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検索対象: 毒になる親 : 一生苦しむ子供
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1. 毒になる親 : 一生苦しむ子供

192 事実を隠したとすると、その子供はそういう行動をすることで家を外部の干渉から守ってい るわけだ。 親の考え方、親の作るルール、そして子供がそれらをどれほど従順に守っているか、など の観点から「毒になる親」を見れば、子供が大きくなってから示す自己破壊的な行動や性向 についての多くのことがはっきり見えてくる。また、そういう親の行動のほとんどを背後か ら駆り立てている強力な「カ」の存在について、ひいては子供の行動を駆り立てているのは 何なのかがわかるようになってくる。 理解は変革への第一歩だ。それによって新しい選択肢への扉が開かれるのである。だが、 物事をただ違った角度から眺めるだけでは十分ではない。真の変革と苦しみからの解放は、 違ったやり方を実行することによってのみ、はじめて訪れてくれる可能性が出てくる。つぎ の第二部では、その具体的な方法についてのアウトラインを示そう。

2. 毒になる親 : 一生苦しむ子供

問して、最初の「考え」のリストから当てはまるものをさがし、「なぜなら、 9 ・私は親の気 持ちを傷つけそうなことは何ひとっ言ったりしたりするべきではないからだ」という考えを 持っていたとわかるという具合だ。 同様に「私は自分が親を落胆させたとわかったら悲しい」は、「なぜなら、 1 ・親は私 の行動しだいで幸せに感じたり感じなかったりするからだ」、「・私は親に対して腹を立て のるのは布いは、「なぜなら、 7 ・もし親にたてついたら、私はもう永久に縁切りだといわれ 衂るだろうからだ」という「考え」を持っていたからかもしれない。 このように、わき起こる「感情」と心の奥に横たわる「考え」の結びつきをあらためて調 べてみると、「感情」というものがいかに「ものの考え方 ( 信条 ) 、を土台にしているかがわ 主冂 このように、自分の感情のわき起こるもとになっているものが何なのかを 感かるに違いない 知ることは、感情をコントロールできるようになるための重要な第一歩である。 え 「行動」のチェック 章人間にはまずもとになる「考え」があり、つぎに人との関係による「感情」が生じ、その 第結果「行動」が起こるとすれば、「行動」の仕方を変えるには「考え方」と「感じ方」を変 えなければならないということは容易に想像がつくであろう。以下のリストに示す行動パタ ーンは、前にあげたリストの「考え」と「感情」から派生するものである。これらの「行

3. 毒になる親 : 一生苦しむ子供

第ニ部「毒になる親」から人生を取り戻す道 第ニ部のはじめに 第九章「毒になる親」を許す必要はない 「許す」ことの落とし穴 , 第十章「考え」と「感情」と「行動」のつながり 「考え ( 信条 ) 」のチェック 間違った「考え」が引き起こす苦しみ 「感情」のチェック 「考え」と「感情」と「行動」の結びつき 「行動ーのチェック チェックリストへの反応 2 1 2 217 196 2 1 1 216 206 193

4. 毒になる親 : 一生苦しむ子供

2 2 2 親 ( やそのほかの人たち ) の要求や意向に影響されず、自分自身の考えでものを考え、自 分自身の感覚でものを感じ、自分自身の意思で行動している時、あなたは本当の自分になっ ている。だがその時には、もしあなたの考えや行動を親が気に入らなければ、あなたはある 程度の不快を我慢しなくてはならない。また、もしあなたが親の望むように自分を変えよう としなければ、今度は彼らがあなたに対して抱く不快感を、あなたは我慢しなくてはならな いことになる。また、あなたの考えが親と同じだったり、行動が結果的に親の望むことと同 じになったとしても、それはあなたが自分の意思で選択をした結果たまたまそうなったので あり、親の意向に賛成するのも反対するのも、はっきりとした自分の意思で自分が選択した 結果でなければならないということである。 「本当の自分でいる」ということは、人の気持ちを踏みにじったり、自分の行動が人に及ば す影響を無視することではない。だが、それは同時に、他人が自分の気持ちを踏みにじって 勝手なことをするのを許すことでもない。つまり、他人の気持ちを思いやることと自分を大 切にすることは、常にバランスが取れていなくてはならないのである。 第十一章自分は何者かーーー本当の自分になる

