盗ん - みる会図書館


検索対象: ヒッコリーロードの殺人
276件見つかりました。

1. ヒッコリーロードの殺人

253 警察署の一室で、ナイジェルはシャープ警部の鋭い目を気づかわしげにのそきこむようにして 見た。彼はややロごもりながらたったいま供述を終えたばかりだった。 「チャブマン君、きみがいま語ったことは非常に重大たよ。それは、きみもわかっているたろう 「もちろんわかってますよ。重大な話でなきや、わざわざこんなところへやってきませんよ」 「そうすると、ミス・レインは、モルヒネの入った重曹の瓶がいつなくなったのか、正確には思 い出せなかったわけだねー 「彼女は頭の中がこんぐらかってるんで、思い出そうとすると、ますますあいまいになってしま うらしいんですよ。・ほくが彼女を混乱させているのだといったりしてね。ま、彼女は・ほくがこち らへきている間に、静かに考えてみるそうです」 「じゃ、さっそくヒッコリー トへ行ってみよう」 そのとき、机の上の電話が鳴った。ナイジェルの供述を筆記していた警官が、手をのばして受

2. ヒッコリーロードの殺人

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3. ヒッコリーロードの殺人

〈 3 〉 「ヴァレリ、ちょっと相談にのってくれない ? 」 「ええ、もちろん助言してあげてもいいわよ、ジーン。もっとも、なぜみんなが助言してもらい たがるのか、あたしはわからないけどね。それを聞きいれたためしがないんだから」 「じつは、良心の問題なのよ」 「たったら、あなた、それはおかどちがいよ。あたしは良心といえるようなものをなんにも持っ ていないのだから」 「いやだわ、ふざけちゃ」 「ほんとの話なのよ」と、ヴァレリはタ・ ( コをもみ消しながらいった。「あたしはパリからドレ スを密輸してるし、例のサロンにくる醜い女たちにひどい嘘をつくし、お金に困ってるときは、 その粉をお湯にといて目を洗ってた。彼はいつもそれを浴室においていたところが、ある日それ がなくなっちゃったので、かんかんになって怒ってましたよ。あれが、硼酸たったんですね」 「いったい硼酸がどうしたっていうの」 「そのうちに説明しますよ。いまはちょっとまずいんです。も少し考えてみなくちゃ」 「危険なことをしちゃだめよ」と、サリーはいっこ。 「こんどはあなたが死体になったりしてほ しくないわ、アキポンボ」

4. ヒッコリーロードの殺人

181 「えつ、あしどり ? 「つまり、彼を探していたんだろ」 「そうそう、そうなんです。警察はまもなくやつをふん捕えて、女を食いものにしてたというこ とで監獄へぶちこんじゃったそうですわ。まったくひでえことをする野郎だ。ここはりつばな寮 ですからな。そんな野郎はここにはおけませんよ」 「で、それが電球のなくなった日だったわけ ? 」 「ええ、そうです。あっしがスイッチを入れても、ぜんぜん電灯がっかねえんで、社交室へ入っ てみると、電球が一つもなくなってるんですよ。で、予備の電球をつけようと思って、そこのひ き出しを探してみたら、確かに入れてあったはずの電球が・せんぶなくなってるんです。それで、 あっしは調理場へ行って、マリアに、予備の電球をどこへやったんだと訊いたんですがね。・ーーそ したら、あいつは警察がきたことが気に入らなくて怒っていたので、予備の電灯なんかあたしの 知ったこっちゃねえとどなるもんで、あっしは仕方なしにろうそくを持って行ったんです」 1 ド夫人の部屋へ通ずる ボアロはその話を考えめぐらしながら、ジェロニモの後についてハ 階段を登って行った。 ド夫人は悩み疲れているような様子だったが、嬉しそうに彼を迎え入れた。そしてすぐ 一枚の紙をさし出した。 「できるだけ正確な順序に並べたつもりですけど、いまとなっては、百パ 1 セント正確だとは保 証しかねますわ。何カ月も前にあれやこれやと起こったことなので、思い出すのがとても難しい んですの」

