連結器 - みる会図書館


検索対象: 鉄道ジャーナル 1976年8月号
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1. 鉄道ジャーナル 1976年8月号

つなぐ 車両連結器とは , 車両を何両もつないで運転するための装置 す・構造は簡単ですが , そのためにあまり多くの車両は連結 で , 牽引力または推進力を他の車両に伝える役目をします . できないという欠点を持っています . また , 運転中の車両の衝撃を吸収する緩衝装置も連結器の一 ネジ式 部として構成されています・ 連結器にはいろいろな形があり , 原始的なビン・リング式 現在でもョーロッパでは多く使用されている連結器で , 牽引 ( 軽便用車両 ) やネジ式 ( パッファーのついたもの ) から自 力は中央の鎖で , 推進力は両端の丸いパッファーで相手の車 動連結器 , 自動密着式 , さらに密着式へと発展しました・私 両に伝えます・この連結器は連結・解放作業に危険がともな 鉄では棒連結器も採用されています . うため , 日本では現在使用されていません・ ヒ。ン・リンク式 自動連結器 ナローゲージなどの軽便用車両に使われており , ヒ。ンとリン 国鉄の機関車や客車・貨車で使用されている連結器で , 一部 クだけで推進・牽引力を他の車両に伝える簡単な連結装置で の私鉄の電車にも使用されています・連結する場合は錠を鎖 密着連結器の構造 プレーキ管ガスケット 電気連結器が自動密着式の上についた名古屋鉄道のモ 80 形 直通管ガスケット くさり 空気管 ドー第 自在継手 緩衝ベネ 錠掛ハンドル 元空気溜管ガスケット 密着連結器を装備した 103 系電車 咼毛 ・ - な K AO / 多一ろ 1 42

2. 鉄道ジャーナル 1976年8月号

この連結器は電車の連結面についており , 一部の私鉄では連 電気連結器 ( ジャンパ連結器 ) 結器の下部にジャンパ・コードを使わすに接続させるものも 電車を連結するには車両連結器を用いますが , この連結器で あります . つないだだけでは電車は運転できません・それは , 制御器や ジャンパ連結器は , 電車の運転に不可欠なもので , 編成を ドア , 室内灯 , ブザー , 扇風器・ヒーター 組んだときには必す一方の側に低圧回路のジャンパ連結器を コンプレッサー の入切スイッチ制御を行なう回路や , 高圧 ( 架線の電圧と同 もう一方の側に高圧回路のジャンパ連結器をというようにな じ ) 電源や冷房装置を動かせるような電源を , 隣の車両に渡 っており , これにしたがって電車の向きも定められています . さなければならないからです・これら各種の電気回路を隣の 床下の各種機器の配置も同様で , 向きを簡単に変えることは 車両に渡すコードのことを , ジャンパ連結器 ( 電気連結器 ) できません・とくに旧型電車の場合はむすかしく , 向きを変 える作業 ( 方向転換 ) には大改造が必要になります . といいます・ 電車の前と後 高圧回路 501 ③ ① 転 室 低圧回路 1 209 ② 運転台のある車両は運転台側が前 両連転台の車両は配電盤のあるほうが前 ジャンパ連結器位置と方向転換 転 室 . ② ① 後 リ ④ ② ④ 運転台のない車両は低圧回路の引通し線が左側となるほうが前 便所のあるほうは後食堂車は調理室側が後合造車は優等室 . 側が前 ( 前←特別室←普通室←郵便室←荷物室 ) 後一一 ④ ー後 ③ ②運転室① 1 501 クモノ、 209 ④ ③ ②側に低圧回路が通っている ①側に低圧回路が通っている クモハを方向転換した場合ジャンパ連結器位置が逆になり連結不能 ④ ② 209 1 209 1 501 転 ① ② 転 室 ① ③ ① ① 転 クモノ、 室 ② ④ ② 左端のクモハと右端のクモハではジャンパ連結器・床下機器の取付け位置が逆になる 44 クハ クモノ、 1 209 501 501 クモハを改造してジャンパ連結器を揃える ① ② 501 501 クモノ、 1 1 209 209 ① 運転室の向きとジャンパ連結器の位置 ③ ④ ② ー・・ - 制御器 ① 空制 = 空制 空制 クモ / 、 ー・ -- ー制御器 ① ③

