を知ったならば、修行僧はものうさと睡眠に打ち克って、一切の悪いところ↑地獄など ) を捨 てるであろう。 心を制することは楽しい。心をまもれ。怠るな。生けるものどもは心に欺かれている。或る 人々は地獄で焼かれる。 契心を制することは楽しい。心をまもれ。怠るな。生けるものどもは心に欺かれている。或る 人々は畜生のあいだにあって焼かれる。 毛心を制することは楽しい。心をまもれ。怠るな。生けるものどもは心に欺かれている。或る 人々は餓鬼のあいだにあって焼かれる。 天心を制することは楽しい。汝らは心を守れ。怠るな。心がよく守られているならば、或る生 けるものどもは人間のあいだにあって喜ぶ。 章 = 九心を制することは楽しい。汝らは心を守れ。怠るな。心がよく守られているならば、或る生 けるものどもは天上にあって喜ぶ。 こ大 0 心を制することは楽しい。汝らは心を守れ。怠るな。心がよく守られているならば、或る生 興 けるものどもは、やすらぎ ( ニルヴァ 1 ナ ) に達する。 感 以上第三一章心
278 一六屋根を粗雑に葺いてある家には雨が洩れ入るように、心を修養してないならば、愛執が心に 侵入する。 一セ屋根をよく葺いてある家には雨の洩れ入ることが無いように、心をよく修養してあるならば、 情欲の侵入することが無い。 一へ屋根をよく葺いてある家には雨の洩れ入ることが無いように、心をよく修養してあるならば、 憎しみが心に侵入することが無い。 一九屋根をよく葺いてある家には雨の洩れ入ることが無いように、心をよく修養してあるならば、 迷妄が心に侵入することが無い。 = 0 屋根をよく葺いてある家には雨の洩れ入ることが無いように、心をよく修養してあるならば、 高慢が心に侵入することが無い。 三屋根をよく葺いてある家には雨の洩れ入ることが無いように、心をよく修養してあるならば、 食ばりが心に侵人することが無い。 = = 屋根をよく葺いてある家には雨の洩れ入ることが無いように、心をよく修養してあるならば、 愛執が心に侵入することが無い。 = = ものごとはにもとづき、心を主とし、らのように疾く動く。もしも汚れた心で話したり行 動したりするならば、苦しみはその人につき従う。車をひく牛の足跡に車輪がついて行くよう
あろう人々は、大きな恐怖からのがれるであろう。 九憎む人が憎む人にたいし、怨む人が怨む人にたいして、どのようなことをしようとも、邪ま なことをめざしている自分の心が自分に対して自分でなすほどには、それほどひどいことをし 一 0 母も父もその他の親族も、正しく向けられた心が自分のためにしてくれるほどの益をしては くれない。 = 屋根を粗雑に葺いてある家には雨が洩れ入るように、心を修養してないならば、情欲が心に 侵入する。 一 = 屋根を粗雑に葺いてある家には雨が洩れ入るように、心を修養してないならば、憎しみが心 に侵入する。 章 一 = 屋根を粗雑に葺いてある家には雨が洩れ入るように、心を修養してないならば、迷妄が心に 侵入する。 と こ 一四屋根を組雑に葺いてある家には雨が洩れ入るように、心を修養してないならば、高慢が心に の 感侵入する。 三屋根を粗雑に葺いてある家には雨が洩れ入るように、心を修養してないならば、食ばりが心 に侵入する。
