する日本の世相を象徴しているかのようであった . 姉妹列車くさちかぜ〉の登場 のころ , 蒸気機関車に使う石炭の質の向上により牽引力増 がはかられ , 京都以西の蒸気運転のため 400 t 牽引に押え れていたくあさかぜ > は軽量客車 2 両を増結して , 編成総 量 420 t ( 従来 360 t ) で運転されることになり , 32 年 3 9 日から東京ー広島に増①号車ナハネ 10 ・増②号車ナハフ を連結し , 広島以東 12 両編成となった . 広島地区の利用が 幅に改善されたわけで , 誕生わずか 5 カ月後 , くあさかぜ〉 最初の飛躍である . 客車の編成順序も大きく入れ替わり , 多寄りに優等車 , 東京寄りに 3 等車が位置することになり . 在のくあさかぜ〉の原形が生まれた . この年 , 夏の多客シーズンの増発として , 東京ー博多に夜 の臨時特急が運転された . 下りはくあさかぜ〉の 30 分後 , りは 30 分前を雁行して走る完全な姉妹列車で , 愛称も先輩 ・あさかぜ〉にちなんで、風シリーズを採用 , くさちかぜ〉 命名され , 短期間の臨時列車ながら立派なヘッドサインと レインマークが用意された . く〇〇 1 号〉く x x 2 号〉など 気ない愛称がふえ , せつかくつくったヘッドマークさえ省 化 ? とやらで撤去されつつある現在からみると , まさに隔 の感がある . それだけ、特急 ' が鉄道の目玉商品として注目 れていたわけで , 設定する側 ( 当局 ) も走らせる側 ( 組合 ) それに賭ける熱意はすさまじいものがあった . 博多寄り らマロネフ 29 十マロネ 40 十スロ 54 十ナハネ 10X2 十マシ 38 ナハ 11X 3 十ナハフ 11 の 10 両編成で , 先輩くあさかぜ > に ば準じた姿であるが , 新しい軽量 3 等車ナハ 11 系が組み込 まれたことが目立った . 65 ていた . = 12 両 , 広島一博多 = 10 両 , 博多ー長崎 = 6 両の編成で走っ は車両落成が間に合わす , 当初は欠号車として , 東京ー広島 とって性能いつばいの仕事であった . なお , ⑦号車ナハネ 11 t, 冷房使用時は換算 25 両 = 250 t) を牽引するのは C57 に であり , 現車 7 両のくさちかぜ〉基本編成 ( 換算 24 . 5 両 = 245 この高い速度では C57 の定数はわすか 24 ( 牽引限度 240 t ) 客甲 A 速度 ( 上りは長崎→諌早のみ通客乙 A ) ときまった . ることになり , 博多ー鳥栖 = 通客甲 B 速度 , 鳥栖ー長崎 = 通 線できないため同区間の主力機 C57 がくさちかぜ > を牽引す った . 新しく特急が走る博多ー長崎は , 長崎本線に C59 が入 するのは , 戦後ではこのくさちかせ ) が初めてのケースであ 本編成は② ~ ⑧号車の 7 両 . 特急が途中駅で編成を分割併合 京ー広島 , 荷物車と①⑩号車は東京ー博多の増結車で , 基 ナハフ 11 + ⑩ナハネ 11 + ⑩ナハフ 11 の計 13 両 . ⑩⑩号車は東 マシ 29 十⑤ ~ ⑦ナハネ 11X 3 十⑧ナハフ 11 十⑨ナハネ 11 十⑩ マニ 40 十①マロネ 40 十②マロネフ 29 十③スロ 54 ( ナロ 1 の十④ 急として , 新生の第一歩を踏み出した . 編成は長崎寄りから 32 年 10 月 1 日 , くさちかぜ〉は東京と長崎をむすぶ定期特 内部に芽ばえていたのかもしれない . 今日の、特急増発→ェル特急 ' 商法が , このときすでに国鉄の こそ潜在需要を開発して新商品を育てる積極作戦・・・という , 州夜行特急を実現させるための布石であったのである . 増発 のだった . タネをあかせば , 近い将来の定期化ーーー第 2 の九 こえる利用があり , 九州夜行特急の明るい将来を約束するも この臨時くさちかぜ〉は , シーズン中とはいえ連日 90 % を
図 1 客車系列別変遷図 ・トレインの客車が誕生するまで 第 2 次大戦終了直後 , 客車のほとんどは , 通勤輸送用に最低 限の設備を持っ復旧車であった . 戦火をまぬがれたわずかな 数の優等車も , すべて駐留軍に徴発されていた . そして , の時期に新製された客車も軍用優等車が中心であった・個室 寝台っきのマイネ 40 形 , 開放寝室のマイネ 41 形のほか , 鋼体 化改造車を充当してリグライニングシートっきとしたスロ 60 形などが製作されている . これらの軍用客車の大半は冷房っ きで , 室内の特殊改造を施されたものもあったが , 整備に難 渋をきわめただけに , のちの客車工作技術の発展に大きく寄 35 年 与した . 