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検索対象: ルドルフとイッパイアッテナ
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1. ルドルフとイッパイアッテナ

あんない ちこちを案内してくれたのた。 はじ みせ しようてんがいとお そろそろ店しまいを始めた商店街を通リかかったとき、イツバイアッテナがいった。 さかなや 「おい、ルド。おまえ、魚屋のおやしとけんかしたんたつけな。」 さかなだいす さかなや さかな 「そうだよ。ぼくは魚は大好きたけど、魚屋のおやしは大きらいなんた。ぼくの町には魚 さかなや 屋がニけんあるけれど、どっちの魚屋のおやしも、ぼくのことを目のかたきにしてるん みせまえとお だ。店の前を通っただけて、いろんなものがとんてくるしまっさ。たから、なる " へく通ら ないようにしているんた。」 さかなや 「へえ、そうかい。それしゃあ、この町の魚屋も、おれたちのことを見たら、石かなんか な 投げてくるかな。」 ぼくは、なんてイツバイアッテナが、そんなわかリきったことをきくのか、わからな かお かった。ィッパイアッテナの顔を見ると、ニャニヤしている。 「そんなこと、きまってるしゃないか。なんて、そんなこときくんたい。 「きまってるかどうか、やってみなけリや、わからんしゃないか。どうた、これからふた さかなやまえとお リて、そこの魚屋の前を通ってみようせ。 や とお

2. ルドルフとイッパイアッテナ

がら、 しゆくだい 「ねこはええなあ。宿題があらへんのやて。」 なんていうし、朝なんかは、 「ねこはええなあ。学校、いけへんのてもええんやて。 おも なんて、いうこともある。学校って、そんなにつまらないところなのかなあって思って、 と・も あさ 朝、一度リエちゃんにわからないように、あとをつけていったんた。リエちゃんは、友た ちとおしやペリをしたリして、けっこう楽しそうにしていた。そんなにつまらなそうしゃ ないのに、なんてぼくをうらやましかるのか、ふしきになったものた。 かえ あのとき、ぼくはすくに帰ってきたからわからなかったけれど、学校にくると、シ チューだって食 " へられるんしゃないか。どうして、ときどきリエちゃんは学校にいくのを いやかったリしたんだろうか。ますますふしきた。 ある ぼくとイツバイアッテナは、クリームシチューのにおいがしてくるほうに歩いていっ こうしゃ こうしやかど わた たてもの た。校舎の角から渡リろうかが出ていて、小さな建物が、校舎につなかっている。まどが ′」え ちか あいていて、おばさんかふたリ、こっちを見ている。近づくと、話し声がきこえた。 あさ たの

3. ルドルフとイッパイアッテナ

ふり なんだ。きやくに、 こっちが、低いところにいれ " は、不利になるってわけた。たから、自鮖 けいかい ひつよう ぶん たか 分よリ高いところにいるものには、鑿 = 戒が必要たってことさ。 りゅうだい それから、地面にいるすすめをねらいにくい理由の第ニは、すすめが飛びたつのにかか じかんかんけい る時間に関係がある。すすめは飛びたっとき、つばさたけ使って、飛びたつわけしゃない どうじ つか んた。足も使っている。つまリ、つばさをはばたかせると同時に、足てジャンプするん あんてい あんてい じぶんじつけん た。これは、自分て実験してみればわかる。安定のいい場所てジャンプするのと、安定の おも あんてい わるばしょ 悪い場所て " シャンプするのしや、どっちか力が入ると思う ? 安定のいい場所にきまって いる。 ばしょ 地面なんか、ジャンプするのに、もってこいの場所た。それにくら " へて、木の小えた は、ゆれたリ、しなったリするから、 " シャンプする場所としては、あまリいい場所とはい おな にんげん えない。それは、ねこたって、人間たって、すすめたって同した。木の小えたから飛びた じかん じめん とうとするときは、地面からよリも、ほんのすこしよけいに時間がかかる。その、ほんの すこしの差がたいしなんた。なにしろ、いっしゅんの勝負なんたからね。 そんなわけて、ぼくは小えたにとまっているすすめを、下からねらうことにしている。 じめん じめん ひく しよ、つぶ つか

