現新幹線電車は全電動車で各車輪に 185 kW の主電動機 がついています . 2 階建電車では電動車の数が半分にな りますから , 主電動機の出力も当然その 2 倍近い 350kW 程度の大出力のものが必要となります . その主電動機は 取り付けの関係で寸法的にあまり大形化することは許さ れません . これに対してはノメックステープ・ H 種レジ ンなどの耐熱性の高い絶縁材料を使用して従来の F 種絶 縁よりさらに高温に耐える H 種絶縁とし , また回転数も 高速化して小形で大出力の主電動機とします . さらに次 の問題として電動車輪の力行トルクが 2 倍になるために 車輪の空転の心配があります . しかしサイリスタの連続 位相制御により , 力行トルク変動が防止できること , 空転 発生時にサイリスタのゲートオフシャ断により , 瞬時に 力行トルクを弱めて再粘着性能の向上をはかれること , さらには主電動機回路を粘着性能がよくなるよう主電動 機直列個数を減らすなどの対策によりほとんどの問題が なくなります . 事実フランスでは電気機関車けん引の客 車列車で 200km / h 運転を行なっているほどで , 制御面か らの粘着向上策を行なえば , 十分に 8M8 T 編成の 200 km / h 運転は粘着性能の点からも可能になると思われま す . ③付随車のプレーキは大丈夫か 付随車には主電動機がないので通常の電気プレーキはか けられません , だからといって 200km/h から機械プレー キを常に使用するのはディスク・ライニングに問題が生 じます . 何か摩擦力によらないプレーキが付随車にも必 要です . 主電動機なしでそのようなブレーキ手段が得ら れるでしようか , 得られます . それは渦電流プレーキで す . 付随車の車輪のディスクに電磁石を近づけておき , プレーキ時は電磁石の作用でディスクに渦電流を誘起さ せプレーキ力を発生させます . このブレーキは非接触の ため , 摩耗するものはありません . 渦電流プレーキはす でに 1 両だけですが , 新幹線軌道試験車で実用化されて おり , 良好な性能を発揮しています . 電磁石への励磁方 法は電動車の主電動機と直列にブレーキ時に電磁石を接 続させ , 電動車に電力回生プレーキがかかれば , 自動的 に付随車にも渦電流プレーキがかかります . この場合電 動車では自車 1 両分のプレーキ出力をだすだけでよく , 付随車は電動車から回生エネルギーのほんの一部を励磁 電流としてもらって自車でプレーキエネルギーを発生さ せます . したがってプレーキ時は電動車の主電動機とサ イリスタ装置は 1 両分の容量でよく , その分出力低減と なります . また電力回生プレーキなので消費電力が節減 され , 省エネルギー時代にマッチした新幹線電車にもな ります . プレーキ時の滑走防止については電動車の電力 回生フ。レーキも付随車の渦電流プレーキも , 従来のプレ ーキ方式に比較して良好な粘着性能を持っプレーキなの で , 現新幹線電車の問題点の 1 つである滑走によるフラ 82 電動車は回生プレーキが かかる 附随車は車輪のディ スクにうす電流プレ ーキがかかる 附随車 E 1 E2 E ゖ A F E モータアマチュア 〃界磁 電動車 L1 A 1 L2 サイリスタ装置 ディスク形うす電流プレーキ 図 3 交流回生プレーキ回路つなぎ図 ット発生 , さらにはそれに起因する走行騒音もかなり解 決できるものと思われます . ④軸重は制限の 16 t におさまるか 東海道新幹線の線路は重量制限から軸重 16 t 以上の車両 は走れません . 現新幹線電車も軸重 15t 強あり , 2 階建 電車についてもかなり軽量化についての努力をしなけれ ばなりません . 2 階建の付随車は定員が増え , 車体断面 も大きくなり , その分は重量増になりますが , それ以上 に床下機器がなくなることによる重量減がありますから 差し引き現新幹線電車より軽くなります . 問題は電動車 です . 現新幹線電車にくらべモータの出力増大や床下機 器数の増加がありますが , 全体としての重量増があって はいけません . そのために車体を軽合金のアルミ車体と して軽量化をはかるとか , 大物機器であるトランスを新 材料の絶縁物を利用して軽量化をはかるとか , 各部品に ついても集中化・集約化するとともに軽量化技術を取り 入れての制限重量におさめます . 4. 新幹線電車のモテルチェンシ 新幹線電車はこの 13 年間ずっと同じタイプのものが製作 されてきています . すでに 2300 両近くの新幹線電車があ りますが , 車両が 1 形式であり部品の標準化などもなさ れているために , 車両保守基地の機械化が可能になり , 運転取りあっかいや検修も単純化できるなどそのメリッ トが十分に生かされています . しかしその反面いつまで も 13 年前の技術をもとにした電車を製作し続けることは 技術進歩に遅れをとり , 社会情勢変化にも対応できす , 世界に誇る新幹線といわれた技術も過去の栄光になって しまうかも知れません . いずれにしろ近い将来旅客サー ビスの向上・低騒音・省力化・省エネルギーなどを考慮 した新形式の新幹線電車の出現が望まれるわけで , その 一例として 2 階建新幹線電車についてのべてみました .