3 等車 ( いまの普通車 ) の新製は昭和 21 年から始められた . まず老朽木造車の一掃が急務となり , 24 年から 30 年にかけて 60 系鋼体化改造車両 3 , 500 両が製作され , 並行してオハ 35 形 の改良形であるスハ 43 形 , 現在の特急座席車の基本となった スハ 44 形の新製もすすめられた . 台車は戦後 , 2 軸ボギーの ウイングノくネ式鋳鋼台車 TR40 とその改良形 TR47 が主流と なり , 優等車にも採用され , かっての・優等車は 3 軸ボギー という常識をくつがえした・ 編成長大化にともなって緊急課題となった軽量化は , 昭和 寢台季節 A 寝台車 B 寝台車 普通車 食堂車 嬌急用波動用 30 年 , 部分的な軽量設計を施したオハ 46 形に始まり , ついで 本格的な軽量客車ナハ 10 形が誕生 . この客車は自重 23 t で , り , 斬新なデザインと快適な乗り心地で好評を博した . 同時 に急行用優等寝台車オロネ 10 形も新製され , 旧型寝台車はし 従来車に比べて約 30 % の軽量化に成功した . 各種試験の結果 だいに姿を消していった . 33 年以降は固定編成客車以外の座 以後の新製車はすべて軽量構造を採用することになり , 同時 席車の新製はなかったけれども , 季節波動の幅が広がるにつ に営業政策上 3 等寝台 ( 現 B 寝台 ) 車の新製も計画され , ナ れ , 汎用性と経済性に優れた客車の特長が見直されるように ハネ 10 ( 現オハネフ 12 ) 形を量産 . また旧型車の台枠を利用 なり , 44 年に旧型車の淘汰促進をかねて 12 系客車が誕生・ して , 食堂車オシ 17 形やオハネ 17 ( 現スハネ 16 ) 形などが製 の客車はユニット方式を採用 , 緩急車の床下に搭載した発電 作されている . オシ 17 形は初の両側 4 人がけ食堂車 ( 定員 40 機により冷暖房を行なうために , 最新の電車や気動車と比較 人 ) であり , カシ 36 形で試作された電熱レンジ式を引き継い しても遜色のない客車となった . でおり , 電化食堂車の時代を迎えることになった・ 12 系客車の構造を基本に , これを特急形とした 14 系は 20 系 昭和 33 年 , 国鉄は電化・ディーゼル化の進展にともなって に替わる新系列として , 46 年に登場 . 14 系寝台車では同時に 旅客輸送を客車主体から電車・気動車に切り替え , 長距離の 省力化と寝台の体質改善も推進されており , この思想が 48 年 夜行列車に寝台車を中心とした客車列車をあてる方針を固め の 24 系 , 49 年の 25 形へと受け継がれている . た・ これにもとづいて製作されたのが 20 系固定編成客車であ 表 1 各系列 B 寝台車の比較 全長 x 全幅自重 系列 形式 x 全高 (mm) 20 , 500X2 , 950 X4 , 090 21 , 300X2 , 900 X4 , 090 21 , 300X2 , 900 X4 , 090 21 , 300X2 , 900 X4 , 090 プルー マイネマイロネフ 戦前形僵等車 38 36 マイネ 庫用客車 40 、、マイネ 体化 改造車 ナハネナハ ナロハネ 1 0 ナロネ ガ休ナハ ナロネ 2 1 ナロネ 20 0 スハネオハ 3 5 六ロ スシ 3 5 37 日日和 20 年 、ソ カ 3 、ソに 0 マ 3 ロ O ロ 4 ・ ーノ 4 ー 「入 4 ーノっ 0 ス 4 軽量客車 80 年 オ 1 ーサ 2 ロ 0 \ ナ 2 ロ 0 編 客 40 年 波動輸送 用客車 系列客車 オハ 45 年 オ 2 オネーー -- ー - ーオハネ 14 オハ オロネ そん 寝台空間寝台幅 車 冷房装置形式能力 外部色 定員 便所・洗面器更衣室乗務員室 高さ X 長さ 式 (kcal/h ・車 ) 形 A U21 B ・ D X 2 742 ~ 520X T R 55 B 28.9 25 , 600 A U 76 X 2 30 , 000 A U 76 X 2 30 , 000 A U 77 X 2 20 , 000 製造 初年 〇 青 15 号 昭 33 3 54 2 X 20 系 ナハネ 20 1 , 900 815 700X 730 ~ 〇 〇 2 青 20 号 昭 46 2 48 T R 217 B 33 . 0 14 系 オハネ 14 1 , 950 785 700X 730 ~ 2 〇 〇 青 20 号 昭 48 2 48 33.0 T R 217 C オハネ 24 1 , 950 785 24 系 700 X 青 20 号 昭 49 2 2 34 X X 1 , 030 32.7 T R 217 C オハネ 25 1 , 950