4. ルドルフとイッパイアッテナ

い気 そんなこというつもリしゃなかったのに、しせんにそういうことばが出てしまった。 " フッチーがこっちを見ている。 ルドルフ、おまえは、ステトラをあんなにいためつけたやつを助けてやるのか。そうい いたけな目た。ても、もうこれくらいていい いのちたす たろう。ィッパイアッテナたって、命は助 かったのだから。 「それたけしゃねえ。これからは、あまった えさは、ねこにわけるんた。わかったか。」 こえ しばらくして、デビルの声がした。 「わかったよ、アッププ。なんてもやくそく するし、えさもわけるから、おねけえた。か みつかねえて、上にあがらせてくれ。」 ぼくがだまっていると、デビルは、こちら およ にむかって泳いてきた。 d 6 k たす

5. ルドルフとイッパイアッテナ

きゅ、つしょ / 、しつ 「おおかた、ニにも給食室があるとかんちがいしたんたろ。そろそろ昼た。おまえら しよくいんしつ にも、ペんとうわけてやるからな。さあ、職員室にもどろう。」 ぼくたちがろうかに出ると、クマ先生は、ドアをしめて、かきをかけようとした。さっ おば きのかきを覚えておけばいいのに、また、どれたかわからなくなって、あれてもない、こ ばん ィッパイアッテナは、なんてこのまえの晩のことを、知っているんたろう。きっと、ど こかて見ていたんた。ぼくは、しょぽんとしてしまった。 はじ 「まあ、いい。始めのうちは、たれてもそうしたがるものさ。さ、いこうせ。あんまリ、 ここにいるとあやしまれるからな。」 クマ先生のほうを見ると、クマ先生は、鉄のドアによリかかって、あくびをしている。 よう としよしつ 「ふわーい。おまえら、ねこのくせに、図書室になんの用があるんたよ。ねこにかっ " ふ ぜんだいみもん としよしつ し、ってのはきいたことがあるけど、ねこに図書室なんてのは、前代未聞た。」 にんげん しんば 「ほらな。ねこがあんまリ進歩しねえと、人間に、あんなふうにいわれるんた。」 ある ィッ。ハイアッテナは、そういって、テー " フルからとびおリ、ドアのほうに歩いていっ てつ ひる 凵 8

6. ルドルフとイッパイアッテナ

もっ ちよくつうびん 物をのせたリおろしたリするんた。きたときは、たまたま直通便だったんたろうが、せん ちよくつうびん " ふがせん " ふ、直通便ってわけしゃない。それに、こんどもまえのときみたいに、おまえが うんてんしゅ 乗っているのに気づかないような、まぬけな運転手にぶつかるとはかきらない。 「それしゃあ、どうしたらいいんたよ。せつかく、町の名まえと、場所まてわかったのに さあ。」 ぼくは、泣きそうになった。 きたい 「こんなことなら、なにもわからなかったほうが、へんな期待も持たないから、幸せたっ たんしゃないたろうか。」 ぼくが、ペそをかいて、そういうと、イッパイアッテナは、 ちしき 「ばかやろう。なんてこというんた。そういうのを、「知識にたいするぼうとく」ってい ものこた ぜっぱう うんた。それにな、「絶望は、おろか者の答え」ともいうそ。」 と、ぼくにはよくわからないことをいった。 「とにかく、そうあわてることもない。名まえも場所もわかってるんた。いっか、かなら めいあん す、名案がうか " ふよ。」 しあわ 8