3. 鉄道ジャーナル 1976年8月号

錠状態から開放状態にしてナックルを開き , 相手車両の連結 器をあてて鎖錠状態にします・解放する場合は錠を開放状態 にしてどちらかの車両を動かせば , ナックルが開いて解放で きます . この自動連結器は操作が簡単ですが , 連結状態のと きにスキマができるので , 起動時の荷重が一度にかからない 反面 , 長編成のときはショッグが大きくなる短所があります . 自動密着式 自動連結器の欠点である連結器間のスキマを最少限にしたも ので , 私鉄電車や国鉄の気動車と一部の客車に使用されてい ます . 密着式 動力分散方式の電車の連結器は大きな力はあまりかからず , 高加減速運転に適するようにスキマをなくすため , 密着式連 マ自動連結器をつけた名古屋鉄道のモ 3600 形ママパッファーっきの下津井鉄道の貨車 結器が開発されました . 連結器にプレーキ用の空気管 ( 自動 プレーキ用は 2 本 , 直通プレーキ用は 4 本 ) も組み込まれて います・なお , 連結面間のスキマがないため , 上下・左右に 回転できる特殊な継手が本体と緩衝装置のあいだに取りつけ られています . 一部の私鉄ではウェスチングハウス , トムリ ンソン , パンドン型の小型の密着連結器を使用しています・ 棒式 ュニット方式の電車や固定編成を組んでいる電車は解結を行 なうことはほとんどないので , 棒状の連結器を取りつけてい ます・連結器でのショッグは皆無ですが , 緩衝装置も装備し ています . ヒ。ン・リンク式の近畿日本鉄道内部線のモニ 210 形 43

4. 鉄道ジャーナル 1976年8月号

AL 形と AB 形の違い 5002 パンタグラフ 高庄回路 低圧回路 A B 形 A L 形 断流器 抵抗器 限流継電器 電動発電機 DC 1 , 500V ( マスコン ) 主幹制御器 主電動器 0 ン ヤ ン 結 器 次位車両ヘーー 制御器 DC 100 V 制御指令回路 DC 100 v 電車の前進・後進の回路 クモノ、 パンタグラフ ③・ ① パンタグラフ クモノ、 十 パンタグラフ クモ / 、 十 ②運転室① ② ④ ③ ④ ①運転室② 十 後 後 後 月リ ① ③ ④ ③ ④ ② 後前 後前 前彳を ←電車の進行方向 左端のクモハで運転して前進する場合 , 3 両目と 4 両目のクモハの逆転器は「切」位置にし ておき , 左端のクモハだけを「前進」位置にする . 回路図のつなぎでわかるように左端のク モハが前向きに , 3 両目と 4 両目は後向きに加圧され , 編成は同一方向に向かって走る . なお , 連結器間の渡り線 ( ジャンバ連結器 ) が交差しているのは , ジャンバ栓受け同士が向 かい合うと左右が逆になるためである . ジャンパ連結器 ジャンノ寸全・受 ジャンハ受 、 1 ワ 1 0 0 0 0 0 0 制御回路からは電車の力行 ( モーターに電気を流す ) をつかさどる 制御器に電気指令を送ったり , ドアの開閉電磁弁の制御や MG ( 電 動発電機 ) や CP ( 電動空気圧縮機 ) の起動の指令を送る . (DC 100V ) 高圧回路からはモーター ( 主電動機 ) の駆動用電力 , MG ・ CP の 駆動電力などの高圧電気を送る . ( DCI , 500V ) 三相交流 440V は冷房装置用動力として使用される . 低圧回路は室内灯・扇風器・ブザーなどの電源を送る . ( DC100 CP 室丙灯 冷房 ドア 扇風器

