模擬問題②の解答と解説 問 1 「解答一・ : ④ニ・ : ②三 : ・① 問 15 問 4 は敬語に関する問題である。敬語の分類と働きについてまとめた表 ( ページ ) が既 あるので、それを参照しながら解説を読むことをおすすめする。 敬語の接頭語・接尾語の適切な使い方について問う問題である。 一敬語の接頭語「お」は、一般に和語に付くが、一部例外がある。④の「ゆっくり」がその例外の一つで、 和語であるが「おーは付かず、「ごゆっくりーが適切。 ニ敬語の接頭語「ご」は、一般に漢語に付くが、一部例外がある。②の「約東 , がその例外の一つで、漢語で あるが「ご」は付かす、「お約東」が適切。 三「様」は人を表す名詞に付いて尊敬語を作る接尾語であるが、①の「社長、のようにそれ自体が尊敬の意味 を持っ呼称に重ねて付くことは本来ない。 問 2 = 解答一一・ : おみおくりするニ : ・ごほうこくする三・ : いただく四・ : おめにかかる 部分の行為の向かう先がすべて「先生になっているので、先生を敬う言い方 にするには、 部分を謙譲語に置き換えればよい。 一「お ( ご ) 5 する」はいろいろな動詞に付いて謙譲語を作る形式である。「見送る」のような和語の動詞の場 合、「お 5 する」が付くのが一般的である。 一一一と同様「お ( ご ) 5 する」を使って謙譲語を作る問いである。「報告する」のような漢語に「するーの付 解答のポイント 解答のポイント

8 7 一・ : およみになるニ : ・ごりようになる三 : ・ごしゆっせきなさる 問 1 解答 0 四・ : くださる 説 解 問 15 問 4 は敬語に関する問題である。敬語の分類と働きについてまとめた巻末の表 ( ペー 答 ジ ) を参照しながら解説を読むことをおすすめする。 一 5 四すべてで、先生はーー部分の行為をする人となっている。行為をする人を敬う働きを持っ敬語は尊敬の = - なので、 題 部分を尊敬語にかえる問題ということになる。 一「お ( ご ) 5 になる」はいろいろな動詞に付いて尊敬語を作る形式で、「読む、のような和語の動詞の場合は 「お 5 になる」の形式を用いるのが一般的である。 ニ一と同じ「お ( ご ) 5 になるーの形式の尊敬語を作る問題である。「利用する」のような、漢語に「する の付いた動詞 ( 漢語サ変動詞 ) の場合は「ご 5 になる」の形式を用いるのが一般的である。 三「お ( ご ) 5 なさる」もいろいろな動詞に付いて尊敬語を作る形式である。和語動詞の場合は「お 5 なさ る」、漢語サ変動詞の場合は「ご 5 なさる」を用いるのが一般的である。「出席する」は漢語サ変動詞であるか ら「ご 5 なさる」を用いる。 四尊敬語には、「お ( ご ) 5 になるーのように、いろいろな語に適用できる一般的な語形だけではなく、 の語にだけ適用できる尊敬語専用の言葉がある。「くださる」は「くれる」の尊敬語専用の言葉である。 問 2 一解答一・ : ②ニ・ : ②三・ : ① そのうちの尊敬語 ( 行為をする人、物事を所有する人、状態にある人を敬う働きを持っ敬語 ) と謙譲語 ( 行為 模擬問題①の解答と解説 解答のポイント 解答のホイント

