時間 - みる会図書館


検索対象: ルドルフとイッパイアッテナ
67件見つかりました。

1. ルドルフとイッパイアッテナ

ふり なんだ。きやくに、 こっちが、低いところにいれ " は、不利になるってわけた。たから、自鮖 けいかい ひつよう ぶん たか 分よリ高いところにいるものには、鑿 = 戒が必要たってことさ。 りゅうだい それから、地面にいるすすめをねらいにくい理由の第ニは、すすめが飛びたつのにかか じかんかんけい る時間に関係がある。すすめは飛びたっとき、つばさたけ使って、飛びたつわけしゃない どうじ つか んた。足も使っている。つまリ、つばさをはばたかせると同時に、足てジャンプするん あんてい あんてい じぶんじつけん た。これは、自分て実験してみればわかる。安定のいい場所てジャンプするのと、安定の おも あんてい わるばしょ 悪い場所て " シャンプするのしや、どっちか力が入ると思う ? 安定のいい場所にきまって いる。 ばしょ 地面なんか、ジャンプするのに、もってこいの場所た。それにくら " へて、木の小えた は、ゆれたリ、しなったリするから、 " シャンプする場所としては、あまリいい場所とはい おな にんげん えない。それは、ねこたって、人間たって、すすめたって同した。木の小えたから飛びた じかん じめん とうとするときは、地面からよリも、ほんのすこしよけいに時間がかかる。その、ほんの すこしの差がたいしなんた。なにしろ、いっしゅんの勝負なんたからね。 そんなわけて、ぼくは小えたにとまっているすすめを、下からねらうことにしている。 じめん じめん ひく しよ、つぶ つか

2. ルドルフとイッパイアッテナ

は、なんどもふリむいた。ちゃんと、クマ先生はついてきている。もうすくだ。あき地が まえどうろ 見えてきた。あき地の前の道路に、 " フッチーが立っている。ぼくが走っていくのがわかっ たようた。 、、レド、おそかったしゃないか。どこへいってたんた。」 「おーし丿 にんげんお ぼくの後ろから、人間が追いかけてくるのか見えたらしく、 " フッチーは、コンクリート ぺいにとびのった。ぼくが、そのすく下にたどリつくと、 " フッチーは、 「な、なんだ。へんな、おっさんか追いかけてくるそ。あ、あリやあ、学校の先生しゃな みせ いか。うちの店にもときどきくる人た。」 じかん せつめい " フッチーに説明している時間はない。ぼくは、たおれているイツ。ハイアッテナのすくそ こえ おも ばに立って、思いきリ、声をはリあげた。 「ギャオオーン。」 クマの先生が、あき地にかけこんてきた。 「クロ、なんた、ここになにかあるのか。」 そういって、ぼくの足もとを見るやいなや、 234

3. ルドルフとイッパイアッテナ

のいぬよリも大きいそうた。もちろん、イッパイアッテナはそんなには大きくない。ィッ どうぶつ ハイアッテナよリも大きくて、いぬよリも大きいトラって動物は、いったいどんなやつな んたろうか。 ある かんが そんなことを考えなからあとをついて歩いていると、きゅうにイツ。ハイアッテナがふリ まえかお おも おも かえったのて、ぼくは、いきなリトラがぼくの前に顔を出したんしゃないかと思って、思 こえ わす、ワッと声を出してしまった。 ィッ。ハイアッテナはくわえていたししやもを下におろすと、 「なに、びつくリしてるんたよ。 といった。 「なにつて、いきなリふリむいたリしたら、おどろくしゃないか。いったい、どうしたっ てんたよ。」 じかん おも 「いやな、またちょっと時間か早いんしゃないかって思うんたけどな。 じかん じかん 「時間って、なんの時間か早いのさ。」 じかん 「そリや、おまえ、ごちそうの時間にきまってらあな。」

