなかったら、一年間も休暇はとれなかったと思う。 私自身がひばしの恩恵を受けているのて、現在ひばしゃ窓際族てある自分を嘆いている がいたら、考え方を工夫せよと、 考え方を工夫する場合のチェックポイントが三つある。それぞれを解説しよう。 私をひばしにしている人間は私を正当に評価しているか。正当に評価していないー 答えるのがふつうてある。というのは「あの人は ( 例ー上司 ) 私と同じ価値観て私を評価す 168

4. <自己発見>の心理学

も満たしながら自分の欲求充足を考える。つまり、それなりに心理的投資をするわけてあ る。たとえば、人の幸福に寄与する研究て賞をもらう、生徒の成長に全力投球したのて教 え子に毎年招かれるといった具合てある。 ということは、美的な認められ方というのは人に寄与する言動によって認められる方法 てある。これなら大手をふって認めてもらえる。人に寄与するとは外界に好意の念を持っ ているということてある。外界に好意の念を持っているということは、自分の住む心の世 界 ( 認知の世界 ) が広いということてある。 たとえていえば、自宅の庭は自分の一部、自分の子どもは自分の一部、自分の会社は自 分の一部といった心境てある。こういう場合は、認められたからといって何か自分はずる いことをしたとか、自分だけ得をしたとか、自分は要領がよい人ドオ ごという田 5 いは少ない 自分が貢献したことを特に秘する必要を感じない。わが子に対して、「俺はお前のオヤジだ , と認めさせることをためらわない心理てある。 認められないとき イ間が昇任するのに自分の地位はずっと据え置きのとき、認めてもらえない不満が生じ がちてある。厳格に表現すれば、認めてもらえないという出来事そのものが当人を不満に 191 職業生活におけるビリーフ

5. <自己発見>の心理学

健康と長生きのもとにもなる。若いうちから妙に唐った顔をしない方がよい この内に秘 めた攻撃精神を起爆剤にして、捲土重来を期すのがよい。 以上私は、自分がひばしにあったからといって、すべては自分に責任があると自分をせ めない方がよいと説し ところがどう考えても、たしかに自分の落ち度てある、自分が馬鹿だった、ひばしにさ れて当然てある、と判断せざるを得ないこともある。私はそれてもなおかっ、自分はだめ 理由 人間てある、自分の人生はこれて終わりだと考えない方がよいとアドバイスしたい。 はふたつある。 ひとつは、自分はだめだったと百万遍自分をせめたところて、心境に変化が生じるわけ ′しは . な、 0 、 心境に変化の起こらないことをし続けるのは意味がない。てはどうすればよ、 のか。 「今後、同じような失敗を再び繰り返さないためには、自分はどうしたらよいか」を具体 的に考えることてある。たとえば私は今後再びひばしを体験しないために「人が立派な論 評や解釈や推論をしても、ほいほいと動かない。 その人がどう動くかを観察するにとどめ る」と決めた。 ずっとむかし助手の頃にも上司にきらわれて閉ロしたことがあるが「今後は人前て上司 174

6. <自己発見>の心理学

それはこの人生て自分のありたいようなあり方をすることだ。その結果、人が認めてくれ たら、それにこしたことはない。人に認められなくても、自分が自分に『アイ・アム・ O 』といえる人生、つまり自分が自分を受け入れられる人生、自己嫌悪の少ない人生を送 れば、まずはよい人生てあったといえる」と。 194

7. <自己発見>の心理学

に存在しているのてはない。 それゆえ、自分のことは自分てするというのが、この人生を 生きるための常識てある。 人は私を認めるために生きているのてはない。 人に認めてほしければ、自分て人に認め てもらうよう何かをすることてある。自力て自分を幸福にする。そのことにひけめや恥か しさや自責の念を持っ必要はない。 自分がまず幸福にならないと、人を幸福にするのはむ つかしいからてある。 というのは自分が幸福てないと人の幸福が手放してよろこべないからてある。羨望やし っとを持ちがちてある。第二に自分が不幸だと自分が幸福になることばかり考えて、人を 幸福にする余裕は出に くいからてある。第三に自分が不幸ということは慢性のフラストレ ーション ( 欲求不満 ) があるということて、慢性のフラストレーションは自・他に対する怒 りを生みやすい ( これを欲求不満攻撃説という ) 。その結果、自・他に対してきつく当たりがち ぞある。たとえば、自己嫌悪、他者贈悪のように。 たしかに、人に認められるだけが幸福感の源泉てはない。 人に認められなくても、居場 所や所属感を味わえる集団を持っているとか ( 例ー家庭、職場 ) 、人に認められなくても、自 己実現しつつあるとか ( 例ー好きな絵画に没頭している ) 、人に認められなくても生活が安定し ているというのも幸福感の源泉てある。 189 職業生活におけるビリーフ

