、亠・宝 4 ①立法目的の合理性 被害者が尊属であることを犯情の 1 っとして具体的事件の量刑上 重視することは許されるものであるのみならず、さらに進んでこの ことを類型化し、法律上、刑の加重要件とする規定を設けても、か かる差別的取扱いをもって直ちに合理的な根拠を欠くものと断する ことはできない。週 28 ーた 4 ②立法目的達成手段の合理性 刑法 200 条は、尊属殺の法定刑を死刑又は無期懲役刑のみに限っ ている点において、その立法目的達成のために必要な限度をはるか に超え、普通殺人に関する刑法 199 条の法定刑に比し著しく不合理 な差別的取扱いをするものと認められ、憲法 14 条 1 項に違反して無 効である。 結論 ※ 4 受験テクニック 違憲判決は ほとんどあ りませんの で、違憲判 決のほうをしつかり覚 えておいて、それ以外 のものは合憲と覚えて おきましよう。 一信政法 最重要判リ 昏外子国籍訴訟 ( 最大判平 20.6.4 ) 日本国民である父と外国人である母の間に生まれた非嫡出子につい て、父母の婚姻により嫡出子たる身分を取得した者に限り日本 国籍の取得を認めることは、憲法 14 条 1 項に違反しないかが争われ 審査の考え方 日本国籍は、我が国の構成員としての資格であるとともに、我が 国において基本的人権の保障、公的資格の付与、公的給付等を受け る上で意味を持つ重要な法的地位でもある。 . 亠父母の婚姻によ り嫡出子たる身分を取得するか否かということは、子にとっては自 らの意思や努力によっては変えることのできないの身分行為に 係る事柄である。したがって、このような事柄をもって日本国籍取 得の要件に関して区別を生じさせることに合理的な理由があるか否 かについては、 . 慎車に討することが必要である 24 ー 6 ②国籍取得の際の取扱いの区別の合憲性 国籍法 3 条 1 項が、日本国民である父と日本国民でない母との間に 出生した後に父から認知された子について、父母の婚姻により嫡出 子たる身分を取得した場合に限り届出による日本国籍の取得を認め ていることによって、認知されたにとどまる子と準正※ 6 のあった 子との間に日本国籍の取得に関する区別を生じさせていることは、 憲法 14 条 1 項に違反する。 五ロ " 嫡出子 : 婚姻関係にあ る男女から生まれた子 のこと。 法 結論 ※ 6 用言吾 準正認知後に婚姻す によって、非嫡 出子に嫡出子としての 地位を与えること。 【婚外子国籍訴訟の結論】 認知 のみ 認知 →日本国籍 X 日本国籍 0 の E 0 に 違憲 準正 十 第 2 章一人権 53
【個人情報保護制度の全体像】 公的部門 民間部門 ( 個人情報保護法 国の行政機関 第 4 章 ~ 第 7 章 ) ( 行政機関個人情報保護法 ) 基本法 ( 個人情報保護法第 1 章 ~ 第 3 章 ) 2 目的・基本理念 ( 1 ) 目的 第 1 条 ( 目的 ) この法律は、高度情報通信社会の進展に伴い個人情報の 利用が著しく拡大していることに鑑み、個人情報の適正な 取扱いに関し、基本理念及び政府による基本方針の作成そ の他の個人情報の保護に関する施策の基本となる事項を定 め、国及び地方公共団体の責務等を明らかにするととも に、個人情報を取り扱う事業者の遵守すべき義務等を定め ることにより、個人情報の適正かつ効果的な活用が新たな 産業の創出並びに活力ある経済社会及び豊かな国民生活の 実現に資するものであることその他の個人情報の有用性に 配慮しつつ、個人の権利利益を保護することを目的とす る。 22 ー 56 ーア・イ・エ、 23 ー 54 ーオ 個人情報保護法の目的についてまとめると、以下のようにな ります。 個人情報保護法は、 【個人情報保護法の目的規定】 「プライバシ - の権利」 という言葉を明文で目 高度情報通信社会の進展に伴い個人情報の利用が著しく拡大して 的規定に掲げているわ 月示 . いること けではない。ロ 21 ー 54 ー 1 個人情報の適正な取扱いに関し、基本理念及び政府による基本方 針の作成その他の個人情報の保護に関する施策の基本となる事項 を定め、国及び地方公共団体の責務等を明らかにするとともに 個人情報保護法は、個 個人情報を取り扱う事業者の遵守すべき義務等を定めること 人情報取扱事業者と消 費者の情報格差を是正 個人情報の有用性に配慮しつつ、個人の権利利益を保護すること し、消費者の経済的利 益を保護することを明 文で定めているわけで はない。 022 ー 56 ーウ 地方公共団体の行政機関 ( 個人情報保護条例 ) 一了 ~ 以十ム 2 参考・ ※ 3 参考 手段 目的 第 5 章一個人情報保護 769