5. 毒になる親 : 一生苦しむ子供

兄弟や姉妹があなたと同じような目にあっていた場合、彼らはあなたの行動を支持するこ ともあるだろうが、もし親による″からめ取られ度〃があなたより強ければ、あなたの語る 事実を否定するだろう。また、あなたと同じような体験をしたことがない場合には、彼らは あなたの行動を理解できないかもしれない。 なかには、あなたの行動がそれでなくても不安定な家庭内を引っかき回してしまうことを 恐れ、怒り出す者もいるだろう。そして、あなたが家庭の平和を乱したと信じ込んで感情的 になり、親の味方をしてあなたを攻撃してくる者もいることだろう。そういう場合も、親に 対する時と同じように冷静さを保ち、自己防衛のために反射的に反撃しようとしないで対応 することが必要になる。 どのような態度で対応するか、例をいくつかあげればつぎのようになるだろう。 道 の へ 立・意見があるのなら喜んで話し合うが、私を侮辱するようなまねは許さない。 ・あなたが親の味方をしたい気持ちはわかるが、私の言ったことは事実だ。 章 三・私はあなたの気分を害しようと思ってあのような行動を取ったのではない。私自身のため 第にどうしても必要なことだったのだ。 ・あなたとの関係は大切だが、私はそのために自分がしなければならないことを中止するつ もりはない。

6. 毒になる親 : 一生苦しむ子供

うではないように見えても、親は子供にわき起こる感盾や行動に依然として巨大なコントロ ールを及ばしているのである。なぜかといえば、親に対してそのように激しく反応するとい うのは、彼らに自分を不央にすることのできる力を与えてしまっているということであり、 つまりはコントロールされているということになるわけである。 親にどれほど自己をからめ取られているかは、自分の「ものの考え方ー「感情」「行動」の の三つについて調べてみるとよくわかる。では、それらをひとつずつ見てみよう。 動 行 「考え ( 信条 ) 」のチェック 第八章でも考察したように、個人の根本にある「ものの考え方 ( 信条 ) 」は、その人の態 感度、知覚力、人間というものについての概念、倫理観などに根本的な影響を与える。したが って、人間として成長し、人生を好転させるためには、まず自分の「間違った考え」が「ネ ガテイプな感情」と「自滅的な行動」にどう結びついているかに気づく必要がある。 つぎにあげるチェックリストは、あなたの「感情」や「行動のおおもとにはどのような 章「ものの考え方」が横たわっているかを突き止めるのを助けるためのものである。自分を偽 第らずにじっくりと心の奥を観察してみてほしい。以下で「親、とあるのは、父親でも母親で もかまわない

7. 毒になる親 : 一生苦しむ子供

294 「毒になる親の行動パターンが親から子へ、子から孫へと代々伝わっていくことについて はすでに述べたが、それぞれの世代で家族の織りなすドラマは異なっていても、親の「毒に なる行動パタ 1 ン」はすべての世代で同じような結果を導く。すなわち、子供の苦しみであ る。 この代々伝わる不幸をなくすためには、親から子へとくり返されていく「毒になる行動パ りんね ターン。の輪廻をどこかで断ち切らなければならない。もしあなたの親が「毒になる親」だ ったら、後の世代にこれ以上被害者を出さないためには、それはあなたの代でやるしかな それにはまず〃被害者〃みたいな顔をするのをやめること、そして自分の親と同じような 行動をするのをやめることである ( 本書の第一一部に書かれている内容は、すべてそのゴ 1 ルを達 成するための方法なのだといっていい ) 。そして、配偶者、子供、友人、同僚、あなたに力を 及ばす人たち、そしてもちろん親に対して、二度と非力で依存的な子供のような態度で接す るようなことはしないと決めるのである。また、もし自分が配偶者や子供に暴力を振るいそ 第十四章「毒になる親」にならないために