ーー弓矢職 心は、動揺し、ざわめき、護り難く、制し難い。英知ある人はこれを直くする。 人が矢柄を直くするように。 すみか この心は、悪魔の支配 三四水の中の住居から引き出されて陸の上に投げすてられた魚のように、 から逃れようとしてもがきまわる。 かろがろ 三五心は、捉え難く、軽々とざわめき、欲するがままにおもむく。その心をおさめることは善い ことである。心をおさめたならば、安楽をもたらす。 きわ 昊心は、極めて見難く、極めて微妙であり、欲するがままにおもむく。英知ある人は心を守れ かし。心を守ったならば、安楽をもたらす。 毛心は遠くに行き、独り動き、形体なく、胸の奥の洞窟にひそんでいる。この心を制する入々 は、死の東縛からのがれるであろう。 = へ心が安住することなく、正しい真理を知らず、信念が汚されたならば、さとりの知慧は全か 第 らず。 こ三九心が煩悩に汚されることなく、おもいが乱れることなく、善悪のはからいを捨てて、目ざめ の 理ている入には、何も恐れることが無い。 もろ 四 0 この身体は水瓶のように脆いものだと知って、この心を城廓のように ( 堅固に ) 安立して、知 しかもそれに執著することなく。 慧の武器をもって、悪魔と戦え。克ち得たものを守れ。 とら なお
一七ガウタマのこの弟子たちは、よく覚醒していて、昼も夜もその心は不傷害を楽しんでいる。 ズガウタマのこの弟子たちは、よく覚醒していて、その心は怒り害しないことを楽しんでい 究ガウタマのこの弟子たちは、よく覚醒していて、その心は昼も夜も ( 俗世からの ) 出離を楽し んでいる。 娶んじよう = 0 ガウタマのこの弟子たちは、よく覚醒していて、その心は瞑想 ( 褝定 ) を楽しんでいる。 ひとりい 三ガウタマのこの弟子たちは、よく覚醒していて、その心は遠ざかり離れる孤独を楽しんでい 一三ガウタマのこの弟子たちは、よく覚醒していて、その心は空を楽しんでいる。 章旨ガウタマのこの弟子たちは、よく覚醒していて、その心は無相を楽しんでいる。 = 四ガウタマのこの弟子たちは、よく覚醒していて、その心は無所有を楽しんでいる。 ば = 五ガウタマのこの弟子たちは、よく覚醒していて、その心は瞑想を楽しんでいる。 実ガウタマのこの弟子たちは、よく覚醒していて、その心は安らぎを楽しんでいる。 の 以上第一五章念いをおちつけて る。
第一章ひと組みずつ 一ものごとは心にもとづき、心を主とし、心によってつくり出される。もしも汚れた心で話し たり行なったりするならば、苦しみはその人につき従う。 ーー・車をひく ( 牛 ) の足跡に車輪がっ いて ( 行′トへ、つに 0 = ものごとは心にもとづき、心を主とし、心によってつくり出される。もしも清らかな心で話 したり行なったりするならば、福楽はその人につき従う。 影がそのからだから離れないよ 、つ ) 0 三「かれは、われを罵った。かれは、われを害した。かれは、われにうち勝った。かれは、わ れから強奪した。」という思いをいだく人には、怨みはついに息むことがない。 四「かれは、われを罵った。かれは、われを害した。かれは、われにうち勝った。かれは、わ れから強奪した。」という思いをいだかない人には、ついに怨みが息む。 五実にこの世においては、怨みに報いるに怨みを以てしたならば、ついに怨みの息むことがな 。怨みをすててこそ息む。これは永遠の真理である。
なものである。 = 四ものごとは心にもとづき、心を主とし、のように疾く動く。もしも清らかな心で話したり 行動したりするならば、福楽はその人につき従う。影がそのからだにつき従って離れないよう なものである。 たけ = 五心が不浄で汚れ、動揺していて、あるいは怒り猛っているならば、道理をはっきりと知るこ とはできない。 = 六しかし心に怒りと不浄を制し、害心を除いて、よく説かれた教を明らかに知る人は、 毛心が敵意でかたまり、怒り猛っていて、汚れているならば、よく説かれた教を識りわけるこ とは容易ではない。 章天心が安住することなく、正しい真理を知らず、信念が汚されているならば、明らかな知慧は 全からず。 ば = 九心を流し去る三十六の激流があれば、その激流は、悪しき見解をいだく人の食欲にねざした ただよわ おも こ 想いによってその入を漂し去る。 の 心のままに動くならば、この世で名誉はいつもかれを捨 感三 0 人が快楽に耽り、官能にしたがい、、 て去る。。ーー果実の落ちてしまった木を、鳥が立ち去るように。 欲情の対象が汝の心を乱さないように。なおざ 三一汝はっとめておれ。なおざりになるな。