横・軽用として新製された クハ川 0 を先頭にした一田 系 " とき” 日暮里付近にて 円 76-5 写真 : 小田知昭 ◎若干の設計変史で横軽協調連転車にできること . のもとに , 1972 年 7 月の総武新線の開通と房総地区完全 電化にあわせて , 新しい時代の特急電車として製作され なお , 1831000 系の前面塗装では , 赤ヒゲか斜めに若干 たものがこの 183 系である . きれ上がっていること , およびサイドの窓まわりの赤帯 房総地区は首都圏に近いこと , 輸送需要の変動が大き と前面からの赤ヒゲか乗務員扉をはさんでつながってい いこと , 地下鉄道区間のあること , 波動輸送に対処でき ないところに特徴がある . 1976 年から , 伊豆特急 " あま ることなどを考慮した多目的車両で , 次のような特徴を " , 吾妻特急 " 白根”にも運用されている . 有している . 〔 189 系 ◎ サロを除き , 2 扉車となっている . 信越線 " あさま " に使用されていた 181 系の老朽化と輸 ◎ 簡易リクライニングシートを初めて採用 . 送力増強化のため , 1975 年に新製された直流特急電車初 ◎ 地下乗人の A ー A 基準 , ならびに正面貫通タイプ化 . の横怪協調運転車両がこの 189 系である . すでに活躍し ◎ 地下運転のための ATC 取り付け . ている協調運転車両の 169 系・ 489 系と同じく , 今回も末 ◎ 耐寒装備・横軽対策・中央線対策を施こす . 尾 " 9 " を継承している . ◎ 各種電装品のメンテナンスフリー 車体構造は 1831000 系をほほそのまま踏襲している . と いうのも 1831000 系は当初から横軽協調連用を考慮して この 183 系 , スタイル的には見劣りするとの意見も多 設計されていたからである . したかって 189 系の特徴は いが , 以後の新しい特急用電車に与えた影響は非常に大 1831000 系にほは準するが , 特に次のような点が特徴とな きなものがある . っている . 〔 1831000 系 ◎プレーキ故障に備えて直通予備プレーキを設ける . 上越線は有名な豪雪地帯であり , 従来から運用されてい ◎非常時に備え , 各室換気用として各車とも車端から る 181 系はその老朽化とあいまって , 冬季の運休が社会 2 番凵の客窓か開閉可能となった . 問題となってきた . このため急拠新造された形式がこの 1831000 系で , 183 系をベースに 1974 年末に登場した . 耐 非常時に備えて換気用として客窓が開閉可能となった川 9 系 ( ク , 、 9 ーり 寒耐雪構造を最重点に設計された 1831000 系には次のよう 円 75 ー 5 ー 2 写真 : 神谷静治 な特徴がある . ◎ 耐寒耐雪のため床下機器はほとんどヒータ付防護箱 に収納されている . ◎ 冬季の点検の便を考え , 従来の機器の M 車集中をさ け , 一部機器とパンタグラフを M' 車に移した . ◎ 前面は耐雪設計 , 運転室居住性向上のため非貫通と なった . ◎ Ts'jti ( サロ 1831101 ~ ) に予備の MG ・ CP を取りつ けた . ◎ プレーキ関係の制御弁等のユニット化 . ◎ A T C は装備しない .
