背中 - みる会図書館


検索対象: 羊男のクリスマス
6件見つかりました。

1. 羊男のクリスマス

「だってこんなところに降りちゃったから」 「ここがその場所だからさ」と奥さんは言った。 「ここはあなたの家から百メートルも離れてい ないじゃありませんか ? 」と羊男はあきれて言っ た「これなら何も背中に乗せていたたかなくたっ て、歩いても簡単に来れましたよ」 「。てもあんた、そうしたらあたしの部屋の掃除な んてしてくんなかったろう ? 」 「そりやまあ、そ , フてすけど」 「それにあたしや、遠いなんて一言も言わなかっ たよ。ただ背中に乗っけてってやれなくはないっ て言っただけだもの」

2. 羊男のクリスマス

「まったく呪いのおかげてひどいめにあうんた から」と羊男は奥さんに聞こえないようにぶつぶ っと文句を言った。 「さてさてきれいになったねえ」と海ガラスの 奥さんは満足そうに言った。「家というのはこれく らい片ついてなくっちゃ」 「じゃあ、その場所につれてってくれますね」 しいともさ。あたしは約束は守るよ。ほら、あ たしの背中に乗りな」 男が背中に乗ると、海ガラスの奥さんはひょ いと空に飛びあがった。羊男は空を飛ぶのは

3. 羊男のクリスマス

りやまずいね」と奥さんは言った。「あんた違 , フ出口に出ちゃったんた」 「じゃあもう一度もとに戻らなくっちゃ」 「そりや駄目さ。一度来ちゃうともとには戻れな い」と奥さんはくちばしを左右に振って言った。 「ごだしあたしがあんたを背中にのせて呪いをと くことのてきる場所につれてはいける」「そうして もらえると嬉〔しいてすけど」と千男は一一一口った。 「。てもあんた重そうだね」と海ガラスの奥さんは 用、い深げに一一一口った。 「重くないてす。四十一一キロしかないんてす」と 羊男は三キロごまかして言った。

4. 羊男のクリスマス

「ちょっとうカカしたいんてすが、ど - フして聖羊 上人様は夜中に道を歩いておられて、どうして道 に穴なんかが開いていたんてすか ? 」 「そんなことわしは知らんよ。なにせ二千五百 年も昔のことじゃもの、そんなのわかるわけない じゃないかしかしとにかくそう決まっておるん おきて たよ。それが掟というものだ知っておろうが攵 らなかろうが、掟を破れ兄 : 。 ー卩 ( カカカる呪しカ かかれば、羊男はもう羊男てはなくなってしまう んだ。君が羊男音楽をてきん理由はそこにあ るのだ。うん」

5. 羊男のクリスマス

「よれ見ろ、君が不注意だからこんな豺目におち 。、士方ないやつだな。し いることになるんた。イ かしドーナツをもらったことてもあるし、ここて 私が教えてあげよう」と羊博士は言った。「いいカ ね、十一一月一一十四日はクリスマス・イブてあると 同時に、聖羊祭日てもあるんだ。つまりこの日は 聖羊上人が夜中に道を歩いておられて、穴に落ち て亡くなられたという神聖な日なんじゃ。だから その日に穴のあいた食物を食べちゃいかんという のは昔むかしからきちーんときまっておることな んじゃよ。マカロニとか、ちくわとか、ドーナッ とカ、イカ・リングとか、たまねぎの輪ぎりとか そ - フい一フものをな」

6. 羊男のクリスマス

うんと小さい頃 私はおもちやを壊す名人だった ロ、ポットてもジープても機関車ても 手に入れて半日もたたないうちに壊してしまう ど - フして動くのか知りたくて ちょっと内部を覗いてみるつもりてドライバーやペンチを手にするのだが いつの間にか分解作木それ自体に夢中になって 気がつくと収拾不可能な状態になっているのだった 本物の電車に乗っていても 市・内のあちこちのネジが気になって仕方がなかった あれらのネジを一本一本はすしていけたらどんなにい : 電車が走りながらハラバラと解体されてい そんなアニメーションのギャグのような光景が頭に浮かんだ 五歳のクリスマスの朝 目を覚ますと枕もとにプレゼントが置いてあった それはおもちゃてはなかった 新しいクレバスと新しい画用紙のパッドだった サンタクロースも考えたものだ 仕方かないのて私はそれらを使って絵を描いご 丘の上てカウポーイが馬に乗っている絵だった たろ - フと田 5 った -6