電話 - みる会図書館


検索対象: 警部マクロード 殺し
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1. 警部マクロード 殺し

らでもしようとしたんじゃないかと : : : 」 「よし、ここに書いてある場所は知ってるな ? 」 「ヴァン・コートランド公園ですよ。二四二番街とプロードウェイの角です。地下鉄のプロー ドウェイ七番街線の終点ですよ」 「ふーん、ここには、ファースト信託銀行の事件を解決したかったら、八時にそこへ行けと書 いてある : : : ひとりでだ」 彼はちょっと考えていた。フロント係は心配そうな顔をしていたが、とうとう「行くんです か ? 」と尋ねた。 「電話を貸してくれ」 受話器がカウンターの上に出て、マクロードはダイヤルをまわし、耳をすませていたが受話 器を置いた。 「お話し中だ。そのメモ帳とペンを貸してくれー メモ帳にマクロードは急いで走り書き。 「ファースト信託銀行というのは、きよう、刑事がふたり縛られたという強盗事件のあったと こでしょ ? 」フロント係がいった。 「そうだ」

2. 警部マクロード 殺し

「テレビで ? 」 「そうだよ」トウビー ハリスの声はいやにやさしかった。「テレビでだ。ほかの局のどこか が、うちに電話してくれるだけの親切心がなぜないのかわからんよ。わかるかね ? 」 「そんな、まさかわたしは : : : 」 はがね 「こっちもまさかだ」ハリスの口調は鋼のように鋭くなり、どなりつけている。「ただ、連中 もうちはその仕事にだれかをやっていただろうと思ってたからだろうな」 サマンサは目をパチクリさせ、無言でマック・ファーギソンを呪った。電話に向って彼女は 「ハリスさん、その取材はちゃんとやると約東します。それに、いま市警本部に行くとこなん です。うちの締切には、充分間があるうちに帰りますわ」 「いや、だめだ、だめだめ、だめだだめ。うちの締切ではだめだよ、サム。きみの締切に間に あうようにだ。おたがいに、わかってるはずだよ 「ええ、わかってます」 「ではジョンソン君、いまはこれだけにしておく」 「はい ハリスさん」 サマンサは電話を切った。翼をもがれたような悲しい顔。

3. 警部マクロード 殺し

馬にまたがった四人目の男がつづく。 「それでチャーリー もう一杯飲んで、その計画についてもう少し話しあわないかといおうと してたんだ。どうやらわたしは気まぐ : ・・ : 気まぐ : ・・ : 気まぐれが : ・・ : 早くう ! 」 電話のベルの音がして、電灯がついた。サマンサが眠そうに受話器に手を伸ばした。 「もしもし ぎくっとペッドに起き上る。 「はい ハリスさん。ええ、ちょうどいま : : ・こ はっと気がついて、べッド脇の時計をのぞいた。 「何でしよう ? 警察ラジオ ? いいえ。ちょうどいま : : : ちょっと待って : です ? 」 彼女は電話に耳をすませていた。 「プロードウェイですって ? よ、 ーしいますぐ、すぐ行きます」 電話を切ると、彼女はべッドからとびだした。短い寝巻しか着ていなかったが、その上に戸 棚からトレンチ・コートを出して羽織ると、戸口にとんで行く。そこで足を止め、靴をとりに もどり、そこでまた戸口にとんでいった。 : いま何時なん 221

4. 警部マクロード 殺し

「もしもし、サムね」女の声がいう。 「やあ、ドーナ、いまきに電話しようと受話器をとったとこなんだ」 で、銀色サテンの部屋着でソファーのわきに立っているの トーナ・マーチは自分のアパート 「おかしいわね、あたしもいま電話しようと受話器をとったとこなのよ 「それで信号音が聞えなかったんだな。電話が故障してるのかと思ったよ 「本物の刑事らしいせりふね。消えた信号音の謎。事件は解決せり。解決したのは、豪胆なサ ム・マクロード保安官。二十世紀後半の探偵すべてが羨望する、彼の輝かしい経歴をつづる、 またしても目ざましい勝利のひとっー 「そうかもしれない。それとも、ほかのもうひとつのことを示すだけのことかもしれない」 「何なの ? 」 「きみとわたしが近いということさ。二頭だての馬具でつながれた二匹のロみたいにね」 ーナは受話器に向ってうなずいていった。 「そう、波長が合ってるということね 「何が合ってるって ? 」 「波長よ。ニュ 1 ヨークでは近ごろ、波長という言葉をよく使うのよ。あんたはあたしのと同

5. 警部マクロード 殺し

「どちらへ ? 「いいの、マクロードさんとこへ来たのよ。勝手はわかってるわ」彼女はにつこりした。 そのまま、また階段に行きかけたが、こんどはフロント係は、ちょっと困ったように声をか ける。 「あの : : : 」 ーナは足を止めて、眉をひそめて彼を見た。 「その : : つまり、電話もしないでいきなりお部屋にいらっしやるんですか ? 」 「そうよー 「しかし」 「だって、いつもいきなり部屋に行ってるわよ。前もって電話なんかしてくれないでしよ、 いわね」 「はい、でも : : しかし : : : 」 「ははあ、わかった。そういうことか 「いえ、どういうことか、よくわかりませんが : : : 」 彼女はフロントに歩みより 、バッグから五ドル紙幣を出して渡した。 「何も説明することはないわよ。わかってるといったでしよ。よーくわかってるわよ」 し - 174