5. 鉄道ジャーナル 1976年8月号

この間接非自動式は間接式ながら一番初歩的なもので , マス 間接制御器① ( 路面電車・小編成電車 ) コンのノッチはそのまま制御器の各段 ( ステップ ) と直結し 間接制御器は , 直接制御器が高圧電源を主幹制御器内で切り ており , マスコンハンドルは加速するにしたがって 1 ノッチ ずつあげてゆきます . 最初から一気に最終段までノッチを進 換えていくのに対し , 床下に制御器をそなえ , マスコンハン ドルから電気指令を送り , モーターに流れる電流を加減して められません・また , 制御器の切換えはマスコンのノッチの 切換えで行なうため , 手動加速式ともいわれています・限流 ゆく方式です . したがって , マスコンのなかは高い電圧は流 れておらず , 制御器内で切換えをするための指令電流が通っ 継電器を使用してカムモーターを順次回転させ自動的にマス ています・この指令電流は通常 100V が使用されています・ コンハンドルの指令する位置まで制御器の段数をあげていく 間接制御器では , 制御回路により制御器を切り換えるので 方式を , 手動加速式に対して自動加速式 ( 間接自動制御器 ) 制御回路を , 連結した各車両に引き通せば , 一度に何両もの といいます . 制御器を , 先頭車の一台のマスコンハンドル操作で制御でき 国鉄の電車には間接非自動式は使用されていませんが , 電 気機関車はこの方式を発展させた ( 段数を多くし , るわけです . このような方式を総括制御といいます・ 制御を付加しているものもある ) 制御器を使用しています・ 間接制御にもいろいろなタイプがあります . この項では , この場合も電車と同じく , 一気に最終段までマスコンハンド 路面電車や旧型の小編成の電車に使用されている間接非自動 式について紹介しましよう・ ルを持ってゆくことはできません・ 東京都電 7500 形の間接式制御器 ( NC533 形 ) マスコン / 、ンドノレ 逆転ハンドル 第を / タップ カム軸 0 26

6. 鉄道ジャーナル 1976年8月号

モーターの回転数の上昇にしたがって抵抗を短絡してゆきま 間接制御器② ( 旧型国電 ) す . つまり , 抵抗による電圧降下をしだいに少なくして速度 国鉄の旧型国電や私鉄の旧型車の制御器は , 間接自動式のも を変化させてゆきます・ 2. 直並列制御モーターの接続方法を直列から並列に切り のを装備しています・この間接自動式は , 制御器の代表的な 換え , 抵抗制御と同様にモーターにかかる電圧を変えてゆく もので , マスコンでは制御器の段進めのための指令電流を送 り , 指令電流を受けた制御器は , 限流継電器の作用を通して 方式です・ 3. 界磁制御モーターの界磁コイルに通す電流を変化させ 1 段ずっ進段させてゆきます . このため , マスコンハンドル 界磁の強さを弱めて , モーターをより高い回転数で働かせる を起動時に最終段まで投入しても , 制御器は限流継電器によ 方式です・この方式を弱め界磁といいます・ り自動的に進段しますので , 急に加速してしまったり , 一度 国鉄の旧型国電はこの 3 つの方式の組合せ ( 一部は弱め界 に大きな電流が流れないようになっています・直接制御器や 磁のないものもあります ) でモーターの回転速度を変化させ 間接非自動式の制御器では , このようなマスコンの取扱いは できません . スビードをあげてゆきます・ では , 実際の制御器を見てみましよう・ 72 系の制御器は C 自動進段は抵抗器やモーターの回路のつなぎ変えを , カム S 5 形で 10 段 , 80 系は C S10 形で 12 段の組合せがあります・ モーターまたは電磁弁と空気シリンダの作用 ( 電磁空気式 ) なお , マスコンハンドルによる後進は 2 ノッチまでとなって で行ないますが , モーターの速度制御にはつぎの 3 つがあり います・前進・後進の切換えは , 界磁に流れる電流の向きを ます . 1 ・抵抗制御抵抗器内の抵抗をモーターと直列に接続し , 変えて行ないます・ 国鉄クモハ 73 形の解剖略図 べンラレーター ハ。ンタグラフ 目ら 前照灯 主電動機 カ電 断流器 8 主幹制御器 ( マスコン ) 主制御器 高圧回路′′・ - ジャンハ。連結器 低圧回路 ジャンハ。連結器 カム接触器 庫両連結器 カム接触器のいろいろ 電磁空気力ム式ピカ ム シリンダー 接触器 電動力ム式 カム電動機 継電器 摺動式 ヤ フック 電磁弁 進段励磁戻し カム軸 カム軸 カム カム 円筒 フィンガー シリンダー 28

