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検索対象: 老子 : 無知無欲のすすめ
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1. 老子 : 無知無欲のすすめ

万物の母・ : つ」 万物は陰を負い陽を抱き : ・ 万物はこれを恃みて生ず : ・ 万物は並び作こるも : まさおのずか 万物は将に自ら化せんとす・ 万物は将に自ら賓せんとす : ゅう 万物は有より生じ : 万物を衣養するも : ・ 万物を以て芻狗と為す : ・ びみようげんつう 微妙玄通す : 微明・ : 悲哀を以てこれを泣き : かがや 光あるも而も燿かさず : ・ 挧 ( 引 ) くに敵無し : 美言は信ならず : ・ 美言は以て尊を市うべく : 美と悪と相い去ること : 美の美たるを知るも : すうく たの 人に勝つ者はカ有り : 人の生まるるや柔弱 : ・ 人の教うる所 : ・ 人の畏るる所 : ・ 人の道は則ち然らず : ・ のっと 人は地に法り : 人を治め天に事うるは : 人を殺すを楽しむ : ・ 人を知る者は智なり : : 人を棄つること無し : 百姓の心を以て : 百姓は皆我れは自然と : すうく 百姓を以て芻狗と為す : ・ ひょうふう 飄風は朝を終えず : ・ ひろ 博き者は知らず : ・ ひん 牝は常に静を以て牡に勝っ : ひんぼ 牝牡の合を知らず : ・ 富貴にして驕るは : 深くして識るべからず : ・ ひやくせい おご 福は禍いの伏す所・ : 不言の教 : ・ ふしよう 不肖に似たり : 不争の徳 : 不道は早く已む : ・ : 面復帰 : ・ 冬に川を渉るが若く : 文足らずと為す : ・ 兵は強ければ勝たず・ : ふしようき 兵は不祥の器 : ・ 兵を抗げて相い如けば : 兵を用うるに言えること有り・ : 跚 兵を用うれば右を貴ぶ : 兵を以て天下に強いず : ・ へんしようぐん 偏将軍は左に居り : ・ ほうたいきだ 蜂螢蛇も螫さず・ : しかさ 方なるも而も割かず : ・ ますますあき 法令滋彰らかにして : 57 38 171 188 241 87 わた ごと ・ 5 四 53 105 57 62 171 208 206 143 180

2. 老子 : 無知無欲のすすめ

愚民政治を説くあからさまなことば。とくに「民の治めがたきは、その智の多き以なり」 というのは、いかにも封建君主のかってな独善的せりふとも聞こえる。この章がそうした意 味で読まれてきたことも、事実であろう。しかし、たいせつなことは、これがさかしらの知 恵の害を知ったもののことばだということである。知恵は欲をひきおこし、欲はまた知恵に みが 磨きをかける。人間はそれによって文化を築きあげてきたのだが、さてそれで幸福だけがひ ろがってきたであろうか。文化の恩恵のかげに重なっている新しい困難、大きな不幸が、深 どうくっ い洞窟のロをあけているではないか。なまじいの知恵は棄てるべきである。知恵をいうな ら、それは世俗をこえた真実の明知でなければならない。「民を愚直にする」とは、実はこ おうひっ の明知に近づけることである。王弼の注はいう、「愚とは無知のこと、真を守って自然に従 たいぎ うことである」と。知の害を説くことばは「智慧出でて大偽ありー ( 第十八章 ) 、「聖を絶ち 智を棄つれば、民の利は百倍」 ( 第十九章 ) のほか、これまでに多くみられた。世俗の知恵 篇 下を棄てるところに真実の「道」があらわれてくる。そして、天地自然のおのずからなはたら 軽きと合致した「大順」の立場にゆきつけるのである。知恵を貴ばない政治、それは「道」に 近従う政治であり、天地自然の法則に従う政治であった。 けいしき こ げんとく 老◎「稽式」は二字とも法則の意味。「是れを玄徳と謂う」の句は、第十章・第五十一章にもみ えるが、「生じて有とせず , などのことばを受けていて、こことは意味内容が違う。ここと おろ 囲関係が深いのは『荘子』天地篇の第八節であって、天地とびったり合一して、愚かなるがご そうじ ため

