グ、ググガーツ 「ガオーツー ごえ と、トラたちのさけび声や、うなり声がきこえていました。 けいきはどうだい。たらふく、くってるか。」 「ガオーツー もちろんさ。もう、はらがいつばいで、は 「グガーツー ちきれそうだ。」 「グオーツ ! おれもだ。くいものなんて、しばらく見る のもいやだね。」 にと、つ ぬま いまもニ頭のトラが、沼のほとりでであい、そんな話を しています。 ジャングルには、バナナやらマンゴーやらバイナップル はなし
と、つ このはらへらしやろーっー・おまえなんか 「グオーツー につかまるえものがいるもんかよーっ ! 」 「グガーツ ! そうだ、そうだ。よそにいって、自分のこ とをトラだなんていうんじゃねえぞーっ ! 」 しまのねえトラなんて、トラじゃねえんだ 「グオーツー からなーっ ! 」 にと、つ ニ頭のトラにそんなふうにいわれても、ジャングルから みず でてきたトラはだまって水をのんでいます。じっさい、ニ 頭のトラがいったとおり、ジャングルからでてきたトラに は、黒いしまもようがなかったし、えものがとれずに、お くろ じぶん
とささやいてから、ジャングルか おおごえ らでてきたトラにむかって、大声 をはりあげました。 「グガーツ ! おおい、そこのし みず まなしやろうー・水だけじゃあ、 はらいつばいにならねえぞー っと、つ すると、も、つ一頭のトラも、ど ごえわるくち なり声で悪口をいいました。 「ちょっと、からかってやろう
でしよう。しまのないトラをおいかけてきました。そして、 おいかけながら、 きよ、つも 「グガーツ ! おおい、しまなしやろうーっー はらペこかあーっ ! そんなに走ったって、おまえなんか に、えものがとれるもんかよーっ ! 」 わるくち なんて、悪口をいって、わめいています。 わるくち いままでは、もしすれちがいさまに、ほかのトラに悪口 をいわれたら、しまのないトラは走ったりしませんでした。 そういうときに走ると、いそいでにげるのだとおもわれる からです。そうおもわれると、どこまでもおいかけられて、 114
みず ぬま あるとき沼のほとりで、しまのないトラが水をのんでい ると、一頭のトラがジャングルからでてきて、こちらにち かよってきました。 しまなしやろうじゃねえか。えものがとれ 「グガーツー みず ねえんで、また水をのみにきたってわけか ? 」 ジャングルからでてきたトラは、そこまでいって、こと ばをとぎらせ、しまのないトラをしみじみながめてから、 くち またロをひらきました。 「ガオッ ? おめえ、ちょっと大きくなったか ? 小とるのか ? ハナナをくってると、 っと、つ おお 126