フッチー - みる会図書館


検索対象: ルドルフとイッパイアッテナ
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1. ルドルフとイッパイアッテナ

あゆ ぼくはそういって、 " フッチーに歩みよった。 「フッチー、ごめんよ。ィッパイアッテナは、きよう、ちょっと、つかれていて、気が 立ってるんた。かんべんしてやってくれよ。 「たって、なにがなんたかわからないしゃないか。白状するって、いったいなにを白状す リやあいいんた。」 な ごえ " フッチーはもう泣き声になっている。 じじよ、つ おも 「フッチー、ほんとうにすまないと思ってるよ。これには、ちょっと事情かあるんた。」 じじよう 「どんな事情たか知らないけど、おれには関係ないたろ。」 " フッチーがそういうと、イッパイアッテナが横からロを出した。 もんだい かんけい かんけい 「おまえに関係があろうとなかろうと、そんなこた、問題しゃねえ。おれに関係があれ はくじよう ば、おまえは、つつみかくさす、白状しなきゃならねえんた。」 わる 「ちょっと、たまっててくれよ。ィッパイアッテナ。悪いけど、すこしはなれていてくれ ないか。ィッ。ハイアッテナがそばにいると、 " フッチーがなにもしやべれないからさ。」 そうぼくが、すこしきつくいうと、イッパイアッテナは、 し かんけい はくじよ、つ はくじよう

2. ルドルフとイッパイアッテナ

「おおい、 " フッチー。いるかあ。」 こえ ィッ。ハイアッテナがニのまどにむかって、声をはリあげた。 「ためたよ、イッパイアッテナ。 " フッチーはイッパイアッテナのこと、こわがってるんた こえ から、そんなに大きな声を出したら、いたって、出てこないかもしれない。ぼくがよんて みる。」 そういって、ぼくは " フッチーをよんてみた。すると、 「なんたよ。おれなら、ここたよ。 こえ という声が、後ろてした。いつのまにか、 " フッチーがぼくたちのすく後ろに立っていた。 ふリかえったイツ。ハイアッテナか、とっせんどなリつけた。 「なんた、このやろう。そんなところにいやかって。いるなら、いるって、はやく、そう いいやかれ ! 」 " フッチーはめんくらっている。 「イツバイアッテナ、そんなにどなっちやためたよ。」 そうぼくがいっても、イツバイアッテナはどなるのをやめなかった。 8

3. ルドルフとイッパイアッテナ

「わかったよ。きっと教えてやるよ。ても、ステトラに、もう乱暴しないようにいってお あたまち いてくれよ。あいつ、頭に血がのぼると、なにするか、わからないからなあ。 らんばう といった。ぼくは、もう乱暴しないように、かならすィッ。ハイアッテナにいっておくから わか わか とやくそくし、 " フッチーと別れた。リ 男れきわに " フッチーかいった。 「それからさ、さっき、ステトラにへんなこといっちゃったから、それも、おまえからあ いつに、おれがあやまっていたって、ったえてくれよ。しゃあな。」 ぼくは、イツ。ハイアッテナが歩いていったほうに、 いってみた。角を曲がると、そこに ィッパイアッテナがすわって、待っていた。 「おい、どうたった。なにかわかったかよ。」 かお ィッパイアッテナは、待ちきれないという顔をしていった。ぼくは、いま " フッチーから きいたことをせん " ふ、イッパイアッテナに話した。もちろん、もう " フッチーに乱暴しない ようにとたのむこともわすれなかったし、 " フッチーがあやまっていたことも、つけくわえ た 「そうか、なるほどね。またはっていないものか、ふきとばされるわけがないもんな。 おし ある らんばう かどま らんばう 円 5

4. ルドルフとイッパイアッテナ

かったけれと、ことばが出てこなかった。ィッ。ハイアッテナも、むこうをむいているよう だった。 「しゃあ、・フッチー、そこまて送ってくれよ。 ・フッチーか先に立った。ぼくは、先生の部屋を出た。た " ふん、もうイツバイアッテナと あ かいだん は、生きているうちには、会えないたろう。階段をおリると、ぼくは先にたって歩きはし めた。 おく る 255

5. ルドルフとイッパイアッテナ

心お、第朝第グ卩 ぼくは、 " フッチーの立っている場所めかけ とっしん て突進した。 コンクリートぺいのすく下、 " フッチーの足 もとに、イツ。ハイアッテナはたおれていた。 ようやく出かかった月のあかリて、イッパイ アッテナのしまもようのからだが、かれか くさ かった草に、うもれている。 「どうしたんた、イッパイアッテナ。 こえ ・ほくか、そう声をかけても、イツ。ハイアッ へんじ テナは返事をするどころか、ピクリとも動か ぼくは、うつぶせになったイッパイ かお アッテナの首に、顔をおしつけた。ぼくの鼻 さき 。 " / 先にヌルッとしたものがついた。 かた なが 血た。肩のあたリから、血が流れ出てい う′」

