うつぼっ 気力や闘志が満ち満ちていることを指すのに使う。したがって①が正答である。②は漢字の「鬱」の意味にひ 0 かれた誤り。 五「暫時」は「ざんじ」と読み、「しばらくーという意味なので、②が正答である。①は「だんだんとーといっ答 ぜんじ た意味の「漸次」が当てはまる。この二つは音も似ており、間違えやすいので注意が必要である。「暫くーのの 読みは「しばらく」、「漸く」の読みは「ようやく」。 ①・ : イ・ク②・ : オ・コ③・ : ア・キ④・ : ウ・カ⑤・ : エ・ケ 解答 日身体部位を表す語を含む慣用句を問う問題である。 その意味が【 o 群】にないため正答にはならないが、【 < 群】と【群】の言葉のみの組み合わせとしては 可能なものと、その慣用句の意味を次に示しておく。 こっと・つ ・目が肥える : ・ ( 美術品や骨董等の ) よいものを数多く見て、その価値を識別する力がすぐれる。 ・目が据わる : ・酒に酔ったり怒ったりして、じっと一点を見つめたまま目玉が動かない。 ・顔が利く・ : よく知られていたり、信用されていたりするために、特別な便宜が受けられたり、無理を通して もらったりできる。 ・腹が立っ・ : しやくにさわる。怒りがおさまらない。 四「鬱勃ーは、内にこもったものが盛んにわき上がってくる様子を表す一言葉で、特に「鬱勃たるーという形で、
を表すようになった表現である。慣用句の意味は、それを構成する個々の語の意味からだけでは推測できない ものが多い それぞれの慣用句の意味は次のとおりである。 一泡を食う・ : 驚きあわてる。 ま : ことさら議論するまでもない。一一一口、つまでもない。 ニ論を俟たない・ ま 4 なじり 三眦を決する・ : 目を大きく見開く。怒ったり決意したりするさま。なお、「眦を裂くと言う場合はあるが、 「眦を引き裂くとい、つ言い方はしない ほづら 四吠え面をかく・ : 泣き顔になる。困って泣く。 五得心が行く・ : じゅうぶんに納得する。 00 ・ L.O 解答 イ ( 説 解 示・内閣訓令「送り仮名の付け方」 ( 昭和年に一部改正 ) である。 A 」 解 の ①の「味った」は名詞「味 , に合わせて「味わった」とするのが正しい。②の「装おい , は動詞「装う」が 活用語尾「う」を送り仮名にするのに合わせて「装い , とするのが正しい。④の「辺たり」は「辺り」が正し題 擬 0 9- ロ 解答のポイント 模擬問題① 0
問 9 解答一 : ・③ニ・ : ②三・ : ①四 : ・③五 : ・④ を表すようになった表現である。慣用句の意味は、それを構成する個々の語の意味からだけでは推測できない ものが多い それぞれの慣用句の意味は次のとおりである。 一不興を買う・ : 主君や目上の者の機嫌をそこなう。なお、「かこっ」は「 ( 自分の境遇等を ) 恨み嘆く」といっ た意味を表し、「身の不遇をかこっ」などと使われる。 でばな ニ出端を折る : ・相手が何かを始めようとした最初のところで妨害する。何かをしようとする相手の意気込みを 最初の段階でなくさせる。「出端を挫く」ともいう。 三まんじりともしない ( まんじりともせず ) ・ : 少しも眠らない。一睡もしない ひぶた 四火蓋を切る・ : 戦いや競争を始める。しばしば「火蓋を切って落とす」という表現が見られるが、これは「火 蓋を切る」と「幕を切って落とすーの混同から起きた誤りである。 五血道を上げる : ・異性や道楽などに夢中になる。のばせあがる。なお、「心血を注ぐ」は全力を尽くすこと。 ③・⑤・⑦ 解答 し , と「づ」等の使い分けについて問う問題である。現代仮名遣いの基準としたものは昭和引年の内閣告示・内閣 訓令「現代仮名遣い」である。 解答のポイント 解答のポイント 模擬問題②