5. ヒッコリーロードの殺人

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6. ヒッコリーロードの殺人

すか。うちは英国文化振興会や、ロンドンの大学生寄宿世話局や、方々の大使館や、フランスの リセからも学生が送られてきてるんですよ。だから、空部屋ができると、申し込みが三つ以上殺 到するのです」 「それは、この寮の食事がおいしくてしかもたっぷり食べられることが大きな原因だと思います わ。若い人たちは満足な食事のできることが大切ですもの」 「ふん、この計算書をみてごらんなさい。ごまかしにもほどがあるわ。きっとあのイタリア人の コックとあいつの亭主がぐるになって、あなたをたましてるのよ」 、え、そんなことをするような人たちじゃありませんわ、ニコレティスさん。ここにはわた しの目をごまかしてずるいことをするような外国人は、一人もいませんわ」 「じゃ、あなたですよ・ーー・・泥棒はあなた自身です ! 」 ード夫人は少しも動揺しなかった。 「あなたがそんなことをおっしやるのを、わたしは黙って聞きすごすわけにはいきませんよ」彼 女は根も葉もない中傷を受けた古風な乳母のような口調でいった。「みつともないばかりでなく て、最近の情勢からいって、あなたに迷惑がかかるかもしれませんよ」 「まあ ! ーニコレティス夫人は大げさな身ぶりで書類の東を宙にほうり投げた。書類は四方八方 に飛び散った。ハ。ハ ード夫人は腰をかがめて、唇をかみしめながらそれを拾い集めた。「あたし が怒るようなことをしたのは、あなたなんですよ」と、彼女の雇主が叫んだ。 「わたしはいうべきことをいっただけです」と、 ド夫人は答えた。「でも、あまり興奮な さるのは、あなたの体に悪いですわ。かんしやくは血圧には毒ですからねー

7. ヒッコリーロードの殺人

122 「そう。ぼくは彼女のコツ。フにコーヒー沸しに入っているやつを注いでやって、それを彼女の前 におきました。あんたが信用するかどうか知らないけど、とにかくその中にモルヒネなんか入っ ていませんでしたよー 「きみは彼女がそれを飲むのを見たの」 「いや、彼女がそれを飲むところなんか見ちゃいませんでしたよ。・ほくたちはみんな動きまわっ ていましたし、・ほくはそれからすぐある人と議論をはじめたんです。ですから、そんなことは目 にとまらなかったんです。ほかの人たちが彼女をとり囲んでいましたしねー 「なるほど。要するにきみのいおうとしていることは、彼女のコップにモルヒネを入れようと思 えば、だれでもできたということだね 「試しにあんたが他人のコツ。フに何か入れてみたらいいでしょ ! きっとみんなにわかっちゃい ますよ」 「そうとも限らんだろう」と、シャー。フがいった。 レンは挑戦的にどなった。 「いったいなんのために・ほくが彼女を毒殺しようとしたというの ! ・ほくは彼女になんの恨みも ありませんよ」 「いや、きみが彼女を毒殺しようとしたとはいっていないよ」 「彼女は自分でその薬を飲んだんですよ。きっとそうなんだ。それ以外に説明がっかないもの」 あのごまかしの遺書がなければね」 「われわれもそう思ったかもしれない 「ごまかしの ? それは彼女自身が書いたんでしよ」

8. ヒッコリーロードの殺人

「この問題について議論し合うのは、もうよしてちょうだい。いずれ後でゆっくりみなさんに話 すつもりですけどーーー」 「でも、昨夜ジーンがドアの外で立ち聞ぎしていたそうですよ」と、ヴァレリがいった。 「あたし、立ち聞きしたわけじゃないわ。ただ、通りがかりにたまたま。ーー」 「ねえ、ベス、きみはだれがインクをひっかけたのか、よく知ってるだろう」と、ナイジェルが いった。「・ほくさ。この悪党のナイジェルが、インクを緑色の薬瓶に入れて持って行って、きみ のノートにぶつかけたんだ」 「いや、彼がやったんじゃないわ。彼はそんなふりをしているだけなのよ。ナイジェル、あなた はどうしてそんなばかなことをするの」 、パトリシア。昨日の朝ぼくのイン 「・ほくは高尚な気持から、きみをかばおうとしているのだよ しったいだれなの。きみじゃないか」 クを借りて行ったのは、、 「・ほくは何がなんだかさつばりわからん」と、アキポンボはいった。 「あなたはわからなくてもいいの」と、サリーは彼にいった。「あたしがあなたなら、ただ黙っ て見てるわー チャンドラ・ラルは立ちあがった。 「あんたはマウマウ団がなぜケニヤで抵抗運動をしているのか、知っているのかね。エジ。フトが なぜスエズ運河を腹立たしく思っているのか、知っているのかね」 「ちえつ、くだらねえ ! ーと、ナイジェルは荒あらしく叫んで、カツ。フをがちゃんと受け皿の上 においた。「最初はオクスフォード・ グルー。フで、こんどは政治ときてやがるーー・・朝食の席でだ