【信教の自由の内容】 信仰の自由 的行為の自由 宗教的結社の自由 宗教を信仰し又は信仰しないこと、信仰する宗教を 選択・変更することについて、個人が自らの意思で 決定する自由 宗教上の祝典・儀式・行事その他布教等を行う自由 宗教的行為を行うことを目的とする団体 ( 例 : 宗教 法人 ) を結成する自由 ②信教の自由の制約 上記の 3 つのうち、信仰の自由は内心にとどまるものですか ら、絶対的に保障されます。 これに対して、宗教的行為の自由・宗教的結社の自由は、外 部的行為を伴うものですので、それが他者の権利・利益や社会 に具体的害悪を及ばす場合には、公共の福祉による制約を受け ます。 最重要判例 オウム真理教解散命令事件 ( 最決平 8.1 .30 ) ロ宗教法人法 81 条にいう「法令に違反して、著しく公共の福祉を害す ると明らかに認められる行為」及び「宗教団体の目的を著しく逸脱 した行為」を行ったとして、宗教法人オウム真理教の解散命令が請 求されたため、この解散命令が憲法 20 条 1 項に違反するのではない かが争われた。 宗教法人法 81 条に規定する宗教法人の解散命令の制度は、専ら宗教 法人の世俗的側面を対象とし、かっ、専ら世俗的目的によるもので あって、宗教団体や信者の精神的・宗教的側面に容かい※ 3 する意 図によるものではなく、その制度の目的も合理的であるということ ができる。解散命令によって宗教団体やその信者らが行う宗教上の 行為に何らかの支障を生ずることが避けられないとしても、その支 障は、解散命令に伴う間接的で事実上のものであるにとどまる。 4 週 20-41 最判例 判旨 剣道実技拒否事件 ( 最判平 8.3.8 ) ロ信仰する宗教 ( 工ホバの証人 ) の教義に基づいて、必修科目の体育 の剣道実技を拒否したため、原級留置・退学処分を受けた市立工業 高等専門学校の学生が、当該処分は信教の自由を侵害するとし、そ の取消しを求めて争った。 ロ学校側の措置は、社会観念上著しく妥当を欠く処分であり、裁量権 の範囲を超える違法なものである。 60 静謐な宗教的環境の下 で信仰生活を送るべき 利益は、直ちに法的利 益として認めることが できない性質のもので ある ( 自衛官合祀拒否 訴訟 : 最大判昭 63.6.1 ) 。 ロ 28 ー 6 ー 4 ※ 1 重要判例 ※ 2 参考 この判例は、宗教法人 に関する法的規制が、 信者の宗教上の行為に 何らかの支障を生じさ せることがあるとする ならば、信教の自由の 重要性に思いを致し、 憲法がそのような規制 を許容するものである かどうかを慎重に吟味 しなければならないと しており、すべての宗 教に平等に適用される 法律 ( 宗教法人法 ) が 違憲となる余地を認め ている。ロ 2 ト 5 ヨ 容かい : 干渉すること。 い 4 受験テクニック オウム真理 教解散命令 事件判決は、 多肢選択式 で出題され、」 「」勺」と いう語句が空欄となっ ていました。このよう に、多肢選択式では 「 ~ 的」という語句が 空欄として出題される ことが多いので、判例 を読む際には、「 ~ 的」 という語句に着目して 読むとよいでしよう。