7. 鉄道ジャーナル 1976年8月号

ドール〉は正式に こうして 1926 年 9 月 11 日 , くフレッシュ・ 運転を開始した . 編成は , プルマン車 10 両と荷物車 1 両の 11 両 , ダイヤは次のとおりであった . 〔下り〕 〔上り〕 パリ カレー 17 時 40 分 12 時 00 分 ↑ ↓ 14 時 30 分 15 時 10 分 しかし , 利用客は思ったほど多くなく , 翌 1927 年 5 月 1 日 からワゴンリー車を 4 両にヘらし , 1932 年 7 月からは 2 等プ ルマン車が連結されている . 一方のイギリス側は , フランス より 3 年おくれて 1929 年からドーパー ~ ロンドン間にフラン ス側の列車に接続するプルマン列車くゴールデン・アロウ〉 の運転を始めている . その後 , 1936 年からくフレッシュ ール > に一般客車が連結され , 上り列車にはく地中海急行 > く口一マ急行 > に直通する寝台車も加わって , 本米のデラッ クス列車ではなくなってしまった・ ばつばっ 1939 年 , 第 2 次大戦の勃発とともにくゴールデン・アロウ > は運転休止し , 第 2 次大戦後まもない 1946 年 4 月 , オール・ プルマン列車として運転を再開したが , もはや時代は往年の 鉄道万能時代でなくなり , プルマン車の利用客はどんどん飛 行機に移っていった . 1950 年 12 月 , フランスのくフレッシ ール > は ' プルマン列車 ' から一般列車に格下げにな ール > の名は残って , 普通の り , その後もくフレッシュ 急行列車の編成に 1 ~ 2 両のプルマン車を連結して走ってい たが , 1969 年を最後にプルマン車の姿は消えた・最近まで , フランスの時刻表では 12 時 30 分発の特急にくフレッシュ ール > の名がつけられていたが , 一般の客車を使った普通の 列車であった・ イギリスのほうはフランスより長くプルマン車が連結され , , こでも 1972 年 9 月 30 日を最後にプルマン車は引 ていたが 退し , 同時にくゴールデン・アロウ > という名も消えた・ 現在 , このルートによるパリ ~ ロンドン間は 7 時間 ~ 7 時 間半である . くナイト・フェリー > コース ( パリ ~ ダンケルク ~ ドーパ ー ~ ロンドン ) 夜のパリ ~ ロンドン間の看板列車が , このくナイト・フェリ ー > である . くゴールデン・アロウ > より 10 年おくれて 1936 年に登場した列車で , ワゴンリーの寝台車をそのまま船に積 み込んでドーパー海峡を渡り , 乗客は寝たままパリからロン ドンへ行くことができる . 走るコースもくゴールデン・アロ ウ > と違ってアミアンから北上し , フランス第 4 の工業都市 リルに立ち寄ってダンケルクの港から連絡船に積み込まれる・ 夜行列車のため , あまり早く口ンドンに着いても具合が悪い ので , リルに寄って乗客を乗せると同時に , プリュッセル ~ ロンドン間の寝台車 , ミラノ ~ パーゼル ~ ダンケルク間の座 席車を連結する . ダンケルクからドーパーへ航送するのは寝 台車だけで , パリ , ミラノ , パーゼルからの座席車の利用客 は , 夜中に船に乗り換えなければならない . 昼間のくゴール ド デン・アロウ > が航空機との競争に敗れて消えていったのに 対し , くナイト・フェリー > のほうは・動くホテル ' として 今も変わらず走り続けている . しかし , この列車のワゴンリー寝台車は見るからに古めか しく , 全部が 1 等車で , 2 等切符でも乗れる新型の T2 形寝 台車は連結されていない . イギリスの車両は小型でヨーロッ パ大陸の普通の車両はイギリスの線路の上を走れないため , この列車のワゴンリー寝台車は他の車両よりやや小型の特殊 な車両を使っており , 近代化がおくれているのである . この ・アロウ > ( 金の矢 ) に対し , くシ くシルバー・アロウ〉コース ( パリ ~ ル・トゥケ ~ ガトウ ルートを走るのはくナイト・フリー > 1 往復だけで , 11 時 クラシックなくゴールデン ィック ~ ロンドン ) 間かかる . ル駅から空港までパス連絡を行なっていたのに比べて , 非 飛行機に乗り換えることができる . 以前は本線のエタープ のパイカウント機が飛び立つので , わすか 15 分で列車から 税関があり , この建物の横から British United Airways 専用の接合室をつくった・その中には出入国管理事務所と まで直接乗り入れ , 駅の横にくシルバー・アロウ > 利用客 に直接乗り入れる 1.2 の専用線 * 3 ) を建設し , 列車が空港 ァミアン ~ カレー間の本線から分岐してル・トゥケ空港 次の点が改善されていた . 開した . 新しいくシルバー ・アロウ > は 1961 年以前に比べて Airways*2) はふたたびくシルバー・アロウ > サービスを再 しかし 1963 年夏 , 英仏両国鉄とイギリスの British United なく , 1961 年にこのサービスは中止のやむなきにいたった . も列車 ~ パス ~ 飛行機の乗換えの不便があって , 利用客は少 空港まで往復の時間を考慮してもいかにも長いし , 途中 2 回 ロンドンまで 6 時間 15 分というのは飛行機の 1 時間に比べて まで利用客を運ばうというアイデアはよかったが , パリから 始めた . 鉄道と飛行機を組み合わせて , 都会の中心から中心 (SiIver Arrow, フランス名 Fléche d'argeant) の運転を Air Transport 両社は夏のあいだだけくシルバー・アロウ > 1956 年 , イギリスの SiIver City Airways とフランスの リス国鉄の電車でロンドン ( ビグトリア駅 ) まで行く・ 郊外のガトウィック CGatwick) 空港に着き , そこからイギ で行き , 飛行機に乗り換えて英仏海峡を一飛びし , ロンドン 峡に面したリゾート , ル・トゥケ ()e Touquet) の空港ま サービスが目玉商品 . パリ北駅からディーゼル動車で英仏海 パー・アロウ > ( 銀の矢 ) は近代的な鉄道と飛行機の連絡 常に便利になった・ ☆イギリス側も従米のフェリー * 1 ) イギリスのプルマン社の社長でもあった・ ールド空港から新し * 2 ) 1 % 2 年に , Silver City Airways を合併した・ * 3 ) ル・トゥケ空港混合経済会社 (SEMAT) の財産で , ス国鉄が行なう・ 1 3 年 5 月 26 日に完成した・ 列車の連転はフラン

