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検索対象: しまのないトラ : なかまとちがってもなんとかうまく生きていったどうぶつたちの話
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1. しまのないトラ : なかまとちがってもなんとかうまく生きていったどうぶつたちの話

あなたはわたしとおなじ、ウマなの ! 」 「ウマ ? つのがないバイソンは、あいてがいっていることばのい みがわからず、首をかしげました。つのがないバイソンは、 ウマというのがなんなのか、しらなかったからです。 「ついてらっしゃい。そうすればわかるから。」 じぶん 自分のことをウマといった女のバイソンはそういって、 自分のむれがいるほうに走りだしました。 なんだかわけがわからず、つのがないバイソンがついて いくと、どうでしよう。そのむれには、つののあるバイソン じぶん おんな

2. しまのないトラ : なかまとちがってもなんとかうまく生きていったどうぶつたちの話

じぶん 男のバイソンたちはよくけんかをします。だれが自分よ 丿つよくて、だれが自分よりよわいか、たしかめるため です。 たとえば、むれのなかで四ばんめにつよいハイソンが五 ばんめにつよいハイソンとすれちがうと、五ばんめのほう みち が道をゆずります。五ばんめのバイソンがよそみをしてい て、四ばんめのバイソンに気づかなかったりすると、四ば んめのバイソンは五ばんめのバイソンをどなりつけます。 みち さっさと道をあけんかいー 「おい、こらーっー すると、五ばんめのバイソンはペこペこして、 おとこ よん ご じぶん よん よん

3. しまのないトラ : なかまとちがってもなんとかうまく生きていったどうぶつたちの話

あし タコがなかよくするなんてなあ : : : 。」 ふたりを見たイカやタコたちは、どの足がどっちの足か 、じゅ、つはつ。ほん わからず、ぜんぷで十八本だから、タコとイカがなかよ くしているとおもうのです。 じぶん ふたりを見たのがイカなら、自分とおなじ十本ノ ( 、 足のイカが八本足のタコとなかよくしているのだとおもい、 じぶん はつばんあし もしふたりを見たのがタコなら、自分とおなじ八本足のタ じゅっぱんあし コが十本足のイカとなかよくしているとおもうのです。 そして、ふたりを見たイカのなかには、 〈へえ、世のなかには、タコとなかのいいイカもいるんだ はつばんあし あし じゅっぱん あし

4. しまのないトラ : なかまとちがってもなんとかうまく生きていったどうぶつたちの話

とっぷゃいてから、いいました。 かわみず じぶんかおみ 「あなた、川の水にうつった自分の顔を見たことがないの ? 」 「あるけど、それが : つのがないバイソンがさいごまでいいおわらないうちに、 ます。 「そうだよ。だけど、それがどうかした ? つのがないバイソンがそういうと、女のバイソンは、つ かお のがないバイソンの顔をしみじみ見て、 「どうやら、じようだんをいっているんじゃないみたい おんな

5. しまのないトラ : なかまとちがってもなんとかうまく生きていったどうぶつたちの話

それでもまだ小さいときは、つのが せ ないことも、背なかがたいらなことも、 かお 顔にもじゃもじゃの毛がないことも、 それほどめだちませんでした。 でも、だんだん大きくなるに 0 れ、 / イ じぶんわるくち なかまのバイソンたちが自分の悪口を みみ いっているのが耳にはいってくるよう になりました。 「ちょっと、あいつ、なによ。大きく なっても、つのがはえてこないわよ。 ちい おお おお

6. しまのないトラ : なかまとちがってもなんとかうまく生きていったどうぶつたちの話

あたま 自分がバイソンだとおもっていたんだ。それで、頭につの かなくて、みんなにばかにされていた。だけど、おとうさ あたま んになかったのは、頭のつのだけじゃなくて、バイソンた ゅ、つき ちのむれからはなれ、ひとりで生きていく勇気だった。ウ あし マにとってだいじなことは足のはやさだが、それだけじゃ ない。ウマだろうがバイソンだろうが、いちばんだいじな ゅ、つき のは勇気なんだよ。 じぶん

7. しまのないトラ : なかまとちがってもなんとかうまく生きていったどうぶつたちの話

たか 高いところにえものをおいつめれば、えものをつかまえ やすいし、がけの上でまっていて、下をとおるえものにと びかかるという方法もあります。 しまのないトラは、いろいろくふうをして、狩りをしま はやし けれども、しげみや林にかくれて、えものをとるという じぶん ことは、けっしてしませんでした。自分にはしまがないこ とは、いやというほどわかっているし、そんなことをしな くても、じゅうぶんに狩りができたからです。 ほ、つほ、つ 、つ、ん した 125

8. しまのないトラ : なかまとちがってもなんとかうまく生きていったどうぶつたちの話

つのがないバイソンはその女のバイソン こえ にちかよって、おそるおそる声をかけてみ ました。 「こんばんは : 「こんばんは。あなた、・ とこからきたの。 み かお うちのむれじゃあ、見ない顔だけど。 こ、ん おんな 女のバイソンの声は、ふつうの女のバイ ソンより高く、すんでいました。 じぶん つのがないバイソンは、自分のむれがい るほうを鼻でさししめし、 おんな おんな 0 0

9. しまのないトラ : なかまとちがってもなんとかうまく生きていったどうぶつたちの話

るだけでした。なぜなら、足のあるヘビは、気がっ ぬま いたら沼のほとりにいて、おと、つさんのことも、お かあさんのことも、おばえていなかったからです。 足のあるヘビは、ほかのヘビたちとなかよくして いました。 ヘビどうしでレスリングをすると あし きは、足をつかわないようにしました。みんなに足 あし かないのに、自分だけ足をつかうのはずるいとお もったからです。 そうそう、なかまにはだまっていましたが、足の 小しぎな力がありました。たとえば、 あるヘビには、 あし じぶん ちから あし あし あし

10. しまのないトラ : なかまとちがってもなんとかうまく生きていったどうぶつたちの話

といって、またどこかにとんでいってしまいました。 しまのないトラだって、トラです。トラにはトラのほこ りがあります。たとえおなかがすいて、バナナなんかをた じぶん べてしまうことがあっても、それは自分でとったバナナで す。だれかにめぐんでもらったわけではありません。 えものをめぐんでもらうなんて : そうおもうと、トラはなさけなくて、なみだがでてきま した。けれども、しまのないトラはものすごくおなかがす いていました。はずかしく、なさけないとはおもっても、 ワシがくれた鳥をがまんできなかったのです。 とり・ 108