8. 毒になる親 : 一生苦しむ子供

らさない。感情的になっている時には対決的な行動は避けるべきである。その理由は、目の 前のことにばかり考えが集中してしまい、判断力が鈍っているからだ。 時間はあるのだから、せいていますぐ行動に出るのではなく、まずはじめにすべきこと りは、これからの計画をたてることだ。この章で述べたことは、本書の目指しているゴールへ 向けての長い旅のはじまりの第一歩にすぎない。まだまだ通り抜けなくてはいけないことは のたくさんある。 いままでの人生ですでに身についてしまっている生き方のパターンは、それがよくないか らといってもそう簡単にすぐ変えられるものではない。まずは有害な「考え方。と自滅的な 「行動」を変えることから挑戦をはじめるべきだ。だが、本来の自分を回復するには、自分 感がいったい何者なのかをよく知る必要がある。 え 章 十 第

9. 毒になる親 : 一生苦しむ子供

子供に謝れる親になる 「毒になる親」の特徴のひとつに、彼らは自分たちのしたひどい行動について、まずほとん どと一三ロって ) しいくらい謝らないということがある。だからこそ、もし子供を傷つけたと思っ た時には謝る、ということが、「毒になる家系」の毒素をつぎの世代に伝えないようにする ための重要な行動となる。 子供に謝ることのできない人というのは、愛情が欠けている人間である。そういう人は、 そんなことをしたら面目を失うとか、軟弱さの証拠だとか、親の威厳がなくなると恐れてい ら る。だが事実を一一一一口うなら、子供というのは謝った親を見下すようなことはしないばかりか、 にかえってそういう親を以前にも増して尊敬できるようになるものである。子供ですら、間違 測いを犯した時には謝ることができる人というのは人格者であり、そういう行動は勇気がある な証拠だと感じるのである。おざなりでなく、本心から謝罪するということは、お互いの心を こ 癒し、「毒になる親」の輪廻を断ち切るためのもっとも優れた行動である。 先ほども再び例に出した、内面の怒りをコントロ 1 ルできなくて息子を暴力で虐待した女 章 四性は、その後、自分自身の虐待された子供時代を癒す心理セラピーを受けてから、自分が虐 第待してしまった息子に謝りたいと思うようになった。だがなんと言っていいのかわからず、 3 なかなかそれができなかった。そんな時にも「ロール・プレイ」による練習は効果がある。 私は彼女に息子の役をやらせ、私が彼女の役をすることにした。「ロール・プレイ」ではこ

10. 毒になる親 : 一生苦しむ子供

せられるかを知っているからである。そういう家では、自分のことを自分で決めることが、 たちまちややこしくこんがらがった問題となってしまう。こうなると、もはや子供の感情、 行動、決定などは、本人のものではなくなってしまい、「家」の従属物となってしまうので ある ( 第三章を参照のこと ) 。 「家」のパランスを取る行動 このように内部が複雑で不健康にからみ合っている家、すなわち「毒になる家ーでは、み ながその家のルールを守っているかぎり、「見せかけの愛情」と「安定ーという幻想を維持 することはできる。だが、結婚などをきっかけに家から離れたり、親の家から離れて独立し ようとすると、本人はそんなつもりはなくても家のバランスをひっくり返すことになってし まう。 もちろん、どのような家庭でも、ある種の安定を維持するためにはバランスが必要だ。そ のバランスは、家族のメンバーがお互いの行動を予測できる状態で相互に反応しているかぎ り、ひっくり返ることはない。健康な家庭においては、バランスとは落ち着いた秩序を意味 し、安らぎとなる。 だが「毒になる家ーにおいては、「バランスを維持する」ということは、高いところに張 られたゆらゆら揺れるロープを渡るようなものだ。そういう家では家庭内の混乱は日常茶飯