4. ルドルフとイッパイアッテナ

か。へいをこえて、さっき、ステトラがたおれていた場所にドスンと落ちた。おれは、あ わてて、ステトラのところにかけよった。そうしたら、もう虫の息しゃねえか。あわくっ て、おまえをよびにいったんた。」 はなし こえ とてもきいていられる話てはなかったけれど、ぼくはしっと耳をかたむけていた。声は かお かお ひとことも出せなかった。こみあげてくるくやしさて、顔がほてった。そのほてった顔に なが なみたか流れて、とまらなかった。 " フッチーは、話し終わると、たまリこんてしまった。ぼくもだまっていた。どれくらい じかん 時間がたったかわからなかった。とっせん、ドアかあいて、クマ先生が出てきた。ほうた いて、くるくるまきになったイッパイアッテナをうてにかかえている。 いのちたす しゅうかんうご 「ふたリとも、またいたのか。たいしよう " ふた。命は助かったよ。ても、ニ週間は動かし ちゃいけないそうた。」 よ うちだ かえ その夜、クマの内田先生は、イツバイアッテナを自分の部屋に連れて帰った。ぼくと まえ " フッチーもついていった。たばこ屋の前まてくると、先生は、 ゅうじよう にんげんかおま 「おい、おまえらも、うちにとまっていくか。しかし、ねこの友情ってのも、人間顔負け はなお や じぶんへや むし っ お 246

5. ルドルフとイッパイアッテナ

4 わかものは , はかもの なにかにいっしようけんめいになっているときってい お じかんなが うのは、時間か流れるのが早い。六月も終わリ、七月も なつやす あっというまにすきていく。あさってからは夏休みた。 あの、学校にしのびこんたっきの日から、ぼくの字の べんきようはじ 勉強が始まった。ィッパイアッテナは、せったいにと ちゅうてなげたしたリしないことをやくそくさせてか ら、ぼくに字を教えることをひきうけた。 まいにちあさ 毎日、朝早く、ぼくたちはごはんのまえに、学校にて と、つ、」、つ じかん かけた。子どもたちが登校してくるまえの時間た。一年 よあ ながきせつ しゅうて、いち " はん日が長い季節たから、夜明けが早 く、日がのぼってからすくにてかけても、子どもたちが じかん やってくるまてには、すいふん時間がある。ぼくたち まえあし すなば べんきよう は、鉄棒の下にある砂場て勉強した。前足てイッパイ すな か アッテナか砂に字を書いて、これが「あ」たとか、これ てつばう に 3

6. ルドルフとイッパイアッテナ

「たいしようぶだよ。」 「ばかやろう。なにがたいしよう " ふなもんか。おい、 " フッチー、こいつを " ハスの乗リ場ま て連れていけ。」 " フッチーも、 「ほんとうに、そろそろいったほうがいい。おれが送っていくよ。」 と、ぼくをうなかした。 しんばい 「そうた、ルド。はやくいけ。おれに心配かけたくなかったら、はやくいけ ! 」 とうとう、イツ。ハイアッテナかどなった。ぼくは、ようやくこしをあけた。 ながあいだせわ 「それしゃあ、イツ。ハイアッテナ。長い間、世話になったね。どうもあリがとう。」 ぼくは、イツバイアッテナの顔を見ないて、そういった。もっといろんなことをいいた ぞ。 「また、たいしよう " ふたって。いいから、イッパイアッテナはねていなよ。ぼくは、時間 になったら、ちゃんといくからさ。」 じかん 「たから、もうその時間たっていってるんた。もういかねえと、 " ハスに乗リそびれちまう かお おく 254