8. 鉄道ジャーナル 1976年8月号

- 目 カメラ協力・福田宏之 / 永野晴樹 構成・編集部 徳田耕一 / 白井春人 電化された主要幹線を颯爽と快走する特急電車ラッシュの通勤通学客を大量に輸送する通勤電車道路の中央をクルマをかき わけながら走る路面電車・・・各種各様の形態と性能をもついろいろな電車があり用途や技術開発の差て運転台や運転メカニ ズムもまたいろいろなタイプにわけられます . 本項てはそれらのメカニズムを・動かす ' ( 制御装置関係 ) ・止める ' ( 制動装 置関係 ) ・守る ' (ATS 装置関係 ) ・つなぐ ' ( 連結装置関係 ) の 4 項目にわけさらに各項目についてはタイプ別に細分化して 図・写真を中心に解説します . 電車は電気て動く旅客車両ということは共通てすが 1 両て走ることを原則として設計された古い路面電車は直接制御に直通プ レーキてあり同じ路面電車ても一部ては間接制御装置を搭載している車両もあります . 鉄道線用になると何両も連結して走る ために総括制御つき自動進段式間接制御自動プレーキつきが標準になり新性能電車ては一歩進んて多段式自動進段式制御 電磁直通プレーキと発電プレーキ ( 電空併用電磁直通プレーキ ) がそして半導体サイリスタを応用した制御方式とメカニズ ムの発展はとどまるところを知りません . 一方ては列車の安全を守る ATS や ATC も完備され高速走行性能と高減速制動 保安装置と三拍子そろった電車が出現し電車王国 ' ニッホン ' の名を全世界に誇れるものになっています . 明治 28 年に日本て最初の電車が京都に走り始めて 80 年余運転のメカニスムをはじめとして各種機器の発達は電車の長大編成 化・高速走行化などをもたらし世界一流の電車が日本の鉄路の上を昼も夜も疾駆しています . その精巧なメカニズムをイラストや写真を中心に解説してゆきましよう・