この電子署名法に基づき、認証事業者は、自然人の本人性の 確認をするサービスを行うことができますが、法人については 行うことができません。週 ] 8 ー 54-3 ただし、法人の電子署名については、商業登記法に基づき法 務省の登記官が作成した電子証明書を利用することができま す。囮 ] 8-54 ー 4 4 公的個人認証法 ( 1 ) 目的 公的個人認証法 ( 電子署名等に係る地方公共団体情報システ ム機構の認証業務に関する法律 ) は、電子署名及び電子利用者 証明に係る地方公共団体情報システム機構の認証業務に関する 制度その他必要な事項を定めることにより、電子署名及び電子 利用者証明の円滑な利用の促進を図り、もって住民の利便性の 向上並びに国及び地方公共団体の行政運営の簡素化及び効率化 に資することを目的とします ( 1 条 ) 。 ( 2 ) 電子証明書 ①申請 住民基本台帳に記録されている者は、その者が記録されてい る住民基本台帳を備える市区町村の長を経由して、地方公共団 体情報システム機構に対し、自己に係る電子証明書の発行の申 請をすることができます ( 3 条 1 項、 22 条 1 項 ) 。 なお、住民基本台帳法の改正に伴い、平成 25 年 7 月 8 日か ら、外国人も認証業務の提供の対象とされています。 19 ー 56 ー 1 ②有効期間 電子証明書の有効期間は、総務省令で定めることとされてい ます ( 5 条、 24 条 ) 。 9 ー 56 ー 5 ③用途 電子証明書は、私人の本人性確認のために用いられるのであ り、地方公共団体自身の組織認証のために用いられたり、地方 公共団体で公的な機関として署名する職員を認証するものでは ありません。 ] 8 ー 54 ー 5 、 ] 9 ー 56 ー 2 また、行政機関に対するオンライン手続においてのみなら 764 電子証明書には、氏 名・生年月日・性別・ 住所等が記載される が、本籍地は記載され ない。囮 19 ー 56 ー 3 ※ 1 参考
行政法 第 2 章行政手続法 一行政手続法総則 重要度 学習の P 0 ー N T 法 「総則」とは、その法律全体に通する原則や基本事項が定められて 彡 いる部分です。ここでは、行政手続法の目的規定や、行政手続法の 適用範囲を定めた適用除外規定について学習します。 1 行政手続法とは何か 行政作用によって国民が不利益を受けた場合、行政不服審査 法や行政事件訴訟法などの行政救済法に基づいて、事後的に不 服を申し立てて争うことができます。もっとも、事後的に争っ ※ 2 たのでは間に合わないような場合も想定されます。 そこで、最初から行政作用を公正に行い、できる限り国民が 例えば、飲食店の営業 不許可処分がなされ、 不利益を受けないようにすることが重要といえます。行政手続 これを不服として争っ ている間に、近くに他 法は、このような要請に応え、行政作用を行う際に執らなけれ の飲食店ができてお客 さんを全部取られてし ばならない手続について規定することで、事前に行政作用をチ まったような場合など です。 ェックすることとした法律です。 ] 4 ー ] 2-2 、 ] 6 ー 12 ー 1 【行政手続法の役割】 行政手続法の目的 第 1 条 ( 目的等 ) 1 この法律は、処分、行政指導及び届出に関する手続並 びに命令等を定める手続に関し、共通する事項を定める ※ 2 具体例をイメージ 寸一に疋十ム ※ 3 過去問チェック 行政手続法は、行政処 分をもっぱら対象と し、その事前手続につ いて法的規律を設ける とともに、事後的救済 手続についても定めを 置いている。→ x ( 16 ー 行政不服審査法 行政事件訴訟法 事後 事前 2 第 2 章一行政手続法 199
ロ懲戒処分差止訴訟は不適法、義務不存在確認訴訟は適法 ロ①通達及び職務命令の処分性 本件通達をもって、本件職務命令と不可分一体のものとしてこれ と同視することはできず、本件職務命令を受ける教職員に条件付き で懲戒処分を受けるという法的効果を生じさせるものとみることも できないから、処分性は認められない。また、本件職務命令も、職 務の遂行の在り方に関する校長の上司としての職務上の指示を内容 とするものであって、教職員個人の身分や勤務条件に係る権利義務 に直接影響を及ぼすものではないから、処分性は認められない。 囮 24 ー 42 ②差止め訴訟の訴訟要件 「重大な損害を生ずるおそれ」があると認められるためには、処 分がされることにより生ずるおそれのある損害が、処分がされた後 に取消訴訟等を提起して執行停止の決定を受けることなどにより容 易に救済を受けることができるものではなく、処分がされる前に差 止めを命ずる方法によるのでなければ救済を受けることが困難なも のであることを要する。 ③義務不存在確認訴訟の適法性 本件通達を踏まえた本件職務命令に基づく公的義務の存在は、そ の違反が懲戒処分の処分事由との評価を受けることに伴い、勤務成 績の評価を通じた昇給等に係る不利益という行政処分以外の処遇上 の不利益が発生する危険の観点からも、教職員の法的地位に現実の 危険を及ぼし得るものといえるので、このような行政処分以外の処 遇上の不利益の予防を目的とする訴訟として構成する場合には、公 法上の当事者訴訟の一類型である公法上の法律関係に関する確認の 訴えと解される。 行政法 3 差止め訴訟の判決 行政庁がその処分・裁決をしてはならない旨を命する判決 ( 差止め判決 ) がなされるのは、①行政庁がその処分・裁決を してはならないことがその処分の根拠法令の規定から明らかで あると認められるとき ( 処分につき行政裁量が認められない場 合 ) 又は②裁量権の逸脱・濫用となると認められるとき ( 処分 につき行政裁量が認められる場合 ) です ( 37 条の 4 第 5 項 ) 。 確認テスト ロロロ 0 差止め訴訟は、平成 16 年の行政事件訴訟法の改正によって、新たに法 定された。 第 4 章一行政事件訴訟法 287
※ 1 ※ 2 います。 なお、個人の名誉の保護と正当な表現の保障との調和を図る 「わいせつ」とは、い たずらに性欲を興奮文 ため、以下の 3 要件を満たした場合には、名誉毀損罪が成立し は刺激させ、普通人の 正常な性的着恥心を害 ないものとされています ( 刑法 230 条の 2 第 1 項 ) 。 し、善良な性的道義観 念に反するものである ( チャタレイ事件 : 最 【名誉毀損罪の成立を阻却する要件】 大判昭 32.3.13 ) 。 摘示された事実が公共の利害に関するものであること ( 事実の公共 2 摘示の目的が専ら公益を図るものであること ( 目的の公益性 ) 3 事実の真実性を証明できたこと ( 真実性の証明 ) ⑤集会の自由 集会とは、多数人が共通の目的をもって一定の場所に集まる 法 私人の私生活上の行状 会の自由のみならず集団行動の自由も 21 条 1 項によって保障さ であっても、そのたず さわる社会的活動の性 れます。 質およびこれを通じて 社会に及ほ、す影響力の 集会や集団行動は、多数人が集合して、特定の場所を独占し 程度等のいかんによっ ては、その社会的活動 て使用したり行動を伴ったりする表現活動ですから、他者の権 に対する批判ないし評 価の一資料として、刑 利と矛盾・衝突する可能性が高いものといえます。そこで、他 法 230 条の 2 第 1 項にい 者の権利との調整のため、集会の自由や集団行動の自由も、公 う「公共の利害に関す る事実」にあたる場合 共の福祉による制約を受けることがあります。 がある ( 「月刊ペン」 事件 : 最判昭 56.4.16 ) 。 最重要判例白 ~ 王居則広場事件 ( 最大判昭 28.12.23 ) ロメーデー記念集会のため畠居前広場の使用を申請したところ、これ 事実が頁実であること を拒否されたため、この拒否処分の合憲性が争われた。 の証明がない場合で も、行為者がその事実 を真実であると誤信 ロ . . し、その誤信したこと ロ公共用財産である畠居外苑の利用の不許可処分は、表現の自由文は について、確実な資 団体行動権自体を制限することを目的としたものでないことは明ら 料・根拠に照らし相当 の理由があるときは、 かであるから、公園管理権の運用を誤ったものとは認められず、憲 犯罪の故意がなく、名 法 21 条・ 28 条に違反するものではない。 誉毀損の罪は成立しな い ( 「タ刊和歌山時事」 事件 : 最大判昭 44.6. ※ 1 重要判例 1 ※ 2 重要判例 わいせつ性の有無の判 断は、文書全体との関 連において判断されな ければならない ( 悪徳 の栄え事件 : 最大判昭 44.10.15 ) 。 62 ー 2 た 5 ※ 4 ※ 3 重要判例 商法 4 重要判例 きは づで 7 基憲 3 に違 ス定て 平規し の害 例ョ反 儼条を 館由 会自 件 民の 事 市会 を集 館 請が 申分 の処 民 可の 市 用 野 理 使め 佐 のた。 の 館たた 泉 会しれ 基 一民とわ の 市分 が処が 長可か憲 例 市許い合① 判 要 重 最一 25 ) 。 ※ 5 参考 この不許可処分は、畠 居前広場の使用を制限 するものであり、表現 物を対象とするもので はないから、検閲に当 たらない。 1 5 ー 4 ーエ 第 2 章一人権 67 結論