7. ルドルフとイッパイアッテナ

そういえばそうた。ィッパイアッテナとふたリてくるときは、いつもクリームシチュー た。おとといなんか、お昼に " ほくが、学校にいこうって、さそったら、イッパイアッテナ きゅうしよく は、きようはシチューしゃないからためたっていった。ィッパイアッテナは学校の給食 のおかすが、きてみなくても、わかるのたろうか。 きゅうしよくしつ ゅうがた 「おれはな、夕方、ここの給食室にやってきて、まどから中をのそくんた。かべに黒板 しゅうかん がかかっていて、そこに、一週間 " ふんのこんたてが書いてあるんた。字が読めれば、それ がわかるのさ。」 「へえ、そうたったのか。それて、いつがクリームシチューかわかってしまうんたね。ね え、ねえ、それから、字が読めるといいことって、ほかにもあるかい。」 ぼくはもう、知リたがリの虫がおさえられなくなった。 「あるともよ。なあ、ルド。おれはいろんなことを知ってるたろ。アメリカのことも知っ どうぶつ てるし、ねこやいぬ以外の動物のことも知っている。おまえによく話してきかせるしゃな いか。」 たしかに、イッパイアッテナはなんても知っている が こくばん

8. ルドルフとイッパイアッテナ

ばなし まっ 「こんなところて立ち話もなんたから、どうたい、この松の木の上のすすしいところて話 をしようせ。」 といった。 あんしん ィッパイアッテナは、ぼくに、どんなやっても安心してついていっちゃならない、どこ にわながあるかわからないからなと、いつもいっている。ぼくは、 " フッチーといっしょに 「なにいってんたよ。デビルはねこなんかしゃない。ステトラがねこをこわがるわけない たろ。いぬたよ、いぬ。 " フルドッグさ。」 つよ あんしん なんた、いぬか。ぼくは安心した。ィッパイアッテナよリ強いねこなんているわけない もんなあ。ぼくは、フンフンとひとリてうなすいた。 「いぬたって、なみのいぬしや、ステトラにはかなわねえ。おれ、一回、あいつがノラい つよ ぬとけんかしているとこ、見たことがあるけどな。すごかったなあ。ステトラの強いの、 つよ 強くないのって、そリやあもう、あれは見ものたったせ。」 きょ はなし ぼくは、その話かききたくなった。そういうぼくの気持ちをさっしたらしく、 " フッチー ま、 はなし

9. ルドルフとイッパイアッテナ

おも んたって、まえにイッパイアッテナが教えてくれた。そんなことを思い出したら、なんた か、イッパイアッテナが死んしゃうんしゃないかって気がしてきた。 あたま かんが ぼくはそうい、つ考えをふリはらうよ、つに、頭を・フル " フルッとふった。 ′、ちし、つ " フッチーはすこしゆっくリした口調になって、また話しはしめた。 「おれは、そばにいて、ステトラかむっとしたのがわかった。それても、そのくらいのこ とはかくごしてたんたろうな。ステトラは、 ぎゅうにくく 「おれも、おち " ふれて、まるつきリこしきだ。ここんところ、どうしても、牛肉が食いた くってしかたがねえんた。すまねえけど、おまえのをひときれわけてくれねえかな。」 っていったんた。そうしたら、デピルがな、 、ゆうにくさいこう ぬしく 「おれのうちの牛肉は最高たあな。夜にげした、おまえの飼い主が食ってたのとは大ちが いよ。いいとも、わけてやらあ。たけどな、たたってわけにはいかねえ。ちょっと芸ても してみるか、なあ、こしきねこよ。」 なんていいやがった。 あたまち ステトラは、そうとう頭に血がのぼったろう。そばにいて、おれには、そいつがよくわ おお 2 引

10. ルドルフとイッパイアッテナ

「あのな、ルド。おまえ、なんにもわかっ ちゃいないんたから。そんなこといってると にんげん かえ さかな わらわれるぞ。人間が学校の帰リに、魚をく ずかん わえてどうするんたよ。おまえ、図鑑ばっか にんげん 「人間か川て水を飲むわけないだろ。水道 さけ さけの かえ たってあるのに。酒た。酒を飲んてから帰る ことがあるんたろ。」 さかな 「ええーっ。サケたって。あんなに大きな魚 にんげん を飲みこんしゃうの。あの先生、人間しゃな くて、ほんとうはやつばリ、くまなんしゃな あたら どうぶつずかん いか。このあいた見た新しい動物図鑑に、く まがサケをくわえている絵がのってたけど、 ああいうふうにするのかなあ、あの先生 すいどう