9. 鉄道ジャーナル 1976年8月号

止める 制動装置 , すなわちプレーキは列車を安全に運転するうえの 非常弁装置をとりつけて連結運転も可能にした方式は SME かなめ 要となるもので , スビードアップもプレーキの機能が十分に 式と呼ばれ , 地方私鉄の小編成電車などによく見られます・ そなわって初めて可能になります・鉄道車両用のプレーキに 自動プレーキ は , 車輪とレールの粘着力を利用して車輪の回転を抑えるこ とで減速・停車させる粘着プレーキと , 電磁吸着プレーキの 圧力空気を , プレーキ管を通していったん補助空気溜に貯え ように車輪の回転にかかわらずに作動する非粘着プレーキの ておく方式をいいます・運転中はプレーキ管にも圧力空気が 二通りが考えられますが , 現在のプレーキ方式の主流は前者 こめられていて , この空気を抜くことで制御弁が働いて補助 のほうで , これには制輪子の摩擦力による機械式プレーキと 空気溜からプレーキシリンダに圧力空気が流れ , プレーキが 電気的な力を利用した電気プレーキの 2 つがあります・ かかります . プレーキ管が破れた場合も , 急激な圧力低下の 一般に電気車両では電気プレーキと , 機械式に属する空気 ため非常プレーキが働き , 安全です・自動プレーキの記号は プレーキを , うまく組みあわせて使用しています . 空気プレ A で , 制御弁の形式によって , AMA ・ AMU ・ AMM 方式 ーキには , 真空プレーキと , 圧縮空気の力を利用する自動プ のように呼ばれています . レーキ , 直通プレーキ , の 3 つがあります . いすれも 19 世紀 旧型国電や一部の私鉄電車では , プレーキ管の減圧を電磁 に考案された方式ですが , 現在ではおもに自動プレーキと直 弁によって編成全体について同時に行なう方式の電磁自動プ 通プレーキが使われていて , 弁装置を電磁弁としたものも , レーキ ( A M A E 式 ) や , シリンダ圧力の車両ごとのパラっ かなり普及してきています . きを補うための中継弁っき電磁自動プレーキ ( A M A R E 式 ) が使われ , プレーキ作用の迅速・確実化がはかられています . 直通プレーキ 電磁直通プレーキ 空気溜の圧力空気をプレーキハンドルの操作によって , 直接 プレーキ弁と直通管のあいだに設けた電磁直通制御器により プレーキシリンダに出し入れする方式で , 構造が簡単て細か いプレーキ操作ができる長所があります・直通プレーキの記 プレーキ弁で指示された圧力と同じ圧力に達するまで , 直通 号は S で , ふつう SM ( M は空気圧縮器っきの意味 ) 式と呼 管および中継弁を介してプレーキシリンダに圧力空気を出し 入れする電磁弁を働かせています・国鉄の新性能電車に使わ ばれます・直通空気管が切れるとプレーキがきかなくなるの で連結運転には適さず , おもに路面電車に使用されています・ れている S E D プレーキは , この電磁直通プレーキに電気 セルフラップ式プレーキ弁の ハンドル位置としくみ SED 電磁直通プレーキの構成 非常 プレーキ ップ帯 クモハ (M'J 219 218 電磁直通制御器 コンプ レッサー 車 . 弁 ゆるめ プレーキ 元空気溜 プレー キ弁 プレーキ 非常用電磁吐出弁 気圧 スイッチ※ 電磁給排弁 釣合 空気溜 x 制御管 供給空気 if{(SR) プレーキ管 (BP) 元空気溜管 ( MRP) MR カム軸 直通管 (SAP) 作用管 ( AC ) ー : CIA ( C2 ) プレーキ制御器 電気プレーキ作用中 締切電磁弁 空気プレーキを締切る プレーキシリンダ (BC) ひらく 気圧抵抗器・ ー可変抵抗器・ カム , たわむ 限流継電器 CP つりあいヒ。ストン ヤ ↑ * 1 ) 電磁直通制御器 CPJÆ力と SAP 圧力を比較して SAP>CP ならば ゆるめ指令 SAP く CP ならプレーキ指令を出す EX 38