結した時流線形につなかるように斜めに切り下げておき ます . 中階の部分は , 片側は便所と洗面所とし , もうい つばうの側は号車により車掌室・個室・売店・車販準備 室などを設け , 場合によっては座席にも使用します . 側 引戸とデッキの幅は定員が増えるので混雑しないよう広 くします . 電動車は床下に機器がつくので 1 階建のままにしま す . ただし便所・車掌室などのサービス設備と業務用設 備はすべて付随車に取り付けるので , すべて現新幹線電 車の最大定員の車両と同じ 110 人の定員となります . 付随車の定員は 1 階 2 階とも 8 ( ) 人で合計 160 人となり ます . 現新幹線電車は号車により定員はまちまちですが 平均的には普通車 2 両で 20 : ) 人程度ですが , 2 階建にす れは 2 両で 270 人となり , 35 % の定員増となります . こ の値は 12 両編成から 16 両編成にしたときと同程度の効果 かあり , しかも車両数が増えないから運転要員 , 車両保 守要員などの人間は増やさなくてもすむわけで , きわめ て都合のよい輸送量増強策といえます . 2 階建新幹線電車は可能か 3. ①床下機器はどうするか 現新幹線電車は全車両に床下機器かついています . 2 階 建電車の場合は床面が低いので床下に機器はつけられす すべてとなりの電動車の床下につけなけれはなりませ 御方式ではタップ切替器・主抵抗器・主制御器などの大 ん . そのためには床下機器の数を少なくし , また機器の 形の電気機器は不要になります . また電動車か 1 両にな 小形化が必要になります . 最近のサイリスタなどの電力 ったので , その他の直流シャ断器・逆転器などの制御機 用半導体素子の大容量化は著しいものです . このサイリ 器の小形化にもなります . その他高圧機器箱・主変圧器 スタを用いて , 力行制御はサイリスタ位相制御 , プレー ・空気圧縮機・空気プレーキ制御器・補助電源装置など キ制動は電力回生制御を行ないます . この技術は奥羽線 の機器も最新の技術を応用して小形化・集約化をはかり の電気機関車で実用化されており , ヨーロッパでも最近 電動車 1 両の床下にすべてコンパクトに収納します . の新車にはかなり取り人れられている技術です . この制 ②車両性能はどうなるか 図 2 電動車 冷暖房換気 わが国で 2 階建電車が見られるのは近鉄だけ . ”ピスタ・カー " の名称で 大私鉄近鉄の看板列車となっている 写真 : 後藤文男・土屋宝土 3 車体はアルミ製として軽くする 冷暖房換気 000 マ 2500 高圧機器箱 トランス 25000 サイリスタ その他機器 ( 交流回生プレーキ付 ) 床下に機器をコンパクトにまとめておさめる 電動台車 ( 強力モータ付 ) 定員Ⅱ 0 人 0888 配電盤 車掌室等の業務用室は 2 階建車のテッキにつける この車は座席はかりの車とする 8 ノ
0 カープの多い亜幹線特急に活躍する振子電車 3 田系 近江長岡付近にて円 76 ー 5 ー 27 写真 : 斎藤千春 ◎ Ts ( サロ 1891 ~ ) に予備 cp を装備 . の特徴は次のような点であり , 以後の特急用車両にも大 〔 381 系 きな影響を与えている . 1970 年の 591 系高速運転用交直流電車で試験された振子 ◎ 耐寒構造・勾配抑速プレーキ・ノッチ戻しを採用 . 作用の特殊台車の成功をバックに , 1973 年夏の中央西線 交流機器の関係上 , 車高が 125 ミリ高くなり , この ◎ 電化完成時に実用化された形式がこの 381 系直流特急電 ため , 塗装や連転室まわりに 151 系とは若干変更が 車である . 勾配抑速プレーキ装備 , 耐寒構造となってい ある . る . 車体は 1 扉車で , 重心を下げるため屋根には必要最 形式を最小限 ( 当初はクハ・モハ〔 M 十勹・サロ ◎ 低限の器具がつけられているのみである . 中央西線用の サシ ) にとどめる . 先頭車はすべて貫通形であるが , 先行製作された紀勢線 ◎ M ′車は特高機器の関係上 , 屋根上はクーラー CAU 電化用の 381 系の先頭車は非貫通形となり , 川 0 番台で 12 x 3 ) となり , 不足分は床置形となった . 