8. <自己発見>の心理学

フラストレーション歓迎論 人生にフラストレーションはっきものだと言ったが、それは単に止むを得ないから我慢 するよりほかに手がない、 と諦観をすすめているわけてはない。 フラストレーション体験 は人間成長にとって必要なものなのてある。 どういうわけてそれが必要か まず第一 に、フラストレーションを味わうということは、自分をさえぎるものがあるこ とを知るがゆえに「自分」という意識が生まれるという意味がある。我の自覚、つまりア ィネス (lness) が生じるのてある。 幼少期から人にかしずかれて育った人は、自分に対置する他者に気づかないから、自他 の識別がっかない したがって、人の時間は自分のもの、人のお金も自分のものといった 感覚がいつまても続く。ということは、「困ったなあ。どうしたらよいものか」と思案する 機会がない。つまり外界と自分とが一体化しているのて、母の胎内にいるのと同じ状況て ある。 したがって外界 ( 現実状況 ) を判断して自分の行動を選ぶことがてきない。 一見したとこ ろ泰然自若のように見えるが、これは無能、 としうことてある。他者の存在に気づかないか

9. <自己発見>の心理学

依頼に、私は教え子の怨念もこめて断固拒否したのてある。 すべての職場は現実原則が支配している。ということは、職場は競争、自己主張、他者 非難、おせじ、防衛、支配・服従などが常識の場ということてある。こういう現実場面て 生きるには、自力て自分を守る、自力て自分を表明する、自力て人に自分を認めてもらう、 自力て相手を説得する、という心がまえが大切てある。 けんかすべきてはない、自分を認めさせるのは品位のある人間のすべきことてはないと、 自制している人間は、結果的には無力感に陥ってしまう。現実原則から解放されたければ 快楽原則 ( 例ーあそびの世界 ) にときどきふれることてある。しかし現実原則を拒否して、快 楽原リ , 員たけて生きようとするのは非常識てある。 自分は上品ぶって人とけんかもせす、その不満をカウンセラーや親に語り、カウンセラ ーや親に間題解決にのり出してもらうという姿勢はきわめて欺瞞てわがままてある。おと なとは、自分の間題は自分て解こうとする人のことてある。 人をひばしに追いやる人間についての第一二の仮説は自分のいやな仕事を人におしつけ、 自分は困難を回避する心理てある。 というのはいやな いちばんわかりやすい例は、人を辞めさせたいのだが「辞めてくれ」 のて、故意に人のいやがる仕事をおしつけることがある。遠方に通勤、早朝に出勤、気む 172

10. <自己発見>の心理学

いばるべきてはない 社員研修のおりに、 よく耳にするのは最近の管理職者は部下の機嫌とりに走り、その結 果疲れはて、部下からは頼りないと評され : : : という話てある。俺についてこい式のリ ダーがいないというのてある。 民主的な人柄てあらねばならぬという思いがつよいのて、強気に出るのは軍国主義、権 威主義と評されそうて、ついつい遠慮してしまうらしい。つまりいばるのはよくないと思 っている人が多い。これはまちがいてある。それをいうのが本章のねらいてある。 「いばる」」は何か まずいばるとは自分の役割に忠実になることてある。自分個人の人格が偉大だからいば るのてはなく、自分の役割を人に無視されたのては自分の存在理由がなくなるから、自分 の存在を主張しなければならぬ。それがいばるということてある。 すなわち、 い。はるし J よル又ー・ ~ 彳盟に忠実になることてある。役割に忠実になるとは、自分の権 限と責任を自覚し、それを打ち出す勇気を持っということてある。 177 職業生活におけるビリーフ