3. 老子 : 無知無欲のすすめ

みずか 道の天下に在ける : 欲する可 ( 所 ) を見さざれば : カ自ら勝つ者は強し : 道の尊きと徳の貴きは : 自ら生ぜざるを以て : ・ 欲せざるを欲し : ・ あら 道の道とすべきは : 自ら知りて自ら見わさず : ・ 骨は弱く筋は柔かく : こう 道の物たる惟れ恍惟れ惚・ : 自ら知る者は明なり : 骨を強くす : 道は一を生じ : ・ 自ら是とする者は : ま行 : 材道は隠れて名なし : 自ら是とせず : ・ のっと まえよ 道は自然に法る : 自ら大と為らざるを以て : 前に処るも民は害とせず : なお ・ : 材道は乃ち久し : ・ : 自ら伐 ( 矜 ) らず : ・ 枉がれば則ち直し : 道は大 : ・ 自ら伐 ( 矜 ) る者は : 益して損ず : ・ ひさ また 自ら矜る者は長しからず : ・ : : : 肥道は常に無為にして : 跨ぐ者は行かず・ : 道は常に無名なり : : 制見ずして名 ( 明 ) かに : 全くしてこれを帰す : ・ まど うっしみやす 嫺道は沖しきも : 営える魄を載んじ・ : 道を失いて後に徳あり : 道これを生じ : ・ 学ばざるを学ぶ : まじわり 道を貴ぶ所以の者は : 道と為すに足らず : ・ 与には仁を善しとし・ 道を為せば日、ゝに損ず : 道なる者は万物の奥なり : たす 道を以て人主を佐く : ・ 道に従事する者は : 水は善く万物を利して : のぞ ちか 索 道を以て天下に莅めば : 道に幾し : 水より柔弱なるは莫し : 盈つるを欲せず : ・ : 道に同ずる者 : 自ら見わさず : ・ 身と貨と孰れか多れる : ・ 道の言に出だすは : 2 自ら見わす者は : あら と - 」ろ しめ あきら 118 87 たっと すなわ むな お まさ こっ 145 57 186 104 153 191 127 26 Ⅲ 123 62 135 141 78 15 燗 111

4. 老子 : 無知無欲のすすめ

うしな 多く蔵すれば厚く亡う : 多ければ則ち惑う : 教えの父と為さん : 愛めば大いに費え : 推すを楽しんで厭わず : ・ 同じきに出でて : おのずかひと 自ら均し : 重きは軽きの根たり : せば 居る所を狎める無く : 居れば左を貴び : おろ 愚かにせんとす : つつし 終わりを慎むこと : 音と声と相い和し : か行 かえ 反る者は道の動 : かえ 還るを好む : がく 学を絶てば憂い無し : ひびま 学を為せば日、ゝに益し : たっと こん 重ねて徳を積めば : : 材化して作らんと : やす はか 難きを其の易きに図り : 果 ( 勝 ) ちて強いる勿し : 果ちて矜ること勿く : 勝ちて美ならず・ : たまいだ かっき 褐を被て玉を懐く : ・ かとく 下徳は徳を失わざらんとす : ・ かな 哀しむ者勝っ : 必ず固らくこれを張れ : かみお : 上に処るも民は重しとせず : 彼れを去てて此れを取る : ・ 8 もと かろ 軽ければ本を失い かんけん 関揵なくして : がんとく 含徳の厚き : ・ 官の長と為す・ : 希言は自然なり : ・ : 奇を為す者・ : おこ : 奇を以て兵を用い : 気を専らにし柔を致し : 聴くも聞くに足らず : 聴けども聞こえず : 器これを成す : ・ 揣えてこれを鋭くするは : たっと 吉事は左を尚び : ・ 木は強ければ折る : 義を失いて後に礼あり : るいど 九層の台も累土より起こり : きようじ 凶事は右を尚ぶ : しもよ 強大なるは下に処り : きようりようしゃ 強梁者は其の死を得ず : ・ 曲なれば則ち全し : ・ 居には地を善しとし : : 四虚を致すこと極まり : どう : 金玉堂に満つるは : 愚人の心 : くにあか ・ : 国の垢 ( 不祥 ) を受く : きた きょ もつば 36 材 141 227 108 197 127 227 108 38 燗 53 118 40 177 232 75