9. ヒッコリーロードの殺人

116 シャー。フ警部はそんなことはまったく起こり得ないといった。その青年はがっかりして首を振 っこ 0 「それじゃ、・ほくはどうしてこんなことが起きたのか、ぜんぜんわかりませんね。彼女を殺そう と思うような人が、この寮にいるとは思えませんからね。なんなら、彼女の髪の毛と爪の切りく ずを少しください。昔の方法で試してみます。それは、科学的でも近代的でもありませんけど、 ・ほくの国ではよく利用されてるんですよ」 「いや、ありがとう、アキポイホ君。しかし、その必要はなさそうだ。そういう方法は、わが国 では採用されていないしね」 「はあ、よくわかります。近代的じゃありませんからね。原子力時代にはむきませんよ。国でも、 最近の警官はもうそんなことはしませんーー。田舎の老人ぐらいなものです。新しい方法の方が優 秀で、確実な成功をおさめるだろうと思いますよ、ほんとに」アキポンポは礼儀正しくお辞儀を して、ひきさがった。シャープは心の中でつぶやいた 「われわれの威信にかけても、ぜひ成功をおさめなくちゃならんことになってきたそ」 つぎの相手はナイジェル・チャブマンだった。彼は会談の主導権を握ろうとした。 「これはきわめて異例な事件だと、・ほくは思います」と、彼はいった。「しつはね、あなたが自 殺を主張していたとき、・ほくは見当違いじゃよ、、 オし力なと思っていたんですよ。とにかく、彼女が 万年筆に・ほくの緑色のインクを入れておいたことによって自殺説がくつがえされて、・ほくは大い に満足です。犯人はそこまでは読めなかったわけですね。ところで、犯行の動機についてはもう かなり調査がすすめられているだろうと思いますが、どんなふうにお考えですか」

10. ヒッコリーロードの殺人

フィンチにパ なことが必要なら、サリー・ ーティの日付を説いてみたらわかると思いますわ、 「なるほど。それでは。ーー」彼はまたミス・レモンの方をふり返った。「向うへ行ったら、ちょ っとあいまいないい方をするんだ たぶんサークル・ラインの地下鉄の電車の中に片方の靴を 置き忘れたように思うんですが、といったぐあいにね。あるいはほかの電車でもいいし、スで もいいたろう 0 ヒッコリー・ トの近くは、。ハスが何本くらい通っているんだい」 「二本だけです」 「そうか、じやパスでもよかろう。もしべーカー街警察署でだめだったら、警視庁をあたってみ てくれ。タクシーの中に忘れたというんだ」 「ラムペス付近で乗ったことにしましよう」と、ミス・レモンは訂正した。 ボアロは手を振っていった。「その点はきみにまかせるよ」 「でも、なぜそんなことを・ーこと、 ート夫人がいいかけた。 ボアロはそれをさえぎった。 「まず、その結果を見てみましよう。結果がどう出ようとも、・ほくはまたあなたとご相談しなけ ればならんのです。そしてそのときは、・ほくが知っておく必要のあることを説明していただくよ うになるでしよう」 「わたしはもう・せんぶしゃべったような気がするんですけど」 「いや、そんなはずはありませんよ。寮にはさまざまな性格の、性の異なった若者がいっしょに 集まっているのです。したがって、 < はを愛してるけれども、は o を愛していて、しかも とは、のために戦いをぶつばじめそうな形勢になっているといったこともあるでしよう。ぼ