4 三「育む」は「大事に守り育てる」という意味。もとは鳥が雛を羽で包み込んで大切に育てることからきてい る。したがってこの意味が当てはまる①が正答である。②「指導を育む」や「教育を育む」などの表現は不適・ 説 切である。 解 四「罷免」は役員や大臣などの「役職を辞めさせること」をいう。したがってこの意味が当てはまる②が正答 解 である。①は「免除」というべきところ。 の れいめい 五「黎明、は「夜明け , のことで、しばしば比喩的に「〇〇時代の黎明、「近代文学の黎明」のような形で使わ② めいーり・よ - っ れる。①もその例で、これが正答である。②の例には「明白ー「明瞭」などの言葉が当てはまる。 擬 模 解答 ①・ : ウ・カ②・ : ア・ケ③・ : エ・キ④・ : オ・ク⑤・ : イ・コ 日身体部位を表す語を含む慣用句を問う問題である。 その意味が【 o 群】にないため正解にはならないが、【 < 群】と【群】の言葉のみの組み合わせとしては 可能なものと、その慣用句の意味を次に示しておく。 ・ロを出す・ : 他人の会話に割り込んで自分の意見を一一一一口う。 そろ ・ロを揃える・ : 皆が同時に同じことを一言、つ。 ・ロを掛ける : ・誘う。声を掛ける。また、芸人や芸者等を座敷に呼ぶ。 ・ロを叩く・ : よくしゃべる。勝手なことを ( 言いたい放題に ) 言う。 ・手を出す : ・物事に自分から進んでかかわりを持つ。また、手で殴る等の暴力をふるう。また、物を盗む。 ・尻を拭う : ・他人の失敗や不始末等の後始末をする。 しりめぐ ひな
解答一・ : ④ニ : ・②三・ : ②四・ : ③五・ : ③ 説 ろから漢和辞典をこまめに引き、個々の漢字の意味やその漢字を使った多くの熟語に触れておくことが有効な 解 対策となる。 の ② 。かん力い 題 一①「灌漑」 : ・田畑に必要な水を ( 人工的に ) 引いてきて土地をうるおすこと。②「感慨」・ : 身にしみて感じ ・か′九・カい ること。しみじみと思うこと。③「函蓋」・ : はことふた。比喩的に、二者が相応することをいう。④「干害」模 : 日照りのために農作物等が受ける被害。 ニ①「唇頭」・ : くちびるのさき。くちさき。②「心頭」・ : 心のなか。念頭。③「深悼 , : ・ ( 死者を ) 深くいた むこと。④「浸透」・ : 液体等がしみとおること。また、考え方や思想等が人々の間に広くゆきわたること。 「怒りシントウに発す」とは、心底から激しく怒るという意味の慣用的な表現。したがって、②「心頭」が 正答となる。「怒り心頭に達する」という誤用が多いので注意する。 しど - っ 三①「指導ー : ・ ( ある目的に向かって ) 教えみちびく一、と。②「斯道」・ ( 学問・芸道等で ) その人が従事し ている専門の方面・分野。この方面。この道。③「私道」 : ・私有地に作られた道路。④「始動」 : ・動かし始め ること。動き始めること。 「シドウの権威 , とは、 ( 学問や芸道等の ) その道で第一人者と認められている人のこと。したがって、② 「斯道」が正答となる。 四①「敗毀」 : ・こわれること。「毀敗ーともいう。②「排気」・ : 内部の空気等を外へ除き去ること。また、エ ンジン等が不要になった蒸気やガスを外にはき出すこと。③「廃棄」・ : 不用なものとして捨てること。また、 条約等の効力を失わせること。④「拝跪」・ : ひざますいておがむこと。 解答のポイント