EF65 の投入については , 20 系客車のプレーキの AREB 化 改造にともない , 電空帰還器の取付け , 元空気溜圧力の増圧 ( 9 kg/cm2 化 ) , 元空気溜管の引通し , プレーキの電気指令用 電気回路 , 高速域で増圧回路を ON とする速度検出装置 , 停 電時も電気指令を可能とする蓄電池の搭載などの装備を持ち あわせて連絡用電話 , 電源車パンタの非常下げスイッチおよ びこれの電気連絡器 ( 後期の増備車には電源車パンタ用スイ ッチはない ) を取りつけた 500 番台を製作した . このタイプ は 40 年夏に落成 , 東北本線や山陽本線で試運転・性能試験が 行なわれ , 8 月 25 日には < 富士 > を牽引してその性能が確認 されている . 40 年 10 月からは , 九州特急の全列車が EF60 か らこれに置き換えられ , 43 年に予定された 110km / h 運転にそ なえることになった . 8 形 ( 直流機 ) は < あさかぜ > 20 系化のとき東京ー姫路間を牽引した ' プルー この種の改造は , CLE プレーキを採用し , 電磁および元 ー機 ' 第一号その後 EF60500 にパトンを渡して一時は消えたが 47 年に復活 現在は 予・いなば > く北陸 > など一部のプルー・トレインを直流区間で牽引している 空気溜管引通しを併用した 10000 系高速貨車による特急貨物 ( 上野で ) ' 75 ー 4 カメラ :RGG 列車増発とのからみで , ED75 ( 東北 ) ・ ED73 ( 九州 ) EF70 ( 北陸 ) にもおよび , いすれも高速用として 1000 番台 の車号があたえられていた . 20 系客車の AREB プレーキ化 改造は 43 年春までに全車について完了し , 試験・訓練ののち いよいよ 10 月からスビードアップが図られることになって , 東海道・山陽本線は E F65 , 鹿児島本線は E D73 , 常磐線・ 東北本線は ED75 , 北陸本線は E F70 によって , 100 / h ま たは 110 / h 運転を実施した . この高速用装備は従来の 95km / h を超える速度で運伝するた めのもので , 95km / h あるいはそれ以下を最高速度とする場合 は関係がない・しかし , 20 系では元空気溜管の引通しを機会 に , これまでプレーキ管によっていた給水用五道コッグ・台 車空気パネなどへの圧力空気補給を元空気溜管を通して行な うよう改めたため , 20 系客車の牽引機は速度の高低によらず 少なくとも元空気溜管引通しのできる機関車に限定されるこ とになり , 上記以外の線区でも所要の機関車については改造 がほどこされている . 機関車運用と効果 こうした機関車の限定運用は , 特急列車の運転回数が少ない 区間では不経済なものになりやすく , 長いローテーションの あいだにわずかに存在する特急仕業のために , 改造が必要と なる . これをできるだけ合理的な運用とするために , 特急仕 業を行なう機関区の集約化や , 特急牽引だけのローテーショ ンとすることなど , 効率の向上が図られている . 51 年 4 月現 在 , 20 系特急を受け持っ機関区・運転所は青森・秋田・福島 ・宇都宮・田端・長岡・東京・富山第 2 ・米原・広島・門司 の 11 ヵ所 ( ほかに補機 EF16 の水上 ) だけで , EF65 ・ ED 75 ・ E D 73 などがその任についている . E F58 は , 九州特急用として最高速度・牽引力の点で一度 は見はなされたものの , 47 年以降 , フレートライナー増発 , 夜行規格ダイヤ化のために , 一部区間で最高速度を 100km/h 73 8 1 を 5 形 ( 交流機 ) は東北特急 < はくつる > の仙台ー盛岡間の牽引機として登場した . 現在 0 番台が東北本線・常磐線 78 番台が奥羽本線のプルー・トレインを牽引している ( 東北本線・浅虫ー西平内で ) ' 73 ー 1 カメラ ; RGG , 1 形 ( 交流機 ) は ED78 形とともに急勾配の連続する奥羽本線・福島一山形間の専用機 . 出で < あけばの > ( 1 ・ 2 号 ) を牽引している・写真は一般列車を牽引中のもの ( 関根ー大沢で ) ' 74 ー 10 カメラ ; RGG 'EF 1 0 第