7. ルドルフとイッパイアッテナ

強」も わる きたって、車よいて、気持ち悪くって、ゲーゲーはいたんたからな。いくなら、ふたリて いってくれ。」 そういいなからも、 " フッチーもうれしそうにしている。 こう かえ 「おい、ルド公。おまえが帰っちまうと、おれたってさみしくなるけどよ。おまえがいな じかん くなリやあ、ステトラ先生の、おまえに字を教えていた時間があくってことた。そうした あさ なら じかん ら、その時間に、おれはステトラ先生にけんかのしかたを習うんた。これからはもう、朝 ど、つじよう すなば ねぼうはてきないそ。こんどから、学校の砂場は道場になるんた。ああ。はやく、おまえ かえ が帰っちまえばいいのになあ。」 おも もちろん " フッチーたって、ほんとうに " ほくがいなくなればいいと思っているわけしゃな いってことは、ぼくたちにもよくわかっていた。 " フッチーも、はしゃいているのた。ぼく じぶん は、自分がうれしいことを、みんなにいっしょによろこんてもらえることを、とても幸せ おも なことたと思った。 ばしょ それから、ぼくたちは、出発の日時と場所をなんどもかくにんしあった。 ふつかごぜんじはんしようてんがいみなみぐち 十一月ニ日午前六時半、商店街南ロ しゆっぱっにちじ しあわ 2 に

8. ルドルフとイッパイアッテナ

6 2 ふたり四十七士 じかん また、夜が明けるまてには時間かある。もうイッパイ アッテナにも、リエちゃんにも、ロープウェーのおねえ おも かな さんにもあえないたろうと思うと、ほんのすこし悲しく かな ないこともなかった。ても、そういう悲しみよリ、いか すうばい つよ リのほうが、数千倍も強かった。 みち 「おい、ルド、道がちかうんしゃないか。」 こえ 後ろて、 " フッチーの声がする。 しようてんがい 「ルド、商店街の入リロは、そっちしゃないぞ。」 ある ばくは、かまわす、歩いた。 「おい、ルト : そうか、おまえ、やつはリやる気だ な。」 ぼくは、ふリむいて、いった。 じはん 「フッチー、おまえは六時半をすこしすきたら、イツ。ハ ィアッテナのところにもどって、ぼくがちゃんと・ハス 256

9. ルドルフとイッパイアッテナ

「それしゃあ、 " フッチー。へいのむこうにまわるんた。 " フッチーかへいをつたって、木のかけて見えなくなったのをたしかめてから、ぼくは、 おおごえ 大声をはリあげた。 「おおーい、デピル。このまえは牛肉をもらいにきたが、きようは、おまえの肉をいたた きにきたそ。」 お よあ デピルは目をさました。むつくリと起きあがって、こちらを見ている。また、夜明けま くろ じこく ゅうり じかん こんや て時間かある。ふつうなら、ぼくの黒いからたが有利な時刻た。ても、今夜はめたたなく はつけん がいとうひかり てはならないのた。デビルは、またぼくを発見てきすにいる。 " ほくは、わさと街灯の光が ち ある とどく位置まて、へいの上を歩いた。 のう 「おおーい、デビル。そこのひきよう者。おまえはねこがあいてても、たましうちしか能 かないんたろう。」 こえ もう一度、ぼくは声をはリあげた。 デビルは、ぼくに気づいたようた。もうせんと、こちらにタッシュしてきた。 「グワッ、グワッ、グワオーン。」 ど ぎゅうにく もの 259

10. ルドルフとイッパイアッテナ

ある 「たまってすたすた先を歩いていくから、どこへいくんたろうって、気にはなってたんた けど、やつばリごちそうしてくれるつもリなんたね。 かいすいよく おも 「あたリめえしゃねえか。海水浴にてもいくと思ってたのかよ。」 あたま しっさい、ぼくははらべこだった。さんまのしっぽても、いかの頭ても、なんてもいい から早いとこあリつきたかった。ても、あんまリがつついたところを見せると、イッパイ おも アッテナにばかにされると思い、ぼくは、 じぶんた もの 「なにも、むリしてごちそうしてくれなくったって、いいんたよ。自分の食 " へ物くらい、 じぶん 自分て見つけるさ。 といった。 「そうはいかねえ。おれさまが、いつべんごちそうするときめたからにゃあ、なにがなん ひる じかん てもごちそうしてやる。たたな、また昼めしには時間が早いっていってるんた。うん、そ うた。ちょっと、よリ道していくか。」 ある じぶんかって ィッパイアッテナは自分勝手にそうきめて、またししやもをくわえて歩きはしめた。 それから、へいをくくったリ路地をぬけたリして、とうとう、一けんのこわれかかった みち