【参考文献】 『敬語』菊地康人著講談社学術文庫 『現代国語例解辞典第四版』林巨樹・松井栄一監修小学館 『岩波ことわざ辞典』時田昌瑞著岩波書店 『類語国語辞典』大野晋・浜西正人著角川書店 『例解慣用句辞典』井上宗雄監修創拓社出版 『日本語慣用句辞典』米川明彦・大谷伊都子編東京堂出版 『岩波日本語表現辞典〔〕ー国語・漢字・類語』 岩波書店 「知っておきたい日本語コロケーション辞典』学研辞典編集部 編・金田一秀穂監修学習研究社 『新版同じ読みで意味の違う言葉の辞典』現代言語研究会著 あすとろ出版 『例解同訓異字用法辞典』浅田秀子著東京堂出版 『活用自在反対語対照語辞典』反対語対照語辞典編纂委員会編 柏書房 『数え方の辞典』飯田朝子著町田健監修小学館 『 Z Ⅱことばのハンドブック第 2 版』放送文化研究 所編日本放送出版協会 『大辞林第三版』松村明編三省堂 『広辞苑第五版』新村出編岩波書店 『大辞泉』松村明監修小学館 『新明解国語辞典第六版』山田忠雄主幹三省堂 『新漢語林』鎌田正・米山寅太郎著大修館書店 『大字源』尾崎雄一一郎他編角川書店 『新字源』小川環樹他編角川書店 『旺文社漢字典第二版』小和田顯他編旺文社 『全訳漢辞海第二版』戸川芳郎監修三省堂 『学研漢和大字典』藤堂明保編学習研究社 157 ・参考文献
一例文の「後生 , は「こうせい」と読み、「後から生まれてくる人、後輩、のこと ( 「ごしよう」と読めば別の 意味になる ) 。「後生畏るべしーは『論語』に出典がある言葉で「後進の者は将来どんなりつばな人物になるか 分からないからおそれるべきものである」という意味。この意味が当てはまるのは②である。①は「後世、恐 るべし」とでもすれば理解できる文になる。③は「後生」を「来世、あの世、の意味ととらえて無理に解釈し たもので誤り。 ニ「立て板に水」は「すらすらとよどみなく話をするさま」を表す慣用句。「立て板に水を流すよう」ともいう。 したがって、①が正答である。 力いしゃ 三「人口に膾炙するーは「広く知れわたってもてはやされる」という意味の言葉。もとは「膾 ( なます ) や炙 ( あぶり肉 ) が多くの人に賞味されるーということからきた言葉だが①は不適切。③のように否定形で「人気 がなくなった」という意味では使えない。 解答、一 : ・②一一 : ・①三 : ・①四 : ・②五・ : ① 尸、尸日 解 AJ 意味と使い方を押さえておくこと。 答 解 の 「いわんや」は漢文訓読から出た言葉で、しばしば「いわんや 5 をや」の形で使われ、「まして 5 は言うまで ② もない」という意味になる。「いわんや 5 べし」とは言わないので①は不適切。①は「すべからく」などに置抛 擬 き換えられる例 ニ「頑是なしー 、は「幼くて聞き分けがない、無邪気な」という意味。したがってこの意味が当てはまる①が正 0 ・ 4 答である。②は「頑固な」「頑迷な」とでもいうべきところ。 解答のポイント 模擬問題②
問 1 , 解答一・ : ④ニ・ : ①三・ : ④四・ : ①五・ : ① らないような使い方もあるので、ふだんから本や新聞に接して用法を理解しておくこと。 「受賞」「授賞」「授章」「受章」は、いすれも「じゅしよう」と読み、賞や勲章のやりとりにかかわる言葉 であるが、「受」は「さずかる ( 受ける ) 」側、「授」は「さずける ( 与える ) 」側に使い、「賞」は一般的な賞、 「章」は勲章の場合に用いる。したがって正答は④である。 とが ニ「お咎めなし」で「責任を問わない、不問に付す , という意味の言い回しがあるので正答は①である。「咎め る」は「あやまちゃ罪を指摘して非難すること」、「怒る、は「おこること、腹を立てること」、「叱る、は「よ くない言動を咎め責めること」、「憤る」は「腹を立てること、怒ること」。①と③、②と④は非常に意味が近 しカ特に固定的な言い回しで使い方に差が出てくることがある。 つかい さっせん 三①「颯然」は「風がさっと吹く様子」、②「清涼」は「涼しくさわやかなこと」、③「爽快」は「さわやかで 気持ちがいいこと」、④「颯爽」は「きりつと勇ましくきびきびした様子」。