0 隣家の人を敬っているが、「預かりました」の部分は「お預かりしました」と謙譲語を使って村岡さんも敬う 4 言い方にするほうが、より適切。③では、尊敬語「お帰りになる」で村岡さんを敬っているが、「留守」は②・ のように「お留守」としたほうが適切。④では、「 ( 村岡さんから ) 頼まれる」ということを「ことづかる」と解 いう一言葉を使って言っている。「ことづかる」はことづける人 ( ここでは「村岡さん」 ) を高める意味合いを答 の もっており、適切。以上のことから、④が最も適切な言い方をしていると見なされる。 題 定 検 四・ : ④五・ 問 3 解答一 : ・③ニ・ : ②三・ : ② ・・③ 詞に対応する尊敬語について尋ね る問題である。これらには、「する↓なさる」のように、対応する尊敬語専用の言い方がある。一対一の対応 関係しかないということではなく、「来る↓おいでになる / おこしになる / いらっしやる」のように、複数の 語か対応するものもある。 一「する」の尊敬語専用の言葉は、③の「なさる」である。④の「なさられるーは「なさるーにさらに尊敬の 助動詞「れる」の付いた二重敬語で、不適切な言い方である。①②で使われる「いたすーは「する、を丁重に 述べる謙譲語であるが、本来敬うべき人の動作に使うことはできないので、不適切。 ニ「見る」の尊敬語専用の言葉は、②の「ご覧になる」である。①の「ご覧になられる。は二重敬語で不適切。 ④で使われる「ご覧なさる」も「見るーの尊敬語専用の言葉であるが、さらに「れるーを付けた二重敬語に なっており、不適切。③の「ご覧くださるーは「見てくれるーの尊敬語であるが、「ぜひ見てくれるといいで すよ」では文意が通じないので不適切。 三「一一一一口う」の尊敬語専用の言葉は、②の「おっしやる」である。①の「おっしやられる」は二重敬語で不適切。 解答のポイント

③で使われる「申す」は「言う」を丁重に述べる謙譲語であるが、本来敬うべき人の動作に使うことはできな いので、不適切。④の「お話しするーは「話すーの謙譲語で、自分自身を敬うことになり不適切。 四「食べる」の尊敬語専用の言葉は、④の「召し上がる」である。③の「召し上がられる」は二重敬語で不適 切。①②で使われる「いただくは「食べる」の謙譲語で、食べる人を敬うことにならないので、不適切。 五「来るーの尊敬語専用の言葉は、③の「おいでになる」である。④の「おいでになられる」は二重敬語で不 適切。①②で使われる「参る」は「来る」を丁重に述べる謙譲語であるが、本来敬うべき動作に使うことはで きないので、不適切。 問 4 解答 0 一①・ : 〇② : ・ございます③・ : まいりましよう④・ : 〇⑤・ : いたします 面設定での敬語の使い方について尋ねる問題である。尊敬語・謙譲語を適切に用いるのはもちろんであるが、 より丁重な言葉遣いにするためには、丁寧語の「ございます」や謙譲語のなかで丁重に述べる時に用いる「参 る」「いたす」「おる」「存じる」を適切に使う必要がある。 説 解 A 」 ①は「する」を丁重に述べる謙譲語「いたす」を適切に使った言い方である。 答 解 ②の「ありますーは、丁寧語「ございます」を使った言い方のほうが、より丁重である。 ③の「きましよう」は、「くる ( 来る ) 」を丁重に述べる謙譲語「まいる ( 参る ) 」を使って「まいりましよう」題 と一一一口うほうがより丁重である。 定 検 ④は①同様、適切な言い方である。 0 ⑤の「しますーは、「いたす」を使って「いたします」と一一「ロうほうがより丁重である。 解答のポイント 検定問題 = = ロ

敬語の種類 尊敬語 敬語の種類と働き 敬語の働き 行為をする人、物事を所有する人、状態にある人動詞 を敬う。例えば「田中さんが山本さんの家にいらっ 〔敬語専用の語〕 しやる」と言う場合、田中さんを敬う言い方になる。 いらっしやる・おいでになる ( ↑行く・来る・いる ) おっしやる ( ↑言う ) なさる ( ↑する ) 召し上がる ( ↑食べる ) くださる ( ↑くれる ) こ覧になる ( ↑見る ) お休みになる ( ↑寝る ) お召しになる ( ↑着る・身につける ) 見える・お見えになる ( ↑来る ) 亡くなる・お亡くなりになる ( ↑死ぬ ) 〔いろいろな動詞に付く形式〕 5 ( ら ) れる お ( こ ) 5 になる 5 なさる お ( こ ) 5 なさる お ( こ ) 5 だ お ( こ ) 5 くたさる お名前 ( 先生からの ) お手紙 こ住所 ( こ ) 高配 ( こ ) 尊父 形容詞など お美しい こりっぱだ 名詞 用例 ・先生が読まれる。 ・先生がお使いになる。 ・お客様がご利用なさる。 ・社長がおいてた ・先生がご指導くださる。 ・先生がいらっしやる。 ・お客様が召し上がる。 敬語の種類と働き 0 142