しかし、近時の最高裁判所の判例は、具体性のある事業計画 等にはできるだけ処分性を認め、取消訴訟の提起を許容してい ます ( 3P264 参照 ) 。 ②計画担保責任 行政計画が途中で変更・中止された場合、その計画が存続す ることを信頼して資本を投下した者が不測の損害を被ることが ありうるため、行政側は元の計画を遵守する責任又は代償措置 を採った上で計画を変更・中止する責任があるとされていま す。これを計画担保責任といいます。 5 行政契約 ( 1 ) 行政契約とは何か 行政契約とは、行政主体が行政目的を達成するために、国民 と対等な立場で締結する契約のことです。 以下のように、行政の各分野において、行政契約が利用され る度合いが異なっています。 ①準備行政 6 における契約 準備行政の分野では、事務用品の購入契約や庁舎建設の請負 契約など、行政契約が積極的に利用されています。 ②侵害行政 x7 における契約 従来は、侵害行政の分野における行為形式は行政行為に限ら れ、行政契約は認められないとされていました。 しかし、現在では、公害防止協定※ 8 や、開発負担金・教育 負担金など私人の寄付を要請する契約など、行政契約がまった く認められないわけではありません。 最重要判例公害防止協定の適法性 ( 最判平 21.7.10 ) 定に定められた産業廃棄物処理施設の使用期限を経過したとして、 当該業者に対し、当該処理施設の使用の差止めを求める民事訴訟を 提起した。そこで、当該業者は、知事がなした当該処理施設の設置 許可の本質的部分にかかわる使用期限条項を公害防止協定に盛り込 むことは、同協定の目的を逸脱するものであり、法的拘束力が認め ※ 9 参考 第 1 章一行政法の一般的な法理論 185 法である。 24 ー 9 ー 5 律上の争訟に該当し適 るものであるから、法 利益の保護救済を求め て自己の財産上の権利 き、財産権の主体とし められる契約に基づ という法的拘束力の認 団体が、公害防止協定 本件訴訟は、地方公共 ※ 5 具体例をイメージ る取決めのこと。 止するためにかわされ 域の生活環境悪化を防 公共団体との間で、地 業を営む事業者と地方 発生原因となりうる事 公害防止協定 : 公害の 用のこと。 利益を侵害する行政作 侵害行政 : 国民の権利 のこと。 達・整備する行政作用 するのに必要な物を調 準備行政 : 行政を遂行 約などである。 者から購入する売買契 として使う文房具を業 例えば、市役所が備品 法 ロ公害防止協定の法的拘束力は認められる。・ = ・ 9 25-10 ー 3 られないとして争った。
ロ剣道実技の履修が必須のものとまではいいがたく、体育科目による 教育目的の達成は、他の体育種目の履修などの代替的方法によって も性質上可能である。そして、他の学生に不公平感を生じさせない ような適切な方法・態様による代替措置は、目的において宗教的意 義を有し、特定の宗教を援助・助長・促進する効果を有するものと いうことはできず、他の宗教者又は無宗教者に圧迫・干渉を加える 効果があるともいえない。 2 ト 5 ー 5 せいきようぶんりげんそく ( 2 ) 政教分離原則 憲法は、個人の信教の自由を保障するだけでなく、国家と宗 教を分離する政教分離原則を採用しています ( 20 条 1 項後段・ 3 項、 89 条前段 ) 。なぜなら、国家が特定の宗教と強いかかわ り合いをもっと、その宗教に有利な政治を行うおそれがあり、 他の宗教の信者の権利が侵害されるおそれがあるからです。 もっとも、政教分離原則は、国家と宗教のかかわり合いを一 切排除するものではありません。なぜなら、宗教団体に対して も他の団体と平等に給付を行わなければならない場合があるか らです。 政教分離原則違反が問題となった判例には、以下のようなも 例えば、宗教団体が設 置する私立学校に対し のがあります。