鹿島本第 ( 北部 ) 電化いらいのペテラン E D 72 形交第機関車も門司ー本では E D 73 形・ E D 76 形 に伍して健闘している ( 下りくさくら〉門司ー小倉てカメラ・編隼部 ) 九州地区 マ九州地区の新しい準型六 = れ 又う気 . 関車 E い 76 形はプルー・トレインの主力機 ( 下りく富十 ) 門司ー小倉でカメラ・編集部 ) : 三 . ぃ第当非 マ九州地区交流機関車の異色ーーー ED753 い形は現在運用表上では上りくあかっき一号 > の鳥栖ー門司 のみ牽引に残っている . 写真はヘッドマークをつけて特急牽引に華々しく活躍していた昭和 43 年ごろの ( 鳥栖でカメラ・竹島紀元 ) 第 FD75309 、 一多三彡三 SAHURA
B7200 形を交直両用にした B B22200 形が計画中で ある . フランスの交直両用機の形式番号は面白いつけ方 で , 同じタイプの直流機と交流機の形式番号の和を 交直両用機の番号としている・ 交直両用機 交流機 直流機 B B 25200 十 B B 16000 B B 9200 B B25500 十 B B 17000 B B 8500 C C 21000 十 ( C C14500 ) C C 6500 B B 22200 十 B B 15000 B B 7200 1964 年 , パリからベルギー , オランダへ向かう本 線の電化が完成するのに備えて , フランス国鉄は 3 国のそれそれ異なる電気方式の区間を直通運転でき よ第心 る BB30000 形 2 両を製作し , この機関車はベルギ ーの 150 形・ 160 形とともに T E E < イル・ ド・フラ ンス > などの牽引機として活躍した・続いて 1968 年 大型の 4 電流方式の・ヨーロッパ機関車 ' CC40100 形が登場 * (1) , これは運転台の前にポンネットが突 き出し , 1 台車に 1 個の大型電動機を使うなど , そ の後 , CC6500 形をはじめとするフランス新型機の 新しいタイプをつくった機関車で , パリからベルギ ーへ向かう TEE , 特急 , 急行の牽引機として活躍 している . フランス国鉄の 4 電流式機関車 BB30()00 形 ( 上 ) と CC40100 形 ( 下 ) フランスにはこのほか , 交流 50Hz / 25kV と交流 表 64 フランスの複電流式機関車 16 2/3Hz15kV の両用機があり , ストラスプール , 交流 50Hz / 25kV 交流 50Hz / 25kV パーゼルなどでドイツ , スイスとの直通列車用に使 電気方式 直流 1 , 500V 3 , 000V 交流 16 % Hz / 15kV 用されている . ( 表 64 ) 形式 B B20100 C 20150 B B 20200 B B 30000 ◎ドイツ BO Bo B B B B 軸配置 全長 ( m ) 16.2 14.9 14.4 1960 年 , ドイツ西部のザール地方の電化が完成し , 51.4 自重 ( t ) 84 80 67 西ドイツのザールプルッケン (Saarbrücken) とフ 出力 (PS) 4 , 500 610 4 , 000 最高速度 ランスのフォルバック (Forbach) の間で , ドイツ 150 45 90 / 140 100 / 150 (km/h) 9 両数 4 2 の交流 16 2/3Hz とフランスの交流 50Hz が接続す SLM/MFO SLM/SAS FLC/ MTE 製造所 ることになった . この区間はフランクフルト ・ノノくリ 製造年 1958 1962 1961 注 旧 26000 形 間の直通列車の通る本線で , ドイツ国鉄は各メーカ ーに発注して E40 形を 2 電流方式にした E320 形 最近つづいてサイリスタ使用・電気プレーキっきの 181.200 3 両を製作した . ( 表 65 ) この 3 両の性能はほとんど同じで 形 25 両が登場している・ 全機が電気プレーキっきで , ドイツで最初にシリコン整流器 を使用している . 続いて 1962 年 , ヘレンタール線で使用して ◎ベルギー フランス , ドイツ , オランダにかこまれた小国ベルギーは , いた E244 形の部品を使用して , E41 形に似た外観と性能を 国際列車用に 3 電流式 ( 交流 50H z/25kV ・直流 1 , 500V ・直 持っ E344 形 1 両を増備している・ 流 3 , 000V ) ・ 4 電流式 ( さらに交流 16 2/3Hz/15kV を追 1965 年 , ケルンからベルギー , オランダへ行く本線の電化 加 ) の機関車を持ち , TEE などの牽引に使用し , フランス が完成し , ドイツ国鉄は 4 種類の電気方式の区間をすべて走 のパリ , 西ドイツのアーヘンへ乗り入れている . ( 表 66 ) 最 れる・ヨーロッパ機関車 ' E410 形 5 両を製作した . この機 新鋭の 180 形は外観・性能ともフランスの CC40100 形と同じ ・ルール > の牽引機として使 関車はくパルシファル > くパリ われたが , 直流区間の回生プレーキに故障が多く , 現在はペ * 29 ) のちに交直両用の BB200 号に改造された ルギーの 150 形・ 160 形にその役目をゆずっている . その後 , * ) 写真は 1974 年 1 月号 77 ページ参照 ザール地方の E320 形の増強用として E310 形 4 両が製作され * 31 ) CC40103 号は ' 年 10 月にオルレアン ~ ビエルゾン間で 221km/h を記録 129 1 交流 50Hz / 25kV 交流 16 % Hz / 15kV 直流 1 , 500V 3 , 000V C C40100 C C 20.2 118 6 , 000 100 / 220 3 , 100 1969 1964
鬱 3 参当 ドキュメント☆列車追跡⑦ワイド版 くあさかぜ〉は博多をめざす フ丿レー あさかせ 島 A K い ・トレインの女王 下りくあさかせ〉のすべて 文・檀上完爾 宮原正和 カメラ・白井朝子 / 河野豊 永崎祐之 / 井上広和 ( K ー河野 N 永崎」一井上無印は白井撮影 ) 日本最初の本格的夜行特急がくあさかぜ〉の愛称 で東京ー博多間に設定されたのは昭和 3 1 年 ( 1 9 5 6 ) 1 1 月 1 9 日今年で満 20 年を迎える . 東京と九州を 一夜でむすぶ駿足と時間帯がビジネスむきである ところから、ビシネス特急 ' とよばれて人気をあっ め 2 年後の 33 年には冷暖房完備・防音防振構造 の豪華な 20 系固定編成客車となり今日のフルー トレイン時代の幕を切っておとした . 星の寝台特 急の女王くあさかぜ > の生態を東京から博多へ と驀進する下り 1 号の全コースてお目にかけよう アシスタント
入れかわりに関門トンネルの主役一ステンレス車体の交直流機関車が登場 4 月 10 日この日の牽引機は異色新鋭 EF81300 形 このくあさかぜ 1 号 > の場合は , それでも車掌補の全員 7 名 車掌補合理化のひとつの現象なのである . が始発駅から終着駅まで乗務しているが , 列車によっては寝 東京から夜を徹して 1 , 100km を駆けつづけ , 9 時 34 分 , っ 台のセット・解体が終わ - 。たら一部の車掌補が途中駅で下車 いに本州西端の下関に到着した . 列車乗務員は全員 , してしまうケースもある . たとえば東京 18 時発の < 富士 > の 交替する . 2 号車では石光車掌長と , 新たに乗り込んだ下村 場合は同じプルー ・トレインでも , 8 名の車掌補のうち半数 = 車掌長があわただしく仕事の引継ぎをしている . 以上の 5 名は寝台セット終了後に浜松で下車してしまう . 浜 「運転 , 客扱い関係とも特に異常はありませんでしたが , 途 松から以西はわずか 3 名の車掌補しか乗っていない . これも 中 , 先行貨物列車の閉塞で京都へ 6 分延着しました . 大阪発 46 胴乱ーー車掌さんの・七つ道具 ' く東京から 1 , 100km をロングランした E E65529 は本州の西端ー下関で務めを終える
戦後の画期的な高性能機関車 スイス BLS 鉄道 Ae 4 / 4 形 ( 写真 ; LA VIE DU RAIL) ー」三を二 第イ 1 れを ョーロッパの最強力機関車スイス国鉄 Re 6 / 6 形 ( 写真 ; LA VIE DU RAIL) 表 69 ヨーロッパ各国の電気機関車と電車 1973 ランス タリア ギリス ランダ レギー センプルク ストリア レトガル レウェー 、マーク インランド ゴスラビア 鉄道略号 D B S N C F F S B R N S S N C B C F L CFF/SBB 0 B B R E N F E C P N S B D S B V R J R J N R 1954 486 103 143 319 740 95 71 1 , 472 1 , 055 498 E L E C 1 , 636 102 170 12 108 164 847 4 , 638 322 510 386 1962 966 36 151 904 318 392 903 20 184 107 178 1 , 831 1 , 824 1 , 313 E L E C 105 111 177 102 392 79 140 470 1 , 141 6 , 982 493 704 678 3 , 500 E L 1 , 997 301 158 794 35 369 551 1 , 161 223 113 333 1 , 843 2 , 235 2 , 514 E c 1 , 369 1 , も 26 559 7 , 194 1 , 361 844 261 191 728 243 521 135 249 50 14 , 924 関車の出力は 30 倍になり , 1 軸当りの出力も 20 倍になった・ こうしてみると , 第 1 次大戦の始まるころに最初の技術進歩 があって , トン当り出力が 20 ~ 30 馬力になり , イタリアの 3 相交流機 E330 形の 34.6PS / t がひときわ光っている・次に 第 2 次大戦後に初めて 1 軸当り出力が 1 , 000 馬力をこえ , 最 高速度も 150km / h となった名機が , ドイツの E18 形であっ た . 