科学的で健康な性教育とともに、子どもには人権が あり、やがてこの子どもたちが親となって社会を担う という現実を自覚し、リーダーシップを手渡せるよう にしてゆくことが、私たち大人の責任ではないでしょ うか 子どものセルフ・エスティームを高めるために 大人の私たちは、たくさんの生活責任を負っている し、時に個人では背負いきれない問題を抱える場合も あります。けれど、私たち大人が、いやなことはいや だときちんと意思表示すること、その姿を日常生活で 見せること、それこそ子どもにセルフ・エスティーム を教えてゆく最高のチャンスです。 自分には後には引けない一線、大切な信念があり、 自分を大切にするためにしなければならないこと、し てはならないこと、その意味を教えてゆく。それは、 家庭でしかできないセルフ・エスティームの高め方で す。 そして、子どもとともに生きる私たち大人が、自分 を大切に思い、その自分と縁あって一緒に生きること になった子どもを大切に思う心。セルフ・エスティー ムの高い子どもは、そんな大人から愛情を吸収して成 長します。 子どもはみな、自分のなかに生きる情熱や才能、喜 びの種をもって生まれてきます。種は大地にまかれ、 雨にうるおされ、太陽の恵みを受けて成長します。大 地は子どもをしつかりと支える大人の自立し、成熟し た確かな腕、雨は子どもを勇気づけることばの数かす、 そして太陽は大人からのまなざしや笑顔。この 3 つの 要素がそろったとき、私たちの子どもは、素晴らしく セルフ・エスティームの高い、人間性あふれた大人に 成長出来ると思うのです。そして、自分に喜びの種が 埋もれていることを知り、自分で自分を育んでゆくこ とをも知ってゆきます。 たとえば、このようなことばをくり返すことにより、 子どものセルフ・エスティームは高められます。 「あなたが大好きだよ」 「あなたが生まれてよかった」 「私はあなたを誇りに思う」 「あなたが悩んでいたら、どんなことでも助けたい」 「あなたがこ、に感じることは、正しいよ」 「あなたがいると、とても安心する」 0 31