※ 6 て補助金を交付する場 合などである。 つじちんさい 最重要判例 - 津地鎮祭事件 ( 最大判昭 52.7.13 ) 三重県津市が、市体育館の建設に当たり、神式の地鎮祭を挙行し、 政教分離原 それに公金を支出したことが、憲法 20 条、 89 条に違反しないかが争 則違反とし われた。 た最高裁判 所の判例は、 玉串料事 ( 最大判平 9.4.2 ) 、②空 教分離原則の法的性質 神社訴訟 ( 最大 第 教分離規定は、いわゆる制度的保障※ 7 の規定であって、信教 平 22.1.20 2 つしか ありませんので、他の の自由そのものを直接保障するものではなく、国家と宗教の分離を ものはすべて合憲と覚 制度として保障することにより、 . 試」、こ信教の自由の保障を確保 えておきましよう。 しようとするものである。 ②政教分離の程度 国家と宗教との完全な分離を実現することは、実際上不可能に近 いものであるから、政教分離原則は、国家と宗教とのかかわり合い をもっことを全く許さないとするものではなく、そのかかわり合い が相当とされる限度をラるものと認められる場合に「れを許六な いとするものである。 62 ー 2 た 4 ③政教分離原則違反の判断基準 ( 目的効果基準 ) 憲法 20 条 3 項により禁止される「宗教的活動」とはン行為の目的 は圧迫・干渉等になるような行為をいう。 28 ー 6 ー 1 簽 4 リ 二」一収・エハ ※ 5 ※ 5 具体例をイメージ 法 ※ 6 受験テクニック 事案 結論 制度的保障 : 一定の制 度に対して立法によっ てもその本質を侵害す ることができないとい う保護を与えて、制度 それ自体を客観的に保 障する方法のこと。 第 2 章一人権 61
( 4 ) 買主による目的物の保管・供託 第 527 条 ( 買主による目的物の保管及び供託 ) 1 前条第 1 項に規定する場合においては、買主は、契約 の解除をしたときであっても、売主の費用をもって売買 の目的物を保管し、文は供託しなければならない。ただ し、その物について滅失又は損傷のおそれがあるとき は、裁判所の許可を得てその物を競売に付し、かっ、そ の代価を保管し、文は供託しなければならない。 2 前項ただし書の許可に係る事件は、同項の売鬨の目的 物の所在地を管轄する地方裁判所が管轄する。 3 第 1 項の規定により買主か冗貝の目的物を競売に付し たときは、遅滞なく、売主に対してその旨の通知を発し なければならない。 4 前三項の規定は、売主及び買主の営業所 ( 営業所がな い場合にあっては、その住所 ) が同一の市町村の区域内 にある場合には、適用しない。 21 ー 36 ー 3 第 528 条 前条の規定は、売主から買主に引き渡した物品が注文し た物品と異なる場合における当該売主から買主に引き渡し た物品及び売主から買主に引き渡した物品の数量が注文し た数量を超過した場合における当該超過した部分の数量の 物品について準用する。囮 21 ー 36 ー 3 民法では、売買の目的物に瑕疵が存在したため契約が解除さ れたとしても、買主は、その目的物の返還義務を負うにすぎず ( 民法 545 条 1 項本文 ) 、目的物を保管・供託する義務はありま せん。 しかし、買主が目的物を適切に保管等しないと、売主は転売 の機会を失ってしまいます。そこで、商人間の売買において は、売買の目的物に瑕疵が存在したため契約が解除された場合 でも、買主は、売主の費用で、売買の目的物を保管・供託しな ければなりません ( 527 条 ) 。また、品違いや数量超過分につい ても同様とされます ( 528 条 ) 。 590 A 株式会社は、輸入業 者 B との間でチューリ ップの球根の売買契約 を締結した。 A の仕入 れ担当者が引渡しに立 ち会ったところ、球根 の種類が予定していた ものと異なっていた。 そこで、 A は直ちに売 買契約の解除を B に通 知した。 B の営業所が 同一市内にあったた め、 B が引き取りに来 るまでの間、 A は球根 を放置していたとこ ろ、発芽し、売り物に は適さないものになっ たが、 A には責任はな い。→〇 ( 21-36 ー 3 ) ※ 1 過去問チェック