9 年後に登場したスイス B L S 鉄道の Ae 4 / 4 形はトン 当り出力が 55 馬力と大きく飛躍し , 先台車をなくした高速機 のはしりである . 第 2 次大戦後は , 1 軸当り出力 1 , 000 馬力 以上 , トン当り出力 50 ~ 70PS / t が一般となっていくが , そ の中でも時代を画す名機はフランスの B B 9200 形 , スイス の Re 4 / 4 Ⅱ形 , ドイツの E10 形であり , いずれも現在の代 表機関車の一部として活躍中である . ◎機関車に主要都市の名 とくにイギリスでは戦前から SL の一両一両に ヨーーロッ / ヾ 城や軍艦の名前をつけていたが , 最近 , 電気機関車に主要都 市の名前をつけている国がある . まずスイスは Ae 6 / 6 形と Re6 / 6 形にスイス主要都市の名前を , フランスでも CC40100 形・ C C6500 形・ B B 8500 形・ B B 15000 形・ B B 25000 形の 各電気機関車のほか , C C73000 形ディーゼル機関車 , RGP 形ガスタービン動車の一部にもフランス主要都市の名前をつ けている . ( 例 ) CC40109 号 ; カンヌ , CC72080 ; 号ミ ールーズ , RTG2003 / 4 ; リョン . 名前をつけた機関車はそ の都市で命名式を行ない , 側面に都市のマーグをつける . T を E ニュース 1976 年春のダイヤ改正から , 利用客の少なかったプリュッセル ~ ケルン間の TEE くディアマン > が廃止になる・また , パリ ~ ジュッセルドルフ間の T E E くモリエール > も廃止が話題に なったが , もうしばらく様子をみることになった・ ドイツ T E E < ラインゴルト > < 工ラスムス > のドームカーも今春から引 退し , 新しいパー車に置き換えられる・
ミー くあさかぜ > の好評にこたえて翌 32 夏には臨時くさちかせ > を運 32 年月からくさちかせ〉は定期化されて運転区間も東京ー長崎に マ門鉄局が発行したくさちかせ > 定期運転開始のパンフレット ′ 0 ガ 7 タみら 。き右がせ転 を宅急、まで甕・・第い - 新洋を当を、ご第朝簡鶯リ響 発洋 3 ) ※です疊当物は時を第しまいまし 0 は時てすみ 東京 - 長 、 20 40 令 を嶽 : 、さかせし、をを。 : 長、第に第す 20 とにな、 , を・心をけ、をの鱸ををかし : ー阯奪勝第でま耋当 でいを第まを第ふ鞴し濫安ジネしては第を第し第をす , 遅転第の取 驀 4 第第をなミ曾、て秋叮羲凝第い、第当富 . レ 0 い : 誉まと比ま室物新に謇企 0 さ 診さ当かをミ - に毯用すみ新ルの 3 等鵞第三ナバネ物労 : 第 0 容本ごし ( 当を第しをりトををぐ影第第当を明 3 霪を ! - 0 . ーま寰、しを 4 第第をア す物しま崧物をジ 3 、で、らす、、 - !. - , の、い諸を小疑ににグしい第強、、を意ぃ第鑄第し巻下夐 第寧での第と急全 台姦金 気ま物第第受をおも 丸 ' と衝突沈没 ( 死者 166 人 ) , 6 月・・・京大生らが滝川学長・ 激動の旅路 カンヅメ , 8 月・・・森永粉ミルク中毒事件 , 31 年 1 月・・・弥彦三 創業いらい 3 / 4 世紀におよぶ長い官設官営の伝統を捨て , 独 社で正月参詣客 124 名が圧死 , 3 月・・・各地で保険医辞退騒き 立採算制の公共企業体に衣がえして 7 年一一一 . すべてにまだ 6 月・・・ペニシリン・ショック死あいつぐ , 10 月・・・参宮線で ~ 保守的な体質の抜けきれない国鉄が , めすらしく時代を先取 車転覆の大事故 etc . こうした暗い事件が , 華やかな、太陽族 りして誕生させた、夜行特急 ' 第一号くあさかぜ〉は , 産業経 誕生の話題やクイズプームなどの合間に続発した . 戦後文ー 済の高度成長をめざしてスタートした昭和 30 年代初頭の社会 の象徴であるテレピは 28 年の初放映いらい年々倍増 , 31 年 の要請にマッチし , 、寝ているあいだに九州へ ' のキャッチフ れには 30 万台を突破 , カラーテレビ実験放送も NHK では一 まった . 