6. ルドルフとイッパイアッテナ

ィッ。ハイアッテナは本気ておこっている。 おも 「ぼくが、あんたの耳をちょんきろうとしているとても思ったのかよ。このせリふは、あ んたがいったせリふたせ。」 こえ ふるえる声て、ぼくは、やっとそういった。 「そんなこたあ、わかってる。おれかきいたのは、どこからそんなことばを仕入れてきた かってこった。 「どこからって、 " へつに、どこからたって、いいしゃないか。」 はんぶんな 半分泣きそうになって、ぼくはいった。なにしろ、イッパイアッテナに " ふたれたのは、 これがはしめてたったんた。泣きそうになるのもむリはないたろう。 かなものや 「おおかた、金物屋の " フッチーたろ。あのやろう、それをほうぼうていいふらしてるから な。」 かなものや 「金物屋の " フッチーと口をきいちゃいけないっていうのかよ。だれと口をきこうが、ぼく の勝手たろ。 , かな かお ぼくがそういうと、イッパイアッテナは、ちょっと悲しそうな顔をして、いった。 かって

7. ルドルフとイッパイアッテナ

ィアッテナのほうたいをとリかえて、 「だいしようぶ、たいしよう " ふ。」 かえ かえ といって、帰った。クマ先生も、どこかにてかけていった。 " フッチーも、一度うちに帰る といって、出ていった。ィッ。ハイアッテナは、またよく動けなかったけれど、ロたけは、 ちゃんときけるようになっていた。 「ルド、こんなことになっちまって、すまねえな。おまえといっしょに岐阜にいけなく かえ なっちまった。おまえ、ひとリて帰れるか。」 ぼくは、なにもいわすに、うなすいた。 「フッチーがなんかいってたか。」 ぼくは、とっさに、 「車にはねられたって、そういってた。 じぶん と、うそをついた。どうして、そんなうそをついたのか、自分てもわからない。さっき、 はなし おも ゅめうつってきいた話を、思い出したせいかもしれない。 どうろ 「そうなんた。おれもドジたよな。道路をわたろうとして、トラックに気がっかねえんた ぎふ 27

8. ルドルフとイッパイアッテナ

24 だましうち いえかえ あとニ日た。あさっての夕方には、ぼくは家に帰って おも るんた。そう思うと、いつのまにかロのあたリがゆるん すなば あさ てしまう。朝、いつものように、学校の砂場て、イッパ じぶん かんじ れんしゅう ィアッテナと漢字の練習をしていたときも、自分ても気 れんしゅう かえ づかないうちに、「帰る」という字ばかリ、練習をして まえ あさ いた。ニ、三日前から、 " フッチーも、朝、学校にくるよ なら うになった。ィッ。ハイアッテナに、けんかのしかたを習 うのが待ちきれないらしい。ぼくたちの、すくそばにす わって、 こう かえ 4 ・・・す「よう、よう。ルド公、あさって帰るってのに、いつま べんきよう ても、勉強していてもしようがねえんしゃないか。それ うんどう よリ、みんなて運動しようせ。」 なんて、横からロを入れている。 かえ 「フッチー、おれがルドルフを送って、岐阜から帰って ふつか ゅうがた おく 223

9. ルドルフとイッパイアッテナ

2 幸 2 吉 ぜんりよく " フッチーは全力てこっちに走ってくる。そのようす鰤 しようてんがい て、ぼくは、商店街にポスターがはリたされたんだって わかった。ぼくたちのすくそばまてくると、 " フッチーは 息をきらせなから、 「おい、ルドルフ。ボ、ポスターだ。ポスターがはリた しようてんがい されたぞ。さっき、商店街に、 いっせいにはリたされた んた。」 ィッパイアッテナが " フッチーにつめよった。 「なんたって、 " フッチー、もういつべんいってみろ。」 " フッチーは、またなにかされるのしゃないかと、すっ かた と肩をすくめた。身をちちこまらせながら、 " フッチー ま、 「たから、ポスターかはリたされたっていったんた

10. ルドルフとイッパイアッテナ

ど、つじよ、つ そういうねこには同情するんた。」 こごえ 小声て " フッチーがそういうやいなや、 「なんだと、このやろう。もういつべん、ぬかしてみろ。てめえみてえなかけたしに、そ んな口をたたかれるほど、こちとら、おち " ふれちゃあいねえ。」 おも ィッパイアッテナは早ロてそういったかと思うと、もう " フッチーにおそいかかってい た。ても、ぼくかふたリの間にわリこむほうが、いっしゅん早かった。おかけて、ぼくは ィッパイアッテナの体当たリをまともにくらって、すっとんてしまった。あやうく、ど " ふ に落ちそうになったぼくを見て、イツ。ハイアッテナは、あわててかけよってきた。 「ルド、た、たいしよう " ふか そのすきを見て、 " フッチーがにげだそうとした。ィッパイアッテナは、 " フッチーにむ かって、どなった。 いっしよう 「フッチー、いま、にげてみろ。おれは、一生おまえを追いかけまわしてやるそ。」 とたんに、 " フッチーの足がとまった。 はな 「もう、ほんとうにやめてくれよ、イツ。ハイアッテナ。ぼくが " フッチーに話すからさ。」 円 0