飲み - みる会図書館


検索対象: N・P
83件見つかりました。

1. N・P

198 私がずっと見ようとっとめていた奇妙な夢の狭い世界に、ある衝撃を伴ってあなたの存 在が入り込んできたのです。 あなたといると楽しかった。きっとあなたはずっとそんなふうに生きていくんでしよう。 おもしろい人生ですね。あなたをじっと観察していたら、そのぬけたところや、陽気さ、 不器用さ、人の良さ、暗さ、仕草、よく見ていたら、何だか自分のことも少し好きになれ そうな気がしてきた。ほかの人々も。世界がそのままの姿で初めて自分の中になだれ込ん がくぜん できたような気がしました。愕然。 そしてあなたの姿かたち、私が何かを問いかけたことの答え、そんなことだけではなく、 あなたの持っ色が目に映るいろいろなものに反映されるようになってきて、もしかして出 口があるような気がしてきた。太陽や道路や車、道端の草花、ビルの窓。道ゆく人々に目 が 2 つあって、鼻が 1 つ、ロが 1 つあること。 でも今、最高にあなたに似ているように思えるのは、ポストです。ポストはどこにでも あり、かっ捜そうとするとなかなか会えない。心細い街角に不意にあったり。晴れた日も 雨の日も夜中も、世界中に、まるで夜空の月がすべての水に映るようにポストはある。 今、私の住んでいるところにも。 あの雨の夜、別れがたくて、まるで売られていく子馬みたいに、乙彦がいてあなたがい たこの夏が感傷的で、後ろ髪を引かれたり、戻りたくなったりしないように、車の中でポ

2. N・P

げてゆく言葉というものに、深い興味を持ったのだ。瞬間と永遠を同時に含む道具。 治ったのもまた、突然だった。 その日は雨で、私と、学校から帰ってきた姉は 2 人でこたつに入って母の帰りを待って いた。私は寝転んで、眠るでもなく雑誌を読む姉のほうをばんやり見ていた。姉は、ばら りばらりと水滴が落ちるような規則正しさでページをめくっていた。隣家のの音が雨 音ごしに聞こえてきていた。窓は蒸気で曇り、部屋は暑いほどにあたたまっていた。私は 思った。 ーの袋を両手一杯に抱え、少し疲れた顔をして帰っ もうすぐ母はいつものようにスー てくるだろう。朝の残りのみそ汁、できあいのお惣菜、母特製のサラダ、果物。ご飯のた ける匂いの中で、母はたち働き、でき上がったら私と姉がごはんをよそう。食べ終わって、 英語を勉強して、を見て、お風呂に入って、お休みと言って眠る。うとうとしはじめ たころ、隣の寝室に母が入ってゆくスリッパの音が聞こえる。 熱い幸福だった。 3 人なのに大勢いるような安心感があった。 そこで姉が言った。 「風美、寝てるの ? 」 コっ , つん。」 と私は言った。いざ声を出してみると何てことなかった。ただ、自分の声が遠くに聞こ ふろ そうざい かか

3. N・P

偉大なるのほほんの大家、大槻ケンヂが指南つか のおと のほほん雑コ心帳大槻ケンヂまつる「のほほんのススメ」。風の吹くまま気の 向くまま、今日も世の中のほほんだ ! 会社乗っ取りを企む非情な一匹狼。私利私欲をむ 蘇える金狼全二冊大藪春彦さばり、甘い汁に群がる重役たちに容赦ない怒り が爆発。悪には悪を、邪魔者は殺せー 少女の頃から「アンネの日記」に大きな影響を受 洋子けてきた著者が、そのゆかりの人と土地をたずね セアンネ・フランクの記慮 て書き下ろした魂をゆさぶるノンフィクション。 劇しい演技で、純粋すぎる愛で人々を魅了した女 ス欲望という名の女優 長田渚左優の生涯を克明に、敬愛をこめて綴った慟哭のノ ー太地喜和子ー べ ンフィクション。 庫 日本に暮らす韓国人ホステスの姿を通して発見し お そんふあ 文スカートの風 呉 釜ロ花た、日本と韓国の文化、伝統の素顔。新世代韓国 日本永住をめざす幃国の女たち 人女性による衝撃のベストセラーを文庫化ー・ 角 ク 絶滅したはずのプレシオザウルスの子を発見した 遠い海から来た OOO 景山民夫洋助。奇跡の恐竜クーと少年とのきらめく至福の 日々がはじまったが : 。直木賞受賞作。 癌を患う老ヤクザが、死期迫るなか危険な駆け引 ねむ きを試みた。裏切りと策謀の裏社会を舞台に、新 香納諒一 夜の海に瞑れ たなるロマンの楔を打ちこむ、香り高き冒険小説。 くさび