「低俗番組ばかり ! これではこ億自化だ」 レーズのもとに潜在需要も急速に発掘しつつ , 予想を上回る 好評のうちに凍京対九州 ' の最主要列車の地位を着実に固め 評論家・大宅壮ーが有名な毒舌を吐いたのも , このころで ~ ていった . 当時 , 東京一九州 ( 博多 ) 間の鉄道の強敵として る . 文明病といわれるノイローゼも昭和 30 年ごろから急速ー 成長しつつあった飛行機に対する牽制も , このくあさかぜ〉 はやりだし社会間題化した . のもうひとつの使命であった . この時代 , 国鉄の近代化は着々と進んでいた . 31 年 7 月 ( しかし当時はまだ , 列車寝台は夜行の長距離旅行の必需品 関西本線、準急 ' オール DC 化にはじまる気動車の幹線進出 ( とまではなっておらず , 寝台券が入手できないという理由だ キハ 55 形の登場と増備で , 30 年代前半に全国的なディーゼノ けでなく初めからくあさかぜ > の座席車を選好する人が少な 準急網を形成してゆく . 幹線電化も軌道にのり , 同年 8 月一 くなかった . 急行より数時間も速く目的地に着けるという魅 は東北本線と北陸本線 ( 米原ー敦賀日本最初の本格的交 ~ カから特急くあさかぜ〉を選ぶ人も , けっこう多かったので 電化 ) の電化工事がはじまった . ある . 鉄道も利用者もスピードが特急の大切な商品であると 32 年に入ると , 2 月・・・岸内閣 ( 第 1 次 ) 成立 , 4 月・・・国 考えていた時代であり , 『寝台は必要に応じて選好するもの』と の第 1 次 5 ヵ年計画スタート , 5 月・・・鉄道技研「東京ー大 思われていた . くあさかせ〉が完全な寝台専用特急列車に成 3 時間の超特急列車」構想を発表 , 10 月・・・五千円札を発行 / 長するまでには , まだかなりの、時が必要であった . ソ連が人工衛星打上げに成功 ( 有人は 36 年 4 月 ) 宇宙時代ツ 大きな前進や革新には , 必ず混乱と障害がともなう . 高度 開幕 , 9 月・・・仙山線で交流機関車の運転開始 , 10 月・・・新性卩 成長へとエンジンをふかして一気にスタートした昭和 30 年当 電車第一号モハ 90 形 ( 現在の 101 系 ) で 135km / ト高速試験・ 時の日本が , まさにそうであったといえよう . と , 時代はめまぐるしく進展してゆく . 29 年 9 月・・・台風 15 号で青函連絡船、洞丸 ' 転覆 ( 死亡 1 , 440 古い鉄道から新しい鉄道へ . はるかなる黎明をもと 人 ) , 30 年 5 月・・・濃霧のため宇高連絡船、紫雲丸 ' が、第 3 宇高 て闇の鉄路をひた走る混成客車編成くあさかぜ〉の姿は , 64
表 62 ョーロッパの異電流接続駅 名 電流式車両が必要となる . 以前に紹 介したスイスの 4 電流式 T E E 電車 RAe4 / 4 形がその代表的な例といえ る・こうした車両は特別な接続設備 を持った駅でも自由に走り抜けられ , げんに東北本線の 485 系交直両用特 急形電車は黒磯駅をノンストップで 通過している . 最後に , ョーロッパ の多電流式電気機関車を紹介してお ◎フランス 戦後 , 他国に先がけて単相交流 50 H z 電化を開発したフランスは , 新 しい区間を交流電化することにきめ たため , 国境はもちろん国内にも交 流と直流の接続区間が多い . 1950 年 の , フランス最初の交流電化試験線 ' アンヌシー線 ' も , ェクス・レ・パン の駅で直流 1 , 500V の本線と接続し ているため , この線の最初の機関車 ( 表 55 ) も B B 10001 号 * 29 ) 以外すべ て交直流両用機で , 直流区間では部 直流 1 , 500V ーー一直流 3 , 000V ローゼンダ ーノレ 分出力しか出せない車両が多かった . 交流 16 % Hz / 15kV ーー一直流 1 , 500V エメリッヒ 1959 ・ 1961 の両年に事故にあった 交流 16 % Hz / 15kV ーー一直流 1 , 500V アーヘン B B16540 号機と 16028 号機を改造し 交流 16 % Hz / 15kV ーーー交流 50Hz / 25kV スティリング ~ べンデル ストラスプール ~ チ ーノレ て , 交直両用の BB20004 号と BB 直流 1 , 500V ーー一直流 3 , 000V モダーヌ 20005 号を製作した . この機関車は 直流 3 , 000V 一直流 1 , 500V ー交流 50Hz / 25kV べンチミリア 交流 50Hz / 25kV ーー - 一直流 1 , 500V 工クス・レ・ノヾン まだイグナイトロン整流器式で , 直 ディジョン ~ ポルト・ヌープ 流区間は部分出力である . 