区別される . ( 38 ・ 39 ペーシ参照 ) ◎ 台車は新形の DT32 ・ TR69 系を使用する . 車両の構造上の特徴は次のようなものである . ◎ 側面電光式行先表示・列車名称用窓の採用 . ◎ 振子装置付の台車 DT4'2 ・ TR224 を装備 . ( 最大傾 斜角度 5 。 ) 1965 年 10 月からは東北線用として , 50 日 z 交流区間走 ◎ 車体は重心を下げるためアルミ軽合金製で軽量化 . 行用として 483 系が登場した . モハ (M') 車の主変圧器 ◎ 冷房装置も重心低下のため床下装備 . が異なるほかは 481 系と変わらない . そして付随車は 481 ◎ 振子作用による車両限界への抵触防止のため , 上部 と共用することとなった . この時から交直流特急車には の車体幅が 2600 ミリとなっており , 丸みが強まって シンポルの " 赤ひげ " がつけられ , 前年登場した 481 系 も同様の措置がとられた . ( 最近九州の 481 系の赤ヒゲ いる . ◎ 振子車のためアンチローリング装置が車体下部に設 は廃止されているものもある . ) その後 , 1968 年には 50 ・ 6()Hz 両用の 485 系 ( 付随車は 置のため , ジャンパ栓も妻面の凹部に設けられた . 481 系 ) に変更されることとなった . 以後 , 今日にいた ◎ 日よけはベネシアンプラインドを全車に採用 . この るまで増備が続けられているが , この結果 , いくつかの ため , グリーン車は , 急行サロのように二連窓とな 新しいタイプが登場している . これらについて述べるこ った . 〔 481 ・ 483 ・ 485 系 ととする . 交流区間の伸長にともなって , 交直流電車の需要が高く < 485200 系 > 1972 年 10 月から登場したスタイル . ◎クハの前面は貫通形のショートノーズ形となる . なり , やがて直流区間の 151 系 ( のち 181 系 ) の " こだ ◎クーラーの形式が変更となり , モハ 484 (M') は集 ま " 形の交直流版特急車が各方面から希望されるように なった . このような背景のもとに , 1964 年 12 月から登場 中形 (AU71A), その他は AU13EX5 台となっ した 60Hz 用交直流特急車が 481 系である . 当時の特急 た . このため , モハ 484 の床置クーラーが不必要と のシンポルであるポンネット形を採用 , 車内設備もほば なり乗客定員が 8 名増加した . ( モハ 484200 台 ) 151 系 ( 181 系 ) に準じている . このようななかで 481 系 0 42
写 : B. Bonnct 2 等車の ll 客室内 各車の定員は表に示すとおりですが , Be 形で旧形の 2 階 式客室にくらべて 2 ( ) % の増 , 1 ケ列亜では 8 両編成 ( Bxe 十 Be><4 十 ABcX'2 十 BDe) で定員は 2600 人となって , 普通客車の列車よりも 42 % の増となり , 輸送力増強に大 いに役立っことになります . ( 岩沙 : フランス国以の旅客車の席定員の算出方は , ー等車の場 , 生面積当たり 4 名 , 2 等車の場合 , 床面積当たり 5 名で算定して 広幅の東降デッキと上客室への階段 日本の立定員より約 2 儕多くなる . 日本国鉄ではク・リーン車は立 普通車では近距形・一般形 ( 気動車 ) についてはたて形腰 定員ゼ当 用です . 掛のル席数に一 ~ 2 名を加えたもの , 東降口付近については一カ可につき約 この 2 階式客車はパリ近郊の輸送改善の一環として , 4 名とし , 床面積当たりでは lm2 当たりおおむね 3 名位となる・ ) 1978 年までに 500 両の製作が見込まれており , 順次パリ 暖房送風は車内温度と外気温に応じて自動調節され , ( サン・ラザール ) ーポントアーズ , パリ ( ノール ) ーシ 装置は Bxe 車に集中化され交流 3 相 , 5 ( Ⅱレ , 38 ( ) V で駆 ャンタリー間などの通勤列車に運用されることとなるで 動されます . 