したがって正答は④である。 四①は「うがっ」、③は「あせる」、②④はどちらも「えぐる」と読む。正答は①で、「うがった 5 」で「物事 の隠れた部分をたくみに突いた。という意味を表す。もともと「うがっ」とは穴を開けること。「点滴石を穿解 っーという慣用句がある。 五選択肢はすべて「境目 , という意味を持つ「際」で終わる語である。正答は①で、「水際立つ」で「他と 比べてあざやかで目立つ。きわだってすぐれる。という意味になる。なお、④「今際」は「いまわ」と読み、 「今」に助詞「は」が付いてできた一言葉にこの字を当てたもの。 解答のポイント 模擬問題②
」一一分類による近分類によを敬語の働き 主な語 暾語の種類一敬語の種類 尊敬語 尊敬語 行為をする人、物事を所有する人、状動詞 態にある人を敬う。例えば「田中さん 〔敬語専用の語〕 が山本さんの家にいらっしやる」と言 いらっしやる・おいでになる ( ↑行く・来る・いる ) う場合、田中さんを敬う言い方になる。 おっしやる ( ↑言う ) なさる ( ↑する ) 召し上がる ( ↑食べる ) くださる ( ↑くれる ) 見える・お見えになる ( ↑来る ) 亡くなる・お亡くなりになる ( ↑死ぬ ) こ覧になる ( ↑見る ) お休みになる ( ↑寝る ) お召しになる ( ↑着る・身につける ) 〔いろいろな動詞に付く形式〕 5 ( ら ) れる お ( こ ) 5 になる 5 なさる お ( こ ) 5 なさる お ( こ ) 5 だ お ( こ ) 5 くださる お名前 ( 先生からの ) お手紙 こ住所 員校 ( こ ) 高配 ( こ ) 尊父 形容詞など お美しい こりっぱだ 敬語の種類と働き 名詞 用例 ・先生が読まれる。 ・先生がお使いになる ・お客様がご利用なさる。 ・社長がおいてた ・先生がご指導くたさる。 ・先生がいらっしやる。 ・お客様が召し上がる。 敬語の種類と働き・ 152
謙譲語 丁寧語 謙譲語— 丁寧語 美化語 謙譲語Ⅱ話す相手に対して改まって丁重に述べ動詞 〔敬語専用の語〕 る。行為の向かう先を敬う働きはない ため、「私は弟の部屋に参引ました」の 参る ( ↑行く・来る ) ように、行為の向かう先が敬ってはな 申す ( ↑言う ) らない人の場合にも使える。 いたす ( ↑する ) おる ( ↑いる ) 存じる・存ずる ( ↑知る・思う ) 弊社 拙著 です ます お菓子 お茶 行為の向かう先を敬う。例えば「田中 さんが山本さんの家に伺う」と言う場 合、山本さんを敬う言い方になる。そ のため、「私は弟の部屋に伺いました」 のように、行為の向かう先が敬っては ならない人の場合には使えない 話す相手に対して丁寧に述べる。 物事を美化して述べる。 動詞 〔敬語専用の語〕 伺う ( ↑訪ねる・行く・尋ねる・聞く ) 申し上げる ( ↑言う ) 存じ上げる ( ↑知る・思う ) 差し上ける ( ↑やる・与える ) いただく ( ↑もらう ) お目にかかる ( ↑会う ) お目にかける・こ覧に入れる ( ↑見せる ) 拝見する ( ↑見る ) 拝借する ( ↑借りる ) 〔いろいろな動詞に付く形式〕 お ( こ ) 5 する お ( こ ) 5 申し上げる 5 ていただく お ( こ ) 5 いただく ( 先生への ) お手紙 ( お客様への ) こ案内 拝顔 名詞 名詞 ( で ) こざいます ・先生の絵を拝見する。 ・お客様にお届けする。 ・社長をご案内申し上げる。 ・部長に見ていたたく ・先生にお書きいたたく ・社長のところに伺う。 ・お客様に申し上げる。 ・今日は日曜日てす。 ・校庭て遊びます。 ・こちらが山田てございます。 ・田中と申します。 ・ここにおります 153 ・敬語の種類と働き