5. 老子 : 無知無欲のすすめ

じようこう とが 上公本や古本などと合うから、いまそれに従った。「咎 . の句の「惜」の字も、もとは「大」 いたましいこ とあるが、帛書と古本に従って改めた。「僣ーは惨と同意で、むごたらしく、 はずか と。◎「常に足る , 永遠の満足は、第四十四章の「足るを知れば辱しめられず」 ( 一四五ペー ジ ) とも参看する必要がある。 貯戸を出でずして ( 足もとを見よ ) 戸口から一歩も出ないでいて、世界のすべてのことが知られ、窓から外をのぞき もしないでいて、自然界の法則がよくわかる。外に出かけることが遠ければ遠いほ ど、知ることはますます少なくなっていくものだ。それゆえ「道」と一体になった 聖人は出歩かないでいてすべてを知り、見ないでいてすべてをはっきりとわきまえ、 下何もしないでいてすべてを成しとげる。 いよいよ ま′」、つかが 戸を出でずして天下を知り、膈を閥わずして天道を見る。其の出ずること弥遠 ここもっ ければ、其の知ること弥 : 少なし。是を以て聖人は、行かずして知り、見ずして あきら 名 ( 明 ) かにし、為さずして成す。

6. 老子 : 無知無欲のすすめ

つかりしたものを攻撃するとなると、それに勝るものはない。水の性質を変えさせ るものがほかにはないからである。 カオ 弱々しいものがかえって強いものに勝ち、柔らかなものがかえって剛いものに勝 っということは、世界じゅうだれもが知っていることだが、それを自分で実行でき くつじよく るものはいない。それゆえ聖人は、「国家の屈辱を甘んじてその身に受ける人、それ わざわい あるじ しやしよく 、国家の災害を甘んじてその身に受ける人、それを世界の を社稷 ( 国 ) の主といし 王という」と言っている。ほんとうの正しいことばは、ふつうとは反対のように聞 こえるものだ。 けんきよう じゅうじゃく てんか 天下水より柔弱なるは莫し。而も堅強を攻むる者、これに能く勝る莫し。其の以 てこれを易うるもの無きを以てなり。 じゃくきよう 弱の強に勝ち、柔の剛に勝つは、天下知らざる莫きも、能く行なう莫し。是を以 ふしよう しやしよくしゅ あか て聖人は云う、国の垢を受く、是れを社稷の主と謂い、国の不祥を受く、是れを ごと おう 天下の王と謂う、と。正言は反するが若し。 天下莫柔弱於水。而攻堅強者、莫之能勝。以其無以易之。 弱之勝強、柔之勝剛、天下莫不知、莫能行。是以聖人云、受国之垢、是謂社稷主、 しか まさ まさ ここ もっ

7. 老子 : 無知無欲のすすめ

ぜいこう おうひっ いぼこぶ ◎「贅行」の「行」を形と通用するとして、「よけいな形」、つまり王弼の注にいう肬や贅に けい′一、つ 当てる説 ( 奚伺 ) もあって、一説として認められるが、「行」のままでも通じる。◎「物或い ちょうしようじよきしん は」の「物」は、人をふくむ万物をさす。張松如は鬼神のこととして、『易』にいう「鬼神 は盈つるを害して謙に福す、の主旨ではないかという。一説である。なおこの句は第三十一 章にもみえる。◎「有道者 , は第七十七章にもみえる。「聖人、と近いが、「道を為し、 ( 第四 十八章 ) て、それを身につけた人。 きよく 曲なれば則ち全し ( 旧第一一十二章 ) ( 不争の徳② ) まっと しやく 「曲がりくねった樹のように役たたずでおれば、身を全うできる。尺とり虫のよう くぼち に身をかがめておれば、真っ直ぐにのびられる。窪地のようにへこんでおれば、い 篇つばいにたまってくる。古着のようにばろばろでおれば、新しくなれる」 まこと、そのように、万事をひかえめにしてつつしんでおれば目的は達せられる が、多くをむさばると迷うことになる。それゆえ聖人は、多くのことには目もくれ 子ず、唯一の「道」をしつかりと守って、世界じゅうの模範となっているのだ。 自分で自分を見せびらかそうとしたりはしない、だからかえってその才能がはっ きりする。自分で自分を正しいとしたりはしない、だからかえってその正しさがあ ゆいいっ まった