生を敬う気持ちを表す言い方が適切。また、①は「都合が悪い」ということだけを述べ、「面談に来られない ということまで説明しておらす、話の相手に対する配慮に欠けている言い方である。 自分側の都合で日程の変更をお願いする場合、②③の「申し訳ないのですが」のように一言謝罪の言葉を添 えると、相手に対し配慮のある言い方となる。また、①④のような「 5 てください、という言い方よりも、③答 のような「 5 ていただけないでしようか。という言い方のほうが、相手に対し配慮のある言い方となる。②の解 「さしあげる」は「やる」の謙譲語であり、行為の向かう先である自分の両親を敬うことになり、不適切。 ニ話をする「店員。自身と、話す相手の「客」以外に、話題に「カウンターの係ーが登場する。「客」は敬わ なければならない人、「店員」自身と同じ店に所属する「カウンターの係」は敬ってはいけない人である。 ②③④の「よろしければ」は改まった言い方、①の「よかったらーは「よろしければ」よりくだけた言い方。 同様に、②③④の「あちら」は改まった言い方、①の「あっち」は「あちら、よりくだけた言い方である。さ らに、②③の「いかが」は改まった言い方、①④の「どう」は「いかが」よりくだけた言い方である。 「 ( わたしたちが客の荷物を ) 預かる」ということを述べる場合、②のように謙譲語「お 5 いたす。を使って 「お預かりいたす」という言い方をすることができる。この「お 5 いたすーという形式は、「預かる」という行 為の向かう先である客を敬う気持ちを表す働きと、「する」という行為を話の相手である客に対して非常に丁 寧に述べるという働きの二つの働きを持っ敬語である。①は「 ( 客が ) 預けられる」 ( 「られるーは可能の助動 詞 ) という文脈であるが、「預けられる」のままでは客を敬う気持ちを表せない。客を敬う気持ちを表すため には、尊敬語「お預けになる」を用いる必要がある。③の「お預けになられる」は「預ける」に尊敬語を作る 二つの形式「お 5 になる」と「 5 れる」が重複して付いた二重敬語と呼ばれるもので、不適切な言い方である。 ④は「係の者が 5 お預かりになる」という文脈で尊敬語「お預かりになる」が用いられている。これではカウ ンターの係を敬うことになってしまい、不適切。 三話をする「店員ー自身と話す相手の「客ーが登場する。「客」は敬わなければならない人、「店員」自身は

丁寧語 謙譲語 話す相手に対して丁寧に述べる。 物事を美化して述べる。 話す相手に対して丁重に述べる。行為の向かう先動詞 〔敬語専用の語〕 の人を敬う勸きはないため、「私は弟の部屋に参り ました」と宀一 0 、つことが ' て、る 参る ( ↑行く・来る ) 申す ( ↑言う いたす ( ↑する ) おる ( ↑いる ) 存じる・存する ( ↑知る・思う ) 弊社 拙著 です ます お菓子 お茶 行為の向かう先の人を敬う。例えば「田中さんが 山本さんの家に伺う」ど言う場合、山本さんを敬う 言い方になる。そのため「私は弟の部屋に伺いま した」のように、行為の向かう先が敬ってはなら ない人の場合には使えない 名詞 名詞 動詞 〔敬語専用の語〕 伺う ( ↑訪ねる・行く・尋ねる・聞く ) 申し上げる ( ↑言う ) 存じ上げる ( ↑知る・思う ) 差し上ける ( ↑やる・与える ) いただく ( ↑もらう ) お目にかかる ( ↑会う ) お目にかける・こ覧に入れる ( ↑見せる ) 拝見する ( ↑見る ) 拝借する ( ↑借りる ) 〔いろいろな動詞ー こ付く形式〕 お ( こ ) 5 する お ( こ ) ・ ) 申し上げる 5 ていただく お ( こ ) 5 いただく ( 先生への ) お手紙 ( お客様への ) こ案内 拝顔 ( で ) こざいます ・今日は日曜日てす。 ・校庭て遊びます。 ・こちらが山田てございます。 ・先生の絵を拝見する。 ・お客様にお届けする。 ・社長をご案内申し上げる。 ・部長に見ていたたく 先生にお書きいたたく ・社長のどころに伺う。 ・お客様に申し上げる。 ・田中ど申します。 ここにおリ幸す 14J 0 敬語の種類と働き