悩を減ばし尽して過ちを除き去った人々は、この世にあっても、全く解きほごされて安らいで いるのである。 当牛が虫を払って自分の尾をまもるように、自分の心をまもりながら、生ける者どもを愍んで いる人は、幸せから退くことがない。 巴ひとりで林の中で楽しむのであるから、轅のように長い牙のある象が他の ( 同種の ) 象と会う ( ように ) 、、いが心と会うのである。 当害する心がなくて、生けるものどもを愍み、生きとし生ける者どもに対して慈しみの心があ れば、かれは何人からも怨まれない。 当、 ( 訳文は当と同じ。 ) 章四 = 汚れの無い心で、一つの生きものをさえも慈しむならば、それによって善が生ずるであろう。 生きとし生けるものをすべて心で慈しむならば、聖者は多くの功徳を積むことになる。 ば畿、四五実に入が安穏を得るために、つれに心が躍り上り、ひるむことなく、善いことがらを修 するならば、正しい知慧によって解脱して、やすらいに帰したその修行僧の心は静かである。 の おこな 感ことばも静かである。身の行いも静かである。 一つのものに心を集中し、道理を正しく観ずる入に起るような楽しみは、五種の楽器によっ ては起らない。 ながえ
276 から逃れようとして、もがきまわる。 三心は別々の方向に走る。ーー太陽の光線のように。それ故に賢者は心を制する。ーー鉤で象 を催するよ、つに。 この心は胎児の状態にあり、牢固としていないし、見ることもできない。わたしはつねに教 えさとす、ーー・わがためにならぬように外へ出歩くことなかれ。 この心は以前には、望むがままに、欲するがままに、快きがままに、さすらっていた。今や あたかも象使いが鉤をもって、発情期に狂う象 わたくしはその心をすっかり抑制しよう、 を全くおさえつけるよ、つに。 つくりて 六汝は、幾多の生涯にわたって、生死の流れをくりかえし経めぐって来た、ー家屋の作者を さがしもとめて。あの生涯、この生涯とくりかえすのは、苦しいことである。 つくりて セ家屋の作者よ ! 汝の正体は見られてしまった。汝はもはや家屋を作ることはないであろう。 汝の欒はすべて折れ、家の屋根は壊れてしまった。心は形成作用を離れて、汝はこの世で滅び てしまった。 ゆみつくり へ心は、動揺し、ざわめき、護り難く、制し難い。英智ある人はこれを直くする。弓師が力強 く矢の弦を直くするようなものである。 << 心は遠くに行き、独り動き、形体なく、胸の奥の洞窟にひそんでいる。この心を制するで 四 かぎ かぎ
第七章善い行ない 一身体に過ちを犯さないように、まもり落ち着けよ。身体について、慎んでおれ。身体による 悪い行ないを捨てて、身体によって善行を行なえ。 ことま = ことばで過ちを犯さないように、まもり落ち着けよ。ことばについて、慎しんでおれ。語に こと【 よる悪い行ないを捨てて、語によって善行を行なえ。 三心で過ちを犯さないように、まもり落ち着けよ。心について、慎んでおれ。心による悪い行 ないを捨てて、心によって善行を行なえ。 四身体による悪い行ないを捨て、ことばによる悪い行ないを捨て、心による悪い行ないを捨て、 そのほか汚れのつきまとうことを捨てて、 三身体によって善いことをせよ。ことばによって大いに善いことをせよ。心によって善いこと をせよ。ーー汚れのさまたげの無い、無量の善いことを。 大身体によって善いことを為し、ことばによっても心によっても善いことをするならば、その 人はこの世でも、またかの世でも幸せを得るであろう。 セ生きものを傷けることなく、つねに身体について慎しんでいる聖者たちは、不死の境地にお つつし つつし