直流機関車から供給される直流 1500V 電源 でもできるようサイリスタコンバータが搭載されていま しよう . なお , ベルギー国鉄もこの新しい客車に関心を寄せ , 1976 年 1 月 16 日から 1 カ月Ⅲ」 , フランス国鉄から 1 編成 台車は Y 3 ( ) P 形と呼はれるもので , 軸箱と台車枠の聞 を借受けて , プリッセルを中心とした通勤列車で試験 にはゴムはねを , 台車枠と車体の間には空気はねか使わ 的に連用をしたようです . れています . 空気はねは荷重の変化に関係なく , 車体の 今日もパリの 6 大ターミナルの一つ , サン・ラザール 高さを一定に保つことかできるので特に採用されたわけ 駅のホームに立ては , オレンジとホワイトグレーを黒の です . プレーキは踏面プレーキとディスクプレーキの併 ストライプでひきしめた 2 階 式列車が同じ色に塗られた交 2 階式客車の主要諸元 流機 B B ー 17 ( ) 0 ( ) 形にブッシュ されて発車していく姿が見ら れます . せひ一度 , 貴方も試乗して みてはいかがですか . ケ ! ・ ! : B. Bonnet 旧形車 Bxe BDe Be A B e B e ( 制御 2 等客車 ) ( 荷物室付客車 ) ( 2 等客車 ) い , 2 等合造客車 ) ( 2 等客車 ) 23 .265 24 ′ 780 24 .280 24 .280 2 ′ 967 2.846 2 ′ 846 2 ′ 846 4 ′ 304 4 第 320 4 ′ 320 4 を 320 47 . 5 40 . 5 60 56 78 86 58 に 8 5 246 283 年数 室室数数員数所 客客 / > 両 朝下上席全扉 長幅高数 助席降速造計円 造 ( 全全全重座補座定乗便最変製製 24 ′ 280 2 ′ 846 4 第 320 42 ー等 34 2 等 40 ー等 32 2 等 38 296 G に : 本文は日十留学中の六リ第一大 ・簽イイ : ・部シャン・フランソワシック 氏カ和文原を編集の依頼により私 がリライトしたものであることをお断 り致します・また , Revue G 朝 tl des Che111ins de Fcr および Revue de l','\ssoci•ation Francaisc CICS dCS Chemins de Fer の各誌を参考にいた しました・岩沙克次 ) 巧 5 268 図 0 図 5 257 0 65 円 75 70 図 0 円 33 円 75 ロ 0 円 75 232 円 75 68 85
カルヴォ・ソテロ通りにて 盟日も快晴だった . 比較的涼しい朝のうちにできるだけ した山岳と砂漠地帯の無人に等しい人口の稀薄さを埋め 電車の乗り歩きと写真撮影とをすましてしまおうと , 私 合わせようとして , この町に人が密集しているのではな は朝食をとるとすぐ出かけ , ェスパニャ広場から 11 系統 いか , と思うくらいだ . 歩いている市民はたいてい親し のリヴェラー世公園ゆきに乗りこんだ . みやすい感じである上 , 観光客すれしているのか人をあ 入口の横に , 各種のコインを分類して入れることがで まりジロジロ見ないので , 気楽にフ。ラブラ歩くことがで きた . ただ兵隊と警官の姿が多いのは , あまりいい気持 きるようになっているコインケースと , ポンと押すと切 符が飛び出てくる装置がついた車掌のカウンターがあ ではなかった . る . 運賃はおそろしく安く , 5 ペセタ ( 約 30 円 ) 均一だ ミグエル広場には折り返しループがあって , さ サン・ った . 車内は天井がデコラ張り , 壁が板張り ( 前面 3 つ らに東の方から 1 系統の電車がやってきてここで折り返 してゆく情景を見ることができた . 1 系統と 11 系統の 2 窓の車は壁もデコラ ) で , 床には縦に太い木の棧がはっ つが生き残っているのを見届けたことに , 私は何となく てある . シートは両側 1 列づつの木のべンチで , 背もた れの上端がうしろに 90 度曲げられており , 曲げられた部 安堵を感じて , そこから引き返し , ホテルへもどった . 分に横に長い穴があいていて , う リヴェラー世公園終点で発車を待っ市電 しろの席の客がつかまることがで きるようになっているのがおもし ろかった . 早朝というのにもう混みだして いて , しょっぱなから立たされて しまう . 吊り皮のかわりに天井の すぐ下に 2 本走っているつかみ棒 にぶら下がりながらゆられてゆ く . 窓の上の , 手をちょっと伸ば すとちょうど届くところには紐が はられていて , 次の停留場で降り たいときは , それを引き , 運転台 のベルを鳴らして合図をするよう になっていた . モーターの音が日 本の古い四輪路面電車のように派 手で , とくに急プレーキをかける ときの音がすさまじく , ガウウー と頭蓋骨にひびく . しかし , レー しの物ー 第ー 第ー 78