10. 鉄道ジャーナル 1976年8月号

さかどさ《ら蜃ぶさ嚮豸、は P あオっきヤほ、りつるぎ區罍ー 鉄道や趣味 , あるいは本誌に関する意 見・感想・批判などをお寄せください・ 多くの人々に楽しんでいただく声の 広場 ' として育ってほしいと思ってい ます・ご投稿は , なるべく簡潔にまと め ( 最長 400 字ていど ) 本誌「編集部 タブレット」係へお送りください・採 用分には掲載誌を 1 部さしあげます・ ローカル線の再認識 本誌 6 月号の「ローカル線特集」は , 近来に ないヒットで , 全ページを息もつかせず読み 終わった・ローカル線といえば盲腸線や田舎 の支線を思い出すが , 現在では幹線と幹線の 短絡線や 100 km を超える線もあり , さらに 急行列車も運転され , ローカル線のイメージ チェンジをしている・明治生まれの線から戦 後開通した線まで , 各種各様な歴史と伝統を 秘め , 日夜 , 列車を送迎している・ 旅行ずきの私は東京以西のローカル線はほ とんど乗ったが , とくに印象があるのは越美 南・北線 , 奈良・桜井線 , 加古川線 , 九州の 肥薩線 , 田川線 , 高千穂線であった・また , 最近 , 休日を利用して飯田線で飯田市へ行っ たが , 天竜川の景観と , トンネル・橋梁の連 続には , わが意を得た・ローカル線よ , 永遠 とは好ましい・新聞・放送・雑誌に対する反 論権は十分に保障されていないが , 本誌がま がりなりにもオープンカウンターの時代から 自己を批判する読者の投稿を載せてきた実績 は , 他の分野の雑誌にもほとんど皆無であ り , 高く評価されてよい・読者はこれらの欄 からその雑誌のセンスを感じ取るであろう・ ース的記事については , 国鉄・各民鉄 ー - ユ の公報・社内報・広報誌などにもよく目を通 していることがわかるが , もう少し読者投稿 によることが必要であると考える . 他誌でも 最近の投稿者の減少が伝えられているが , 読 者がたんに情報の受け手だけにとどまること は , 健全な趣味の発展にとって好ましいもの ではない・読者の誌上参加といってもなかな かむずかしいだろうが , その初歩をニ 欄によって育ててゆくことは可能であろう・ P 誌のトピックフォトや読者短信欄が多くの 読者によってささえられていることを参考に すべきであろう・ 輸送の近代化 , ローカル線問題など , 最近 の本誌の内容の向上は大いに評価できる・今 後はファンや国鉄関係者だけでなく , 広く執 筆者を求めてゆくべきであり , 同じ話題を扱 ったものでも , 立場のことなる人の記事を並 べて掲載する努力も必要であると思う・これ からの発展を願ってやまない・ ( 千葉県・平野和美 ) 市内電車を見なおせ 3 月 31 日限りで仙台と京都の一部の市電が廃 止されてしまった・市交通局経営のため , 累 積する赤字 , クルマの増加 , 経営合理化など の理由で廃止せざるをえないのだが , もっと 考えなおすべきである・市電の便利さ , 無公 害 , 輸送力の大きさなど , 知らないのだろう か・近年の石冫由ショッグ , 公害などの理由で市 電が見なおされてきたばかりだというのに・ そこで私の考えだが , 仙台は全廃されたので 別として , 日本でも比較的規模の大きい京都 市で考えると , ますグルマの軌道敷内通行禁 止の徹底と電車優先信号を設置して速度を上 げ , 同時に車両増強も行なって , 待たすに乗 れる便利さを市民に再認識させるべきだ・ま た強行手段ではあるが , 並行して走るパス路 線を廃止し , 市電一本でいってはどうだろう か・これには当然 , 輸送力増強のための新車 も投入すべきだ・もし実現できれば道路交通 事情がよくなり , 経営合理化もでき , 市電を 廃止する要因はなくなるはすだ・それどころ か市電は市民から愛される交通機関になるだ ろう・パスや地下鉄にはない , さまざまな特 長を持っ市内電車を , あらためて見なおす必 ( 兵庫県・林弘志 ) 要があるのでは・・ ヘッドマークの復活を 先日 , 大阪に鉄道の写真を写しに行ってきま した・新幹線博多開業後は初めてでしたが , プルー・トレインのヘッドマークの廃止がと ても気になりました・機関車の先頭にヘッド マーグをつけていないプルー・トレインなん て , 魅力が半減してしまうと思います . 