6. 警部マクロード 殺し

ヘリにつなぎます」電話の声がいって、電話は切り変えられた。 「クリフォードだ。ライトバンの写真を出してくれ」 「どのライトバンです ? 」 クリフォードの口調はすごみを見せていた。 「どのライトバンだと ? どういうことだ ? われわれが追ってるやつだ。どこにいる ? - 「それを伺おうとしてたとこなんですー 「路地にはいったライトバンのことだ」 「それなんですよ」 「何が ? 「路地にはいったんですが、それつきり出てこないんです」 「だったら、そこにいるはずだ」 「それがそうじゃないんで」 「だったら、建物のどれかにはいったに違いない」 「それなら、その建物の写真を撮っておきますよ。路地のなかには、車がはいるような入口は ひとつもないんですよ」 「だったら、何だって気をつけて見ていなかったんだ ? 常に容疑者のライトバンの上を旋回

7. 警部マクロード 殺し

「いつまでに欲しいんだね ? 」 「今夜まででは ? 」マクロードはいってみた。 「よろしい、クリフォード部長に、間にあわせるといってもいいよ、 「それはどうも。こっちは、どれだけ助かるかわかりませんよ 彼は戸口に向ったが、エルロイ・ジ = ンキンズが頑張っている小部屋の前をとおるようにま わり道をしていった。 マクロードはその小部屋をのぞきこんだ。 「あんたがここに引っこんでるのが見えたような気がしたんでね。ジ = ンキンズさん、また会 えてよかった」 会釈して、向きなおり、部屋から退散する。 エルロイ・ジェンキンズは、ドアがしまるまでそのうしろ姿を見送っていた。 やがて彼は、首をふると電話に手を伸ばした。 ヴァージレは、アハート の電話のベルが鳴ると、すぐに出た。 「もしもし」といって、すぐにジェンキンズの声とわかった。 「最後のひとつは延期しなければならんぞ」ジ = ンキンズはいった。 「だめだよ、爺さん。これは大仕事なんだ。これだけが値打ちのある大仕事なんだぜ」 188

8. 警部マクロード 殺し

しオ「つまり、コンビューターの動きというのがよ。コン。ヒ 「わからないわ」サマンサは、つこ。 ューターがちゃんと結果を出しているのに、どうしてそれをお蔵にしちまうなんてことができ るの : : : 」 「なーに、そんなにややこしい話じゃありませんよ」ジェンキンズはいった。「わしらが何か をお蔵にしたり捨てたりしちまうのは、あんたたちが記事を没にするのと同じことですよ。こ こにだって、ちゃんと屑籠はありますからね。捨てちまいたいものが出てきたら、そのまま屑 籠へ。簡単なこってしょ : トーナ・マ 1 チに電話しようとしていた。 マクロードはホテルの自室で、 彼女が出たので、一瞬、ほっとする。 「やあ、ドーナ、サムだよ。きみに説明したくてね、なぜ : : : 」耳にはいった音に、思わず小 首をかしげる。「もしもし、もしもし : ・・ : 」 受話器を置く。向うが電話を切ってしまったのだった。もう一度かけてみたら : そこでもう一度ダイヤルをまわした。だが、ダイヤルをまわしている途中でドアにノックの ぼっ 167

9. 警部マクロード 殺し

「へえ、刑事たちもくさったろうな」どもりの癖はすっかり消えていた。 マクロードの顔を見て、ぎよっとしたよ、フになる。 「す、すいません、し、しらなかったもんで」 「この番号に電話しといてくれ。電話に出た女の人に、この伝言を伝えて、いずれ連絡すると いっておいてくれ」 「はい、そ、そうします。き、きをつけて。う、うまくいくよう願ってます サム・マクロードはただひとりで、公園のべンチの前の遊歩道を行ったり来たりしていた。 ここに来てから、どのくらいになるだろう ? 時計を見ると、もう一時間近くになる。いまま でのところ、彼が会ったのは小さな大を散歩させている大柄な男だけだった。その男が、いま また反対側から来て、すれ違った。こんども大がマクロードのほうに向って吠えた。大男はけ げんそうに彼を見た。少くとも大をつれた男なら、夜の公園を歩くのもわかる。だが、この男 は何をしてるんだろうと、彼をながめたのだ。こそこそと、ひとりばっちで、こんなとこに何 の用があるんだ ? その男は警察に知らせるかもしれないそと、マクロードはひとりつぶやいて、また時計を見

10. 警部マクロード 殺し

彼は玄関のほうにドーナをつれて行きかけた。フロント係は不思議そうな目でふたりを見送 り、もっと不思議そうな目を階段のほうに向けた。 その間に、マクロードとドーナはまず電話ポックスによった。ドーナが彼女の新聞社の資料 室に電話をかけたからだった。しばらく待って、彼女は目ざす所番地を聞きだすことができた。 、ート・ルロイ・パーカーなら、うちの社でわかっている住所はここだけよ。日曜版に二 回ばかり、古き西部のカラー挿絵を描いただけらしいけど、それも十二年も前のことよ 「わたしの聞いたところでは、そいつは同じところで生まれ、暮して、おそらくそこで死ぬだ ろうというんだった。タクシーを拾おうか ? 」 「歩いたほうが早いでしよ。ここからそう遠くはないわ。それに、道の混み方がひどくて。ど うする ? 」 「そいつはいいね。きみがわたしの足についてこられればね。こっちは歩きだすと、大股で早 いからな」 「ついて行けるわよ、彼女は不機嫌にいった。 が・ナにつづいてロビーにはいると、住人の郵便受 パーカーの住まいにつき、マクロードトー けをながめた。 力しオ「一階だわ。一号よ。きっとそれね」 パーカーね」やっと彼女ゞ、つこ。 176