表 2 特急用電動車パンタクラフ装備車一覧 系 偶数・奇数別 奇数車 ( M ) ( M s ) ー 8 3 系 奇数車 (M) 偶数車 (M') ー 8 9 系 偶数車 (M') 偶数車 (M') 3 8 ー系 485 ( 48 い 483 ) 系 偶数車 (M') 4 8 9 系 偶数車 (M ) 5 田 ( 583 ) 系 偶数車 (M') ◎ EF63 との協調用主制御器 ( CS15G ) を採用した . ◎ 空気バネパンク装置が台車に組み込まれた . ◎ 急勾配区間の非常プレーキのため絞り弁付のものが 採用された . ◎ クハは両端で種類が異なるので , 片渡り方式となっ 〔 581 系 ( 583 系 ) 〕 電車列車は , その快適性・経済性・合理性から年々その 座を不動のものとしてきたが , 夜間は客車寝台列車の独 壇場であった . しかし連用効率の面から , 昼夜兼用の座 席・寝台両用車の開発が始まった . そして 1967 年 10 月に 世界初の寝台電車として登場したのが 60Hz 用の 581 系で あった . そして非常に好評のため翌年の東北線全線電化 時に 50 ・ 60 日 z 両用の 583 系として大量増備された . この 表 3 特急用普通車の座席一覧 期 車両の特徴は次のような点である . ◎ 寝台はモノクラスとし中央通路をは さんで両側に設置する方法となった ( A 寝台開放室と同じ方法 ) ◎ 寝台幅の大幅な拡大 . ( 下段川 6cm , 中・上段 70cm) ◎ 車体断面はその必要性から車両限界 にほほ、そった形状となった . ◎ 将来の分割併合を考え貫通形となっ ( この形態はその後の特急車の プロトタイプになった ) ◎車体各部に FRP を使用し , 軽量化・保守の簡易化 ロ - つ . 583 系ではさらに次のような点に改良が加えられた . ◎ 耐寒耐雪構造とし , 主要機器の凍結防止策を行なっ ◎ 騒音防止のため新たにバッキングが各所にそう入さ れた . ◎ 保守の都合上通風器が片側一列配置となった . 系の最終増備から変更 ) 種別 式 形 モハ l, モロー引 モハ田 3 モハ 2 田田 ~ モハ田 8 モハ 380 モハ 484 ( 480 , 482 ) モハ 488 モハネ 580 ( 582 ) 直 流 田引 000 系 交直流 ( 581 < 参考資料 > ( 「 ) 茂原信彦 ”国鉄電車ガイドブック・直流・交流各篇” 誠文堂新光社 い 976 ) ( ) 鉄道ファン・電車各誌 ( 交友社 ) 簡易リクライニング座席 改 良 形 座 席 ~ 田 9 座 席 初 ク モハ田 0 モ / 田 ク / 、田 0 ( 右を除くすべて ) ー 8 3 系 ー 8 9 系 系 3 8 ー 系 4 8 ー 系 4 8 3 4 8 5 系 絽引 000 系 全車装備 ク ハ 4 田 ク ハ 4 引 モハ 480 モ / 、 4 引 モハ 482 モハ 483 モハ 484 モハ 485 サハ 4 引 ク ハ 489 ク / 、 4 田 モ / 、 480 モハ 4 引 9 ~ 40 , ー田 ~ に 6 , 2 田 ~ 263 に ~ 26 に ~ 26 モハ 485 サハ 4 6 田 , 602 ~ 96 , 2 田 ~ 308 , ~ 206 田 ~ モハ 484 309 ~ 田 ~ 207 ~ 603 ~ 丐田 ~ 田 ~ ク ハ 48 9 7 田 ~ 704 3 田 ~ 304 , ~ 5 , 2 田 ~ 205 5 田 ~ 505 , 6 田 ~ 605 2 田 ~ 幻 5 ~ 30 系 4 8 9 幻 6 ~ 227 引 ~ 42 モハ 488 モ ハ 489 サハ 489 5 ~ 8 , 2 田 ~ 204 , 2 引 , 252 モハ 488 モ / 、 489 サノ、 489