8. 老子 : 無知無欲のすすめ

180 政治がゆきとどいてはっきりしたものであると、その人民はずる賢くなるものだ。 わざわい さいわい わざわい 災禍があればそこに幸運もよりそっており、幸運があればそこに災禍もかくれて じゅんかん いる。この循環のゆきつく果てはだれにもわからない。そもそもまともな規準はな いのであろうか。まともなことがひっくりかえって型ゃぶりに変わり、りつばなこ あや とがひっくりかえって妖しげなことに変わる。実はそこに真相があるのだが、人び とがそれに気づかないで迷いつづけていることは、もう古いむかしからのことだ。 おおらかなばんやりした政治のよいことは、これでわかるだろう。 それゆえ、「道」を体得した聖人は、方正とはいってもそれによって人をさばいた れんけっ りはせず、廉潔とはいってもそれによって人を傷つけたりはせず、真っ直ぐとはい ってもどこまでも押しとおすことはせず、知識の光をもっとはいっても人目をひく ような輝きは外に出さないのである。 そまつりごともんもん じゅんじゅん さっさっ 其の政悶悶たれば、其の民は淳淳たり。其の政察察たれば、其の民は欠欠た わざわ きよく 禍いは福の倚る所、福は禍いの伏す所。孰れか其の極 ( 法 ) を知らん。其れ正 よう もと きか。正は復た奇と為り、善は復た妖と為る。人の迷えるや、其の日固より久し。 しかさ そこな ちよく 是を以て聖人は、方なるも而も割かず、廉なるも而も劃 ( 傷 ) わず、直なるも而 ここ れん けつけっ

9. 老子 : 無知無欲のすすめ

たいえん 大怨を和すれば : きせい 大音は希声・ : たいかん 大患を貴ぶこと身の若く : たいき ばんせい 大器は晩成し : ・ たいぐん 大軍の後は必ず凶年・ : たいこうった 大巧は拙なきが若く : 大国は下流なり : 大国を治むるは : 大順に至る : たいしよう けず 大匠に代わりて斷る : たいしよう 大象は形無し : 大象を執れば天下往く 大上は下これ有るを知る : 大丈夫・ : 大成は欠くるが若く : さ 大制は割かず : ・ 索 大直は屈するが若く : たいはくじよく 大白は辱なるが若く・ とっ 大弁は訥なるが若し : たいじようしも だいじようふ たいせい たいちよく 大道廃れて仁義有り・ : 大道は甚だ夷らか : 大道氾として : 大なるも不肖に似たり : たいほうかど 大方は隅無し : ・ 大なる者宜しく下る : ・ : 多易は必ず難多し : ・ しばしば 多言は数、、窮す : ・ ・ : 嫺泰を去る : 高きは下きを以て : おさ 高き者はこれを抑え : たくやく 稾籥のごときか : た ななめ 唯だ施なるを畏れん : た 惟だ道に是れ従う : たっと 貴きは賤しきを以て : たに 谷は盈つること無くんば : たみ おそ 民威を畏れざれば : おのずか 民自ら化し : たか すた はん み ひく おそ 民死を畏れざれば : 民に利器多く 民の饑うるは : 民の治め難きは : 民の心をして乱れざらしむ : : 民の事に従うは : 民は径を好む : ・ 民を愛し国を治め : ・ 民を明らかにするに非ず : 民をして争わざらしむ : ・ かた 民をして死を重んじて : ・ : 四足らざるを補う : : 黼足るを知らざるより : 足るを知るの足るは : 足るを知る者は富む : ・ 足るを知れば辱かしめられず : ・ 誰の子なるかを知らず : ・ 淡乎として味わい無し : ・ 智慧出でて大偽あり・ : たんこ おそ 68 118 26 145 113 剏 150 230 237 23 2 圓 40 166 197 23 225 225 177 223

10. 老子 : 無知無欲のすすめ

たいせい あの泰西の神話にも象徴的に示されている。われわれは自分の持ちものをかなぐり つ」す 棄てる必要がある。世間の常識に満たされた、この多くの知識をである。「道」のこ とはあとで述べるとして、ともかく「道」を修めるとそれが可能になるという。ど んどん減らして無知になって、やがて無為になる。無為はことさらなしわざをしな いことで、それでこそ万事がうまく成しとげられるのだという。 したい、人間の常識ほど当てにならないものはない。 「美しいものを美しいとして知っているが、果たして本当に美しいのか、実は醜い ものだ。善いことを善いこととして知っているが、果たして本当に善いことなのか、 実は善くないことだ」 人びとはその時その時の現象をつかまえて、かってな判断をしているだけである。 だから世界の真相をわきまえた聖人は「無為の事におり、不言の教えを行なう」の だという ( 第二章 ) 。現象に動かされるだけの世間知は「智ーとよばれる。それをこ えた聖人の英知は「明ーといわれる。「他人のことを知るのは智であるが、自分のこ とを知るのが明である」という ( 第三十三章 ) 。外に走る知ではなく、内に沈潜する どうさっ しんち 洞察こそが、すべてを見ぬく真知だというのである。 無為は一切なにごともしないというのではない。それと同じように、無知もまた 一切の知的なはたらきをやめよというのではない。聖人の明知は模範とすべきであ ちんせん