メカニズム - みる会図書館


検索対象: 森田療法
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1. 森田療法

い ' 」ら畄溢血になることもあるてしょ , フし、心臓カ止まってしま , フことだってあるてしよう。 ことい - んるん、てしょ - フか」 身体の症状がはっきりと出ているのに、なんて心の病気だ そこて筆者は、子さんとしばらく話をして彼女が落ち着いた頃をみはからって、血圧を測 った。血圧は上限が一三〇、下限が八〇てあった。筆者は彼女の疑念を打ち破るために、血圧 計の目盛を見せ、水銀柱が下がってきて上下に動揺した所が上限だと教え、血圧計を注視させ た。その結果、彼女は精神的に安静のときに血圧を測れば正常血圧なのだと認めざるを得なく なった。つまり彼女は血圧を測るという事態に直面したとき、すてに血圧が高いのてはないか とう予期不安にとらわれ、その結果、精神交互作用の心理的なメカニズムと情緒回路の生理 的なメカニズムを通して血圧が上昇しているのてあった。 治癒への過程 こうしたことを機縁に、彼女は自分の心と身体のメカニズムを自覚するようになり、徐々に 自分が心理的に「とらわれ」ているがための病てあることを認めるようになった。 診療を続ける過程て、彼女は自分の神経質性格と病気のメカニズムを自覚するようになった が、なかなか外出に踏み切っていくことはてきなかった。しかし、次第に自分の不安を認めな 156

2. 森田療法

精神交互作用のメカニズム 一般的な刺激 0 心身に対する反応が起こる 自分にとって都合の悪 い刺激および反応を拒 否する 0 0 拒否すればするはど、 そのことが新たな刺激 となって、さらに心身 の変化が増強される 具体的に心身の変化が 現われるので、さらに それをなんとかして打 ち消そうと無駄な努力 をする。それがまた新 しい刺激となる 消退する 0 精神交互作用の悪循環 が起こる 75 神経質 ( 症 ) のメカニズム まったく平常に復元す る

3. 森田療法

ー神経質 ( 症 ) のメカニズム

4. 森田療法

いと努力したら、どういうことになるだろうか。おそらく、努力をすればするほど緊張が強く なり、自分の意に反してうまくいかなくなってしまうはずてある。 つまりそれは、次のような心理的メカニズムに準拠している。 たとえば一例として、しよっちゅう喋るときに震えがちなある人が、震えまい震えまいと努 力をした結果、かえって震えがひどくなり、会場て立往生して会議をやめてしまったとする。 この場合、彼はまだ喋っていない時期から、もし自分が震えたらどうしようという「予期不安」 にとらわれていたのてある。そして上手に喋ろうとすればするほど、その「予期不安」は拡大 され、実際に喋る段になると、緊張ばかりが大きく目立つようになって、話の内容が忘れられ てしまうのてある。そこてしまったと思い うまく話そうと考えて年れば焦るほど、むしろマム イナスなストレスが話すという行為の上に重なってゆき、ついには立往生する結果になって、ニ 逃避せざるを得なくなってしまう。つまり、「精神交互作用」とは、自分にとって不都合な心身メ の の弱点を取り除こうと努力をすればするほど、逆にそこに注意が集中し、結果としては自分に 症 質 不都合な症状 ( 神経症の症状 ) を引き出してしまうことをいうのてある。 経 心ー身のメカニズム あ

5. 森田療法

ひた に浸っているうちは、患者はそれなりに楽てあり安心感をもっていられるが、一方、現実から の遊離はひどくなるばかりぞ、その点て神経症はいよいよ悪化していくのてある。 神経症を生むメカニズム 以上、神経症をつくりだす要因について、主なものを述べてきた。まず第一に考えられるの は、森田のいうヒボコンドリー 性基調を内包した素質てあり、その上に、第一章て述べたよう な人格発達の過程が重ねられ、神経症発症の素地がてきあがる。そこへ誰にてもある精神交互 作用のメカニズムが、神経症者には特に強く働き、〃かくあるべしみという理想状態を設定して 無理が生じ、気にすまいと田 5 えば田 5 うム 現実にそのような状態をつくり出そうと田 5 えば田 5 - フほど ほどその点に注意が集中し、ますます苦痛が増強されて、そこに神経質症状が固着するというニ カ メ のが、一般的な神経症の成立様式てある。 の また「とらわれ」がひどくなるにつれて、それと反比例して現実て生き生きと生きるという 症 自由を失いがちになる。その上、自分にとって都合のよい理由をつくって合理化し、その裏て質 逃避をするという「はからいの行動」をとるようになる。そして結果としては、現実に背を向神 け、自分の心身のマイナスな点のみを気づかい、自分を劣等視し、孤立化し、ときによっては