交直両用 ノレ・ - ~ ン マルセイユ 機関車は交流と直流の両方の機器が 直流 1 , 500V ーー一直流 3 , 000V 数カ所 交流 50Hz / 25kV - ーー交流 50Hz / 6.25kV 必要なため構造が複雑になり , 交流 ロンドン付近 ( 2 ヵ所 ) グラスゴー付近 ( 2 ヵ所 ) も直流も全出力を出すことはむずか 交流 50Hz / 25kV - ー交流 50Hz / 16kV ラコフ しかった . しかし , 非常に小型で軽 表 63 フランスの交直両用機関車 いシリコン整流器が登場してから , B B20004 B B20005 B B25100 B B25200 B B25500 B B25150 C C21000 両用機関車がっくりやすくなり , B 軸 配置 B B BoBo BoBo BoBo B B B B C C B20005 号機をもとにシリコン整流 全 長 ( m ) 14.4 16.2 16.2 16.2 14.7 16 . 2 20.2 自 重 ( t ) 70 84 83 83 83 119 器を使って製作した量産型交直両用 出 カ ( P S ) 3 , 440 5 , 300 4 , 950 5 , 300 3 , 600 5 , 300 7 , 360 機が , 中型の B B25100 形と高速強 最高速度 (km/h) 150 / 90 130 130 160 150 / 90 220 / 100 130 力機の BB25200 形で , フランスの 両 数 1 1 25 56 13 281 6 所 A T MTE MTE MTE 東部と西部で使われている . A T 年 1959 1961 1965 1965 その後 , 表 63 のように , BB16500 旧 BB16540 旧 BB16028 形交流機関車を交直両用にした BB ・軍車がそのまま乗り入れてくる . 表 62 のほかにフランス , 25500 形 , B B25200 形を客貨両用にした B B25150 形が生ま ドイツなどに第 3 軌条の近郊電車と架線式の本線列車が同じ れている . 最新最強力の交直両用機関車は c C21000 形 ) で 駅の中で共存しているところがある . フランスの看板機関車 C C6500 形を交直両用にした車両で , 本線の中間に 2 電流方式の境界のある区間を走るためには 1968 年に 2 両登場して試用していたが , 1974 年に TEE < シ どうしても 2 種類またはそれ以上の区間を直通して走れる多 ザルバン > 用として 4 両増備されている . 引きつづき , B 128 電気 方式 国 2 電流併設駅 ( 電流切換なし ) スイス / イタリア 駅 交流 16 % Hz / 15kV 直流 3 , 000V キアッソ ドモド ッソラ ルイノ ジュネープ ( コルナバン ) 交流 16 % Hz / 15kV ーー一直流 1 , 500V 交流 16 % Hz / 15kV 交流 50Hz / 25kV ′く口ノレフ・ 交流 16 % Hz / 15kV 直流 3 , 000V プレンナー タルビジオ 交流 50 日 z / 25kV 交流 16 % Hz / 15kV ノく - ー・、ノレン 直流 1 , 500V 交流 50 Hz/25kV 工クス・レ・ノくン マンチュスター・ビカデリー 直流 3 , 000V ーー - 直流 1 , 500V 数カ所 スイス / フランス オー - ストリア / イタリア フランス / ドイツ フランス イギリス スくイン 2 電流併設駅 ( 電流切換式 ) スイス / フランス 交流 50Hz / 25kV 交流 16 % Hz / 15kV ノく一セつレ ポンタルリエ 直流 1 , 500V ジュネープ ( ラ・プラーユ ) 交流 16 % Hz / 15kV 直流 3 , 000V 交流 50Hz / 25kV ンユ - 下・モン ケビー 直流 1 , 500V 交流 50Hz / 25kV ルクセンプルク 交流 50Hz / 25kV 直流 3 , 000V クトナ・ホラ オジェレリエ ゴノレキ ロストフ南 マリンスク タイスジェト くルギー / フランス ルクセンプルク フランス チェコスロノくキア ソ 本線中問接 続 オランダ / ベルギー オランダ / ドイツ ベルギー / ドイツ フランス / ドイツ フランス / イタリア フラン スペイ ン イギリ ス ハンガリ 形式 1968 1968 1964