模擬問題② : 模擬間題②の解答と解説 : 文法の解説・ : 単語の分類 : ・ 用一一一口活用表 : 敬語の種類と働き : 動詞の活用の種類の見分け方・ : 動詞のク可能の形クの作り方 : 動詞のク使役の形クの作り方 : 参考文献・ 146 145 144 142 141 140 140 148 120 99

生を敬っており適切。 ニ話をする「花子」自身と、話の相手の「中村さん , 以外に、話題に「花子の父親」が登場する。「花子の父 親。の上司である「中村さん」は、敬わなければならない人である。また、話している「花子」自身や身内で ある「花子の父親」は敬ってはいけない人である。 < では、②の「拝見する」は「見る」という行為の謙譲語で、「初めて ( 中村さんを ) 見ます , では文意が 通じないので不適切。①の「お目にかかる」は「会う」という行為の謙譲語であり、行為の向かう先である中 村さんを敬っており適切。③④の「初めまして」は、敬わなければならない人に初めて会った場合のあいさっ として適切。 では、③のように自分の父親を「お父さん」と述べるのは、敬わなければならない人 ( この場合、中村さ ん ) を話の相手とする場合は不適切。①②④の「父、が適切。また、④の「お世話をする」は「世話をする , の謙譲語であり、行為の向かう先である花子の父親を敬うことになり不適切。①②③の「お世話になる」は 「世話になる、の謙譲語であり、行為の向かう先である中村さんを敬っており適切。 しんせき 三話をする「自分、自身と、話の相手の「親戚のおばさん」以外に、おばさんの夫である「おじさん」が登場 する。「おばさん」と「おじさん、は敬わなければならない人であり、「自分」自身は敬ってはいけない人であ < では、③の「お過ごされる」は形の上で「過ごす」の尊敬語としても謙譲語としても不適切な言い方であ答 る。④の「お過ごしになられる」は、「過ごす」に「お 5 になる」と「 5 れる」という尊敬語の形式が二重に 付いた「二重敬語」と呼ばれるもので、不適切な言い方である。どちらか一つの形式が付いた「お過ごしにな題 、は「変わりない」の尊敬語、②の「お過ごしだ攤 る」か「過ごされる」が適切である。①②の「お変わりなしー ( です )_ は「過ごしている」の尊敬語であり、その行為をする人であるおじさんを敬っており適切。 では、②の「お訪ねになる」は「訪ねる」の尊敬語で、行為をする自分自身を敬うことになり不適切。① 模擬問題①

問 2 一 5 四の文について、先生を敬う言い方になるようにーー・部分を書き改めるとどのようになるてしようか。 】の指示に従って、平仮名て書いてください。 一先生を見送る。【「お ( ご ) 5 する」の形を使って】 ニ先生に報告する。【「お ( ご ) 5 する」の形を使って】 【「お ( ご ) 5 する」の形を使わない、敬語専用の言葉て】 三先生に教えてもらう。 四先生に会う。 【「め ( 目 ) 」を使って】 模擬問題② 101 0 模擬問題②