6. 森田療法

「最後の自由」ーー・追悼・岩井寛先生ーーー松岡正剛 3 はじめに 「森田療法」とは何か : 1 ー森田療法の基礎理論 1 ー「生の欲望」と人間 2 ー人間心理の発達過程 3 ー「生の欲望」の二面性 2 ー神経質 ( 症 ) のメカニズム : 1 ー神経質 ( 症 ) 者の性格 2 ーー「ヒボコンドリ ー性基調」とは何か 目次

7. 森田療法

2 をとりやすい。これは神経質 ( 症 ) 者が、相反する感情を内在させ、相反する物事を包含しなが ら生きているという事実を受け入れるだけの、心の余裕と豊かさをもちえないがためてある。 したがって、神経質 ( 症 ) の治療は、西欧における精神療法とは異なり、症状を取り除くこと てはなくて、それを人間性の一部、あるいは現象そのものとして受容てきるような人格を、日 常行動を通じて獲得せしめる点にあるのてある。 以上のようなことを念頭において、神経質 ( 症 ) を理解していただければ幸いてある。そこて、 神経質 ( 症 ) がどのような症状から成り立っているのかを、これから検討してみることにしよう。 神経質 ( 症 ) の類型 森田は、前述のような要因をそなえた神経症の一部を「神経質」と命名したが、そのなかに 三つの大きな分類を行なっている。これらは病型は異なるが、いずれもヒボコンドリー性素質 の上に成り立ち、「生の欲望」が存在し、完全欲にとらわれていて、精神交互作用のメカニズム いて発症するということては共通している。そこて、以下に三つの類型を紹介することに

8. 森田療法

果を挙げうることについて一生懸命に考え、努力するようにしました。すると面白いことに、 客観的にみると、先生はあがらないとか、落ち着いているとかいわれるようになったのてす」 以上の会話からもわかるように、 べテランのアナウンサ 1 は、そうあっては困るということ を一生懸命に取り除き、なきものにしようと努力をしながら、現実にはその逆に症状が出てき てしまい それに苦しんていたのてある。つまり彼は精神交互作用の悪循環の鎖が切り離され ないて困っていたのてあった。 逆に筆者の場合には、神経症治療における長い体験を通して、精神交互作用のメカニズムに とらわれることなく自己表現がてきるようになっていたのてあり、自分が少しても表現しよう とする自己目的をある程度実現することがてきるようになった。 方 ある新聞記者の場合 治 以上の例は、ごく日常的なことて、読者の方々もこれと同じような体験をもったことはある はずてある。このアナウンサーの場合は、十数年間、足が震えながらも立派な仕事をしてきて質 神 いるのて、神経症とはいえない。 しかし、筆者を訪れた四十八歳の氏の場合は、明らかに神経質 ( 症 ) の範囲にある人といえ

9. 森田療法

レスを感じているのてあるから、自分がストレスフルに感じている現実から不安・恐怖として 意識された症状を楯にして、逃避をしようと試みるのてある。 「恐怖突入」による克服 以上のように、神経質 ( 症 ) の中ても、対人恐怖症と不安神経症をとり上げてみると、基本を 成すヒボコンドリー性基調、完全欲へのとらわれなどの基本的なメカニズムは共通していると しても、その症状の形成過程や表現過程にはかなりの差異がある。したがって、治療も一律て にとくに重要な治療方法がある。それは一言ていうならば、「恐怖突入」 はなく、不安神経症 い - フこし」、てある。 対人恐怖症者の場合ならば、不安は「あるがまま」にして人間関係を豊かに保ち、交わりの 和を広げていくことが重要てあるが、不安神経症の場合には、恐怖という一種の不安の極限状 態を「あるがまま」にしつつ、自分が最も困難とする状況の中に「突入」していかねばならな いのてある。 不安神経症者の場合、現実に起こることを不安にしているのてはなく、「予期不安」によって 重大な事件が起こるてあろうことを想定し、それを不安にしているのてある。したがって、思 たて 110

10. 森田療法

た日常的な現実に背を向けてしまう。 それては、神経質 ( 症 ) を治すためには何を心掛けていったらよいのてあろうか。まず第て 大切なことは、自分自身が精神交互作用の矛盾を引き受け、症状に「とらわれ」、しかもその症 状から「はからい」によって現実逃避をしようとしている自分の現状を、つぶさに認めるべき てある。 とはいっても、「とらわれ」に自由にされ、真実が見えなくなり、現実から背を向けようとす 症状と自己と現実生活 る神経質 ( 症 ) 者には、正当て客観的な自己判断がてきるものてはない。 の間における関係が充分に把握されておらず、自己洞察がてきていないからてある。そこてま ず神経質 ( 症 ) を治すために重要なことは、精神交互作用のメカニズムを打破することてある。 方 治 あるアナウンサーの体験 たとえば、筆者があるテレビ局に出演依頼をされて出かけたとき、かなりべテランのアナウ 2 質 ンサーが筆者にこういったことがある。 経 「先生は精神科医だから、心の自己訓練がてきているんてすか。指し棒てパネルを指していて神 も何ら震えるところがありませんてしたね。大方の人は落ち着いているように見えても、指し川