現在 , ヘッドマークをつけているのは , 東 京発着の E F 65 牽引のプルー・トレインや四 国・房総地区の急行だけだということを , 本 で読みました・国鉄のたびかさなる運賃値上 げ , 新幹線開業による昼行特急・急行の廃止 などをくり返しているのですから , せめて特 急・急行のヘッドマークぐらいはつけてほし いと思います・なんとか , 特急・急行にヘッ ドマーグを ! ( 兵庫県・依藤隆 ) に幸あれ・ ( 京都府・武智透 ) 格段の向上をみせた RJ 誌 最近の本誌は 100 号あたりを境に , 誌面のレ イアウトの改良やニ ース欄の拡充など , 時期のマンネリから脱して , 格段の向上をと げつつあるように思える・ P 誌や F 誌の先発趣味誌のなかへ , 新しく 加わった本誌の編集方針は , 社会派の角度か らの鉄道情報趣味誌 ' とのことだが , 最近 はこの性格がよくでている・各誌それぞれ特 色があり , 比較して優劣を論ずることはでき ないが , 本誌はたんにレールファンの情報源 としてだけではなく , P 誌の特色とされてき た資料としての価値も十分あわせ持つように なり , 公共図書館に鉄道関係の雑誌として収 録される価値もでてきたといえる・ つぎに読者の本誌に対する批評・注文・感 が復活したこ 想などの欄ーータブレット 多ルイを 106 せめて自動販売機ても 最近 , 食堂車を連結していても営業をしない 列車 , または共通運用のため食堂車を連結し ない列車を , あちこちでよくみかけます・ 4001 レ・ 4002 レ < 日本海 2 ・ 1 号 > などは , 20 系時代は食堂車の利用率も結構高かったのに 14 系になってからは食堂車がなくなり , 車内 販売もないようです・これらは食堂車従業員 不足が原因のようですが , それでは売店車を と願う人も少なくないと思います・しかし , 将来は売店すら営業できないことも考えられ るので , 自動販売機を積みこんではいかが ? 自動販売機でしたら人手はいらず , 24 時間営 業なので , 夜中でも腹ごしらえができます . つい先日まで , 関西の ' 新快速 ' に使用し ている一部のモハ 152 の車内にコーラなどの 自動販売機がありました・夏季には利用する 人も多かったようです・食堂車を連結しなが ら営業を行なわない列車に自動販売機を設置 すれば , 人手もそういらず , 乗客も喜んでも らえると思います . ( 大阪府・吉田俊典 ) 追分機関区の火事に思う 4 月 13 日 23 時 40 分ごろ , 北海道の追分機関区 で貴重な機関車が燃えてしまった・といって も 1 両 1 億円の D L ではなく , 全廃となった SL ー D51 形 4 両と 9600 形 1 両である . その なかには昨年 12 月 24 日にタ張線で最後の貨物 列車を牽引した D51 形 2 両も含まれていた・ この 2 両のうち , D51603 号機は国鉄苗穂工 場最後の出場機で , 科学博物館に引き取られ ることになっていたのに , とても残念に思う . これらの SL の価値のわかない人は , 1 両 1 億円の D L が燃えてしまってもったいないな どというかもしれないが , では , 1 億円だせ ば , 燃えて鉄の塊になってしまった s L たち さかどき《らぶさ嚮豸、は p あオ。き出まり。るぎー